スクリーンリーダー用ショートカット

 

詩人の紹介「朔太郎の作品」

最終更新日:2011年9月30日(金)ページID:003272印刷する

詩人の紹介「朔太郎の作品」について掲載しています。

敷島公園詩碑

帰郷

昭和四年の冬、妻と離別し二児を抱へて故郷に帰る
わが故郷に帰れる日
汽車は烈風の中を突き行けり。
ひとり車窓に目醒むれば
汽笛は闇に吠え叫び
火焔(ほのほ)は平野を明るくせり。
まだ上州の山は見えずや。
夜汽車の仄暗き車燈の影に
母なき子供等は眠り泣き
ひそかに皆わが憂愁を探(さぐ)れるなり。
鳴呼また都を逃れ来て
何所(いづこ)の家郷に行かむとするぞ。
過去は寂寥の谷に連なり
未来は絶望の岸に向へり。
砂礫(されき)のごとき人生かな!
われ既に勇気おとろへ
暗憺として長(とこし)なへに生きるに倦みたり。
いかんぞ故郷に独り帰り
さびしくまた利根川の岸に立たんや。
汽車は曠野を走り行き
自然の荒寥たる意志の彼岸に
人の憤怒(いきどほり)を烈しくせり。

「氷島」(1934年刊)より
1955年5月13回忌に設置
1983年9月現在地へ移転

詩篇小解
帰郷昭和四年。妻は二児を残して家を去り、杳(よう)として行方を知らず。我れ独り後に残り、蹌踉(そうろう)として父の居る上州の故郷に帰る。上野発七時十分、小山行高崎廻り。夜汽車の暗爾(あんじ)たる車燈の影に、長女は疲れて眠り、次女は醒めて夢に歔欷(きよき)す。声最も悲しく、わが心すべて断腸せり。既にして家に帰れば、父の病とみに重く、万景悉く蕭条たり。

大渡橋碑

大渡橋

大渡橋(おほわたりばし)は前橋の北部、利根川の上流に架したり。鉄橋にして長さ半哩にもわたるべし。前橋より橋を渡りて、群馬郡のさびしき村落に出づ。目をやればその尽くる果を知らず。冬の日空に輝やきて、無限にかなしき橋なり。

「純情小曲集」(1925年刊)「郷土望景詩の後に」より
1983年2月大渡橋改築を記念して設置

お問い合わせ先

文化国際課 

  • 電話:027-898-6522
  • ファクス:027-224-1188

〒371-8601 群馬県前橋市大手町二丁目12番1号(地図・開庁時間等)

ページアンケート

ウェブサイトの品質向上のため、このページのご感想をお聞かせください。

より良いホームページにするために、ご意見をお聞かせください。なお、返信が必要な場合は、各ページ記載の「お問い合わせ先」欄にある電話・ファクス・Eメールに問い合わせてください。
(このページアンケート(コメントを書く)からのご意見やお問い合わせなどには返信できませんので、ご了承ください。)

コメントを書く(新しいウインドウで開きます)