子どもと一緒に楽しみたい絵本

親子で絵本を楽しんでもらいたいという願いから、前橋市立図書館の職員が選んだ絵本のリストです。

0歳から3歳くらいを対象に選んでいますが、年齢にはあまりこだわらなくてよいでしょう。この他にもすばらしい絵本がたくさんありますが、一つの目安としてこのリストをご覧いただければ幸いです。

子どもと一緒に楽しみたい絵本リスト
書名 作者 出版社 おすすめポイント
いないいないばあ
(松谷みよ子あかちゃんの本)
松谷 みよ子/文  童心社 簡潔な絵と文が絶妙。 ねこ、くま、ねずみ、きつねなどの動物たちが「いないいないばあ」をする表情がとてもかわいいです。ページをゆっくりめくると、思わず本の中の動物といっしょになって「ばあっ」。お母さんと赤ちゃんが笑顔で向き合える本です。身振り手振りをしながら、小さな子どもも「笑顔」の楽しさを十分味わえます。松谷みよ子の赤ちゃん向けの絵本シリーズはどれも楽しく読めるでしょう。
いいおかお
(松谷みよ子あかちゃんの本)
松谷 みよ子/文  童心社 ふうちゃんがいいお顔をしていました。そこへ猫が来ました。猫もまねていいお顔。次に犬も、象もいいお顔。そこへお母さんが来て「いいお顔ね」と言ってビスケットをくれました。動物が一匹ずつ増えていって楽しいです。小さくても笑顔の楽しさを味わえる本。登場する子どもと動物の笑顔にほっとします。
おふろでちゃぷちゃぷ
(松谷みよ子あかちゃんの本)
松谷 みよ子/文  童心社 「あひるさんどこ行くの」。「タオル持った、石けん持った、早く早く」。セーターを脱いで、ズボン脱いで、シャツ脱いで、パンツ脱いで、お風呂へ。仲良しのあひるに誘われるままにお風呂へと進んでいきます。赤ちゃんが初めて出会う絵本としてぴったりの内容で、淡い色調の絵と文章が一体化しています。お風呂への興味を抱かせるのにはもってこいの絵本です。
はらぺこあおむし エリック=カール/さく  偕成社 まず、そのあざやかな色彩で、子どもたちも興味を持つようです。小さな卵から生まれた「はらぺこあおむし」が、むしゃむしゃとはっぱを食べていく。食べたあとには穴があいています。実際に絵本にも穴が・・・。あおむしくんは、最後に大きな美しい蝶に変身。単純なストーリーだけに、エリック・カールの独特な色彩の美しさが印象深い絵本です。
ぐりとぐら シリーズ 中川 李枝子/さく  福音館書店 のねずみの「ぐり」と「ぐら」が主人公の楽しいシリーズ。今も昔も多くの人に好まれている人気絵本のひとつです。「ぐり」と「ぐら」のちょっとした冒険は子どもをどきどきさせるのに十分。かわいらしい森の動物、うみぼうず、サンタさん、それに「おいしいもの」と子どもの大好きな仲間たちが登場し、またその文章は不思議なリズムにあふれ、声に出して読むのにも最適。のんびりしたやさしさが素敵です。
ノンタンにんにんにこにこ
(赤ちゃん版ノンタンシリーズ) 

キヨノ サチコ/作・絵  
偕成社 ロングセラーで今も人気の高い絵本シリーズの赤ちゃん版。子猫のノンタンとその仲間たちを中心に、子どもの身近に起こりそうなことが描かれています。生活習慣やしつけの要素も盛り込まれています。繰り返される言葉のリズム、小さい子の手に合うサイズなど、赤ちゃんから楽しめるよう工夫されています。絵もとてもかわいらしく、まだ字の読めない小さな子どもでも楽しめます。
ねずみくんのチョッキ
(ねずみくんの絵本シリーズ) 
なかえ よしを/作  ポプラ社 お母さんに編んでもらった赤いチョッキを着て満足げなねずみくん。そこへあひる、猿、あしか、ライオン、馬、そしてなんと象までが次々とやって来て、チョッキを借りて着てしまいます。チョッキはひものようにのびきってしまいました。ねずみくんはチョッキを引きずるようにして立ち去ります。気のいいねずみくんの様子は、おかしさと同時に複雑な気持ちにさせます。でも、最後の意外な結末にホッ・・・。短い文章と単純明快に描かれた動物、しぶい色づかいのなかの赤いチョッキが印象的です。
ちいさなうさこちゃん ディック・ブルーナ/ぶん え  福音館書店  ディック・ブルーナの独特なシンプルな形と色は、とてもはっきりしていて新鮮。子どもたちが何度見ても飽きない絵本です。『ちいさなうさこちゃん』は、うさこちゃんが生まれるまでのお話。お子さんに置き換えて読んであげると、じぶんがどのように生まれ、みんなが祝福してくれたのかが、伝わるかもしれません。
しろくまちゃんのほっとけーき
(こぐまちゃんえほんシリーズ)
わかやま けん/[絵] こぐま社 しろくまちゃんがおかあさんと一緒にホットケーキを作っています。読んでいるうちに自分が作っているような気分になってしまいます。ホットケーキが出来る過程やフライパンの音なども興味深く、読み終わった後に「おいしいホットケーキを作ろうね」という親子の会話が聞けそうです。絵本のページをめくる楽しさが伝わる一冊です。
だるまちゃんとてんぐちゃん 加古 里子/さく え  福音館書店 だるまちゃんシリーズのなかでも定着した人気を誇る一冊。だるまちゃんとてんぐちゃんが仲良く遊んでいると、だるまちゃんはてんぐちゃんのうちわが欲しくなりました。次にてんぐの鼻が欲しくなりました。鼻にトンボや蝶が止まるからです。お餅で作った代用品の鼻には雀が止まりました・・・。子どもたちの興味や関心を引きつけるのにはうってつけの本です。
おおきなかぶ A.トルストイ/再話  福音館書店 「うんとこしょ」「どっこいしょ」のかけ声が楽しい定番の一冊。なかなか抜けないかぶをいぬやねこまで総出でひっぱる楽しさ。登場する人物たちといっしょになって「うんとこしょ!、どっこいしょ!」とかぶをひっぱりましょう。「やったーぬけたあ」と親子で達成感が味わえ、大満足。彫刻家としても有名な佐藤忠良の絵は、キャラクター絵本にはない美しさです。
わたしのワンピース にしまき かやこ/えとぶん   こぐま社 空から降ってきた真っ白なきれでワンピースを作りました。ワンピースが花模様になったり、水玉模様になったり、草の実模様になったりします。小鳥の模様、虹の模様、星の模様にと変身していきます。そのたびに「私に似合うかしら」という言葉が繰り返されます。次はどう変わっていくのか胸がワクワクしてきます。うさぎさんがとてもかわいいです。お話はまだまだ続くような余韻を残して終わります。
14ひきのひっこし
いわむら かずお/作  
童心社   14ひきの大家族のねずみたちの暮らしを自然味豊かに描いている作品。森の四季と、どこか懐かしい日本の昔の暮らしが描かれているのは、作者の体験がにじんでいるからでしょうか。家族の温もりと自然のやさしさの感覚があふれる作品です。

どろんこハリー


ジーン・ジオン/ぶん  

福音館書店  
黒いぶちのある白い犬「ハリー」。お風呂が大嫌いなハリーは、家を抜け出して、あちこち遊び回ってどろだらけ。とうとうハリーは白いぶちのある黒い犬に!家に帰ってきたハリーは、お家の人から、ハリーだと気づいてもらえません。さあて大変・・・、ハリーはどうなるのでしょう。でも安心、最後はハッピーエンドでほっとします。どろんこになって遊ぶこと、お風呂がきらいなことなど、ハリーは子どもそのものです。ちょっと冒険したいのも子どもと同じ。絵がそのまま「ものがたり」になっています。
にんじんさんがあかいわけ
(あかちゃんのむかしむかし)

松谷 みよ子/ぶん  

童心社  
「むかしむかし」で始まるこの絵本は、どこかで聞いたことがあるような懐かしさにあふれています。だいこんさん、にんじんさん、ごぼうさんが一緒にお風呂に入ります。あちちとごぼうさんが飛び出してしまい黒いまま、にんじんさんはじっと我慢して入っていたので真っ赤、だいこんさんは良く洗ったので真っ白です。野菜への親近感が自然とわいてくるユーモラスなお話です。
はじめてのおつかい 筒井 頼子/さく   福音館書店 「みいちゃん」はいつつ。おかあさんはあかちゃんのお世話でたいへん。ある日おかあさんが言いました。「あかちゃんのぎゅうにゅう買ってきて。ひとりでいってこられる?」「うん。みいちゃん、もういつつだもん」とみいちゃんは、100円玉を2個握りしめ、初めてのおつかいにでかけていきますが・・・。みいちゃんの初めてのおつかいに、思わず声援を送りたくなります。やりとげた達成感も親子でいっしょに感じられる、そんな楽しい絵本です。
きゅうりさんととまとさんとたまごさん 松谷 みよ子/ぶん  童心社   松谷みよ子の「赤ちゃんシリーズ」は根強い人気があります。「赤ちゃんのおいしい本」、「あかちゃんのむかしむかし」、「赤ちゃんの本」など、たくさんの本がありますが、いずれもやさしさと思いやりにあふれています。『きゅうりさんととまとさんとたまごさん』では、新鮮な野菜やタマゴが生き生きと動き回り、語りかけてくるようです。やさしい色使いが一層親しみやすさを増しているようです。
もけらもけら 山下 洋輔/ぶん  福音館書店 ジャズ・ピアニストとモダン・アーティストのコンビによる、不思議な絵本です。出てくる文章は意味不明?ですが、軽快なことばでどんどん読み進んでしまいます。ページをめくるたび、丸や三角、四角が次から次へと変化していきます。視覚と音楽を融合させた新しいタイプの絵本です。

この記事に関する
お問い合わせ先

更新日:2021年10月05日