令和3年3月26日 前橋市長 山本 龍 様 前橋市水道事業及び公共下水道事業運営審議会 会長 平川 隆一 水道料金の改定について(答申)  令和2年10月2日付け諮問第4号で諮問のありました水道料金の改定について、当審議会の意見をまとめましたので下記のとおり答申いたします。  なお、留意されるべき事項を附帯意見として申し添えます。                     記 1 料金改定  本市水道事業は、平成11年に料金改定を実施し、これまで職員や企業債残高の削減などの経費削減等により現行料金を維持してきた。しかし、給水人口の減少等により水道料金収入が減少する一方、老朽化が進む管路や施設を計画的に更新する必要があり、将来にわたって安定した経営を継続するためには、水道料金の値上げが必要である。 2 料金改定率  財政計画期間(令和4年度から令和7年度)の水道事業の収支見通しを勘案し、また、財政計画期間の期末(令和7年度末)の翌年度繰越財源が災害時等を想定し維持管理経費3カ月分程度を確保できるよう、料金改定率は、平均23%程度とすることが望ましい。ただし、社会情勢や財政状況を考慮し、状況に応じて、可能な限り改定率を低く抑えること。 3 料金体系 (1)体系の見直し  前回料金改定をおこなった平成11年から20年以上が経過しており、水道水の使用状況は、少量使用者が増加し、大口使用者の使用水量が減少するなど、大きく変化をしている。負担の公平性や安定した経営を考えると、現在の料金体系は見直しが必要である。  また、今後、水需要の減少が予想される状況において、安定した基本料金収入の確保が必要なため、基本料金収入の割合を現行より増加させることが適当である。 (2)基本料金  基本料金については、各口径の維持管理費や水道水の使用水量に応じて、適正な口径別単価を設定することが適当である。ただし、過度な負担増加に考慮して設定すること。 (3)従量料金  従量料金については、動力料など水道水に均一にかかる費用を賄うため、水使用量にかかわらず均一の単価であることが望ましいことから、逓増度(従量料金単価の差)を現行より低く抑えることが適当である。ただし、各使用者の負担に考慮し設定すること。 (4)基本水量  基本水量については、水道普及に伴い、公衆衛生上の観点から水需要を促すという当初の役割を概ね終えていることから、基本水量を廃止することが適当である。ただし、家庭用の少量使用者への負担を考慮し、当面、小口径では存続すること。 (5)逓減制  逓減制(一定の使用水量を超えると従量料金の単価が安くなる制度)については、大口使用者に配慮し、水道水から地下水利用への転換を抑制する観点から継続することが適当である。ただし、使用者の実態に応じた水量区分の見直しを実施すること。 4 料金改定日  現状の料金体系では令和4年度末に赤字となる試算のため、料金改定日は令和4年4月1日が適当である。 5 附帯意見 (1)基本水量については、今後も廃止の検討を継続すること。 (2)水道料金については、財政計画期間(4年)ごとに経営状況などを勘案して見直しを実施すること。ただし、財政計画期間内においても、必要に応じて見直しを実施すること。 (3)料金改定については、市民生活に与える影響について十分考慮し、段階的な引き上げ等の検討に努めること。 (4)これまでの経営努力は評価できるが、新たな収入確保策や支出削減、企業債借入額の抑制など、引き続き経営合理化に努めること。 (5)前回改定から20年以上が経過していることもあり、水道水使用者に改定の必要性や改定内容を十分に周知徹底するよう努めること。 (6)水道使用者に向けた積極的な情報発信、広報の充実や多種の対応力を高めることなどにより、市民が安心して水道を利用できるよう、サービスの向上に努めること。  以上 前橋市水道事業及び公共下水道事業運営審議会 会長 平川 隆一 副会長 中島 克人 委員 紺 正行 齊藤 克幸 田中 三千江 丹澤 寛之 寺澤 竜也 樋口 伸江 吉田 和良 吉田 重子 (委員については五十音順)