よくある食品の苦情・相談事例
前橋市保健所に寄せられた主な食品の苦情・相談事例です。
1.メロンの苦味

食品名
メロン
届出理由
頂いたメロンを食べたところ苦く食べたことのない味がした
調査結果等
メロンは熟し過ぎると、酢酸エチルやエタノールなどの揮発性物質が産生されます。そのほかにもアセトアルデヒドや炭酸ガスなども産生されるといわれ、これらが口の中を刺激するものと考えられます。
また、メロンにはウリ科に特有な苦味成分であるククルビタシンが含まれており、苦味の原因の一つであると推定されます。
参考文献等
横浜市衛生研究所 よくある苦情事例集「メロン」(新しいウィンドウで開きます)
2.梅干が腐っていた
食品名
梅干し
届出理由
梅干を買って、食べようと思ったら白く変色し、腐っていた
調査結果等
梅干は開封後、常温で保存されていました。梅干であっても塩分濃度が低く、温度や水分等の条件が揃えばカビや酵母菌は増殖します。梅干なら日持ちがするという考えは改め、開封後は冷蔵庫で保存する必要があります。また、容器から取り出すときは清潔な箸等を使用しましょう。
参考文献等
東京都健康安全センターQ&A「漬物類 梅干し」
3.砂糖の賞味期限について
食品名
砂糖
届出理由
供物でいただいたが、期限表示がなかった
調査結果等
砂糖は長期保存しても品質の変化が極めて少ないため、JAS法で賞味期限を表示する必要のない食品に定められています。しかし、保管状態により原材料由来の微量アミノ酸と砂糖が反応して(メイラード反応)黄ばんだり、虫が混入してしまうことがありますので早めに使用することをお勧めします。
4.甘食のアンモニア臭
食品名
甘食
届出理由
食べようとしたところ、アンモニア臭がした
調査結果等
外見上異常はなく、製造者に問い合わせたところ、該当品には炭酸アンモニウムを含む膨脹剤が使われていました。生地に使用した炭酸アンモニウムは焼成によって、アンモニアが発生しますが十分に放冷することで製品から揮散されます。しかし、該当品の製造時に忙しく放冷を十分行わなかったためアンモニアが製品に残留したものと思われます。十分に放冷してから、包装するように従業員に徹底するように製造者に指導しました。
5.中身が青い大根

食品名
大根
届出理由
大根を切ったら中身が青黒かったが、食べられるのか
調査結果等
当該品は中心部分が青黒くなっています。この「大根の青変」は生理障害です。このような生理障害は土壌中栄養素の過不足や各種の環境ストレスによって引き起こされるとされ、病害虫や薬剤によるものではありません。食べても食品としての安全性にはほとんど問題はないと考えられます。
6.味噌の中の異物

食品名
味噌
届出理由
手作り味噌で味噌汁を作ったところ、中から小さい白い帯状のものが出てきた
調査結果等
米と大豆を原料とした味噌で、異物を顕微鏡で観察したところ、米や大豆等の繊維のようなものが確認できました。よって、白い帯状のものは原材料由来のもので、異物ではないと考えられます。
7.サトイモの皮むき
食品名
サトイモ
届出理由
サトイモの皮むきに塩酸と苛性ソーダを使っているがこれは安全なのか
調査結果等
苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)及び塩酸は食品製造用の食品添加物として使用が認められています。食品添加物の使用基準では、最終食品の完成前に除去または中和することになっています。水酸化ナトリウムの除去は塩酸等による中和や多量の流水で可能です。除去されたかどうかはペーハー試験紙で確認(ペーハー2から7)できます。
8.まんじゅうのカビ

食品名
まんじゅう
届出理由
袋を開けて食べようとしたらまんじゅうがカビていた
調査結果等
該当品の製菓会社より製造工程でまんじゅうを充填する際、包装フィルムにピンホール(包装フィルムに微細な穴があいた状態)が発生し、品質保持剤(脱酸素剤)の効果が得られず、カビが発生したとの報告がありました。調べると、結着時の外装フィルムのシール温度が異常に高かったことがわかりました。製造者には包装機の調製・点検をより細かく実施し、シール不良改善に努め、製品管理を徹底するよう指導しました。
9.いなりずしの異臭
食品名
いなりずし
届出理由
購入したいなり寿司にシンナー臭がするとのクレームがあった
調査結果等
原料のいなりあげ製造会社より、製造工程でいなりあげを充填した際にピンホール(包装フィルムに微細な穴があいた状態)が発生したとの報告がありました。その結果、乳酸菌及び真菌類に汚染されたいなりあげを寿司に加工した後、真菌類が増殖し、シンナー臭(酢酸エチル臭)が発生したことが原因でした。
10.台湾菓子の期限表示について

食品名
中華菓子
届出理由
台湾旅行のお土産でもらった菓子を食べたら、少しお腹が痛くなり、期限表示をみたら「98.11.11」と表示してあった。菓子が11年も持つものなのか。
調査結果等
調査したところ、菓子の表示について「98.11.11」という表示は製造年月日であることがわかりました。「98」は西暦ではなく、辛亥革命(1911年)からの年数を意味する台湾独特の表記でした。これを西暦にすると「2009.11.11」製造という表記になります。台湾菓子の賞味期限の表示は、外包装貼付や箱内同封の場合が多いようです。当該品も含め、中華菓子は油を大量に使用するものが多く、慣れない日本人が食べると軽い腹痛や下痢を起こすことがあるそうです。
この記事に関する
お問い合わせ先
健康部 衛生検査課 食品衛生係
電話:027-220-5778 ファクス:027-223-8835
群馬県前橋市朝日町三丁目36番17号
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更新日:2019年02月01日