定例記者会見概要版(令和2年11月30日開催)

令和2年11月30日に開催された定例記者会見の要旨です。

日時

令和2年11月30日(月曜日)午後2時~2時55分

会場

市役所 11階南会議室

動画配信(前橋市公式ユーチューブ)

1 案件説明

冒頭

(1)リノベーションにおける建築基準法手続きにおいて新様式の試行を開始します

建築指導課副参事

年々、既存建築物のリノベーションなど、過去に建築された建築物を活用したいというニーズが高まっています。リノベーションとは、空き事務所や住宅などを、店舗やホテルといった不特定多数の人が利用できる用途の建物にリニューアルすることを言います。

リノベーションする際は、建築時点の建築基準法令に適していることを確かめる必要があります。しかし、既存不適格建築物なのか、そもそも不適合建築物であるかの判断が難しく、リノベーションを実現できない場合がありました。そこで、それらの判断を容易にするための項目と様式を、今回新たに策定しました。

建築基準法では、工事が完了すると、建築主は建築主事か指定確認検査機関による完了検査を受け、検査済証の交付を受ける必要があります。これは、工事が完了した時点での建築基準法に適しているかどうかを証明するものです。しかし、この検査済証の交付を受けていない建築物については、現時点の建築基準法への適合・不適合を判断することが困難という現状です。

今回策定した様式は、建築物が違反でないことを証明するための「既存不適格調書」と、建築基準法令への適合状況等を建築士が確認するための「現況調査チェックリスト」の2つです。令和2年12月1月から、概ね1年をかけて施行期間とします。また、この様式は、一般社団法人群馬県建築士事務所協会中央支部、一般社団法人群馬建築士会前橋支部、一般社団法人群馬県建設業協会前橋支部、一般社団法人群馬県建築構造設計事務所協会の4団体と共同で策定しました。市民の方がリノベーションを計画する際は、このいずれかの団体に相談してください。

(2)建築確認申請に伴う完了検査合格率と事業者名の公表を開始します

建築指導課副参事

建築基準法において、建築工事が完了すると、建築主は建築主事又は指定確認検査機関による完了検査を受け、検査済証の交付を受ける必要があります。しかし、検査済証の交付を受けていない建築物が存在しているのが現状です。また、この検査済証の交付を受けていない建築物は、原則、増築やリノベーションを行えないため、売却する際も敬遠される傾向があります。

そこで、完了検査の合格率の向上を図り、住宅等を新築する際などに市民が安心して業者を選択できるよう、建築確認申請に伴う完了検査合格率と事業者名の公表を開始します。

公表する内容は、令和元年度に検査済証が交付された割合と、3件以上の完了検査を行い、完了検査の合格率が100%である事業者名です。ただし、完了検査の合格率は、特定行政庁である前橋市の建築主事が確認済証を交付したものに限ります。

適法な建築物の供給を行っている事業者の業務意欲を喚起し、より安全安心な市街地形成に取り組むことが目的です。適正な取り組みを行っている事業者を公開することで、市民自らが適切に設計事務所等の選択をすることが可能となります。公表は、12月1日から前橋市ホームページ上で行います。

(3)水道料金等の納入にスマートフォン決済アプリを新たに導入します

経営企画課係長

本市における水道料金及び下水道使用料の納入方法は、口座振替・クレジット納付・納入通知書による支払いの3通りがあります。今回、納入通知書による支払い方法に、新たにスマートフォン決済アプリを導入します。

場所や時間にとらわれることのない水道料金・下水道使用料の納入機会を確保し、コロナ禍の時代に第三者と接触することなく水道料金・下水道使用料を納入できる環境を提供します。

サービス開始日は12月16日(水曜日)からです。利用できるアプリは、au Pay、LINE Pay、PayPayの3種類です。この日以降、スマートフォン決済アプリに対応した新しい納入通知書を発送します。新しい納入通知書から、スマートフォン決済アプリでの納入ができるようになります。納入通知書に印字されたバーコードを各アプリで読み込むことで、各アプリにチャージされた残額から、水道料金・下水道使用料を納入できます。スマートフォン決済アプリで納入すると、領収証書が発行されませんので、必要な場合は、金融機関、水道局窓口又はコンビニエンスストアで納入してください。

(4)令和3年度から「広報まえばし」は毎月1回の発行に変わります

市政発信課長補佐

「広報まえばし」が、令和3年4月から月1回の発行となります。従前より、広報紙を月1回発行とした場合の適切な情報発信について検討を行ってきたところですが、月1回発行とした場合でも、デジタル媒体等の各種情報媒体の活用や、市の事業計画の早期決定による適切な情報掲載などに努めることにより、引き続き、適切に情報発信できることを確認しました。このため、令和3年4月1日号から、毎月1回発行に変更します。

現在、冊子は平均24ページですが、月1回化後は、平均36ページを基本とします。また、現行の広報には目次がありませんが、ページが増える都合上、目次を付けたり、デザインやレイアウトを見直して、わかりやすい広報紙を目指します。紙面づくりも、紙媒体から情報を得る割合の高い高齢者向けの記事はより詳しく、若者や子育て世代向けの記事は簡潔に記載の上、二次元コードで本市ホームページに誘導するなど、ターゲットに応じた紙面構成を工夫します。

(5)その他

市長

残念ながら、令和3年の初市まつりを縮小して開催することとなりました。開催時間は10時から17時までで、お焚き上げは行いますが、一般観覧は行いません。会場は前橋八幡宮と、八幡宮前の南北の道路のみです。

2 質疑応答

リノベーションにおける建築基準法手続きにおいて新様式の試行を開始します

記者

既存不適格建築物と不適合建築物について教えてください。既存不適格建築物は、建築時点の建築基準法に適した建築物であって、法改正などで現行法に対して不適格な部分が生じた建築物のこととありますが、不適格な部分があるというのは、建築基準法に違反しているということでしょうか。

建築指導課副参事

違反しているということではありません。法律自体が変わったことによって、建築基準法と不整合な部分があるということで、そのまま建築物を使用することができます。不適合建築物の場合は、一部違反している状態です。

記者

既存不適格建築物は、リノベーションに活用できるものなのですか。

建築指導課副参事

できます。既存不適格建築物は、当時の建築基準法に合致しているものですので、リノベーションすることが可能です。不適合建築物は、違反している箇所を現在の建築基準法に照らして、合致させることができれば、リノベーションできる可能性もあります。

記者

リノベーションできる・できないという判断は、検査済証の交付を受けるとわかるものですか。

建築指導課副参事

検査済証の交付がされているということは、現在の建築基準法に合致しているということです。

記者

検査済証の交付を申請するのは建築主ですか。どこに申請するのでしょうか。

建築指導課副参事

建築主が申請します。申請先は、特定行政庁である前橋市か、民間の指定確認検査機関です。

記者

今回の新様式を策定する前は、どういった様式を使用していましたか。

建築指導課副参事

これまでは、国が策定したガイドラインに基づき、指定確認検査機関が行う法適合調査というものがありました。それを受けることで、リノベーションできる状態となります。この調査は、現在も受けることができます。建築主が、指定確認検査機関に調査を依頼する方法です。また、建築基準法第12条第5項に係る報告というものがあり、これに基づいた調査を行った場合も、リノベーションできる場合があります。

記者

今回の新様式を策定したことで、調査が容易になるということでしょうか。

建築指導課副参事

これまでは、国が明確に定めた調査項目等はありませんでした。そこで、前橋市では必須項目を定め、それに基づいて調査を行い、申請すれば、リノベーションしやすくなるということです。

記者

「既存不適格調書」と「現況調査チェックリスト」について、詳細を教えてください。

建築指導課副参事

「既存不適格調書」と「現況調査チェックリスト」は一対になっています。既存不適格調書は、建築主と建築士が連名で提出するものです。現況調査チェックリストは、建築士が現場に調査に入る際に持っていくものです。調査項目を網羅しており、確認事項が明確なので、それに沿って調査を行います。

記者

これまでの問題点は何でしたか。

建築指導課副参事

建築士が何を調べたらいいかわからないという問い合わせが多数ありました。

記者

当時の設計図等が残っていなくてもいいのでしょうか。

建築指導課副参事

すべての建築物において、当時の設計図が残っているわけではありませんので、建築士は、現時点での建築物を調査することになります。

記者

試行期間が1年ということですが、どういった問題点を明らかにする予定ですか。また、今後の展開も教えてください。

建築指導課副参事

1年間の試行期間に、実際にこれらの様式に基づいた調査を行うことで、現場で出てくる声を集約したいと考えています。この試行期間で問題点等も集約した結果、完成したものを前橋市の書式として市ホームページに掲載するなどして、前橋市以外の方にも使っていただきたいという希望はあります。

記者

リノベーションに関して、独自の取り組みを行っている自治体は県内にありますか。

建築指導課副参事

県内ではあまり聞きませんが、今回の新様式の策定にあたり参考にしたのは、和歌山市です。和歌山市はリノベーションに関する先進地として国からも紹介されています。

建築確認申請に伴う完了検査合格率と事業者名の公表を開始します

記者

公表の対象となる事業者は、市内の事業者でしょうか、市外の事業者も含まれますか。

建築指導課副参事

ここでいう事業者とは、基本的には建築設計事務所です。完了検査を受けるか受けないかは建築主の判断になりますが、工事管理者をつける必要があり、その工事管理者は建築士です。そのため、建築士が所属している建築設計事務所を事業者としました。

前橋市が確認済証を交付した事務所となりますので、対象の建築物は前橋市にありますが、事業者自体は市内・市外に及びます。

記者

事業者名の公表は、他自治体でも取り組んでいますか。

建築指導課副参事

県内ではありません。参考にしたのは八尾市です。八尾市は、ハウスメーカーの完了検査合格率を公表しています。前橋市では、完了検査合格率を発表することで、ハウスメーカーだけでなく建築事務所についても公表しようと考えました。

記者

検査済証の交付を受けていない建築物が存在するということですが、市内の建築物における交付状況を教えてください。

建築指導課副参事

令和元年度(平成31年4月1日から令和2年3月31日まで)に建てられた建築物で検査済証の交付を受けていない割合は、令和2年11月1日現在で7.8%です。

令和3年度から「広報まえばし」は毎月1回の発行に変わります

記者

広報まえばしの配布を行っているのは各自治会ということですが、自治会と業務委託契約を締結していますか、依頼ですか。有料か無料かも教えてください。

市政発信課長補佐

自治会には一括交付金を交付しており、その中で配布を依頼しています。

その他

記者

県で群馬県民会館と県有施設についての見直しを行っていますが、市としての考えを教えてください。

市長

県知事から、県と市で様々なプロジェクトを実現していこうという話があり、合同のプロジェクトチームを立ち上げました。特に、県民会館については県も様々な観点から議論をしていきたいとのことで、第1回の会合を行ったと聞いています。今後、県と市がどのように連携して取り組んでいくのか、調査研究を進めていく予定でいます。

記者

前橋市はスーパーシティとスローシティの両輪でまちづくりを進めていくと聞いています。スーパーシティにマイナンバーカードが必要な理由を改めて教えてください。

市長

なりすましができない、安心で確実な個人認証システムがプラットフォームにあることが重要だと考えており、それが前橋市においては、マイナンバーを活用した個人認証の仕組みであるということです。その個人認証システムを利用して、各企業がアプリケーションを設置し、市民サービスを支援するというものです。民間企業以外に、我々がOCRなどを使って業務改善を行う場合にも、マイナンバーカードを利用することが有効だと考えています。

(以上で終了。)

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更新日:2020年12月04日