定例記者会見概要版(令和3年2月24日開催)

令和3年2月24日に開催された定例記者会見の要旨です。

日時

令和3年2月24日(水曜日)午後2時~2時35分

会場

市役所 11階 北会議室

動画配信(前橋市公式ユーチューブ)

1 案件説明

(1)令和3年度当初予算(案)について

市長

いよいよ、令和3年度に向けた予算ができました。昨年の秋、私たちは、100億円以上の財源不足の中で、どうやって次年度の予算を作っていくのか、大いに悩みました。幸いにして、政府からの緊急支援があることなどから、財源の差を埋めることができました。

どの予算を見ても、我々が直面している新型コロナという感染症に、今後どのように対応していくのかがテーマになっていると考えています。非接触型のものを増やす、あるいは密にならないような環境を提供していく。そして、高齢者が自由に出かけていけるMaaSの整備や新しい景気対策としての決済の仕組みづくり、GIGAスクールの前橋モデルの推進。こうしたものはすべて、コロナパンデミックといった感染症拡大など今後想定される事態に対して、準備を進めることを重視したものです。キャッチフレーズで言えば、「パンデミック・レディ」です。安宅和人さんの言葉をそのままお借りします。これから私たちを襲ってくるであろう危機に対して、準備をするための一歩が、今回の予算の趣旨です。暮らしをおびやかすだけでなく、我々の未来をもおびやかしている事態に対応した予算案を、各部長を中心に組み上げてもらいました。

(2)前橋市新型コロナワクチン接種体制について

市長

私は、政府が当初予定していたスケジュールが遅れていることに対して批判をするつもりはありません。世界中でワクチンの需要が広がっている状況です。その中で最善を尽くし、政府から配給を受けたものを正確に迅速に市民に届けるのが、我々に課せられた使命だと思います。

本市の方針は3つです。市民が最寄りの会場で接種を受けられる体制作り。市医師会、市病院群と連携した体制作り。そして、市が集団接種会場を提供すること。こうした接種体制の構築にしっかり取り組みます。

接種会場については、45拠点において、第1期であるファイザーのワクチンを65歳以上の方々に提供できる体制がすでに整いました。そして、総合福祉会館における集団接種も行います。

医療体制の充実している前橋市だからこそ、県内の多くの周辺自治体から、何か手助けをしてほしいという声が届いています。前橋市、高崎市、伊勢崎市に勤務している人も多いという点で、勤務先で接種ができないかという声もいただいています。可能であれば、医療都市前橋として、周辺自治体と一定の支援・協力体制の構築などが検討できないかと思っています。

(3)その他

市長

アーツ前橋が、4月から6月の3か月間、空調などの工事のために休館いたします。アーツ前橋では、借用作品の紛失事故が発生したことから、本市においてはその調査委員会を設け、調査中です。2月中旬には調査結果が発表される予定でしたが、新型コロナの影響などにより、調査結果がまだ届いていません。今回の休館は空調などの工事を目的としたものですが、紛失事故を受け、総点検も行います。

2 質疑応答

令和3年度当初予算(案)について

記者

予算額が過去最高ということですが、どのように捉えていますか。

市長

数字の帳尻合わせでは全くありません。予算額が最高になったのは、群馬県・高崎市・前橋市が、緊急経済対策として、無利子・無担保の緊急貸出しを行ったわけですが、それに対する預託金である112億円が入っているからです。この金額を外すと、おおよそ昨年度と同じくらいの予算額になっていると思います。そういう意味で、ボリュームが増えたということには意味はありません。高崎市も同じような理由で増えていると思います。実質的な予算額としては、昨年度と同じと認識しています。

記者

市長選のときに、高校生までの医療費無料化を掲げていたかと思いますが、今回は入院費用が無料になるということで、これをどのように捉えていますか。

市長

健康部と前橋市医師会に整えていただき、ありがたいと思っています。まずは入院医療費を無料化し、その後は、すべての高校三年生までの医療費の無料化を我々のロードマップ上では進めていくことになっていますので、通院を含めた医療費の無料化を引き続き検討していきます。

記者

「パンデミック・レディ」という表現について詳しく教えてください。

市長

「パンデミック・レディ」という表現を安宅(和人)さんがしており、私もまさにそうだと思います。二度とパンデミックが起きないように、起こったとしても準備ができているようにするためのGIGAであり、非接触であると思います。

もう一つは、競争型社会の中で、医療機関が疲弊していたと思います。パンデミックの前に、日赤病院の結核病棟の稼働率について話題になりましたが、あれが残っていたからこそ、新型コロナに対応できたと思っています。無駄だと思っていたものが、実は必要なものだったということを再認識しました。医療や福祉、介護という分野のフロントライナーには、もっと余裕があっていいという思いからの今回の予算額です。

記者

新型コロナとの共存を見据えた上での施策が盛り込まれていると思いますが、具体的に、令和3年度の目玉事業があったら教えてください。

市長

やはり、GIGAスクール構想におけるタブレットの持ち帰りです。これにより、もし今後一斉休校が起きたときも、オンラインで先生と生徒が顔を合わせることができます。3億円は大きな予算です。GIGAスクール構想における一人一人のタブレットについては、秋に予算額をすでに出しています。今回は、毎年の通信費を予算計上しました。一人800円ほどですので、年間約1万円です。それが3万人分ですから、3億円です。これは、今後の継続的負担となります。

あとは、赤城山への移住、古民家の活用、スローシティです。そして、その中での新しい暮らしぶりを応援するような、サテライトオフィスやテレワークなども整えたいと思っています。

記者

財政調整基金について質問です。新型コロナの影響で、どの自治体においても、個人市民税や法人市民税収の面で苦慮していると思います。歳入を補うために、財政調整基金を大きく取り崩すこともあると思います。財政調整基金の年度末見込みを見ると35億円となっており、年々減っているという印象ですが、新たな災害が今後発生することも考えられます。そんな中ですが、残高についてどのように捉えていますか。

市長

我々の貯金である財政調整基金を大きく取り崩したのは事実です。ただ、今回のパンデミック自体を大きな災害とすれば、この災害に対応して基金を取り崩すというのはまっとうなものだと思います。私たちが予想した以上に、取り崩し額が少なくて済んだと思っています。何よりも、今回の予算は新たな災害が起きた場合にも対応できるようなレジリエンスを担保するような予算案ですので、次の災害対応まで含めた予算編成になっていると考えています。

記者

新年度の予算には組み込まれていませんが、群馬県民会館について教えてください。県議会の一般質問で、山本県知事が今年度中の決定にはこだわらないと話をしたそうです。県と市との協議はどうなっているのか、また、今後の見通しについて教えてください。

市長

群馬県民会館については、来年度の予算に組み込まれていません。県と一緒に作ったプロジェクトチームで協議しているところですが、これは県民会館の問題だけではなく、他の資産に関することも含めて動いている状態です。折々に報告を受けますが、県民会館の課題については調整が進んでいるものと思っています。県の施設でありながらも、多くの市民が使用している施設として、本市がどのような責任を持って対応できるか、スキームに関する議論が進んでいます。

県民会館に関する議論だけでなく、我々には他にも図書館や県営プールといった課題などがあります。これらに関する一定の方針、連携の方策が決まれば、報告したいと考えています。

前橋市新型コロナワクチン接種体制について

記者

個別接種会場、集団接種会場とありますが、65歳以上を対象としたものでしょうか。後々の若者を対象にしたものは、会場の拡大や変更等がありますか。

新型コロナワクチン接種準備室長

今回示したファイザー社製のワクチン接種体制は、今後も引き続き継続していくものです。アストラゼネカ社等のワクチンが出た際には、これらに追加していくイメージで考えています。

記者

来年度、「ワクチン接種準備室」を「ワクチン接種推進室」に改編するとのことですが、役割的にどのように変わるのか教えてください。

新型コロナワクチン接種準備室長

4月から実際にワクチンの接種が始まる予定ですので、接種を開始した後に、市民周知も含めて、接種を推進していく役割に変わるものと認識しています。

記者

接種を始めていくにあたり、現在は準備中とのことですが、大きな混乱やトラブル、課題等はありますか。

新型コロナワクチン接種準備室長

今回の事業を進めていくにあたっては、市医師会、市病院群との連携が必要不可欠なものだと思っています。1月から、毎週、市医師会と協議を進めています。お陰様で、整備体制を整えるにあたり、大きな混乱はないと考えています。しかし、ワクチンの供給については、現在も国から供給スケジュールが示されていないということもありますし、ワクチンもどのくらい分配されるのか不透明な部分もあります。こういった部分を懸念しています。

記者

副作用等を心配している人も多いと思いますが、今後どのように広報等していくのか教えてください。

新型コロナワクチン接種準備室長

今後は国のスケジュールに従い、接種券と一緒に「お知らせ」を同封する予定です。そういった中で副作用のことも周知していくのと同時に、市ホームページや市広報を通じて、こまめに周知をしていきたいと考えています。

記者

ワクチンの接種体制について教えてください。一時期、集団接種と個別接種の両方を行うことを「練馬モデル」と言われていましたが、前橋市の接種体制については、参考にした自治体はありますか。

新型コロナワクチン接種準備室長

ありません。本市は他自治体に先駆けて色々な調整が進んでいるものと考えていますので、市独自の、オリジナルの取り組みだと考えています。

記者

素早くワクチンを接種できるように、特に工夫した部分があれば教えてください。

新型コロナワクチン接種準備室長

本市は、病院数が他自治体に比べて恵まれているという特性があります。個別の各診療所よりも、病院の方が1度に接種できるキャパシティが広いです。そうした形で、近くの病院で接種できる体制作りというのが特色だと考えています。

記者

Web予約システムは、群馬県が構築するものと同じですか。

新型コロナワクチン接種準備室長

県とは別のシステムで、前橋市独自で契約するものです。

その他

記者

アーツ前橋が空調工事のために休館ということですが、休館することはいつ決まったのですか。

市長

工事休館については、予算案が決定するときに決まったことです。従って、この予算案を編成したのが昨年の11月頃ですので、そのころから庁内で検討し、決定になったものだと認識しています。

記者

所蔵品の点検にあわせて空調工事を行うのか、空調工事にあわせて所蔵品の点検を行うのか、どちらですか。

市長

空調工事はいつでもできますので、総点検にあわせた空調工事と言うこともできると思います。

記者

調査レポートの発表が遅くなっているとのことですが、いつ頃発表されますか。

市長

3月中旬までには、私たちに対し、作品紛失調査委員会の報告が、委員会の認定を受けて正式に届くことになっています。

(以上で終了。)

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更新日:2021年03月01日