動画「人形劇と男女共同参画戦隊ステッパー」の内容を紹介します

桃太郎動画サムネイル

親子で人形劇や寸劇を見ながら、男女共同参画について楽しく学べる動画を作成しました。

1つ目の動画は、「おはなしの会もこもこ」による人形劇です。桃太郎のお話をもとに、男女共同参画をテーマにしたオリジナル脚本でお届けします。(約15分)
2つ目の動画は4人のステッパーが登場し、身近なジェンダーについて調査します。(約7分)

【動画はこちらからご覧になれます】

人形劇「桃太郎とステッパー」

(歌)ももたろうさん ももたろうさん お腰につけたきびだんご 1つ 私にくださいな あげましょう あげましょう これから鬼のせいばつに ついてくるならあげましょう

むかし、むかしあるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。
<おじいさん>わたしはおじいさんです。毎日、山へ芝刈りに行きながら暮らしております。
<おばあさん>わたしはおばあさんです。私は川に洗濯に行ったり、ご飯の用意をしたりと、毎日暮らしております。

おじいさんとおばあさんは、それぞれの仕事に出かけて行きました。
<おじいさん>うんとこしょ、どっこいしょ。やっと山に着いたぞ。早いとこ仕事を済ませてしまおう。
<おばあさん>やれやれ川に着いた。早いところ洗濯を済ませてしまおうかのう。

川でおばあさんが洗濯していると、川上から大きな桃が流れてきました。
<おばあさん>ありゃあ、なんて大きな桃じゃろう。大きな桃、こっちゃあ来い、こっちゃあ来い。まぁ、おいしそうな桃だこと。

おばあさんは桃を抱えて家に帰りました。おじいさんが帰ってくると
<おばあさん>おじいさん、見てくださいよ。こんなに大きな桃が川に流れてきました。
<おじいさん>おお、見事な桃じゃ、さっそく食べよう。

おじいさんが桃を切ろうとしたら、中から元気な男の赤ちゃんが生まれました。
<おじいさん>おお、これは、これは可愛いのう。
<おばあさん>ほんとに元気な男の赤ちゃんだこと。
<おじいさん>わしらには子どもがいないので、神様が授けてくださった。ありがたい、ありがたい。りっぱな日本一の男の子に育てよう。

桃太郎とステッパー(桃太郎誕生)

おじいさんとおばあさんは男の子を「桃太郎」と名づけ、それは、それは大事に育てました。
桃太郎はすくすくと育ち、10年が経ちました。
<桃太郎>ぼく、桃太郎!こんなに大きくなりました。もうじき鬼が島に鬼退治に行くんだ。

桃太郎は歌いながらどこかに行きました。
<おじいさん> 桃太郎、桃太郎。
<おばあさん>桃太郎や、桃太郎。
<桃太郎>はーい。なんですか?

桃太郎は走りながら戻って来た途中で、転んでしまいました。
<桃太郎>痛い!痛いよ、痛いよ。うえーん。うえーん。
<おじいさん>桃太郎、泣くんでない!お前は男の子じゃろう。男の子は泣かない。我慢じゃ!
<桃太郎>だって痛いんだもの。痛いようー。
桃太郎は泣きました。

<ステッパー>男女共同参画戦隊 ステッパー!
<おじいさん>あんたは誰じゃ?
<ステッパー>私は21世紀からやって来た「男女共同参画戦隊 スッテパー!」です。
先ほど「男の子は泣くんじゃない」と言っていましたね。それは違います。
男でも女でも、痛いときは痛い。人間だもの。痛いことに共感してあげてください。
<おばあさん>確かに男でも女でも、痛いときは痛いですよね。桃太郎、大丈夫かい?
<おじいさん>そうじゃ、そうじゃ。桃太郎、泣いてもいいぞ。
<桃太郎>泣けって言われても、もう僕、涙が引っ込んじゃったよ。

<おじいさん>そうじゃ、桃太郎。明日から鬼退治に行く訓練をするぞ!
<桃太郎>えっ、鬼退治? まだ早いよ。隣のミヨちゃんだってまだ行かないよ。
<おじいさん>隣のミヨちゃんはいいんだ。女だから。女は家の中で炊事や洗濯をしていればいいんだ!
<おばあさん>そうですよ。私だって女に生まれたからやっているんですよ。
<桃太郎>そういうものなの?
<ステッパー>男女共同参画戦隊 ステッパー!
女だから、家で炊事や洗濯?それは違います。それぞれの個性があります。男だから、女だから、と決めつけないでください。
<おじいさん>決めつけてなんぞいない。昔からそう決まっているんじゃ。 桃太郎は鬼退治に行く。おばあさんはきび団子を作って桃太郎に持たせる。だよな?おばあさん。
<おばあさん>確かに昔からそう決まっていましたね。でも考えてみれば、おじいさんがきび団子を作ってもいいんですよ。私よりおじいさんの方がじょうずだし。
<おじいさん>そんなことを急に言われてもなぁ。
<おばあさん>大丈夫ですよ。
<おじいさん>そうか?じゃあやってみるか。

そうこうしているうちに、いよいよ鬼が島に行く日が来ました。
<おじいさん>桃太郎。きび団子を作ったぞ。鬼が島に行って宝物を持ってくるのだぞ。
<おばあさん>気をつけてな。頑張るんじゃよ。
<桃太郎>はい、頑張ります!宝物を持って帰ります。ところで、鬼が島には僕ひとりで行くのですか?
<おじいさん>鬼が島に向かう途中、お供になりたい者がやってくるんじゃよ。
<おばあさん>そして、家来にしてくださいと言うからね。きび団子をあげるんだよ。
<桃太郎>えっ?きび団子をあげると家来になるの?
<おじいさん>ああ、そうだ。
<桃太郎>でも隣のミヨちゃんは、きび団子はいらないけど一緒に行きたいって。
<おばあさん>何?ミヨちゃんが行きたいって?それはダメだね。まず女の子だ。鬼退治は男の仕事じゃよ。
<おじいさん>そうじゃ、そうじゃ。鬼退治は男の仕事じゃ。
<桃太郎>でも、力はあるし、勇気もある。ミヨちゃんなら大丈夫だよ。
<おばあさん>ミヨちゃんは女のくせに、いつも青い着物を着て男の子みたいだよ。あれじゃあ、お嫁には行けないね。

<ステッパー>男女共同参画戦隊 ステッパー!
聞き捨てならないことを言っていましたね。青い着物を着て男の子みたい?それは違います。青い服が男で、赤い服が女とは決まっていません。それぞれ好きな色にすればいいのです。「お嫁に行けない」というのはもってのほかです。
<桃太郎>何かよくわからないけど、ステッパーという人がよく出てくるね。
<おじいさん>とにかく桃太郎は早く鬼退治に行くがよい。まあ、ミヨちゃんが行きたいなら、連れて行ってもいいぞ。
<おばあさん>いいんですか?確かに桃太郎よりミヨちゃんの方が頼もしいかもしれませんね。
<おじいさん>途中、お供になりたい人が大勢いるかもしれないしな。がんばって行ってくるんじゃよ。
<桃太郎>はい!がんばります。行ってきまーす。
<おじいさん・おばあさん>いってらっしゃい。

桃太郎(旗持ち)

桃太郎はきび団子を腰に下げ、隣のミヨちゃんも一緒に、元気に鬼が島へ向かいました。
<桃太郎>おじいさん、おばあさん。ただいま、帰りました。
<おじいさん> おお桃太郎、お帰り。それにしても早かったのう。
<おばあさん>ほんとにご無事で何より。
<おじいさん>ところで宝物はどうしたのじゃ?
<おばあさん>そうですよ。宝物は?
<桃太郎>まず、僕の話を聞いてください。鬼が島に向かう途中、きび団子をくれればお供しますと言われ、たくさんの家来ができました。
<おじいさん>そうじゃろう。そうじゃろう。
<桃太郎>犬丸、サル吉、キジ子など、ざっと50人くらいの家来ができました。
<おばあさん>そんなに家来ができるなんて、立派なものですね。
<おじいさん>そして、宝は?
<桃太郎>鬼が島に行く船に乗るところで、みんなで作戦会議を開きました。そこで、隣のミヨちゃんが大将として推薦され、戦わずして鬼の宝を取り戻すための交渉に行きました。
僕は先に家に帰って、お祝いの準備をして待っているようにと言われました。
<おじいさん>なんてことだ。日本一の桃太郎はどこに行ったのだ。
<おばあさん>そうですよ。宝をもって帰ってくることが名誉なことなのに。
<桃太郎>でも、ミヨちゃんはみんなをまとめて立派でした。それぞれの役割をちゃんと分かっていました。
<おじいさん>なんて、まあ女のくせに。
<ステッパー>男女共同参画戦隊ステッパー!
「女のくせに」というのはいけません。男か女かで、ものを判断したり決めつけたりしていませんか?男と女である前に人間です。21世紀はそれぞれの持てる力を生かして作る社会です。「女らしく」とか「男らしく」と決めつけなくてもいいんです。
<おばあさん>おじいさん、私は洗濯より、山で働く方が好きですよ。
<おじいさん>実は、わしもきび団子を作って思ったんじゃが、けっこうわしも料理は嫌いじゃないな。ハッ、ハッ、 ハッ (笑い)

むかし、むかしあるところに、おじいさんとおばあさんがいました。
おばあさんは山に芝刈りに、おじいさんは川に洗濯に行きましたとさ。

めでたし、めでたし。

おわり

桃太郎とステッパー2

寸劇「男女共同参画戦隊ステッパー」

<隊長>みんな、今日は大切な話があって集まってもらった。最近は男女平等が進み、学校や家庭、地域でも自由な考え方になってきたんだ。
しかし! まだ「女だから」とか「男だから」という性別にこだわった考え方が残っているようだ。
そこで、ステッパー隊員たちよ!まちに出て、それを探してきてくれ!
<隊員>はい。わかりました隊長!

<シルバー隊員>隊長!こんな事例を発見しました。
女の子が、「私は将来、消防士になりたいんだけど、友達に話したら、『女の子なのにおかしい』と言われちゃった。」と悩んでいます。女の子が消防士になるのは、おかしいのでしょうか?
<隊長>いやいや、そんなことはないよ。女性だってなりたい職業に就いていいんだよ。性別で職業を制限されるのはいけないことだ。実際に、消防士として活躍している女性もたくさんいるんだ。
ただし、男性の方が力が強いなど、体力面での差があるのは当たり前のことなので、男女で補い合いながら、一緒に働くことができるといいね。
<シルバー隊員>そうですね、隊長!では、女の子に消防士になるのはおかしくないって話してきます!

<ブルー隊員>隊長!子どもたちが歌う歌の中に、ちょっと納得がいかない部分があるんです。
<隊長>それはなんだ?さっそく歌ってみてくれ。
<ブルー隊員> はい!(「おかあさん」を歌う)
<隊長>おお、温かい家庭を思わせるいい歌だね。いったいこの歌のどんなところに納得がいかないのかな?
<ブルー隊員>この歌では、お母さんのいい匂いは「洗濯していた匂い」というんです。2番のところでは「お料理していた匂い」とも言っています。
でも、うちではお父さんが洗濯をしたり料理を作るので、この歌と違います。お母さんが洗濯したり料理をつくるというのが普通なんでしょうか?
<隊長> いやいや、そんなことはないよ。お父さんが洗濯してもいいし、料理を作ってもいいんだよ。「お母さんがするもの」と決めつけるのはよくない。
お母さんが家事をする家庭も多いけど、洗濯や料理が得意なお父さんだってどんどん増えていくと思うよ。お父さんたちにエールを送ろう!
<ブルー隊員> はい、わかりました隊長!

<ピンク隊員>隊長!見てください。(イラストパネルを出す)まちに出てみたら、こんなことがありました。
まずは、子どもたちのランドセルの色です。女の子が水色のランドセルを背負っていました。ピンク色のランドセルの男の子もいます。私が子どもの頃は、ランドセルと言えば女の子は赤、男の子は黒と決まっていたのですが、今は自由に選べるのですね!
もう1つは洋服です。男の子でピンク色の花柄のシャツを着ている子がいました。女の子が着るような柄だと思ってしまいますが、男の子でもこういう服が好きな子はいるんですね。とても似合っていて、カッコよかったです!
<隊長> そうか、それはよかった。
昔は女は赤、男は黒というように、性別で色まで決められていた雰囲気があったけど、今はそんなことはないよ。自由に色を選んでもいいんだ。 服装も自由なんだ。「スカートをはかない女の子は変だ」とか「男の子だから黒っぽい服が好きなはずだ」と決めつけてはいけないし、周りの人も思い込んではいけないよね。
<ピンク隊員>そうですよね。私も男ですが、このピンク色の戦隊服をいたく気に入ってます。さっそくもう1着作りに行ってきます。

<隊長>ステッパー隊員たちよ、ご苦労であった。
女だから、男だから、とこだわり過ぎないことが大切なんだ!だれもが男女の性別にこだわらず、自分らしく、個性を生かして、いろいろなことを自由に選んで活躍する社会になるといいね。それが「男女共同参画社会」なんだ!
そんな社会をつくるために、われわれも頑張って行こう!
<隊員>はい!

<隊長>ではいくぞ!男女共同参画
<隊員>ステッパー!

男女共同参画戦隊ステッパー

この記事に関する
お問い合わせ先

市民部 共生社会推進課 人権・男女共同参画係

電話:027-898-6517 ファクス:027-221-6200
〒371-8601 群馬県前橋市大手町二丁目12番1号
お問い合わせはこちらから

更新日:2021年02月18日