詩人の紹介「朔太郎の作品」3

詩人の紹介「朔太郎の作品」について掲載しています。

広瀬川詩碑

広瀬川

広瀬川白く流れたり
時さればみな幻想は消えゆかん。
われの生涯(らいふ)を釣らんとして
過去の日川辺に糸をたれしが
ああかの幸福は遠きにすぎさり
ちひさき魚は眼(め)にもとまらず。

「純情小曲集」(1925年刊)「郷土望景詩」より
1970年5月設置

月夜

重たいおほきな羽をばたばたして
ああなんといふ弱々しい心臓の所有者だ。
花瓦斯のやうな明るい月夜に
白くながれてゆく生物の群をみよ
そのしづかな方角をみよ
この生物のもつひとつのせつなる情緒をみよ
あかるい花瓦斯のやうな月夜に
ああなんといふ悲しげないぢらしい蝶類の騒擾だ。

「青猫」(1923年刊)より 1987年10月
利根川治水100年を記念して記念碑・ガス灯とともに設置

才川町詩碑

才川町

(十二月下旬)

空に光つた山脈(やまなみ)
それに白く雪風
このごろは道も悪く
道も雪解けにぬかつてゐる。
わたしの暗い故郷の都会
ならべる町家の家並のうへに
かの火見櫓をのぞめるごとく
はや松飾りせる軒をこえて
才川町こえて赤城をみる。
この北に向へる場末の窓々
そは黒く煤にとざせよ
日はや霜にくれて
荷車巷路に多く通る。

「純情小曲集」(1925年刊)「郷土望景詩」より
1986年9月生誕100年を記念して設置

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更新日:2019年02月01日