平成29年度 第1回 前橋市環境審議会

審議会名

環境審議会

会議名

平成29年度 第1回 前橋市環境審議会

日時

平成29年9月25日
午後2時~午後4時

場所

前橋市役所11階 北会議室

出席者

委員
西薗会長、清水副会長、青木委員、持田委員、鈴木委員、須藤委員、福田委員、坂本委員、塚越委員、小暮委員、貝塚委員、桑原委員、田中委員、片亀委員、金井委員、松下委員

欠席者

谷垣委員、樋口委員、大澤委員

議題

  1. 前橋市環境基本計画の改訂について
  2. 前橋市地球温暖化防止実行計画の進捗状況について
  3. その他

会議の内容

1 委嘱状交付式

  • 新委員へ委嘱状交付
  • 審議会新委員自己紹介
    桑原委員、金井委員、松下委員より自己紹介

2 開会

(司会:神山環境政策課長)

  • 西薗会長あいさつ
  • 成立要件の確認(審議会委員18名中15名の出席により成立)

3 議事

  議長(西薗会長)

  • 審議会の公開及び会議録のホームページにおける公開について確認
    <異議なし>
  • 傍聴人の確認
    <傍聴人:1名>
  • 議事録署名人の指定について確認(田中委員を指名)
    <異議なし> 

議事(1)平成29年度環境基本計画の改訂について

事務局(神山課長)
<資料1に基づき説明>
平成29年度環境基本計画の改訂について

  • 平成29年度環境基本計画の改訂について(資料1-1)
  • 策定スケジュールについて(資料1-2)
  • 市民ワークショップについて(資料1-3)

片亀委員
関連計画については、あくまでも関連計画に任せるという形で、環境に特化した内容で進めるとのことだが、自分の専門である交通政策は都市計画マスタープランになる。そうなると意見を出しにくくなるのか。
もう一点、年号について、和暦で記載されているが、天皇陛下の生前退位の話もある。西暦のほうがよいのではないか。 

事務局(神山環境政策課長)
先ほど交通政策の話が出たが、環境に特化した形になると、この環境基本計画の中では確かに記載しにくい部分がある。また、「自転車のまち、前橋」ということで、推進プロジェクトを持っている。環境と関連するということでは、自転車の普及・促進もクールチョイスに関連付けることができると思う。
また、年号の表記については、庁内のきまりもあるので内部で検討させていただきたい。 

議長(西薗会長)
他の基本計画としては、都市計画、公共交通、景観、みどりの計画、農業振興がある。また下のほうの個別計画ということで、廃棄物、温暖化、エネルギー基本計画等がある。それぞれ具体的な内容を決めていけば、それが環境にも当然関係してくる。それぞれの計画の中で、最終的にどのような環境が実現されるのか、その姿を環境基本計画の中で書くことになるのではないか。まずは、他の関連計画にも踏み込んでどんどん意見を出し、事務局で整理してもらうという考え方で、われわれがあまり自己規制をかける必要はない。また、貴重な生物、生態系関係については、自然環境についての個別計画がないので、この内容については環境基本計画の中に盛り込む必要がある。 

福田委員
ワークショップは意見の集約が重要である。回数や人選をどのように行なうのか。 
 
事務局(神山環境政策課長)
ワークショップについては、環境基本計画の策定に期限があることも踏まえ1回の開催を予定している。参加者の募集について、こちらから事業者や大学にお願いを考えている。

福田委員
1日だと、意見の吸い上げと集約が難しいことはないか。 

事務局(神山環境政策課長)
前回の基本計画策定時は、ワークショップのような市民からの意見をきくという機会を設けていなかった。
他の例を申し上げると、総合計画策定の中で、ワークショップを定めており回数は1回である。総合計画に倣っているわけではないが、1回のワークショップを基に、市民の意見を吸い上げて、計画に反映していきたい。

清水副会長
計画期間が10年とあるが、これは他の計画との整合性を見ながら設定したのか。

事務局(神山環境政策課長)
今回の総合計画は概ね10年である。考え方としては総合計画に合わせて計画をたてる。 

清水副会長
では、一応、合わせて計画をたてるということか。例えば、典型7公害の10年後を見越して目標数値を出していくのか。 

議長(西薗会長)
今の典型7公害の話であれば、例えば生活排水対策などを考えた場合には、合併浄化槽の整備などの施策が都市計画などであげられると思うが、その結果、前橋市内の川がどうなったか、というようなことが10年間にわたって見越して問われる、ということになる。

事務局(神山環境政策課長)
それぞれ法律に基準値があり、それをクリアしたのが何パーセントという表現である。例えば、水質基準値では、今現在100パーセントに達していない部分もあるが、10年後には100パーセントを達成しているというものだ。

清水副会長
この他の関連基本計画や、個別計画の整合性を保たなければならない。気を付けなければならない。 

事務局(神山環境政策課長)
全ての計画の期間と環境基本計画の期間の整合性がとれているのではない。 

幹事(永井環境部長)
10年間という期間なので、さまざまなことがある。これまでも市の合併や、東日本大震災など、環境に対する考え方が大幅に変わるということは多々あった。10年間の計画を策定するが、大幅な改訂が必要になったときには、当然見直さなければならないこともある。10年の計画を策定したから、これで確定だということではない。

清水副会長
そうすると、今の段階の情報・知見で見直すということか。 

議長(西薗会長)
関連計画の目標設定が環境基本計画の求めるレベルまで達していない場合もあるかと思うが、その場合でも環境基本計画はあくまでも理想を上におくということで良いのではないか。最終的にはPDCAでチェック項目が増えてしまうかもしれないが、環境基本計画では、前橋市の環境はこうありたいというものを打ち出すべきである。

片亀委員
今回の計画では地域別の環境配慮指針は設けないとある。旧市街と合併して広がった地域は、地勢も気候もちがう。一括りにできないような内容も出てくると思うが、計画にはどう反映するのか。

事務局(神山環境政策課長)
前橋市は毎年自然環境調査を実施している。今の環境基本計画にはその調査結果を地区別に掲載しているが、今回の環境基本計画ではそれを前橋全体での掲載とする。地区別を載せる必要があれば、自然環境調査の結果について別にまとめる形で策定することを考えている。
 
片亀委員
自然環境はそれでよいかもしれないが、人間の生活を考えると地区ごとに計画をたてる必要があるではないか。例えばバス路線では、どのようにして生活の足を確保するのかが課題である。交通政策を例にあげているが、それだけでなく、生活のあり方は、住んでいる地域によって異なる。このような面を計画に反映してほしい。

事務局(神山環境政策課長)
環境の基本に関することについては、前回も全市で記載しており、その点については、基本的な考え方に変わりはない。先ほど、私が申し上げた地区別の記載があったというのは、あくまでも自然環境調査における生態系の部分だけである。

議長(西薗会長)
いずれにしても環境基本計画と関連基本計画及び個別計画との関係をどのように整理していくかは意見を出していきたいところであるが、今回の基本環境計画では他の基本計画と同じようなことを二重に書くということは避けるという考え方である。次回の12月に素案が出てくるので、そこでまた具体的な議論を行なう。

片亀委員
ここで要望しておきたいのは、前橋市からのCO2排出量を削減するためには、市民の自転車利用や公共交通利用を高めていく必要がある。このことについては、環境基本計画に基本的なことを書いて交通政策に働きかけていただきたい。市民に対して自転車や公共交通の利用を働きかけるため、交通の基盤が必要であるなど、環境からの意思表示が重要である。環境基本計画側から交通や道路のセクションに対して関連だけでなく、意思表示をしてほしい。

議長(西薗会長)
それぞれの関連基本計画で到達するレベルに対して、環境基本計画がそこに合わせるのではなく、逆に環境基本計画の側から、関連基本計画に対して、目標を高く設定してもらうような書き方をしてほしいということである。

鈴木委員
先ほどの話だと今後の10年間で変化が必ずあると思う。環境基本計画で、『こういうものを作りました』、『これでいきましょう』で終わりではないと思う。10年の間に小学生は成人になる。この計画をその子どもたちの教育の中に反映させるべきだと思う。というのも、子供たちが地域を愛することができなければ、この計画は実現できない。子どもたちが自分たちの地域に目を向け、興味を持たせるような活動・やり方を盛り込むべきだと思う。 

議長(西薗会長)
資料1-1(3)に「市民に親しみやすく」ということが掲載されている。方針としては合致すると思うので、このことを具体的に考えて、計画に反映してほしい。

持田委員
今後、雑草など管理が行き届かない空き家がますます増える傾向にあると思う。それは持ち主が何とかすればいいのかもしれないが、そのような場所の環境や景観についてはどういうところで考えているのか。

事務局(神山環境政策課長)
空き家については、建築住宅課が対応している。

事務局(喜楽ごみ減量課長)
市内の空き地については、環境管理の観点から、主に雑草や庭木が茂っている状況を改善してもらうということを、通報に基づいて所有者または管理者に連絡し、改善を促すという施策をしている。

事務局(飯野参事)
空き家は街中や郊外など、地域によって危険度がちがう。基本的に個人の持ち物であり、個人が対処するのが基本である。固定資産税の土地の評価も家が建っていることにより、軽減措置がある。その軽減措置を外すには、特定空き家という空き家に認定しなければならない。改善命令を出した時点で特定空き家になるが、今は家や土地が捨てられてしまう時代である。家を壊して更地にしてもそれほど価値がないからである。そうであれば相続するのをやめようということになる。しかし、逆にそのようになれば行政が手を出すことができる。個人の持ち物については、持っている人が対処するのが基本である。なお、喫緊の危険が切迫していれば、行政が応急処置はする。

持田委員
相続放棄をした家がかなりある。

事務局(飯野参事)
今、空き家率が10パーセント少しあると思うが、20~30年たてば4軒に1軒程度は空き家になる。空き家があるのは当たり前という時代が来ると思う。

議長(西薗会長)
空き家を環境の視点でどのようにとらえるのかが重要である。何もできないから放置しておいていいという考え方では駄目だと思う。4軒に1軒は空き家なる見通しがあるのであれば今のうちに対応すべきだ。

事務局
持ち主がいなければ、行政として対策ができる。市では既に実施している。

松下委員
空き家の問題でいえば、これから人口が少なくなっていくのに応じて、どのように前橋市の環境対策をしていくのかが課題である。今までできていたことができなくなってくる時代になっていることを考えていただければと思う。
また、生物多様性についても意見を述べたい。生物の保護・保全ももちろんだが、その上で利用も必要である。生物多様性は地域の資産としてどのように利用して、地域の活性化をしていくことが重要である。生物多様性基本法では、「生物多様性の保全と持続可能な利用」が謳われている。保護は当然行なうが、地域の資源としてどのように利用するのか考えて欲しい。
もう一点、資料1-1、5ページ、第3章に「前橋の環境の今と未来」とあるが、現行計画がどうであったかも整理してもらえると良いと思う。以上3点をお願いしたい。

議長(西薗会長)
人口減少の視点は、県の環境基本計画に書かれているので、県の計画と連携を取りながら進めることになる。

鈴木委員
空き家問題を環境の視点でとらえることのアイディアの1つについて述べたい。有害鳥獣駆除の視点でとらえることである。有害鳥獣は空き家に巣くうので、そういった面からのアプローチもあると思う。 

議長(西薗会長)
先ほど申し上げたように、環境としてはこのようにありたいということを表現することが必要である。できるかできないかとは別に環境の視点で議論していきたいと思う。

片亀委員
先程の空き家問題についてだが、市民からの通報があれば、市は対応してくれるのか。

事務局(飯野参事)
通報があれば対処していく。『樹木を切ってほしい』あるいは『瓦が落ちそうだから内側に落としてほしい』という苦情が来たものに対しては、行政が応急処置をする。

清水副会長
住民の視点で言えば、例えば、隣でしばらく人の動きがないとか、雑草が繁茂しているということは分かる。しかし、そこがどのような相続や権利関係になっているかまではわからない。それは市役所に言えば対応してくれるのか。

議長(西薗会長)
空家物件についても、市民からの要望に対しては、積極的に対応していくという姿勢を環境基本計画に盛り込むとよい。市民の中には、隣地の空き地・空き家に苦慮していても、どこにどのように言っていいか分からない方もいるだろう。

清水副会長
今は異常気象なので、過去の流れの中からこれからの推測をするのではなく、直近の状況から判断する必要がある。今は本当に異常気象なので予測は難しいと思うが、平均気温、海面の温度などさまざまな気象状態が非常に変化している。それらも踏まえながら先の計画を立てると、より現実的なものになると思う。

議長(西薗会長)
防災対策をどう考えるかが重要ではないか。防災対策は環境基本計画のテーマとして完全合致しているわけではないと思うが、かなり関係が深いと思う。ところで、ワークショップには審議会の誰かが出席する可能性があるのか。 

事務局(神山環境政策課長)
ワークショップはワークショップで実施する。審議会は審議会として意見をだしていただきたい。

議長(西薗会長)
では、まだ意見をお持ちの方はまた事務局のほうに、文書あるいは口頭でお伝えいただきたい。ありがとうございました。

議事(2)前橋市地球温暖化防止実行計画の進捗状況について

事務局(真庭副参事)
<資料2に基づき説明> 

議長(西薗会長)
区域施策について。電力の排出係数を揃えたとしても、基準年より4.6%増えている。部門別でみてみると、特に業務部門は排出係数の増加以上に明らかな増となっている。また、排出係数の影響が少ない運輸部門も増加となっている。これらの傾向について、原因分析をしてほしい。
進行管理をするにあたっては、対策をどうするかがポイントになるように思う。例えば運輸部門であれば交通対策の計画作りとその実現などが該当する。

福田委員
原因分析として、人口比・世帯比の数値変化などもわかるといい。

議長(西薗会長)
進捗状況についての報告ということであるため、今後はさらに分析をして、可能な限り原因を明確にして進行管理としてほしい。

持田委員
排出量削減のために、こういう対策をして排出量削減につながった、またはつながらなかったがもっと具体的に見えるようになるといい。次の施策につながる。

福田委員
メガソーラー等自然エネルギー機器の導入が進んでいると思うが、それらの数値への影響はどうなっているか。

事務局(真庭副参事)
メガソーラーが導入された場合、排出係数の上昇をしていないものの導入ということになるため、排出量はその分が削減となる。ただ、現在集計している数値が使用量の総量であり、その細かい構成までは分析できていない。

議長(西薗会長)
太陽光発電など、地域で発電された電力が、そのまま地域に還元されているわけではない。

小暮委員
FITの制度が現在も継続しているため、発電された電力はほとんど電力会社が買い取りさせていただいている。一方でこれから考えていかなければならないのは地産地消で、これを市がどのように取り組んでいくか。県の環境基本計画を含め、将来像・群馬県の姿に向かった取り組みをしていくと思うが、その際に、出てきた結果の分析は重要になる。細かい部分の分析まで、しっかりやってほしい。
電力自由化の影響で、電力会社の販売量は削減されている。また、人口減少の関係もあり、電力量自体はかなり減少している。そうした中で、前橋市として電力量がどのような原因で減少しているのか、他市町村との比較や県全体の中での割合の推移を見るなど原因分析していく必要がある。

議長(西薗会長)
太陽光発電など、地域でつくられた電力が、そのまま地域の温室効果ガスの排出削減の数値として反映されるわけではなく、排出係数を下げることにつながるため、電力会社の管内全体への反映となる。
資料は排出量のデータであるが、使用エネルギー量の明らかな増加が想像される。

清水副会長
今回の報告は平成26年度までであるが、その後の動向はどうなりそうか。
(補足:報告は毎年度行っているものの、国が温室効果ガス排出量の全体をとりまとめ、もとに群馬県が算出し、そこから前橋市が算出するため、当該年度と結果報告までに約3年のズレが生じている。)

事務局(真庭副参事)
群馬県のデータでは減少傾向にある。前橋市のデータは、それらのデータを基に人口割などをして統計的に導出するため、同様に減少となる可能性はある。

片亀委員
分野別にみたときに、最大の排出量となっているのが運輸部門である。運輸部門の数値算出のもとなっているのはガソリン等燃料販売の結果だと思うが、その内訳(自家用、営業用など)はわかるか。

議長(西薗会長)
内訳の厳密な統計はないと思われる。

片亀委員
前橋市では運輸部門が全体の30%程度を占めているが、これは全国の数値が約17%であるのに対して明らかに高い。自家用車の利用の高さが原因であると考えられる。 

議長(西薗会長)
現状では、運輸部門には電力の二酸化炭素排出係数はかかっていない。将来的にはわからないが。

持田委員
前橋はコンビニエンスストアが多いように感じる。それらの影響はあるか。

議長(西薗会長)
コンビニエンスストアの排出量は民生業務に含まれるが、店舗数の増減によって当然影響は出てくると思う。

持田委員
例えば、コンビニの照明など電力を抑えられるものに変えるよう促進することはできないか。

議長(西薗会長)
むしろコンビニはLEDの導入など迅速な対策を行っている。

持田委員
ノーマイカーデーなどの導入・促進はできないか。

幹事(神山環境政策課長)
現在は市役所ではノーマイカーデーは行われていない。 

小暮委員
群馬県でノーマイカーデーを推奨されていて、群馬県全体の企業に声がけをしている。東京電力ではそれにあわせてマイカーの禁止などをやっている。事業者全体の意識は定着しているが、それをどこまで実践できるか。

持田委員
前橋でシェアサイクルはできないか。

議長(西薗会長)
話は出ているが、現在課題が多く実現までは至っていない。

片亀委員
自転車の促進について、前橋市ではいろいろな部署で関連していて、例えば子育て世帯への3人乗り自転車の補助制度があり、環境の視点ではなく、子育て世帯の支援を目的として、自転車の促進につながり、いい取り組みだと思う。また、市役所が自転車通勤手当を導入し、自転車通勤をする職員が増えたこともいい取り組みだと考える。このような取り組みをぜひ市内の事業者へ発展させられるといい。
民生業務部門について、前橋市に限った話ではないが、介護施設が昨今非常に増加している。これらの施設は、一般的に延べ床面積が大きく、冷暖房も強めに設定されることが多い。しかし、建物の断熱・省エネ性能が高くないことから相対的にエネルギー消費量が大きくなる傾向にあると考えられる。

議長(西薗会長)
民生業務の排出数値について、そういった内訳や内容の分析がほしい。大規模スーパーなど一定規模以上の延べ床面積を持つ店舗数の推移などを指標に推定してみてほしい。

幹事(永井環境部長)
形態・種類毎の算出値ではなく、全国全体の数値をもとに、人口・延べ床面積などから統計的に算出している。そのため、内訳や内容の分析は難しいところがある。

議長(西薗会長)
算出した数値の裏づけとなるような、傾向を読むような分析は必要だと思う。地区別や用途別の電気使用料などはわからないと思うので、これまでの話に出てきたような、例えば介護施設数や大型スーパー設置数などの変化がわかれば、そこから二酸化炭素排出量の動向を読み取ったり推測したりできる可能性がある。

持田委員
一昔前には環境のためクーラーの使用を制限していたところが、最近は熱中症予防のためなどで設定温度を下げたり長時間運転したりすることが増えている。そのあたりでエネルギー消費量が増えていると思う。

議長(西薗会長)
市全体として温室効果ガスを削減させるため、どこで使ってどこで減らすかの議論はしていかないといけないのだと思う。高齢化社会が進んだとき、エアコンの稼動が増えるなど、エネルギー消費量が増加する面もあるが、運転機会の減少など、エネルギー使用量の削減になる面もある。どういう交通で二酸化炭素をどのくらい減らしていくのか、バスと自転車の交通網の整備が重要になる。

桑原委員
コンビニの話で、電気をいかに効率よく運用していくか。24時間監視して無駄なところをなくしていくシステムや、機器の省エネ化によってトータルで削減していくことが必要になってくる。

議長(西薗会長)
コンビニなどは照明だけでなく、エネルギー消費の大きい冷暖房機器などをいち早く省エネ型へ最新のものへ設備更新している。中小企業など、設備更新が簡単にはできない事業所でのエネルギー効率が課題となってくる。
冷媒に使うハイドロフルオロカーボンなどでも、最新機器はかなり排出量を削減できるため、設備更新できない事業所の排出量が全体のうちほとんどを占めている。既存店舗が設備機器を最新のものに更新しようとすると多大なコストを必要とする。

清水副会長
県内の小中学校、高校のすべてにエアコンを導入する流れがある。夏場に暑さで勉強できないためであるが、こういった数値もこれから含まれるようになる。

田中委員
温室効果ガスの対象物質に三フッ化窒素(NF3)がないが。

議長(西薗会長)
三フッ化窒素は3年前から対象に加わった。国の報告の数値にはすでに反映されている。

議長(西薗会長)
今回出てきたことをはじめ、思い当たる要素を集約して、温室効果ガス排出量の増減の要因を推測し、必要な対策に結び付けて進捗管理としてほしい。

鈴木委員
要因のひとつとして、ごみの焼却によるガスの排出は考えられないか。

事務局(真庭副参事)
事務事業編に掲載している廃棄物の処理が該当するが、これまでは廃プラも燃やしていたが、そこを減らしたことが今回の数値にかなり反映されている。事務事業の中で廃棄物処理の占める割合が高いことから、全体として基準年を下回る結果となった。

幹事(永井環境部長)
平成29年度以降はさらに削減が見込まれる。事業系ゴミに対して集積所に入る前に展開して内容物の検査をしており、それが功を奏して可燃ごみに占める廃プラの割合が削減されている。ただ、家庭内についてはまだ廃プラの分別が進んでいないところがある。

持田委員
焼却灰をリサイクルしていると聞いたが、何に使われているのか。

幹事(永井環境部長)
主に道路の路盤材に再加工して使っている。

議長(西薗会長)
温室効果ガス排出について、対策につながるような分析を進めてほしい。

議事(3)その他

須藤委員
太陽光発電の設置にあたって、景観・森林の伐採・土砂災害など問題がある。条例ができたと聞いたが、対応をしっかりやってほしい。

幹事(神山環境政策課長)
土砂災害の特別警戒区域に指定されている場所は、森林の伐採はもちろん太陽光パネルの設置もできない。条例について、太陽光発電は規模によらず許可が必要であり、一定規模以上の森林伐採についても届出が必要となっている。

議長(西薗会長)
条例が施行される前に申請がされた工事については、条例に縛られずに工事が継続されている問題はある。

須藤委員
新聞で、太陽光パネルの管理会社が倒産し、管理できなくなった他県の事例を見た。

幹事(神山環境政策課長)
太陽光パネルはたいてい民有地に設置されているため、市からはなかなか手が出せない。

議長(西薗会長)
太陽光発電が前橋市内にどの程度設置されているかの統計も正確に把握することはできないのが原状である。電力会社と契約していない部分はわからない。

小暮委員
接続されている設備の電力供給量は把握しているものの、制度が複雑化して正確な実態を把握することは東京電力でも困難を覚えている。また、申請は既に行われているものの工事まで期間が開いて、近隣住民からは突然工事が始まったように感じる場合もある。土地の管理者が亡くなり、それを業者が引き継ぐビジネスも出てきており、近隣住民にどのような人が管理しているかわからない場合もある。群馬県のほうで、管理業者の登録・公表する制度が始められたが、今後そういったことが重要になる。群馬県ではゴルフ場に太陽光パネルを設置する例も見かけられるが、新規設置のピークは過ぎて落ち着いた状況にある。

議長(西薗会長)
災害の危険性が増して箇所があるなど、個別具体的な相談であれば市で受けられると思う。

幹事(神山環境政策課長)
災害の危険性であれば危機管理室であったり、太陽光パネルの設置であれば景観の関係で都市計画課であったり、相談があれば応じることはできる。

議長(西薗会長)
景観条例制定後、太陽光パネルの新規申請はほとんど出ていない状況である。

幹事(永井環境部長)
買取価格の下落で、だいぶ設置のスピードは落ち着いた感がある。 

小暮委員
FIT制度が施行されて10年が経過し、これからは既に設置されて年数の経ったパネルの管理が注視されていくことになる。

須藤委員
におい・悪臭について、住居地付近や生活圏内に臭いが気になる場所がある。悪臭について条例はあるか。

幹事(神山環境政策課長)
悪臭に関しては、悪臭防止法という法律がある。市民から臭いの苦情が来ることもあり、その都度、現地調査を行うが、法律に該当するほどの悪臭であることはあまりない。ただし、相談があれば、状況に応じて原因者に話にいくことはしている。また、パトロール等も行っている。

幹事(永井環境部長)
悪臭のひどい工場なども対策が進み、以前より状況はかなり改善されている。

3 閉会

(次回は12月に開催の予定)

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更新日:2019年02月01日