令和2年度 第2回 前橋市環境審議会

審議会名

環境審議会

会議名

令和2年度 第2回 前橋市環境審議会

日時

令和2年11月5日
午後2時00分~午後4時00分

場所

六供清掃工場3階大会議室

出席者

委員
西薗会長、田島副会長、持田委員、上原委員、角田委員、堀越委員、佐藤委員、大澤委員、片亀委員

幹事
南雲環境部長、大原環境森林課長、松井副主幹(ごみ減量課長代理)、大山課長補佐兼審査係長(廃棄物対策課長代理)、贄田参事兼清掃施設課長、柴崎副参事兼担当係長(清掃施設整備室長代理)

事務局
大山副参事兼環境政策係長、橋本課長補佐兼環境保全係長、須田課長補佐兼赤城森林事務所長、関根主任、樋口主任

交通政策課
須藤課長補佐兼交通安全・サイクルプロモーション係長

都市計画課
樋口課長補佐兼土地利用係長、樋口副主幹

欠席者

水科委員、山口委員、塚越委員、茂木委員、田中委員、藤巻委員

議題

1.前橋市地球温暖化防止実行計画2021-2030素案の確認について
2.その他(森林環境譲与税の概要)

配布資料

会議の内容

1 開会

幹事(大原環境森林課長)
<委嘱替えのあった審議会委員の紹介>
佐藤委員

会長あいさつ

会長の西薗でございます。折しも地球温暖化に関する政治的動きでは、菅首相が2050年の温室効果ガス排出量実質ゼロを所信表明の中に盛り込んだ。今のところ裏付けができている状態ではないが、一つのゴールとして2050年の温室効果ガス排出量実質ゼロが、国のレベルでも認知されたかと思う。だからと言って急に何かができるという事ではないが、2050年の時点でそうしたことに対応できる街づくりとはどういうものなのかを我々も共通認識として持つことだと思う。今日は少しでもそのスタートが切れればと思っている。

審議会成立要件等の確認

幹事(大原環境森林課長)
・審議会成立要件のについて確認
審議会委員15名中9名出席
前橋市環境審議会運営規則第4条第2項の規定により、過半数を満たしているので、成立。

幹事(大原環境森林課長)
前橋市環境審議会運営規則第4条第1項の規定により、審議会の会議は、会長が議長となることとなっているため、西薗会長に議長をお願いする。

議長(西薗会長)
・審議会の公開及び会議録のホームページにおける公開について確認
<異議なし>

・傍聴人の確認
<傍聴人:1名>

・議事録署名人の指定について確認(大澤委員を指名)
<異議なし>

2 議事

議事(1)前橋市地球温暖化防止実行計画2021-2030(素案)の確認について

<資料1、2に基づき、環境森林課 大山副参事兼環境政策係長、関根主任、樋口主任より説明>

議長(西薗会長)
資料2の「2 策定の流れ」をもう一度確認すると、今回が第2回の環境審議会になるので、この後パブリックコメント(以下、パブコメ)を実施し、さらに年明けの庁内策定委員会等に諮った上で、1月下旬に環境審議会が開催される。次回は書面での開催になるため、意見が直接言えるのは今回が最後となる。そのため、出来るだけ意見を反映していければと思う。もちろん私たちもパブコメには意見を出すことができるので、今回の審議会後に気が付いた点があれば意見を出してもらうことは可能である。
まずは資料1の素案について確認したい。大きく分けると区域施策編と事務事業編になっている。区域施策編は市全体の活動に起因するのを対象としており、事務事業編は市役所の活動に起因するものを対象としている。
また、今回の計画から新たに適応策の内容が追加されている。緩和策は温室効果ガスを削減する取組で、適応策は地球温暖化による様々な影響を軽減させるための取組となっている。質問や意見があればお願いしたい。

片亀委員
資料1の29ページの下段に本市の温室効果ガス排出量の目標に関する表がある。民生業務部門とその他部門は、将来推計で温室効果ガス排出量の増加が見込まれている中、削減目標は非常に大きいものとなっている。特に民生業務部門の削減目標を達成するには、事業者に対する施策を充実させる必要がある。前回の審議会の説明では、民生業務部門の温室効果ガス排出量が増加した主な要因として、医療・介護福祉関連の施設の増加を挙げていた。その点はやむを得ない部分でもあるが、エネルギーの利用を効率的に行う仕組みは事業者任せでは進まない部分もあるので、市として何か取組を考えていく必要がある。
その他部門はフロン類を使用した機器からの排出に起因するところが大きいとの事であった。この点についても取組を考えていく必要がある。
廃棄物部門はごみの減量化に向けた取組が事務事業編の中には盛り込まれているが、区域施策編の中には具体的な取組がないように感じる。

議長(西薗会長)
民生業務部門とその他部門は、目標達成に向けて大幅な削減が必要になる中で、取組の具体性が弱いとの事であった。

事務局(大山副参事)
国では民生業務部門の削減目標達成に向けた取組として、建物の省エネ対策やエネルギー管理の徹底を挙げている。市がそうした補助を実施するのは難しいこともあり、事業者任せになってしまう意見もあるが、啓発活動により周知を進めるとともに、率先行動として市有施設への省エネ設備の導入に取り組んでいきたいと考えている。

議長(西薗会長)
そうした状況がある中で、国の削減率を当てはめた目標である民生業務部門の39.8%を盛り込むことの是非について議論になると思う。ただ目標を下げることは簡単だが、2050年に温室効果ガス排出量実質ゼロを目指す中で、目標は出来るだけ下げたくない。片亀委員としても目標自体を下げるということが議論ではないということでよろしいか。

片亀委員
取組の部分を充実してもらいたいという事である。

議長(西薗会長)
この点は、事務局からも説明があったが、もう一度庁内で検討をお願いしたい。取組の中に書き加えられる内容ではないが、削減に向けては電気による影響が大きいため、電気の二酸化炭素排出係数(以下、排出係数)も関係してくる。この点は今後、国においても電源構成の議論になるところである。目標設定については、市で努力できる事と国におけるエネルギー施策に関する取組も含んだものとなっていると思う。市としては出来るだけ排出係数の低い電力会社から電気を購入することを推奨するといったことも考えられる。
今後の排出係数の見通しについて、東京電力パワーグリッド株式会社の佐藤委員にご意見をいただきたいと思う。

佐藤委員
14ページの下段のグラフに排出係数の推移も記載されている。2017年度の0.486kW-CO2/kWhに対し、2018年度の東京電力における排出係数は0.455kW-CO2/kWhまで下がっている。これは再生可能エネルギーがかなり増えてきているということである。
自社の話になるが、東京電力ではリニューアブルパワーカンパニーという再生可能エネルギーの基幹事業会社を設立し、太陽光や水力、洋上風力などに中心的に取り組んでいく予定である。世界的にも議論になっている石炭火力発電所に関しては、国内では高効率な石炭発電(石炭ガス化発電)を活用しつつ、効率の低いものは徐々に減らしていく方針が出ている。原子力発電が稼働していた当時の0.4kW-CO2/kWh以下になることは難しいかと思うが、今後も徐々に下がっていく見込みである。

議長(西薗会長)
佐藤委員の説明からも2030年度時点では0.4kW-CO2/kWhに近い数値が見込まれるのではないかとの事であった。基準年度は0.525kW-CO2/kWhであることから、これが0.4kW-CO2/kWhまで下がるとそれだけで約2割の削減になる。このことについては、施策として書き加えるのは難しい部分ではあるが、参考として排出係数に関する捉え方などを追加できると良い。

持田委員
前回審議会の説明の中で事務局から代替フロンが増加しているという説明があったが、それに代わる冷媒があるのかお聞きしたい。
また、循環型社会として公園などで伐採される草木を焼却せずに何か有効活用できることはないか。

議長(西薗会長)
草木に関してはカーボンニュートラルになるが、水分が多いため、焼却する際はガスを注入していると思う。そのため、エネルギーは余計に使用していることとなる。

事務局(大山副参事)
先ほど片亀委員から意見のあった廃棄物に関する取組は、43ページにある「基本施策5 循環型社会の形成」の中で記述をしている。取組を推進することにより、ごみ処理施設の負担を軽減し、温室効果ガスの排出削減に繋げるものである。この点に関しては市民の協力が必要不可欠であることから、啓発等も含めて取組を進めていければと考えている。また、プラスチック製容器包装の分別が義務付けられている中で、昨今の報道ではそれ以外のプラスチックごみに関しても分別する制度ができるのではとあった。そうしたことが制度化されれば、ごみ処理施設に占めるプラスチックごみの割合が低下し、結果として温室効果ガスの排出削減に大きく寄与すると考えている。
また、持田委員から意見のあったフロン類については、「フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律」により機器を適切に管理することになる。また、アンモニア等の新冷媒の開発も進んでいるという情報もある。代替フロンからノンフロンと呼ばれる新冷媒への切り替えが進むことでその他部門の排出削減に繋がってくると考えている。伐採した草木の有効活用に関しては、ごみ収集所で回収される草木は清掃工場で焼却されている。それ以外に公園等で排出されたものに関しては、民間業者に処理を委託している。

議長(西薗会長)
特にプラスチックごみに関しては、ごみ減量や群馬県の5つのゼロ宣言にも関係してくる。

幹事(松井副主幹)
本市では、プラスチックごみのうちプラスチック製容器包装の分別収集を行っている。事務局から説明があったとおり、今後、国でもそれ以外のプラスチックごみの処理について検討していくという情報が出ている。本市がどのような対応をしていくかに関しては、検討している段階である。そうした事を含めた今後のごみ処理についての考え方は、一般廃棄物処理基本計画の見直しの中で調査検討を進めていければと考えている。

議長(西薗会長)
プラスチックごみの減量は、今の段階で具体的なことは記述できないが、方向性に関しては示されている。持田委員から意見のあったバイオマス系ごみもリサイクルしていくことが望ましい。
フロン類に関する事について、私はこの分野を専門としており、国の審議会の委員も務めている。オゾン層の保護について規定しているウィーン条約モントリオール議定書がある。その国内法として「特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律」があり、2018年の改正の中で温室効果ガスの算定対象になっている代替フロンの規制が盛り込まれた。モントリオール議定書や同法に基づき、新規及び既存設備の補充等に使用する代替フロンを2024年までに温室効果ガス換算で4割削減、2029年には7割削減することとなっている。国の法律においてこのような方向性が示されており、今回の計画期間中にフロン類の使用が7割削減されることから、市としても「ノンフロン化の促進」といった方向性を示せると良い。

堀越委員
先ほど説明があったとおり、公園で出る落ち葉ごみもごみ処理施設で焼却処理されていると思うが、落葉ごみを資源として捉える発想もある。その一つとしてごみ減量課で実施している微生物で生ごみを分解する段ボールコンポストの消臭剤として使用するものである。
また、緑地会の技術講習会の中で、環境問題の視点から学習する機会があると良いと感じた。
最後に、54ページにある学校給食の食品ロス削減に記述がある食品残渣とは何か教えてもらいたい。調理過程で排出されたものか、それとも学校給食の食べ残しになるか。高崎市倉渕町では食品残渣を資源化する取組を実施していたと思う。本市でも給食はセンター方式で調理していることから食品残渣を資源化する取組ができると考える。

事務局(大山副参事)
食品残渣は、調理過程で排出されたもの及び食べ残しの両方となる。教育委員会からは微生物の力で水と炭酸ガスに分解する消滅型生ごみ処理方式により廃棄量の減量化をしていると聞いている。引き続きそのような取組を続けていってもらいたいと考えている。

議長(西薗会長)
先ほどから話に挙げっている草木や落葉、食品残渣などのバイオマス系ごみはカーボンニュートラルの考え方になるが、エネルギーを取り出すことや消臭剤と使用するなど、別用途で使用することができれば有効活用にも繋がるとの事であった。計画期間の中ではそうした取組の研究なども進めていけると良い。

角田委員
基本施策5の循環型社会を形成していくには、自治会や協力団体などとの連携が必要不可欠になる。基本施策5又は6に「地域や自治会、協力団体との連携」など市民参加に関する記述があると市民のモチベーションは上がるため、追記について検討をお願いしたい。
もう一点は基本施策3の中の自転車利用環境の整備になる。生活している中で、自転車道の整備が十分ではないと感じているので、そうした取組を是非入れてもらいたい。また、進行管理指標が「市民一人あたりの年間の公共交通の利用回数」ではわかりづらいので、「シェアサイクルの利用状況」の方が良い。

議長(西薗会長)
地域等との連携という視点はとても良い意見だと思うので、市民参加に関することも計画の中に書き加えた方が良い。また基本施策3の進行管理指標については、市民には少しわかりにくい部分かと思う。片亀委員はこの分野について詳しいと思うので、意見をお願いしたい。

片亀委員
公共交通の利用に関しては個人差があると感じている。市民の多くが公共交通との接点がない状況の中で、この進行管理指標はイメージが沸かないかもしれない。公共交通を全く利用したことがないという市民も多い中で、基本施策6にある環境教育・普及啓発にも繋がる部分だが、公共交通の乗り方教室や体験型ハイキングなど、体験の機会を増やすことが必要になる。

議長(西薗会長)
この進行管理指標は平均値になっているため、公共交通を毎日利用している人もいれば、全く利用していない人もいる。年間に1回でも利用する人を増やすような取組が必要との事であった。

上原委員
先ほど角田委員から市民参加の話が挙がっていたが、この計画を広く市民にも知ってもらい、関心を持ってもらうことが大切になる。パブコメは市役所やホームページ等で実施すると思うが、実施場所などと合わせてこの計画の概要を広報に掲載することは考えているか。

事務局(大山副参事)
今回の素案については、パブコメの実施にあたりホームページや市有施設等で閲覧できるようにする予定である。
また、素案の概要を広報に掲載することは難しいが、パブコメを実施する旨のお知らせは、広報に掲載し、広く市民に周知する予定である。

大澤委員
5、6ページの本市の気候の変化や47ページの気候変動による影響を見て、身近なところでもこうした気候変動が起きていると感じたため、気候の変化やその影響などに関する記述があることは良い事だと思う。市民の立場から見ると、本市への影響がどれくらい出ているのかが実感しづらい部分があるので、具体的なデータも示せると市民にも身近に感じることができて良い。

議長(西薗会長)
今回の計画から盛り込まれた適応策は、気候変動適応法に基づくものとなる。大澤委員から意見があった本市の影響に関する部分は、市民が関心を示すような具体的なデータなどが揃っていれば入れてもらいたい。

事務局(大山副参事)
適応策は、市町村の策定が努力義務となっている中で、昨今の異常気象の状況を踏まえて今回の計画から新たに盛り込んだ項目となっている。今後は、緩和策と適応策の取組を両輪として、地球温暖化対策を進めていく必要があると認識している。
本市の影響の中にある生態系への影響については、本市では自然環境調査を定期的に実施し、動植物の分布について把握に努めている。現状では、気候変動による生態系への大きな影響はないものと思われる。
また、世界や日本、本市の異常気象に関することは、学校や地域で実施している環境講座の中で話をして、啓発を行っている。

議長(西薗会長)
全体の構成の部分になる。3ページに緩和策と適応策に関する記述があり、その内容が45ページ以降に載っているが、繋がりがわかりづらい。3ページに内容は後記していることが書いてあると良い。
また、5、6ページにある内容も45ページからの適応策に関連する部分になるので、項目の配置について、再検討をお願いしたい。

片亀委員
気候変動による危機感はかなり身近なところまで迫ってきていると思うので、この計画の中でしっかりと伝えていくことが大事になる。気候変動については、地球温暖化防止活動センターでも盛んに啓発を行っているが、なかなか行動変容には繋がっていない現状がある。そうした中で子供たちは自分達の将来の事であり、敏感に反応をしてくれるので、基本施策6の環境教育・普及啓発活動は非常に重要である。
また、先ほどから話に出ている枝木等のバイオマス系ごみについては、太田市の「新田緑のリサイクルセンター」や切った枝を家庭で乾燥させた後ごみとして排出する千代田町の取組を参考にすると良い。

議長(西薗会長)
時間の関係もあるので追加の意見があれば書面などで事務局までお願いしたい。次に、議事(2)その他として「森林環境譲与税の概要」についてお願いしたい。

議事(2)その他(森林環境譲与税の概要)

<資料3に基づき、環境森林課 須田課長補佐兼赤城森林事務所長より説明>

3 閉会

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更新日:2022年01月11日