平成30年度第1回前橋市自然環境保全推進委員会

審議会名

自然環境保全推進委員会

日時

平成30年8月1日(水曜日)
午後2時から午後3時30分まで

場所

前橋市役所本庁舎3階 32会議室

出席者

(1)自然環境保全推進委員

金井委員長、篠原副委員長、姉崎委員、大嶋委員、大森委員、金杉委員、小西委員、土屋委員

(2)環境部長

永井環境部長

(3)事務局

神山環境政策課長、大山課長補佐、亀井主事

(4)自然環境調査(植物)業務受託会社

株式会社緑生研究所 庄司氏、高島氏

欠席者

なし

議題

  1. 委員長・副委員長の選任について 
  2. 前橋市自然環境調査(植物)について 
  3. 市民自然環境調査「みぢかな季節かんじ隊(サクラ)」について 
  4. その他

会議の内容

1 開会

神山環境政策課長

2 委嘱状の交付

永井環境部長から委嘱状の交付を行った。

3 あいさつ

永井環境部長

4 自己紹介

出席者

5 議事

議題に入る前に、委員会の成立要件の確認を行い、委員8名中8名の出席により本日の会議が成立していることが報告された。

(1)委員長・副委員長の選任について

委員長には金井委員、副委員長には篠原委員が選任された 。

(2)前橋市自然環境調査(植物)について

議長(金井委員長)
それでは、議題(2)前橋市自然環境調査(植物)について事務局より説明をお願いしたい。

事務局(亀井主事)
資料「前橋市自然環境調査(植物)現地調査速報」に基づき、業務概要、調査結果、今後の予定等の説明を行った。

議長(金井委員長)
ただいま事務局から説明があったが、各委員さんから質問や意見などがあれば発言をお願いしたい。

大森委員
今回の春季調査では、マークしなければならない種は、ほぼマークできている。その中で気になったところだが、調査地点No.7の嶺公園のところで、ミズバショウが見つかっているが、これは植栽だと思われる。

調査会社(高島氏)
植栽である。

大森委員
同じくNo.7嶺公園でリュウキンカが確認されているが、こちらも植栽である。ただし、No.7の別地点では同じCaltha palustris(注釈:エンコウソウとリュウキンカを含む種の総体:エンコウソウとリュウキンカはともにCaltha palustrisの変種の扱い)に属するものが出てはいるが、エンコウソウかリュウキンカか微妙な個体である。リュウキンカ、エンコウソウの扱いについては注意が必要である。
また本調査とは別の質問だが、前橋市内でヤブザクラと形態的に一致するものが出ている。記録された場所は宮城地域だが、調査地点No.22とは違うのか。

事務局(大山課長補佐)
No.22はフラワーパーク周辺の調査地点であるので、ヤブザクラが記録された場所ではない。

大森委員
調査地点からは外れているが、新前橋駅西口付近でキヌイトツメクサやツメクサ属の新たなものなどが出ている。最近では新顔の植物も出てきているので、特に秋季調査では、道路脇なども注意して調査する必要がある。
調査結果を全般的にみて、今まで無かったようなハナヤスリ類が出ている。コヒロハハナヤスリやハマハナヤスリは群馬県全体でも、発見地点が増えているので注意が必要である。
ホソバニガナだが、前回調査時には大群落を作っていた印象だが、それに比べると株数が少なくなっていると感じる。原因としては、今年は花の咲く時期が異常であり、調査時期には既に散ってしまっていた可能性がある。また、ホソバニガナ自体、短命な多年草であるので、多い年では1000株程度、少ない年では100株程度と年度により変動があるので、今回の調査はある程度落ち着いた結果になっている。この結果が続落していくようであれば問題だが、純粋なホソバニガナと雑種との比率は今後も観察していく必要がある。
逆に絶滅危惧種のクサタチバナが爆発的に増加している。原因は鹿の食べ残しである。盗掘はないとはいえないが、それにも増して数が増えている印象である。サナギイチゴについても一時期は、鹿の食害で減ったが、今ではサナギイチゴとは思えない鋭いトゲを付けるようになり、復活してきている。この辺の鹿との関係も注意が必要である。
特定外来種をみると、前回調査と比較して、オオカワヂシャが利根川本流だけでなく、大胡、宮城地域の支流でもかなり増えていると感じる。今後の調査も時期をずらすことなく継続的に実施していくことで、ホソバニガナやハナヤスリ類などの定期的なモニタリングにもなり、外来種の状況をみるうえでもいいデータをとることができる。

篠原副委員長
大森委員から話のあったエンコウソウについて、リュウキンカにしては少し小さいためエンコウソウだと思われる。数株ほど確認しているが、昔からあるものだと考える。また、ヤブザクラについても確認している。

議長(金井委員長)
色々と植物の種類が出てきているので、これから実施する夏季、秋季調査において、今出たような種について注意して調査をしてもらいたい。また、今回の調査結果を次回の調査に活かせる基本データとなるように、まとめてもらいたい。

大森委員
次回調査に活かせる基本データとして、重要種と特定外来種については24ページ以降の図のようにまとめることで、年度ごとのデータの比較や蓄積が可能である。業務を請け負う業者にも同じようにまとめてもらうよう指示してもらいたい。
それから情報提供としてNo.25の赤城大沼について、環境省「モニタリングサイト1000」の湖沼調査が今年度から実施される。調査内容は水生植物調査になる。

篠原副委員長
花が咲いていなかったので正確ではないが、覚満淵のところにウスアカノイバラが1株だけ咲いていた。

議長(金井委員長)
覚満淵は調査地点の中に入っているか。

事務局(亀井主事)
覚満淵は調査地点に入っていない。

小西委員
32ページのNo.16敷島公園のマツグミだが、公園内でクロマツに寄生したマツグミをみたことがあるが、今回の調査ではアカマツだけに寄生しているのか。

調査会社(庄司氏)
もう一度確認し、クロマツがあれば修正する。

大森委員
マツグミはアカマツ、クロマツ以外にもモミにつくことがあり、敷島浄水場の中にあるベイマツにも寄生しているのを発見した。マツ類2種とともにモミ、トガサワラ属も注意が必要である。

篠原副委員長
赤城大沼周辺のクリンソウについて一時全て無くなった状態だったが、地元の方々が自宅の庭に植えていたものが逸出してかなり増えてきている。厚生団地の職員が庭に植えていたものが、更地にしたときに出てきたのだと思われる。

大森委員
38ページのところでクリンソウの確認位置が示してあるが、厚生団地があった場所とは異なっている。この場所で確認されたものは逸出のものか、野生のものか。

篠原副委員長
38ページで示してあるクリンソウは野生のものだと思われる。その対岸の厚生団地で見つかるものは逸出したものである。

(3)市民自然環境調査「みぢかな季節かんじ隊(サクラ)」について

議長(金井委員長)
つづいて、議事(3)市民自然環境調査「みぢかな季節かんじ隊(サクラ)」について説明をお願いしたい。

事務局(亀井主事)
資料「市民自然環境調査「みぢかな季節かんじ隊(サクラ)」について説明を行った。

議長(金井委員長)
ただいま事務局から説明があったが、各委員さんから質問や意見などがあれば発言をお願いしたい。

土屋委員
調査隊員23名とあるが、隊員の年齢層はどうなっているか。

事務局(亀井主事)
隊員は大人の方が中心である。

土屋委員
調査目的に「次世代を担うこども達」とあるので、子供がより参加できるような方法を考えるべきである。

事務局(亀井主事)
フェイスブックやホームページ等でも周知をしているので、若い世代の方々でも情報を得やすい状況を整えているところだが、なかなか集まらないのが現状である。

議長(金井委員長)
隊員の年齢はわかるか。

事務局(亀井主事)
提出してもらう報告書に年齢を記入する欄を設けていないため、わからない。

土屋委員
実際に子供だけで調査をするというのは、なかなか難しいことである。子供が調査票をもらってきて、親御さんと一緒に調査ができればよいが、子供がもっと関わることができるようにするとよい。

事務局(神山環境政策課長)
なかには、報告は大人の方がするが、観察は親子でする場合もある。調査の内容にもよるが、なるべく子供を取り込んで調査ができるようにしたい。

議長(金井委員長)
今回調査をしてくれた方々に通知を出すときに身近な自然環境について家族でどのように考えているか聞いてみるのもよい。

(4)その他

議長(金井委員長)
その他議題等はあるか。植物やサクラ以外のことでも構わないが、各委員や事務局から何かあれば、発言をお願いしたい。

事務局(大山課長補佐)
前橋市内で確認されたアカカミアリについて、発見されてからの経過報告や侵入経路等の情報提供を行った。

議長(金井委員長)
最近では、クビアカツヤカミキリという外来昆虫も出ているが、前橋市では確認されているか。

事務局(神山環境政策課長)
前橋市では確認していない。東毛地域で被害が出ているという報告がある。

金杉委員
館林市、太田市などでは被害を確認している。成虫は確認されていないが、フラスのみ確認されている地域はほかにもあるため、広範囲に広がっている可能性はある。

事務局(神山環境政策課長)
環境政策課でも公園や学校に注意喚起をしているところである。

大森委員
クビアカツヤカミキリのフラスは他のカミキリムシなどと比べて、際立った特徴はあるか。

金杉委員
フラスを大量に排出する。他にバラ科の植物でクビアカツヤカミキリほど排出物を出す昆虫はいないため見れば分かる。

篠原副委員長
特定外来生物の植物について、花が綺麗なため、わざわざ採って自宅の庭に植えているケースがある。

議長(金井委員長)
確かに外来種の植物については花が綺麗なことが多い。市のほうでも対応することはあるか。

事務局(神山環境政策課長)
特定外来生物についてはヒアリやアカカミアリなど毒性があったり、市民生活に危険があったりする場合は、広報に載せて市民の方々に周知をすることはあるが、植物の場合、危険性が低い部分もあるので、特徴等あれば載せやすいが、なかなか特定外来生物として広報に載せることは難しい。

金杉委員
植物については花が綺麗なので残されている場合が多く見受けられる。徹底した周知が必要である。ナガミヒナゲシも気になるが、特定外来生物ではないので、どうすることもできない。

姉崎委員
イノシシやシカ、クマについて、街中で発見されることが増えているがどうしてかという問い合わせが最近増えている。エサ資源の問題だけではなくて、出没しやすい環境や隠れやすい環境が市街地の周辺、あるいは街の中にあるからである。動物達にとっては気付かない間にそこまできてしまって、表に出たら市街地であったというパターンが非常に多い。動物達が驚いているところに人間が遭遇してしまうと事故に繋がると説明をしている。それをどのようにして、入ってこないようにするか、人間側が努めて、動物達が動きやすい環境を無くしていかない限り、出てきてしまう。家の周辺には食べ物がたくさんあるので、餌付けしているわけでなくても、エサになってしまうことがある。
今年度のはじめに群馬県の鳥獣保護員の委嘱式のなかで、イノシシの話をする機会があったが、胎児の数が増えているという話があった。もちろん栄養状態が良ければ、胎児の数は増えることがあり、その原因は、コンポストや残飯などが考えられる。まずはそういったものを無くさなければ、動物達を減らすことはできない。地道な活動だが、大切なことである。
他の相談でもハクビシンが屋根裏に住み着き困っているという話があった。入り口をコンクリートで固めても崩して入ってくるということだった。自分の家だけでなく、近くに他にもねぐらになっている家があるなど、周りの環境も影響していることがあるので、地域全体で情報を共有しながら取り組まなければならないことである。動物の環境の中に人が住んでいるという状況がだんだん強くなっていると感じる。

議長(金井委員長)
動物の環境から脱却するためにはどうすればよいか。

姉崎委員
動物が住み心地の悪い環境を作ることである。ここ数十年の間に動物達にとって住み心地の良い環境ができてしまったことを知らないで過ごしてきた人たちは、どのように対処していいかわからないということが現状である。

大森委員
シカとイノシシの移動に伴って、マダニとヤマビルの移動範囲が広まっている。桐生自然観察の森では少し滞在しただけで、身体に付いてしまうほどの数になっている。宮城、粕川方面への移動も十分考えられるため、今後の対策が必要になってくる。

姉崎委員
群馬県内におけるイノシシの生息数は、減ってきているという予測である。その一方でシカの生息数は増えている。メスの成獣を捕獲しなければ、数は減らないが、なかなか難しいのが現状である。自然史博物館周辺でもシカの鳴き声が聞こえるようになってきており、目に見えるようになってから対策するのでは遅く、素早い対応が必要である。

大森委員
最近では、信越線の群馬八幡駅と安中駅の間でシカが列車にはねられた。シカが線路を横断するような状態になってきている。

事務局(神山環境政策課長)
市役所周辺でもメスのシカの目撃情報があった。また、今年度から環境政策課に赤城森林事務所が移管され、有害鳥獣も担当するようになり、5月のゴールデンウィーク辺りではクマの目撃情報もあった。クマやイノシシは川沿いを降りてきて、上がったところが住宅街というケースをよく聞く。

姉崎委員
桐生市役所周辺で出たときもそのケースであった。川沿いや河川敷沿いの隠れやすいところを下ってきて、上がってみたら街中だった。東毛地域であれば渡良瀬川を使っている。水辺を好み、歩きやすく、隠れやすいことが川沿いの出没が多い理由である。

大嶋委員
群馬漁協管内で坂東大橋から福島橋の間で鵜の駆除を実施する。銃を使用して駆除するが、撃つ箇所は3ヶ所で決まっており、十分注意を払って実施する。また、今年はアユの天然遡上が多く、昔の利根川に少し戻ったような感じである。

篠原副委員長
ツバメの調査はどうなっているか。

事務局(亀井主事)
調査期間が8月10日までなのでまだ回答はそろっていないが、現時点で15名ほど提出があり、昨年度の報告よりも増えている。

篠原委員
ツバメはカラスが近寄ると、子育てを放棄してしまう。調査時にはその辺も注意してみてもらいたい。

姉崎委員
ヤマビルの忌避剤としてマリックスターが有効である。3倍程度に希釈して使用する。女性用のストッキングなども着用するとヤマビルが食いつけないため有効である。

議長(金井委員長)
以上をもって議事を終了する。

6 閉会

神山環境政策課長

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更新日:2019年02月01日