第15回前橋市景観審議会

審議会名

景観審議会

会議名

第15回前橋市景観審議会

日時

令和2年1月27日(月曜日)10時~11時

場所

前橋市第一コミュニティセンター 2階ホール

出席者

審議委員

小林会長、金井委員、金子委員、能登委員、齊藤職務代理者、赤堀委員、

渡辺委員、三田委員、眞庭委員(代理:群馬県都市計画課 堀口景観形成係長)

福井委員


事務局(都市計画課)

高橋都市計画部長、金井都市計画課長、高瀬課長補佐、

江黒副主幹、石井主事、中島研修生
 

欠席者

木村委員、田村委員

議題

協議事項
1. 景観資産登録制度 令和元年度登録物件について
報告事項
2. 色彩基礎調査の経過報告について
3. 第二次違反広告物是正指導の経過報告について

 

会議の内容

1 開会
(金井都市計画課長)
・定足数の報告
12名中10名の出席であり、審議会規則第3条第2項の規定による過半数の出席を得ているため、審議会が成立していることを報告した。


2 あいさつ
(小林会長)
(高橋都市計画部長)


3 議事録署名人の選出
議事運営要領第6条第2項の規定により、渡辺委員と三田委員が指名された。


4 議題
○ 協議事項 景観資産登録制度(案)について
・資料に基づき事務局より説明
・協議事項についての質疑
(齊藤委員)
私は緑地土木が専門分野で修景協会からの選出ということで、どうしてもその視点が主となった発言になってしまうことをご了承いただき、発言させていただきたい。
前回の第14回景観審議会において、景観法における重要なものとして、建物であれば景観重要建造物、樹木であれば景観重要樹木という法律上の制度があることから、それとあわせて視点場と樹木ということも考えてもらいたいと発言させていただいた。その際に樹木に関しても事務局からは「検討する」ということになったと記憶している。そのようなことから検討されたことと思っていた。また、事務局からの説明の中で「保存樹」という紹介があったが、保存樹については、樹木保存法や条例から来ているため、どうしても市街地、及び、前橋市の場合は合併した集落を加えて保存樹とした。それが単体樹木や樹林地という形で指定されているものである。また、保存樹の中には公が管理しているものは除かれているため、個人の樹木のみとなっている。景観資産登録制度自体は非常に良いものと思っているので、このような制度を設ける場合には、ぜひ最初の時に樹木というのを加えていただきたかった。建造物を調査したからそこから選定したというのはわかるが、樹木、樹林地についてもぜひとも検討はお願いしたかった。また引き続きお願いしたいという意見である。
(小林会長)
先ほど事務局の説明にもあったように、保存樹等についても少しずつ拡大していくということであった。今年度は取っ掛かりでもあるため、具体的にはこれからまた広げていくということである。
(齊藤委員)
保存樹の意味合いと、景観重要樹木から出る景観資産登録制度の意味合いというのはまた別かと思っているので、そのような視点も持っていただきたい。保存樹の指定にあたっては、職員がまわって調査して各家庭にあたっていたと聞いているので、例えば歴史、物語を感じるような樹木に対しては積極的に加えていただきたいと思っている。
(能登委員)
今後の計画のことを伺いたい。プレートのデザインに「令和元年度」と書いてあるが、今後どのような頻度で作成するのか。
(事務局)
今後は、毎年度公募をかける予定である。年度ごとで、ある程度の数の物件が登録されるため、プレートについても年度ごとの発注とさせていただく。そのため、来年度の作るものについては「令和2年度」という表記となる。
(能登委員)
毎年20件前後の登録を考えているということか。
(事務局)
そうである。
(能登委員)
承知した。
(渡辺委員)
毎年公募をかけて登録ということになると、パンフレットは毎年更新するような形で、20件ずつどんどん増やしていくのか。あるいは年度ごとに別々のものとして作成するのか。
(事務局)
パンフレットについては、今年度はまず制度の始まりということで、制度の周知を目的に作らせていただくものである。本来であれば毎年パンフレットを作りたいところであるが、財政的な理由からそれは難しいため、ある程度年数が経過し、登録物件がまとまってきた段階で、冊子状などのパンフレットとして改めて作りたいと考えている。
(渡辺委員)
それは配布したり、どこかに並べたりとかするのか。
(事務局)
パンフレットを作成した際には、市民の方の目に触れるところに配布したい。
(渡辺委員)
パンフレットに掲載された登録物件については、市民に見に行ってほしいのか。単に登録だけすればよいのか。市民に対してはどのような立ち位置なのか。
(事務局)
制度の主旨として、「啓発」という部分がある。市民の方に景観的に素晴らしい物件を知っていただき、実際に見に行っていただくということは良いことと考える。さらに登録物件の所有者の方に対しては、前橋市の誇るべき景観資産として紹介させていただくことで、ご自身の資産に対して誇りを持っていただくという点でも、パンフレットにする意味合いがあるのではと考えている。
(小林会長)
パンフレットを見て、場所が分かれば使える。
(渡辺委員)
地図は細かい方が良いのか、ざっくりしたもので良いのか。どういう形で見てほしいのかということを感じた。
(能登委員)
文化財保護課に国・県・市の指定文化財に関するエリア別のマップがあり、人気がある。持って歩けるというのは良いパンフレットなのではないかと思う。また、最近は二次元コードが普及してきた。この制度では登録物件に対して説明板が付かないが、プレートのところに二次元コードを付けて具体的な内容が読み取れるようにする方法が、最近一般的になってきて、結構面白い方法である。いろいろと、あの手この手の手法をぜひ考えてみてほしい。
(小林会長)
ありがとうございました。
それでは、まとめたいと思うが、事務局提案の景観資産登録制度 令和元年度登録物件17件については、登録制度に乗せるということで異議のある方はいらっしゃいますか。
(審議会委員)
一同異議なし
(小林会長)
それでは、登録ということで審議会としてまとめたい。
また、プレートのデザインについてはA案ということで意見をまとめたいと思うが、よろしいか。
(審議会委員)
一同同意
(小林会長)
また、これまでの事務局説明について、今後の進め方等についても委員の中で意見を頂戴したので、取っ掛かりということで進めさせていただいて、また改善していくということで進めてまいりたいと思う。


○ 報告事項 色彩基礎調査の実施について
・資料1に基づき事務局より説明
・報告事項に対する質疑
(金子委員)
色彩ガイドラインは、地区の色のイメージという感じになるのか。これからどのような点を中心にしたイメージを考えているのか。
(事務局)
例えば景観法に基づく届出では、延床面積1,000平方メートルを超える大きな建物について届出が必要となるが、そのような建物が周辺の景色に調和しているかどうかという審査のために、景観形成報告書という書類を提出してもらう。その時に、例えば外壁の色が全体的には薄い青で、ワンポイントとして赤い色で企業名を出す、というような計画が我々のところに出てくる。その青色が周辺の景色と合っているのか、外れているのかという部分を見るのにあたって、この地区で外壁に多く使われている色はこれだというのがこの調査で分かってくれば、計画の色がどれだけ外れているものか、あるいは近いものであるかというのがわかる。アドバイスをするにしても、この辺の色に落ち着かせてもらえますか、という話ができるのではないかと考えている。
(金子委員)
主に建造物の色ということか。
(事務局)
そうである。
(金子委員)
わかりました。
(能登委員)
観光地にいくと、コンビニの色が違うことがある。こういうものは条例か何かで定まっているものなのか。
(事務局)
そうだと思われる。前橋市でいけば広瀬川の景観形成重点地区の中で、色の統一を図るという条項が設けられれば、そうなることも考えられる。
(能登委員)
高崎市の色彩ガイドラインにも条例はあるのか。
(事務局)
高崎市は、民間の方が建物を建てる時の目安となるガイドラインである。それを業者の方が見て、例えば榛名神社の近くではこういう色が良い、というのを見るためのものである。
(能登委員)
それは指導まではいかないもので、協議みたいなことなのか。
(事務局)
そうである。参考程度なのだと思う。条例よりも下であり、行政指導よりも弱いという風に認識している。
(能登委員)
それは効果があるのか。
(事務局)
業者からは喜ばれているのではないかと思う。
(齊藤委員)
最終的に出てくる報告書というのは、その地区に対する指導ができるような形で、マンセルの数値が出てくるのか。
(事務局)
今回の調査報告はあくまでも現況なので、この地区ではこういう色合いが一番多いという報告になる。
(齊藤委員)
ではその地区の色ということか。その後で、前橋市のほうで指導のためのものを作っていくということになるか。
(事務局)
そうである。
(齋藤委員)
景観で色を取り扱う時に、役所はマンセルで色を決めると思うが、彩度だけで決めてしまうと、違う色であっても彩度さえ押さえていれば良いということにどうしてもなってしまう。進めていく際には、塗る面積によっても違うので、彩度に加えて色相の意味合いも重要視していただきたい。
(三田委員)
出店する企業に対して指導をする場合に、企業のカラーイメージがあることがある。企業にとってもカラーイメージは大事かと思うが、どの程度の効力で指導ができるものなのか。
(事務局)
強い規制条例を持っているのは、前橋市では広瀬川景観形成重点地区になるが、そのほかは色彩についてあまり強い言及ができない地区になっている。例えば、企業カラーイメージとして真っ黄色の看板が出てきても、それに対して「やめてください」だとか「変えてください」ということはなかなか言えない。一方で、景観アドバイザー制度というものを持っていて、新しい建物を建てるときに色をどのようにすれば良いかなど、もし相談いただければ、例えば真っ黄色に対して「少し彩度をおさえてもらえますか」とか「ワンポイントに留めてもらえますか」といったお願いをすることができる。今仮にガイドラインがあったとしても強制力が伴うものにはなかなかできないが、お願いする場合に「こんなふうに」という示すベースができるかなと考えている。
(事務局)
京都などでは、例えばコンビニが赤ベースのものを茶色にしていただいているということもあると思う。京都のように世界的なところであれば条例でしっかり規制しているところもあるかとは思うが、前橋市の場合は行政指導ないしはお願い事項になるかと思う。いずれにしても景観が重要だということで、積極的にまちなみを形成できるようにするためのひとつのベースとして、今回の調査がある。これまではどうしても担当者の主観的な審査のようになっていたため、できるだけ地域の特性をしっかりと周知して、景観はみんなのものであると積極的に指導し、ひとつのまちなみを作っていきたい。
(能登委員)
それは協議資料を作りたいという考え方か。
(事務局)
そうである。協議のベースとなるものができたらと考えている。
(能登委員)
指導まではいかないということか。
(事務局)
規制まではできないと思う。
(能登委員)
承知した。
(小林会長)
今後、今回の調査データをどうやって使っていくかということであるが、根拠法を何にするかという問題もある。景観法を根拠にする場合は、色のデータを景観地区にかけることができる。あるいは地区計画のところで調査を行っているため、都市計画法に基づく地区計画制度の中で、色の基準を項目に盛り込むということもできる。企業カラーについても、いろいろな自治体で協力いただいて直っているところがある。今回の調査では測色をきっちりと行ったデータも出てくるようで、最終的には良い景観を作るという目標のためにやっているものであるので、データがまとまった段階でまた使い勝手を考えたい。

○ 報告事項 第二次違反広告物是正指導の経過報告について
・資料2に基づき事務局より説明
・報告事項に対する質疑
(小林会長)
是正率は年々上げていっていただきたい。

5 その他
(金子委員)
赤城南面道路沿いの土地で、今どんどん木が切られていってソーラーパネルが建てられており、景観的にもかなりひどくなってきているという感じがする。木を切られることでそこに住んでいる動物が里のほうに下りてきて、イノシシが畑を掘り起こしたりだとか、荒れている様子であるということを私の家の周りでもよく耳にする。木を切るにしても、そこに生えている木、貴重とされている太い雑木関係もどんどん切られてしまっている。ユンボでなぎ倒すような、悲しくなるような情景がたくさんある。ソーラーパネルの設置について、一時期収まったかと思ったが、またここのところ山の木が切られているという状況があるので、景観のことも含めてどのように考えているのかお聞きしたい。
(小林会長)
再エネ審議会に関係することであるが、3月にFIT法が終わるので、少しまた状況が変わるかなということはある。事務局から何かあるか。
(事務局)
都市計画課では再生可能エネルギーのことも所管しており、小林会長には再エネ審議会の委員としてもお世話になっている。小林会長のおっしゃるとおり、3月でFIT法という経済産業省の認定制度が切れるが、国としては太陽光などのクリーンエネルギーを推進していることから、前橋市としても、関係法令への適合、経済産業省の認可、東電との契約があり、景観的な部分を含めた審査に適合するものについては、許可をするということで進めている。ソーラーパネルは建築物に該当しないため、建築確認がいらないものとなっており、このような条例が出来るまでは本当に無秩序にどんどん作られていた。市内には経済産業省の認可を受けている件数が相当あり、今はFIT法終了の関係で駆け込みが結構多くある。そういった意味でも、今動きが多いのではないか。来年度以降はFIT法も若干違う法令になると聞いており、駆け込み的なものは少し下火になるかもしれない。前橋市としては、景観形成という点では最低限道路から見える部分を目隠しするような基準がある。あとは排水、造成や森林のことを含めての審査を行っているところである。この動きを止められるかというとそれは難しく、国が認定しているものは審査基準に適合すれば、設置せざるを得ないという状況になっている。
(小林会長)
現行の制度では、基準を満たしているものは許可をせざるを得ないのが実情である。行政としては、申請書類をきちんと作ることなど、やれることでどんどんハードルを高くしてきた。法制度が変わると少し落ち着くかなということである。ご覧いただいているように無秩序に立っているというのが現状である。適合制限をかけて何かできるかというと、現状ではなかなか難しい。それすらない時代よりはましということである。
(金子委員)
国道353号線を走ると大変目立つので気になっていた。
(小林会長)
国道353号線だけでなく赤城南面全体的にものすごい勢いで出来ているので、何か秩序ができればよい。

(小林会長)
総括すると、本日は景観資産登録制度について協議したが、この制度は景観法に馴染むかというと実は馴染まないというところもある。というのは、景観法は「規制」が主眼であり、手を差し伸べないと消えていってしまうような景観をどうしていくかという考え方である。一方で、例えば歴史的な公有建造物などの資源について歴まち法があるが、こちらのほうは規制ではなく活用が主体であるので、そういった考え方で、みんなで良いまちを作っていければ良いと思う。また、景観重要建造物や景観重要樹木等の上位制度では、より手厚い支援をすることができる仕組みであるので、そういったものも視野に入れていけたら良いと思う。本制度に登録していただくと観光的にも使えるし、使い勝手が良い制度だと思う。そういうところで見守っていきたい。
色彩についても、昔は景観計画の根拠法が地方自治法だったため強制力が弱かったものであるが、景観法という根拠法もできたので、その中で取り組むことができる。先ほども話したが、例えば地区計画の中に色彩の項目を盛り込めば、飛びぬけた色や奇抜な色は出てこなくなる。最低限そういうものを規制する仕組みは今あるので、使っていければと思う。景観の中の色にしても、使い勝手だと思う。データをどのようなものに使っていくかという知恵が大事だと思うので、今後みなさんお知恵を拝借しながら進めていければと思う。
他に全体にわたってご意見等あればよろしくお願いしたい。

(能登委員)
景観資産登録制度についてはこれから登録物件が増えていくのだろうと思うが、前から気になっていたことがあったので発言させてほしい。景観資産登録制度では、指定文化財となるべく重複しないほうが良いというのが私の意見であった。文化財指定は歴史的価値に重点が置かれている。あくまで景観として、「お互い町の中で守り合おう」というコンセプトでやっていったほうが良いのではないかと前から思っていた。もしよろしければそんなことも頭に入れてやっていただきたいと思う。

(事務局)
次回の開催予定は確定次第、ご連絡させていただく。
来年度中に皆様の任期が満了となるため、その点もあわせてご相談させていただきながら進めてまいりたい。

6 閉会
(金井課長)

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更新日:2020年02月25日