第20回アーツ前橋運営評議会 報告

審議会名

アーツ前橋運営評議会

会議名

第20回アーツ前橋運営評議会

日時

平成30年7月23日(月曜日) 午後2時30分~午後5時00分

場所

前橋市中央公民館504会議室

出席者

委員

小島副委員長、片倉委員、長谷川委員、友岡委員、間々田委員、水沢委員、佐々木委員、結城委員

事務局

川端部長、原田課長、住友館長、新保補佐、佐藤副主幹、堺主任、辻学芸員、今井学芸員、五十嵐学芸員、忠学芸員、山田学芸員

議題

報告事項

(1)平成29年度決算見込み、及び評価調書の確認

(2)事業の実施結果

・Art Meets 05 菊池敏正/馬場恵【3/17~5/29】

・横堀角次郎と仲間たち 草土社の細密画から、郷里赤城山の風景まで【3/17~5/29】

(3)事業の進捗状況

・岡本太郎と『今日の芸術』 絵はすべての人の創るもの【10/5~ 1/14】

・地域アートプロジェクトほか 滞在制作、前橋まちなかアーツ助成、つまずく石の縁

・教育普及関連 スクールプログラム、あーつひろば、アーツナビゲーター

(4)関連記事/視察・団体受入

(5)前回までの指摘事項

(6)その他

協議事項

開館5年の自己評価と運営について

会議の内容

1 開会

2 報告事項

小島委員長が議長となり、担当から報告を行った。

 

(1)平成29年度決算見込み、及び評価調書の確認[資料3]

資料に基づき、事務局から説明を行った。主な意見・質疑は次のとおり。

【委員】

会場設営の費用は評価調書の中に出てくるか。

【事務局】

評価調書には出てこないが、大体平均300万~400万円である。

【委員】

アンケートの様式が複雑である。子供でも積極的に答えられえるような方法はあるか。

【委員】

アイコンにシールを貼ってもらうなどしたらどうか。

【事務局】

モニター調査などもいいかもしれない。

【事務局】

サンプル数も以前より減っている。今は300サンプルくらいである。他の館はどの程度回収できているのだろうか。

【委員】

うちの館もそのくらいである。500サンプルというと多い印象である。子供が一緒にたくさんくれば隣の人のマネをして書いてしまう。アンケートというのはその程度のものと考えたほうがよい。

【委員】

この前、小学校2年生の孫とワークショップに参加したが孫には難しいアンケートだった。やはりシールを貼ったり、〇をつけたりする方がよい。そうすれば隣の子を真似することもない

【事務局】

子供をターゲットとした事業についてはそのようにすべきかもしれない。

【委員】

年齢層、年代別に最低50サンプルは無いとクロス集計ができないと思う。やり方を工夫して50は欲しい。各年代でどういう特徴があったのか分析しながらどのような戦略で考えたらよいのか。(アンケート協力に)何か特典をつけたりしたらよいのでは。例えばアーツ前橋の秘密が見られるといったような。

【委員】

答える人の年齢層と、実際に来ている人の年齢層が気になるところである。

【委員】

アンケートによると来館者の住まいは50パーセントが市内、50パーセントが市外となっているが、地方の美術館としては理想の数値であると思う。外に向けて情報発信して外からも来館がある。もちろん市内からの来館者も重要だが理想的である。いわき市立美術館もこの数値を目指しているところである。内と外が繋がるような展覧会を行えばこういう結果につながるということを行政にも理解いただきたい。

 

(2)事業の実施結果 [資料1]

資料に基づき、事務局から説明を行った。特に意見なし

 

(3)事業の進捗状況 [資料2]

資料に基づき、事務局から説明を行った。主な意見・質疑は次のとおり。

【委員】

岡本太郎展は書籍「今日の芸術」をベースに企画展が構成される、というところに特色がある。それを崩す必要はないと思うが、キーワードをどうしたらいいか。テキストに鑑賞者がアクセスしていくのをスムーズにするにはどうしたらいいいか悩んでいる、と聞いたが、そこが大きなハードルになると思う。良くも悪くも真面目な企画になっているが、それが来館者の期待とずれを生み出す可能性があるような気がしている。なぜならば岡本太郎は有名すぎるからである。世間のイメージは「芸術は爆発だ」「太陽の塔」、せいぜいそのレベルであると思う。既知のものに対する期待感を持ってきた時に、思っていたのと違うという反応が出てきかねないという気がする。大衆的な期待値にも寄り添い、世間的にイメージされている岡本太郎を呼び水にする。併せて「今日の芸術」の中のテキストの中でリンクすることができるような部分を引き出して、導入部に出来たらと思う。

【事務局】

友岡委員の言うとおり、岡本太郎にはあまりにも有名なイメージがある。「今日の芸術」は新書版で発行されたものであり、かつ大衆向けの戦略だった。今回の展覧会は岡本太郎の大衆化もテーマにしているので、マクセルのCMにも出ることなど、多くの人が知っている岡本太郎にも出会えるようにしたい。

ただ、もともと本で紹介されているものなので、例えば壁にたくさん文字があるような展覧会もあるが、分量的に苦痛だと思う。文字を読ませるようなことも考えているが 空間体験ですあるので、その中に本という要素をどう取り入れていくか悩んでいる。委員の皆様からアドバイスいただけるとありがたい。

【委員】

書籍ということであるなら今回前橋文学館との連携は無いのか。

【事務局】

今回は無い。

【委員】

展覧会の目的・目標について、あまりに波及効果ばかりが書かれている。確かにアーツ前橋を知らしめるとか、入場者を増やすというのは波及効果としてはいいと思うが、何をやりたいか目標をもう少し絞り込まないとまずい、という気がする。あくまで波及効果であり、目的ではないと思う。

【事務局】

承知した。

【委員】

前橋まちなかアーツ助成についてもう少し詳しく聞きたい。一つは、受付がまちなか研究室になっているが、アーツ前橋との関係性について教えてほしい。二つめは、審査はどのような形で行われるのか。三つめは、上限は10万円ということだが団体数は4どのくらいを考えているか。

【事務局】

受付などの諸事務を前橋まちなかエージェンシーへ委託している。昨年度までのまちフェスは実行委員会の形式で、実質的にはアーツ前橋が事務局を行ってきたが、昨年度は前橋まちなかエージェンシーに運営を委託した経緯がある。そして今年はすべての運営を業務委託というかたちで移行した。審査は実行委員長をはじめ、館長、街なかの状況をよく知る有識者に審査をしてもらうかたちになる。団体数については、すべての申請団体が上限10万円の助成となった場合は10団体となる。

【事務局】

当初は街中の「プレーヤー」を増やすという意味でまちフェスを行ってきた。次第にそういう人たちが増えてきて、昨年はめぶくフェスをまちなかエージェンシーが中心となって事業を行った。しかしながら結果的には、アートだけではないものも増えた。そのような経緯もあり、そちら(アートでないもの)は、めぶくフェスの方に活躍の場を作ってもらって、我々はアーティストの活動に特化したところに戻ろうということになった。

イベントに助成というよりは「活動に助成」する方が本来の姿であろう、という点が今回の移行の意図である。

【委員】

つまずく石の縁は待ち望んでいた企画なのでぜひやっていただきたい。五周年記念に留めずに継続的にやっていただきたいし、やっていただく必要があると思っている。滞在制作事業をここまでやっている美術館はそんなにないと思うので、そこにアーツ前橋の独自性があることも評価している。しかしながら、芸術家を支援することが前橋市民にどう還元されているのか、というところがこれまで薄かったと思う。今後も継続的にやっていただきたい。

【委員】

趣旨は分かるが、企画にある外国人学校への積極的な広報というのはどういうふうに続けられているのか。想定されている外国人学校はこの中で書かれているのはどこか。位置づけがよくわからない。

【事務局】

今回の参加アーティストでイルワン・アーメットとティタ・サリナというインドネシアの二人組が昨年度末に滞在制作で来ていた時に、インドネシア人の学生が多いという理由から日本語アカデミーにアプローチし、学生らとワークショップを行った経緯がある。普段多くの外国人学生を見かけるが、彼らとはなかなか街中でアクセスすることも無い。私たちが外に出ていく授業を行う中で、彼らとの接点をもう一度改めて見ていくことはできないかということで、アクセスしやすい彼らに協力をしてもらいながら、積極的にアーツ前橋に来てもらえるようなきっかけづくりをしていきたい、ということで記載させてもらった

【委員】

それは外国人学校ではなくて、外国語学校の留学生である。混同しないように文言を変えたほうがよい

【事務局】

承知した。

【事務局】

友岡委員が言うように、滞在制作の効果がわかりづらいというのはそのとおりである。

事業自体が展覧会を目的に行っているわけではなく、制作や先の制作のための調査を期間中に実施するというものなので、なかなかアウトプットできなかった。そういう意味ではこれは良い機会になると思っている。ただ、街の空き家を探して毎年やるというのは厳しいかもしれない。今回は商店街から提案があったものである。一回やってみて今後継続してできるかどうかを探っていきたいと思う。平成27年、28年に滞在した作家が海外の美術館で前橋での制作として発表していることから、着実に成果はあげてきていると思う。

【委員】

前橋市内に定住外国人はどのくらいいるのか。

【事務局】

留学生を含むと7000人近くいる

【委員】

どこの国が多いか。

【事務局】

ベトナム・中国などが多い。

【委員】

今はスーパーでも三か国語くらいの案内が出ている。

【委員】

今までのアーツ前橋の活動の中で、意識をもって取り組んだものはあるか。

【事務局】

「あかつきの村」というインドシナ難民を受け入れている施設があるがそこと協働する事業を行ったことがある。また、先ほどの話したイルワン・アーメットとティタ・サリナが語学留学、研修生など色々な立場で来ている人達の間を取り持つようなコミュニティーを作るプロジェクトを行った。

【委員】

私達が言う外国人学校とは、外国のカリキュラムで次世代を育てていく学校で、正式には各国で認可されたものであり、群馬には太田市や大泉町にある。学校には音楽・美術・体育がカリキュラム上なかなか無いのが南米系の学校なので、それとコラボレーションしたらすごく新鮮だと思う。例えば、今回外務省の授業で私が連れて行ったのが、大泉町にある学校で、この学校は美術を突出してよくやっている。宗教と重ねて非常に色使いも面白い。非常に色彩豊かな中にアジア各国の次世代リーダー達が来て交流をしたということであり、群馬で隠れた宝がアートと交流できた。宗教とアートを重ねて語る子達がたくさんいるので、そういう子達に光を当ててみるのもいいのではと思う。

アートに対して全く無防備で、教育は家庭の責任だと思っている外国人学校の子達も、アーティストと対話をしてみて何が触発されて化学反応が起きるかということも、あえて群馬だからできることではないかと思う。先ほど出ていた日本語学校(外国語学校)に通う留学生も言葉の通じないストレスを感じる中で、アート表現というものに触れ合うことで不自由な気持ちの開放になるかもしれない。位置づけを明確にすることで多文化共生という色彩も強くなってくると思う

【事務局】

結城委員の言うとおり、これだけ外国人が増えているのだから前橋市にどんなイメージをもって生活しているのだろうとか地元に知り合いがいないとすれば美術館が居場所になってくれたらよいという気持ちはある。街中に若者がいない中でこの子たちは確実に増えている。今後、それが「つまずく石の縁」になるか「表現の森」になるかわからないが、良いヒントをいただいた。

(4)関連記事/視察・団体受入[資料4]

資料に基づき、事務局から説明を行った。特に意見なし

(5)前回までの指摘事項

事務局から説明を行った。特に意見なし

(6)その他

3 協議事項【非公開】

4 その他

【事務局】

○次回開催予定

次回の評議会を11月の下旬で考えている。

11月26日(月曜日)を第一候補、11月19日(月曜日)を第二候補とする。

決まり次第、連絡する。

【委員】

岡本太郎展に関して、エモーショナルで時機を得たフレッシュなキーワードを選んで、街なかに配してはどうか。言葉に誘われて来る。無料公開というのもPRになる。

【委員】

進行役からお願いである。説明に関しては予定時間を守っていただき、2時間程度で終了するよう心がけていただきたい。

以上

主な意見等

・展覧会アンケートの様式が複雑である。子供でも積極的に答えられえるような方法が必要である。協力者に何か特典をつけてもよい。

・「つまずく石の縁」は待ち望んでいた企画なのでぜひやっていただきたい。

・外国語学校のみでなく、外国人学校とのコラボレーションもよいと思う。

・「岡本太郎」展は岡本太郎が有名すぎるがゆえにそれが来館者の期待とずれを生み出す可能性がある。

関連書類

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更新日:2020年08月31日