令和5年度青少年支援センター運営協議会

審議会名

青少年支援センター運営協議会

会議名

令和5年度 青少年支援センター運営協議会

日時

令和5年8月25日(金曜日)午後3時30分から午後4時45分まで

場所

前橋市総合教育プラザ 22会議室

出席者

委員17名(50音順・敬称略)

相澤 克也、赤田 豊志郎、内田 孝枝、岡 すみ子、金井 君子、神谷 努、小山 儀一、酒井 一如、

下平 俊彦、 関根 正弘、多胡 勝教、津田 征一、角田 和幸、 林 悦実、藤井 福雄、 松井 礼子、

山田 純寛(代理:中島 正樹)

事務局10名

吉川教育長、相原学校教育課長、田村学校教育課長、内山教育支援課長、横澤所長、鈴木指導主事、

高津指導主事、下山指導主事、井上指導主事、吉井SSW

欠席者

委員(敬称略)

家崎 佳吾

事務局

金井指導担当次長

傍聴者

1名

会議の内容

1 開会

 

2 あいさつ(吉川教育長)

日頃より、前橋の子供達のために、並々ならぬご支援をいただき、誠にありがとうございます。青少年支援センターは、問題行動や不登校、いじめ問題などに特化して学校を支援する前橋市の特色ある組織です。本会議は、青少年に関わる様々なお立場の方々に、より良い運営をしていくためのご意見をいただく会議となります。

今年5月には、新型コロナウイルス感染症の感染法上の位置づけが「5類感染症」に見直され、人と人とが関わる機会が、質・量とも大幅に増加しています。そのような中では、自分の気に入らないことや思い通りにいかないことが発生した時などに、悪口や暴言、暴力で解決しようとする児童生徒が増加することが懸念されます。そのため、自己指導能力の一つである「自らの感情を適切に表現したり、コントロールしたりする力」を身に付けさせることが重要であると考えられます。

そこで、今回は、「子供同士でトラブルを解決する力を身に付けさせるために必要なことは何か」について、様々なご意見を頂ければと思っています。この時期学校は、2学期がよりよくスタートできるように、準備を進めている時期です。今後も関係機関の連携を強化するとともに、支援センターが子供達のためにどのようなことをしていくと良いのか、皆さんのご意見を伺いたいと思います。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

 

3 自己紹介

 

4 報告

(1)令和4年度における取組と令和5年度の活動状況 事務局からの報告

         1.補導活動、2.被害防止活動、3.問題行動の防止と早期発見・早期対応、4.不登校対策、

         5.いじめ対策

(2)質疑応答

         角田委員:わいせつ被害が増加しているが、公園などで被害にあうケースは増加していますか。

         事務局:公園などで被害にあっているケースが増加していることはありません。

 

5 協議(議長:神谷会長 、進行:内山教育支援課長)

〇協議の視点

『アフターコロナにおいて、子供同士でトラブルを解決する力を身に付けさせるために必要なこと』

 

事務局

テーマ設定の理由について説明

 

内山教育支援課長

事務局からの説明がありましたように、今の子供たちは、自身の感情コントロールや、お互いのやり取りの中で折り合いをつけていくことが、苦手であると考えられます。そこで、まず、最近の子供たちの様子についてお聞きしたいと思います。

 

下平委員

本校は、少人数で落ち着いた雰囲気の小学校であります。コロナ前後で、子供たちの様子はそれほど変化がないように思います。しかし、子供だけでなく、保護者が、相手の言動に対して過敏になっている印象を受けます。コロナ禍では実施できなかった他学年との交流の中で、遊具をめぐってトラブルが起こり、当事者の一人を非難する落書きがされました。結局、誰が書いた落書きであるかはわからなかったため、相手の気持ちになって考えることの大切さについて各学級で担任を通して指導しました。

 

田村学校教育課長

高校生のヘルメット着用率や中体連でのマスク着用の様子を見ていると、教育の成果を感じます。非行も減っており、一見、指導に従う良い生徒である印象を受けます。しかし、現状としては、マスク着用についても、先生の指導で着けているのではなく、他の子と違うことをすると目立ってしまうため、マスクを外すことができていないのではないかと感じます。自分たちで縛りを作っているようです。その縛りのため、「これくらい、いいのでは?」という雰囲気がなくなってしまいます。他の子との違いを、絶対に許すことができないという雰囲気が、暴言・暴力として表出しているように思います。子供達は、小さいころから、言い合いなどしてこず、授業態度もまじめであります。しかし、トラブルが起こると、どのように解決していけばいいのかわからず、大きな事態に発展してしまう、そのような様子がみられます。

 

関根委員

比較的落ち着いた高校で、暴力行為などはほぼありませんが、自傷行為は確かにある状況です。しかし、それはコロナが原因ではないと感じております。自傷行為を行ってしまう生徒達は、小・中学校からそのような傾向がみられた子供であったと感じます。特に高校は、幅広い地域から生徒が通うため、不安が大きい子供達は、メンタル面でダメージを受けやすい傾向にあります。それは、いじめ認知件数にも表れており、SNSのトラブルにもなります。また、子供同士のトラブルだったものが、いつの間にか保護者のトラブルに変化してしまい、解決に向かわないケースがあります。

 

多胡委員

応用のきかない子、こだわりの強い子が増えていると感じます。こういった子供達は、指導が積み重なっていかないため、Aが駄目ならBも駄目であることが理解できずに、同じような失敗を繰り返す子供がいます。そうすると、周りの子は、「このあいだ言ったのに、なぜ?」となってしまい、悪循環に陥ってしまいます。周りの子が、その子の個性を理解して関わっていくことが求められます。

 

松井委員

私が子供達と直接話すことはめったにないですが、それぞれ心の奥深いところでは、何か悩みをもっているのだろうと感じています。

補導場面では、子供達が“場慣れ”している印象を受けます。こちらが声をかけると、臆することなく、大人びた返答をする子供がいて、とても驚いた経験があります。

 

内山教育支援課長

それぞれの立場から、今の子供達の様子をお話しいただきました。では、このような子供達が他者と折り合いをつけたり、自分たちで問題を解決したりしていくために、どのような力を身に付けさせるとよいか、皆さんに教えていただきたいと思います。

 

角田委員

以前、鎌倉中学校では、ピアサポート活動に力を入れていましたが、現在はどうでしょうか。子供達の発言する力、聞く力を伸ばすためには、中学校になって急にできるわけではないので、小学校から、構成的グループエンカウンターに取り組む必要があります。また、特性のある子は、その子に焦点を当ててエクササイズを組んでいく必要があります。教科とちがって、系統だっていないため、複数の目で育てていけるように取り組めるとよいですが、人が足りないのも事実であります。

 

田村学校教育課長

現在も鎌倉中学校では、ピアサポート活動を継続しています。異動した先生が、その活動を広めていることもあります。

 

相澤委員

私は、親子三代くらいで暮らしている家庭は、健全ではないかと思います。親が教えてくれないことも、祖父母が教えてくれるなど、若い親や年寄りにとっても、やはりよいと思います。子供達の遊びやTV番組も様変わりしております。昔の補導では、声をかけた時の子供達の反応からも純真さが感じられましたが、最近の子供達は、違った印象を受けます。

 

藤井委員

30年くらい前になるが、クリスマス会など、企画から子供に任せて取り組み、大人は用意の手伝いは行っても、子供達が自発的に活動していました。普段活躍できなかった子が、リーダーになることができました。そのような経験が、子供を成長させていたと感じます。

 

林委員

前橋市全体では難しいため、地域で子供を育てるのがよいと思います。地域の祭りでは、子供達に自分の好きなことを行わせるという形で、自己決定して取り組むことができます。また、こま回し、けん玉など、子供が好きなことに取り組める教室では、異年齢での交流を通して、地域で子供を育てることになると思います。

 

金井委員

令和4年度の問題行動が増加し、暴力行為の中でも、特に言葉の暴力がすごいと感じます。「死ね」、「殺す」などの暴言は、ゲームの影響が大きいかと思いますが、子供達は言葉の暴力だと感じていないのではないかと思います。コミュニケーションの中で、マスクをとって、表情から気持ちを感じることで、発する言葉も変わってくるのではないかと思います。

 

赤田委員

私は、コミュニケーションの取り方に関する講座を開いていますが、聞く力がとても大切であると思います。にこにこしている子供は、その母親もまた、にこにこしている印象があります。親の影響が大きいということです。親が子供の話をしっかり聞くことができる力をつけるために、前橋市が中心になって、親も学ぶことができる機会を増やしていくようになればよいと思います。一番小さな単位の社会である家庭の中で、聞く力をどのように育んでいくかを考えていく必要があります。

 

津田委員

子育て世代である私は、親子が過ごす時間が朝と夜の4時間ぐらいしかないため、とても短いと感じます。子供は学校で過ごす時間の方が長いので、先生方の影響力が強く、先生の背中を見て育っていると感じます。

 

内田委員

子供同士のトラブルを解決する力を身に着けさせるためには、子供同士が関わり合う時間を確保する必要があるので、私は、子供のイベントを取り上げないでほしいと考えます。この夏休み、小学校ではプールの開放がなく、夏休み中も、子供達は電化製品ばかりと接していました。小学生ですら、今日の出来事を話す前に、まずタブレットを開くといった生活になっています。スマホやタブレットに勝つことは難しいですが、人と向き合う時間をいかに確保できるかが大切であると考えます。

 

岡委員

ちゃんとした子供時代を過ごさないと、ちゃんとした大人になれないと感じます。昔と違って、今は母親も忙しく働いているため、自分の子供でなくても育てていくという意識が必要だと思います。感謝する心などを育むなど、大人一人一人が襟を正しながら、地域の子供を育てていくという意識を持つことが大切だと思います。

 

小山委員

大変貴重な話、ありがとうございます。今後に生かしたいと思います。

 

中島委員

非行・犯罪で警察とかかわる子供達の傾向として、SNSに起因するトラブルの割合が多いと感じます。警察では、情報モラル学習を提供していますが、欲求を自分で統制することは、大変難しいと言えます。自己指導能力は、生涯にわたって自分の身を守ることにつながる大切な能力です。取り返しがつかないことになるので、非行などで関わった子供には、しっかりと指導していくようにしています。

 

酒井委員

私は、非行や犯罪をしてしまった子供に関わることが多いですが、特性や発達障害を抱えている子供が多い印象です。中には、自分の親の名前を漢字で書くこともできない子もいます。我々は、面接や検査を通して、その子がどのような特性を抱えているのか明らかにしながら、マイナス面に目を向けるだけでなく、プラス面として、強みにできるように働きかけるよう心掛けています。

 

神谷委員

言われてするより、自分で考えて行動できるような、自主性を持つ子供に成長させることが大切です。スポーツによる学びがよい効果を生んでいると聞いたことがあります。トラブルになったときに、大人の力だけでなく、子供同士で解決していけるようにするために、時に親は、見守ることに徹する必要があると考えます。

また、地域で育てるとは、違う世代の人と関わったり、話したりしながら、子供を支えるということです。そうすることで、子供は健全な成長に向かうと思います。コロナ禍だからとあきらめずに、その時代にあった体験を子供達に提供していきたいです。

 

教育長

コロナで失ったものはあるが、私たち大人がどのように補っていけばよいのか。特性、家庭環境など様々な事情を抱える子供達が増える中、学校現場だけでは丸ごと抱えるのに限界があります。前橋市では、こども未来部ができました。学校、家庭、地域と連携してしっかり支えていきたいと思います。

 

内山教育支援課長

本会議でいただいた意見を事務局で吟味して、支援センターの事業に活かしてほしいと思います。

 

神谷委員

それぞれの方より、貴重なご意見をいただき、ありがとうございました。

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更新日:2023年10月04日