令和4年度 第2回国際教育推進委員会 報告

会議名

令和4年度 第2回前橋市国際教育推進委員会

日時

令和5年3月9日(木曜日)10:00~11:15

場所

前橋市役所 審議会庁舎3階 301・302会議室

出席者

国際教育推進委員(6名)、教育長、市立前橋高校(担当)、青少年課(課長、副参事、担当)

会議の内容

1 開会

2 あいさつ

○吉川教育長

・本委員会では例年、中学生の海外研修、市立前橋高校の海外研修を中心に青少年の国際交流や国際教育についてご審議いただいているが、新型コロナウイルスの蔓延に伴い、令和2年から海外研修が実施できず、本年度についても中止となっている。

・今年度は昨年に引き続き、大胡中学2年生と台湾の中正國民中學2年生がオンラインを活用して交流を行った。また、新たにJICA出前講座を活用した中学生の国際理解教育をみずき中学文化発表会・合唱祭のプログラムの一つとして実施した。

・しかし、試行的に行っている所で、まだまだ課題もあるので、委員の皆様には、それぞれの立場からより良い事業実施に向けて、ご意見をいただきたい。

○矢嶋委員長

・アフターコロナについて、ただ単に以前の状態に戻るのではなく、何が一番大事なのか改めて見直そうという動きになっている。

・東京都の都立高校の入試にも関わると言われているスピーキングテストについて、「読む」・「書く」・「聞く」・「話す」のなかで、「話す」は一番、テストや評価が難しい。話す力の大切さは昔から言われているので、これから視野に入れていく必要がある。

3 協議

(1)  令和4年度の国際理解教育事業について

1.令和4年度の実施内容について

【青少年課 事務局より説明】

(ア)オンラインを活用した中学生の国際交流について

(イ)JICA出前講座を活用した中学生の国際理解教育について

【主な意見】

〇オンラインを活用した交流をする際の目的意識が大切である。お互いが、自分の住む町や県に遊びに来ることを想定して、観光プランの提案をしているが、実際に実施できることではないので、取り組む意欲がどれくらい高まるか疑問である。実際にできることを取り上げてやるべきだと思う。

〇互いに共通の課題となっている、例えばSDG'sなどを取り上げて、互いにどのように取り組んでいるかなどを交流し、それぞれの良さを認め合うことが大切なのではないか。それこそが国際理解なのではないか。世界の課題を自分事としてとらえて、国は違うけど共通の課題があり、その解決に向けてそれぞれの方法で向かっていくことを理解し合うことこそが国際理解の神髄の部分だと思う。その目的をしっかりと持たずに、何となくつながって、お互いに意見を交換すれば国際理解教育だととらえているのであれば、それは変えなくてはいけないと思う。

〇活動を広げていくことについて、このやり方では教員の負担が大きすぎる。海外研修のように、市がすべて統括してやるべき。前橋市の全中学校からやってみたいと思っている生徒を集めて、夏休みに元気21などで、ALTを活用すなどして実施するのではだめなのか。全市の交流事業として進めてもらいたい。

〇国際理解や国際感覚というものについて、事業を実施する側としてしっかりと捉えることが必要。よくわからないことをごまかすために無駄に盛り上がったり、笑ってごまかしたりしている雰囲気がある。国際理解とは相手をしっかりと大切にして、尊重する姿勢が大切。

→大胡中学校には学校を上げて、取り組んでいただき感謝している。選抜をして意欲のある児童を伸ばしてあげたいという思いと全員にどこかでつながる経験をさせてあげたいという思いがあり、今回は多くの生徒にという思いで実施してきたが、まだまだ目的が定まっておらず、とにかくつなげてあげたいという思いであったので、今後ご指摘いただいた点をしっかりと振り返って、令和5年度以降を組み立てていきたい。

〇無理に全員参加でなければ文化部などの部活動のようなものの中で、お互いに研究テーマを持っていて、それについて複数回、意見交換するとか、ロボットを作ることはできなくても、何かを作っていく活動であれば、お互いに情報交換しながら作品ができあがるといった活動になり、英語のためにではなく、自分たちの活動が国際的に広がりを持って進められるのではないか。

→「お互いの違いは何か」というところも一つだが、今後、国や地域は違っても、同じ地球に住んでいる人間なのだから何が一緒にできるか、新しい価値を生み出していけるような事業になるといいと思う。

〇オンライン交流について市内の複数校に活動を広げることが可能なのか。中学生の海外研修事業では、各中学校からの希望者の選抜をして、オーストラリアに行って研修したことを学校や地域で発表したりしていた。代表の子供たちの経験が学校や地域に発信できていたが、海外研修が中止になり、前橋市の国際教育事業をどのように市内の子供たちに実施していくのか、学校ごとの事情があり、オンライン交流の実施を広げていくことが難しければ、方向転換が必要。JICA出前講座や日本人学校での勤務経験のある教員などの人的資源をどのように展開するかを検討していく方がいいのではないか。市として中学生の海外研修に代わるものを実施するということであれば、1年に3校程度ではなく、3年間の内に1回は全校が実施するとかしてほしい。

【市立前橋高校 事務局より説明】

1.イングリッシュキャンプ2022について

【主な意見】

〇事前学習として、7月25日にSDG'sについて学ぶ活動をしているが、自分でできるSDG'sというゴールに向けてどのように活動を進めているのか?

→自分でできることを考えて、8月4日、5日のウクライナの学生と意見交換したり、赤城少年自然の家での実践活動に取り組んだ。

〇本校でも12月にウクライナで活動している方を招いて、現地の様子や現地での活動について、生徒が話を聞く機会を設けた。中学生が、ウクライナの生々しい現状を知る機会となった。

→現地に行けなくても、直接声を聴くというのは大切な事。現状に触れるという機会を多く設けていきたい。

→これが終わった後に、自分はどうなれるのだということを感じられる活動にしていきたい。1400円は良くて4000円だと高いとかではなく、この活動に参加したら、自分がどう変われるとか、自分はどこまでを理解できるかということをもう少し考えていけるとよい。

〇この活動は、生徒が英語を使って活動しているのか。

→生徒が英語を使って活動している。

〇イングリッシュキャンプという名称から、生徒は英語を使って生活をして、英語漬けになっているという印象を受ける。目的をしっかりと設定することと英語力を高めたいなどイングリッシュキャンプが何を目指しているのか明確にした方がよい。本物の活動をしながら英語を使えるような活動が良い。

→次年度、イングリッシュキャンプという名称で行うのであれば、その期間はオールイングリッシュ、家に帰ることがあっても英語を使うくらいのものにしていきたい。イングリッシュキャンプに参加できたことがその生徒にとって、3年間の中で大きな成果であると感じられるようなものになってほしい。

〇イングリッシュキャンプに参加できることが、生徒にとって一つの目標となるようなプログラムになると生徒の意欲がさらに高まると思う。

→英語も学べる、国際的な理解も深まったという証になると、終了証をもらえる価値も高まる。

〇自分自身が小学生の時に海外に派遣された経験があり、実際に行ってみるとその国はイメージとまったく違っていた。やはり、海外へ実際に行くことで視野も広がると思うので、海外研修が再開できるとよいと思う。

→派遣先で英語を使うとなると、どうしても欧米が今まで多かったが、国際理解という観点から考えると英語を使いながらもアジアなど近くの国を訪問することも視野に入れながら検討していきたい。また、国際貢献を考えると海外に行かなくてはならないと考えている人が多いが、決して海外に行くことが必要ではなく自分のいる場所で何ができるかを考えることも非常に大切である。その前提として、実際に行ってみることも大切であるが。

 (2)  令和5年度の国際理解教育事業の予定について

【青少年課 事務局より説明】

〇JICA出前講座について、実施する規模は3校程度というのは決まっているのか。

→実施を希望する学校が多い場合には、対応していきたい。

〇「やる」、「やらない」の判断を管理職に委ねるのではなく、前橋の教育を変えていくという部分では、もっと教育委員会が主導権を取っていいと思う。現場は、「どうですか」といわれても忙しくてできないということもある。それでは何も変わらない。1年に3校程度では何も変わらないと思う。

〇トップダウンで来る事業だと学校は非常にやりにくい。事業の意義や目的が校長を納得させるようなものでなければできない。事業の目的をしっかりと考えてもらいたい。みんなが希望するような内容の企画を考えてもらいたい。

→前橋市が目指すべき国際理解教育の柱をしっかりと作っていくべきであった。来年度、所管課が変わってしまうが、いただいた意見をしっかりと次の課に引き継いでいきたい。特に国際理解教育とは何かという部分について議論を進めながら引き継いでいきたい。

〇英語は難しい。理想を言えばみんなを海外に連れていければよい。四六時中聞いていれば、しゃべらざるを得なくなる。教育現場でどう実現するか、知恵と工夫と涙ぐましい努力が必要。

→これをやるために「英語をもっと学びたい」と思えるような国際理解教育にしていきたい。

【事務局より】

○委員の皆さんにはたくさんのご意見、ご助言をいただきありがとうございます。頂いたことを教育委員会としてどのように来年度以降につなげるかを考えていきたいと思う。

4 事務連絡

5 閉会

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更新日:2023年03月22日