令和元年度第2回前橋市社会教育委員会議会議録

審議会名

前橋市社会教育委員会議

会議名

令和元年度第2回前橋市社会教育委員会議

日時

令和元年10月31日(木曜日)午後3時00分~5時00分

場所

前橋市中央公民館501学習室

出席者

(委 員)
安保議長、清水副議長、高委員、三好委員、星野委員、ラウラ委員、石関委員、剣持委員

(事務局)
塩崎教育長、堀越教育次長、山中指導担当次長、佐藤児童文化センター館長、若島生涯学習課長、事務局員(生涯学習課)

(富士市立高等学校)
斉藤教諭

(前橋市立前橋高等学校)
茂野教諭

(特定非営利活動法人代表)
小高理事長

欠席者

大森委員、森谷委員、田中委員、三上委員

配布資料

会議の内容

(1) 開 会

(2) 教育長あいさつ

(塩崎教育長)
   本日は、新メンバーが加わりスタートした社会教育委員会議の第2回目となるが、昨年度から、社会教育に様々な方々に加わってもらえればということで、協議を行っていただいた。今まで関わりのあまりなかった高校生や大学生でも意欲を持った人達がいるということが、これまでに分かってきた。
   昨年度は、小高理事長に話をしてもらったり、児童文化センターの学生サポートスタッフに話を聞いたりするなど、現場の声を伺ってきた。
   本日は、お忙しい中、静岡県の富士市立高等学校の斉藤雅先生にお越しいただいた。心より御礼申し上げる。
   富士市立高等学校の取組については、前回、安保議長から全国的に見ても先進的な事例として、本市にも大いに参考になるという話をいただき事例紹介をお願いすることとなった。富士市立高等学校の取組を参考にさせていただきながら、前橋市立前橋高等学校の活動を広げていければ、前橋市の取組が充実していくことにつながるのではないかと考えている。
   小中学校の取組も含めて、いろいろな世代の方に参加していただくためにはどのようにしていけばよいのか、一緒に考えていただければと思う。斉藤先生の話を伺いながら、それぞれの立場から考えを出していただき、次の前橋の教育に繋げていけるように協議を進めていただければありがたい。本日は貴重な機会であるので、ぜひよろしくお願いしたい。

(3) 議 事(発言要旨)

1.学生・生徒の事業等への関わりの在り方に関する他地域の取組事例について

(安保議長)
   本日は、お忙しい中斉藤先生にお越しいただき、御礼申し上げる。平成29年度の関東甲信越静社会教育研究大会静岡大会で富士市立高等学校の発表を聞かせていただいた。まちづくりセンターを拠点として地域で活動し、活動がきちんとカリキュラムに位置付けられていた。地域に高校生が出ていき、地域の中で課題解決に向けた様々活動を行っているということに感動を覚えた。
   関東甲信越静の公民館大会もあり、茨城県の事例であったが高校生会という組織が地域に出て行き、奉仕活動やボランティア活動を行っていた。
   これからは、単なる進学のための教育ではなく、生き抜いていく力をどう身に付けさせていくのかということがクローズアップされてきている。そのことを確認して協議を進めていければと思う。
(清水副議長)
   中学生や高校生、大学生始め若い世代は、AIが人間の頭脳を超えるといわれる新しい時代をこれから生きていくことになる。人としてのしっかりとしたキャリアを積んでいかなければならない。変動・不確実・複雑・曖昧といった不透明な時代になってきている時に教育をどのようにしていくのかということを考えていかなければならない。本日は、その参考となる素晴らしい実践を聞かせていただけることと思う。社会体験をどう積ませていくのかということが必要になってきているが、ご紹介いただく取組事例は、自分達の地域で活動を行っているということで、それを本市にどのように生かしていけるかが大切になるかと思う。
(安保議長)
   最先端の事例を約10年前から実践されていたという重みがある。本日は、斉藤先生から話を伺い、これから、前橋モデルを作り上げていければと考えている。では、ご説明をお願いしたい。
(斉藤教諭)
  本校に7年勤務しているが、これまで探究学習の授業の設計をしていた。平成29年度に前任が事例発表をしたが異動となり、その後任ということで本日は話をさせていただくこととなった。何かご参考になることがあれば、ありがたいと思う。
   富士市立高等学校は、富士山の麓にあり、富士市では唯一の市立高校になっている。全校生徒720名で9年前までは、吉原商業高校という高校であった。開校50年を迎え、普通科を基本とする総合探究科、商業科を基本とするビジネス探究科、スポーツを基本とするスポーツ探究科の3つの学科でスタートし、高校を改革していった。その時に、探究ということが大事なのではないかと考え取組が始まった。総合的な学習の時間をどのように進めていくのか検討し、課題解決学習に究タイムという名称をつけ、3年間その取組を行っていくこととなった。  
   柱は地域・探究・夢実現とし、10年前には地域ということが入っていて、最近注目されてきている。本日は究タイム、2年生の前期に地域に出て活動を行う市役所プラン、本校が抱えている課題について話をさせていただく。
   究タイムは3年間で5単元あり、週2時間全生徒が取り組む。指導担当者が2名付き主体性、コミュニケーション能力、プレゼンテーション力、課題解決力を身に付けていくことを目標としている。開校時に探究には2つ候補があり、問題解決学習と学問的に深く掘り下げる学習が検討されが、最終的には課題を解決する力を育むというスタンスに決めた。Society5.0、AI社会の到来といったことが、私達の後押しとなっている。新しく赴任した先生にとって、このような時代背景があることが、やらなければならないという意識に繋がり、教員も前向きに取り組めている。国が出している3つの力も課題解決学習の追い風となっている。
   探究学習は、調べる、考える、まとめる、発表する、振り返るというサイクルが重視されているが、究タイムの中にもこのサイクルを入れて作り上げている。
   5つの単元は、1年生がスキルの獲得、後期がディベート、2年生の前期が市役所プラン、後期は、進路と市役所プランで興味を持ったことをレポートにまとめ発表する。最後は自分を見つめ直し、今後の自分についてスピーチを行う。この5つのみ取り組むということも特色かと思う。
   市役所プランでは、市役所の方や地域の方にも入っていただき話し合う場を設けている。2年の後期には、それぞれの取組について全校生徒の前で発表を行っている。
   究タイムを行う組織は、企画研究課という所が担当している。その課員が、リーダーとなりそれぞれの学年に1人ずつ入る。各学年、課員と担任・副担任で週1回会議を行っている。ざっくばらんに話し合い、考えを出し合い、私はそこに立ち会う。リーダーが孤立しないような配慮が求められる。
   市役所プランは、まちづくりをテーマとして地域協働的な学びを行う本校の中心的な活動になっている。市役所プランを体験すると人前で話せるようになり、それを教員も実感している。
   活動は5つに分かれる。4月に市役所の方に来ていただき、地域に関わることの重要性について話をしてもらう。富士市は26地区に分かれているが、その中で毎年6地区が活動の該当地区になる。5月にはその地区に行って課題を見つける活動を行うが、事前学習でインターネットや富士市の資料で調べたり、該当地区に住んでいる生徒を交えて話し合いをしたりし、ある程度その地区について知っている段階までにしていく。疑問があれば、地区の方にメールやファクスをして、答えていただくこともある。フィールドワークを行う際は、4~5人の地区の方が一緒に回ってくださっている。その後、グループワークを行い、6月・7月に課題の確認を行い、解決策を探す・考える・まとめる・発表するというサイクルをイメージしながら練る。7月に大学の先生と地区の方に来ていただいて発表を行い、アドバイスを受ける。夏休みにもう一度地域に行き、自分達の活動が可能かどうか再度調査を行う。9月に提案を練り直し、地区の方に最優秀提案を選出いただいている。
   当初は、市役所の各課に高校生が提案をするという活動を行っていた。活動してみると高校生がコメンテーターのようになってしまっていた。外からものを言うような感じになってしまい、地域に出ていくこととした。
   富士市で計画を策定する際、地域の若者の声が反映されていないということが課題となり、高校生が地域に入る際に協力をしていただけることとなり、今日に至っている。
   26地区に公民館があり、今はまちづくりセンターという名称になっているが、活動を始めた頃には、センター長会議で説明し活動への協力のお願いをしていた。現在は活動をご理解いただいているので、市役所の方が年度当初に該当地区のセンター長にお願いをしてくださり、該当地区にはセンター長が話をしてくださっている。必要に応じて学校も地区にお願いに行っている。地区の方から、小学生や中学生までは地域の活動に出てきてくれるが、高校生になると地域を離れてしまうことが課題であり、何とかしたいと思っているという話を伺った。それも活動の原動力になっている。
   本校の活動は、センター長が地域に繋いでくださらないと始まらないため、できるだけ負担がかからないようにすることを心がけている。
   活動が新聞等に掲載されると、高校生だけでなく地域の方も喜んでくださる。地域への恩返しとしてこのような形もあるのではないかと考えている。新聞掲載にこだわるのはという思いも当初はあったが、そうではないということを今は感じている。
   昨年度の提案は、ソーラーライトを設置するというものがあった。地区内で通りが暗い所があり、何とかしなければと考えたが設置費用が課題となった。地区の方と話をする中で、費用を捻出するために、地区の文化祭に出店し収益を得て実現させたらどうかとの話をいただいた。それを受け出店し募金箱も置き、ソーラーライトを設置することができた。
   このような活動を行うと生徒の意識も変わり、アンケートを実施すると課題を理解し、人の役に立ちたい、地域のために活動したい等の項目で高い値を示した。高校での経験からNPOで活動したいという生徒も出てきている。
   課題としては、活動を持続可能なものにしていくことと、活動内容をさらに深めていけるかということが挙げられる。そのためには、地域との関係づくりとどのような形で地域に恩返しをしていけるかということが重要になると考えている。本校の取組概要は以上である。
(安保議長)
   大変有意義で参考となる事例を発表いただいた。学校教育の現場に社会教育の精神・スキーム・願いが込められたカリキュラムを導入し実践されている。地域の課題を発見し課題解決に向けて地域に出向き、学び合い協力し取り組んでいる。課題解決能力を育成し、自ら生き抜いていく力を育み、地域に貢献したいという思いを持つに至るということが、これからの時代に正に求められていて、素晴らしい実践であると思う。発表いただいたことを踏まえて皆さんから話をいただければと思う。
(茂野教諭)
  本校も昨年度からフィールドワークをさせていただいたり、模擬選挙を行わせていただいたりして、成人年齢の引き下げを受け社会的なことを学ばせてきている。
  一つ質問をさせていただきたいのだが、発表いただいた中で企画研究課というものがあったが、メンバーはどのような構成になっているのか。
(斉藤教諭)
   社会科の教員が多いが、様々な教科の教員で構成されている。
(茂野教諭)
   活動を始めた当初、会議の時間が増え負担感もあったのではないかと思われるが、活動をするにあたって削減したことがあれば教えていただきたい。
(斉藤教諭)
   授業時間のコマで会議を設定し授業時数としてカウントしている。その他に活動が週2時間あるので、計3時間分は受け持ちの授業時数に入れ負担軽減を図っている。
(安保議長)
   富士市立高等学校では、市役所との連携が進んでいるようであるが、前橋市の状況は、どのようであるのか。
(茂野教諭)
   先週、市役所の方から話を聞かせていただいたが、そのような機会があることにより繋がりが生まれ、ただ単に大学進学というだけでなく地域のことや働くということについて、考えられるようになるかと思う。
(小高理事長)
   高校生の時に高校生会議という団体があり、代表を務めていたが、約20名の高校生が、群馬や前橋のまちづくりについていろいろと考えていた。自分の出身高校では、地域のことを考える時間はなかったので、このような取組はとてもよいと感じた。
   3つ質問をさせていただきたいのだが、東京の中学校に講演に行ったことがあり、その学校にもプロジェクト課というものがあり、学校として力を入れていて専任の先生がいた。富士市立高等学校の企画研究課の9名の先生の異動や交代の際の引き継ぎ・運営をどのようにされているのか。2つ目は、高校生の上の学年や下の学年との交流は、どのようになっているのか。3つ目は、AO入試の対応も含めたカリキュラムを組んでいるのか。これらの点について教えていただきたい。
(斉藤教諭)
   3年生・2年生・1年生が交わる機会があるかということであるが、そこが正に課題となっている。その手法が企画研究課で話題となっており、考えていかなければならないことである。進路指導は、1対1の個別指導でその中で探究学習の活動を活用している。
   引き継ぎに関しては、最初の3年間で学んだことを専任になった時に発揮していただくようにしている。多くの職員が探究学習の面白さに気付いているが、活動をどのように引き継いでいくかということは、とても難しいと感じている。
(安保議長)
   これまで若い世代が地域との関わりから抜けていたという話があるが、本日の事例は、地域活動を担う人材が高校現場から生まれ、その世代に光が当たっている。委員の皆さんは、どのように感じているか伺っていく。
(石関委員)
   紹介のあった総合的な探究の時間の実践例は、探究ということにフォーカスされていた。言葉でしか探究というものを理解していなかったので、先進的な実践例を聞くことができてとても参考になった。大学で特別支援と普通学級を結ぶ交流・協働学習に取り組んでいるが、イベント的な要素がある学習は、行っただけになってしまうことが課題となっている。伺った実践例は、取り組むだけでなく事前学習や事後の学習がとても充実していて、生徒達がしっかり学べている。そのような環境がとても大切であると感じた。このような取り組みがあるから生徒が自信を持つことができ、進路でも成果が出ているのだと感じた。
(斉藤教諭)
   取り組ませただけにしないということがとても重要で、それを課題としてこれまで実践を積み重ねてきた。
(安保議長)
   取り組ませただけにしないための活動をシステムに組み込んでいくことが必要であるかと思う。
(剣持委員)
   9人の教諭が、話し合い実践されていたが、自分の通っていた高校では、生徒に投げすぎていると感じていた。あまり先生とのやり取りがなく任せ切りになっていた。本日の事例は、先生と生徒がうまく連携してフィールドワークが実践されていて、とてもよい取組だと感じた。フィールドワークでは、地域の方との関わりがあり、それが生徒のやる気にも繋がっている。取組が報道され、地域の人が見たり、生徒が見たりし、そこからさらに活動が充実し、とてもよい実践だと思う。
(ラウラ委員)
   スローシティ国際連盟は、市民と行政をつなげて、意見を交換しながら、住みやすいまちづくりを目的として活動している。本日の取組は、このような活動に合うプロジェクトだと思った。なぜかというと、コミュニティをよりよく知るための活動だからである。まちづくりに生徒を巻き込めるプロジェクトであり、通っていたイタリアの高校ではこのような活動は、全くなかった。住んでいるまちをよく知らずに大人になってしまったので、とても残念な気持ちがしている。本日の発表は、とても素晴らしい取組で、このような活動があると、自分達のコミュニティに貢献したいという気持ちを持つようになるのではないかと思う。
(高委員)
   学校でこのようなカリキュラムを新しく作るのは、とても大変な作業である。継続して取り組んだ成果の蓄積が、充実した学習に繋がっているのだと思う。カリキュラムを作り上げて取り組んで成果を上げていることが素晴らしいと感じている。これまでの高校生のイメージというと、学習は校内に留まっていたかと思うが、地域に出て地域の人達と繋がって学習を進めている。日頃の学習で手いっぱいという状況がある中で、前に踏み出す力、これからの社会で必要とされる力をどのように育成していくのかということに焦点を当て、生徒を育ててきている。社会教育側から学校に提案するのは難しい面があるが、学校から求めがあれば、それに十分に応えていくことが必要であると感じている。
(三好委員)
   小学二年生の生活科で、まちたんけんというものがある。4、5人で通学路にあるお店等、調べてみたいことが同じ子供同士でグループを作り、子供達が質問を考えたり、直接聞いたりする活動をしている。3年生は前橋市の学習をし、4年生は群馬県について学習している。総合的な学習の時間では、5・6年生は、ふるさとの前橋について学習している。中学生は、職場体験学習で地域に出て行っている。このように、地域が教材となる部分があるが、高校は、通学範囲が広く、その地域内だけでなく、地域外からも通っている。また、大学受験もあり、本日発表いただいたような活動は、これまであまりなかったのではないかと思う。活動が教育課程に位置付いているということがとても重要であると思う。教育課程に位置付いているので、生徒が見通しを持って活動に取り組むことができ、素晴らしいと思う。机上の学習だけでなく、地域に出て体験できることが、生徒にとってとてもよい学びの機会になっていると感じる。
   丸投げをせず無理に教えることもせず、見通しを持てるように支援をしたり主体性を大切にしたりできると、小・中と積み上げたものが高校でさらに大きな力になっていくと思う。
(星野委員)
   1つ質問であるが、このような取組をしようと思ったきっかけは、どのようなことであったのか。
(斉藤教諭)
   新しい学校を作る時にプロジェクトチームが立ち上げられ、大学の先生にも入っていただき、総合的な学習の時間をどのように扱っていくのか検討する中で、きちんとしたものを作り上げていこうということでこの取組が始まった。
(安保議長)
   市役所との連携についてはどうであったか。
(斉藤教諭)
   市役所と市立高校ということで、いろいろな課と連携を図り易いという面はあった。
(星野委員)
   今後の教育を考えると、このような要素がないと意味がないのではないかと感じている。単純な学習、知識というものは、これからの社会にどれだけ生きるのかと思う。最低限の知識は身に付けていただき、事例にあったような社会体験は、今後当然導入してしかるべきカリキュラムであると思う。
(安保議長)
   50年100年後に振り返えると、教育の大きな変わり目であったと言われるかもしれない。
(星野委員)
   青年会議所でも、まちづくりに取り組んでいるが、実際に事業をする際、高校生も若干であるが参加してくれた。フランス大使館に行って、前橋のまちをよくするためにどのような取組をすればよいか発表し、大使からフィードバックをもらう等の事業を行っているが、参加者が少ないという現状がある。様々な活動をカリキュラムに組み込めれば、学んだものを生かしていけるようになるのではないかと思う。
(清水副議長)
   最初の3年間は、先生方も究タイムをどのように単元として作り上げ、地域とどのように関わらせていくのか検討し、今日の形態になるまでとても苦労があったと思う。上手く運営するために必要となるものが経営であり、組織マネジメントである。ミドルリーダーをきちんと育て、そのようなものが全てエネルギーとなっている。先生方も体験的に取り組んでいったので、より定着が図られたのではないかと思う。
   卒業生が、県内の大学に進学し発展的に取り組んでいるという話もあった。26のまちづくりセンター長と地域の自治会関係者が関わり問題を収斂し取り組んできている。最終的な取組は、どのようなものであっても、そこに至るまでの過程が生徒の学びになりキャリアになる。活動の中で自己有用感を得て、将来の課題に対応していけるようになる。そのような点で素晴らしい実践であると思う。
   トップダウンの時もあれば、ボトムアップの時もあったと思うが、組織としての繋がりがあったので、3年間で成果を出せるようになったのだと思う。学校の中に社会教育主事の資格を持った人を配置したり、大学と連携したりし、生徒が自己有用感を持てるような青写真を描くことが大切になってくると思う。本日の発表を大いに参考にして、地域の実情に応じた取組を進めていければと思う。
(安保議長)
   学校の活性化と地域の活性化をうまくリンクできれば、素晴らしい成果が出るということを本日は、学ばせていただいたように思う。
(佐藤児童文化センター館長)
   本日は素晴らしい実践内容をお聞かせいただいた。説明いただいた事例は、まちづくりセンターが地域と高校生をつなぎ、地域の課題の解決に向けて取り組んでいたが、大変な労力が必要であるかと思うが。
(斉藤教諭)
   該当地区は年度ごとに26ヶ所中の6か所となるので、4年に1回程度の受け入れとなる。毎年となると負担も大きくなると思う。
(安保議長)
   続いて、前橋市立前橋高等学校の取組について説明をお願いしたい。
(茂野教諭)
   今までの学習を体系化し取組を進めている。1年生を担当しているが、9月から毎週企業や市役所の方に講演をいただいている。社会が今どのようになっているのか、どのように繋いでいけばよいのかを学んでいる。12月に探究学習で、フィールドスタディとして市内の商店街に行き実態を聞くことになっている。2年生では、市議会の傍聴や模擬選挙を行い、これからの社会をどのようにしていくのかということを考え、進路に結び付けていく。インプット・アウトプット・チャレンジということで3年間取り組んでいる。
(斉藤教諭)
   インプット・アウトプット・チャレンジとそれぞれテーマが決まっているのが良いと思う。2年生で前橋市の未来を考えるワークショップを行っているが、大学等に協力を依頼した活動やロジカルシンキング講習会等も興味を覚え楽しみな内容である。このようにテーマを決め取り組むことは、とても有効であるのではないかと思う。
(星野委員)
   講演的なものやインプット的なものが多くなる面はあるかと思う。短期間ではない職業体験をカリキュラム化したり、何単元で段階的にといった視点のものを積み上げていったりすると核となるものが出来上がって、よいように思う。
(安保議長)
   地域の受け皿が多ければ多いほど、1週間、2週間、1ヶ月といった単位で活動していくことができるようになり、地域や企業をより理解できるようになるかと思う。
(塩崎教育長)
   本日、富士市立高等学校の取組を伺っていて、前橋市立前橋高等学校の取組も共通点があって嬉しく思った。今後、前橋市立前橋高等学校の取組についても協議いただく機会を設けていただければと思う。商工会議所にお世話になり、大学とも繋がり、その取組をより良いものにしていくために、社会教育委員の皆様からご意見をいただければと思う。
   2年生の模擬選挙の様子を見に行ったが、このようにすればさらに前橋は良くなるという主張を高校生がたくさんしていた。今後、若い人や企業と繋がり、中学校とも繋がり、さらには、公民館との繋がりが生まれると良いと思っている。ぜひ、これらの点について、ご検討いただければありがたいと思う。
(安保議長)
   本日は、お忙しい中、斉藤先生に先進的な取組事例をご紹介いただき非常に有意義な会議となった。今後もぜひ、ご助言をいただければありがたく思う。斉藤先生始め、富士市立高等学校の先生方に心より御礼申し上げる。

2.社会教育関係団体に対する補助金について(意見聴取)

(若島課長)

資料に基づき、現時点における令和2年度の社会教育関係団体に対する補助金の説明を行った。

質疑応答後、令和2年度の社会教育関係団体に対する補助金については、異議なしとされた。

(4) 連 絡

 ・今後の予定について

(5) 閉 会

 

更新日:2020年02月17日