令和4年度第1回前橋市社会教育委員会議
審議会名
前橋市社会教育委員会議
会議名
令和4年度第1回前橋市社会教育委員会議
日時
令和4年7月4日(月曜日) 午後2時から午後4時
場所
前橋市中央公民館504学習室
出席者
(委員側)
佐藤議長、清水副議長、大森委員、小川委員、関委員、森谷委員
宮内委員、村井委員、奈良委員、山田委員
(市教委側)
都所指導担当次長、事務局員(生涯学習課)
(特定非営利活動法人 NextGeneration)
小高理事長、高橋副理事長、中野理事
欠席者
土田委員、荻原委員
会議内容
1.開会
2.教育長あいさつ(指導担当次長代読)
本日はご多用の中お集まりいただき、大変ありがとうございます。令和4年度第1回社会教育委員会議を開催できることを大変うれしく思います。振り返ってみますと、コロナ禍の中、昨年5月31日に平成29年度から4年間の取組についての提言をご提出いただき、それらを踏まえて、昨年度は2回の会議の中で、委員の皆さまには、提言の検証やのびゆくこどものつどいについて、また、GIGAスクール構想における情報発信など、それぞれの御立場から多様な意見をいただきました。本日は、昨年5月1日に開室いたしました、前橋市高校生学習室の令和3年度の利用状況報告を行い、その後協議となると伺っております。議長を始め、委員の皆さまにはお世話になりますが、昨年度同様たくさんの意見をいただきながら、前橋の教育について考えていければと思います。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
3.報告及び議事(発言趣旨)
前橋市高校生学習室の利用状況について
【佐藤議長】高校生学習室の現状と、今の高校生の様子などについても触れていただきながら、ご説明願いたい。
【小高理事長】高校生学習室がオープンして1年が経ちました。高校生学習室の運営については世代交代ということで、室長20歳、副室長19歳と若い2人に任せているところです。室長より説明いたします。
【高橋室長】前橋市高校生学習室室長を務めております、特定非営利活動法人Next Generation副理事長の高橋海成と申します。本日はよろしくお願いいたします。では、前橋市高校生学習室令和3年度の利用状況並びに令和4年度の事業計画などについてご説明させていただきます。まず、概要をご覧ください。前橋市高校生学習室では、平日日程・休日日程・テスト期間日程の3つの日程に分けて開室をしております。昨年度は、平日日程101日、休日日程143日、テスト期間日程38日の計282日開室いたしました。なお、休日日程は、開室当初は10時からでしたが、利用者アンケートで休日の開室を早めてほしいという要望があり、12月より9時からの開室としております。また、282日の開室日の中で、新型コロナウイルスの感染防止対策のため、141日は席数を減らした形で開室いたしました。利用登録者数は、高校1年生471人、高校2年生509人、高校3年生575人の計1555人であり、利用者数は18194人、学習室で行われた主催事業参加者数は65人となっております。
次に、学校別の登録者数についてです。表を見ていただいてもわかりますように、前橋市内の高校に通っている方に多く利用していただいております。
次に、居住地別登録者数についてです。前橋市が1017人と全体の65.4%を占めています。その他は伊勢崎が133人、高崎市が117人となっています。利用者の中には、伊勢崎市内在住で高崎市内の高校に通っている方が前橋駅で下車をして学習室を利用するなど、多くの市外在住の方にも利用していただいております。
次に、月別学習室利用人数です。令和3年5月からの開室以来、毎月1000人を超える高校生に利用していただきました。5月1日に開室した学習室ですが、5月4日に県の警戒度が4に引き上げられたことに伴い、席数を減らし、感染対策を講じた上での開室が続きました。そのため、感染拡大が起こった月の利用者数は、グラフにもありますように減少しております。
次に、令和3年度実施事業についてご説明させていただきます。昨年度実施した事業では、計65人の方に参加していただきました。これらのほかにも企画していた事業が多くありましたが、新型コロナウイルスの感染拡大のため、計5回の開催に留まりました。これから、各企画事業の内容を説明させていただきます。
7月25日に開催した「将来について考えよう」は、将来選択について、納得のいく選択をするために「どのように将来を考えればいいのか」ということを学び、自分らしい将来プランを構想することを目的とした事業です。ゲストとして、前橋市職員・NPO法人代表・大学生・大学院生をお呼びし、進路選択についての経験を話していただき、その後にグループに分かれて将来について考えるワークショップを行いました。参加者からは、「自分の進路を考える参考になった」、「普段はほとんど考えることのない進路について大学生と楽しく、深く考えられてよかった」などの意見が寄せられました。本事業を通して、高校生が普段聞くことのない方々の話を聞き、進路選択の幅を広げるきっかけになりました。
11月3日に開催した「プレゼン交流会」は、高校生と学習室職員がお互いの好きなものをプレゼンテーション形式で発表し、高校生同士や学習室職員との共通点をお互いに見つけ、交流を行うことを目的とした事業です。参加した高校生からは、「プレゼンを通して、人前で聞き取りやすい声で話す力をつけることができた」、「他者の好きな物事に興味を持った」などの意見が寄せられました。本事業を通して、資料の作成はもちろん、発表の方法などを工夫している様子が見受けられました。
11月6日に開催した、「大学生とお話ししませんか?交流会&座談会」は、前橋市高校生学習室利用者アンケートより、「大学生とたくさん話がしたい」、「大学生活について質問したい」との回答があったため、社会教育実習に来た群馬大学の学生6名と交流会や座談会を行った事業です。参加した高校生からは、「楽しく参加できた」、「高校の時にどのような勉強をすればよいかわかった」などの意見が寄せられました。本事業を通して、現役大学生から大学生活や高校時代の勉強方法などを学ぶことができ、群馬大学を志望校としている高校生が多く参加していた印象でした。
12月10日に開催した「ボードゲームで将来を考えようwith大学生」は、当法人が作成したボードゲームを大学生と行い、将来設計について大学生と共に考えた事業です。参加した高校生からは、「冬休みの課題の休憩にとてもよかった」、「大学生とも話す機会があり、非常に有意義でした」などの意見が寄せられました。本事業を通して、ボードゲームをする中で高校生が将来について考える機会を与えることができたことはもちろん、活動する中で大学生とも打ち解け合う様子が見られました。
最後に、12月28日に開催した「前橋クリーンアップ活動」は、高校生にボランティアに対しての興味関心を持ってもらうことを目的とし、学習室内と前橋駅北口ロータリーの清掃活動を行った事業です。清掃後は、グループ対抗のクイズ大会を行い、交流を深めることができました。参加した高校生からは、「楽しく掃除をすることができた」、「たくさんの高校生と交流することができてよかった」などの意見が寄せられました。本事業を通して、清掃を行いながら高校生同士での交流が盛んに行われている様子が見受けられ、また参加したいという高校生も多くいました。
また、その他の企画事業として、前橋市高校生学習室通信の発行とまえばし自慢について説明いたします。まずは、前橋市高校生学習室通信の発行についてです。これは、学習室を利用している高校生に対して、毎月一回発行したものです。内容としては、イベント情報やインタビュー記事など、高校生が読みやすく、有益な情報を掲載することを心がけ、発行しました。
続いて、まえばし自慢についてです。高校生が見ている「いま」の前橋を写真で記録して「未来」に伝えるために、「いま見ている前橋の写真」を募集し、のべ97人の方に応募いただきました。本事業は、前橋市政策推進課との共同事業として行い、応募していただいた写真は、前橋市のシティープロモーションに活用されました。
次に、令和4年度の実施計画についてです。まずは、学習室通信の発行事業です。昨年度に引き続き、毎月1日に合わせて発行します。学習室の情報に限らず、前橋市内の情報やボランティア情報など、学習室を身近に感じてもらうと共に、新たな発見や学びの提供を行っていきます。
次に、ミニセミナー事業です。利用者のニーズを取り入れつつ、毎回目的を設定し実施します。原則として第一、第三日曜日の実施を予定しております。定期的に開催することにより、利用者が学習室のイベントを「日常的なもの」としてとらえてくれることを期待しています。
次に、刊行物の発行事業です。9月と1月にA5サイズ計24ページの刊行物を県内の高等学校に配布します。内容としては、「地域」、「進路」、「社会」をテーマに、高校生が日常生活を送る上で触れる機会の少ない内容を掲載し、それぞれのテーマについて知識をつけることができるようなものを作成します。
次に、将来設計支援事業です。学習室を利用していた大学生などをお招きし、トークショーや高校生が自分の将来について、深く考える機会を設けます。時期は、大学生の帰省に合わせるため、8月14日に開催することとしました。
次に、まちなか高校生文化祭事業です。文化的活動の発表の機会を設けることを目的とし、2023年3月19日に前橋市中央公民館にて、高校生を対象にした文化祭を開催します。また、より多くの高校生の想いが形になるよう、文化祭実行委員会を発足します。
次に、利用者アンケートの実施です。利用者のニーズを施設管理や事業運営に反映させるために、9月と3月に利用者に対してアンケートを実施します。
次に、高校生運営委員会の発足及び活動についてです。高校生の意見や要望をもとに、学習室を作りあげたいという想いから発足させます。4月に運営委員を募集し、現在16名で活動しております。また、9月には高校生運営委員会主催のイベントを実施する予定です。
次に、日常的な事業として、「大学生等による相談支援事業」、「高校生を主体者としたプロジェクトの支援事業」、「SNSやホームページによる情報発信事業」、「学習参考書や書籍、新聞等の貸出事業」があります。相談支援事業については、学習室開室以降、相談件数は増加傾向にあり、内容としては、学校生活に関すること、人間関係(恋愛関係)に関する相談などです。高校生からは、「年が近い大学生だからこそ相談をすることができる」という意見をいただいており、家族や学校の先生などに相談しづらい内容を相談してくることもあります。
次に、今年度の状況についてです。
今年度から、昨年度まで学習室を利用していた大学生3名が運営に携わっています。利用していた者が運営に回ることで、学習室の運営を利用者目線で考えることができ、より高校生が利用しやすい学習室にすることができると考えます。
また、今年度の利用状況についてですが、群馬県の警戒度が1になったことを受け、現在は114席で開室をしております。近隣高校がテスト期間になると、連日100人を超える高校生が利用しています。利用者数では、6月の3054人が開室以降最大数となっており、今年度の4月から6月までの利用者数の合計は、6971人となっております。
最後に、昨年度高校生として学習室を利用し、今年度より副室長として運営に携わっている中野より、学習室で働きたいと思った理由や利用者としてみた学習室についてなどの話をさせていただきます。
【中野副室長】私が学習室で働きたいと思ったのは、学習室のスタッフの人たちと仲良くなったことがきっかけです。あるスタッフが私に話しかけてくれたことで、他のスタッフとも話すようになりました。私は学習室を利用する中で、スタッフの人たちが楽しそうに仕事をしているのに憧れを抱き、学習室で働きたいと思うようになりました。
学習室に来るとスタッフの人たちがいつも笑顔で優しく接してくれたのがすごく嬉しかったので、自分が働いている時は、高校生に笑顔で接するように心がけています。また、私は普段の会話がきっかけで色々な人と仲良くなれたので、日常会話などを通じて高校生と積極的に関わることも大切にしています。
私が高校生の頃、私にとって学習室はサードプレイスでした。昔からの友人と学習室で再会したり、年下の他校の高校生や年上のスタッフと仲良くなったりと、学校生活の中だけでは関わることのできない人と関わることができました。学習室がなかったらたくさんの人と関わることができなかったので、学習室を利用していてとてもよかったと思っています。新型コロナウイルスにより、人との関わりが制限されていた高校生活でしたが、学習室のお陰で制限のある中でも楽しい思い出をたくさん作ることができました。
今後私は、学習室を高校生のサードプレイスにしていきたいです。現在は、高校生のサードプレイスが少なく、他校の生徒と関わったり、さまざまな情報が得られたりする施設もあまりありません。そこで私は、学習室で普段なかなか接点のない人と関わる機会を増やすことによって、自分の視野を広げ、学校の垣根を超えた新たな関わりを持つきっかけの場所にしていくこと、また、高校生自身の活動の幅を広げられるようなサポートをすることを積極的に行っていきたいと考えています。
【佐藤議長】昨年度提出した提言の中にも、若者の力を活かすしかけの創出や異世代間の協働まちづくりなどの大きな目標があり、地域と人間を育てていってほしいという想いが込められていると思う。何か質問等あればお願いしたい。
【都所指導担当次長】私も2回ほど自主事業に参加させていただいた。プレゼン交流会では、高校生1年生でも、これだけプレゼン資料が作れるのかと感心した。大学生との交流会では、大学生が上手に質問を引き出しながら、受験や大学生活などの意見交換を行っていたのが印象的だった。
【佐藤議長】私も何度か拝見させていただいたが、世代が近いということもあり、とてもいい関係性を築いている様子を見ることができた。
【奈良委員】多くの若者が集まることで、何かを作り出せるということがよくわかる。私は自治会の活動をしているが、この高校生学習室の事例は、自治会活動につながるなと思いながら拝聴させていただいた。一つ質問だが、困難を抱えている高校生に対して、寄り添っているような印象をうけた。単に学習する場所だけではない、この学習室のねらいややりたいことなどについて伺いたい。
【小高理事長】私自身、高校時代から学校の枠にとらわれない組織の運営に携わってきたが、高校時代に思うようにできないことが多くあった。例えば、未成年であるために契約ができない、公民館の部屋を借りることができないなど、やりたいけどできないということが度々あった。だが、東京で主権者教育の活動を行っていた際に感じたことは、大学生がいるととてもスムーズに活動が進むということである。進行や準備などがうまくいくためには、高校生と大学生がこのような関係を築いていけることが大事であり、そのような場所が群馬にもあるといいなと思っていた。人が集まれば何かが生まれると思っているが、群馬県には違う学校の高校生同士が交流する場が少ないと感じているので、学習室がそんな場所なるといいなという想いはあります。
【佐藤議長】高校生が自分たちで活動しようと思うと、高校生だけでは解決できない壁がある。大人も社会に色々しかけようと思っていてもできない部分があるが、この学習室を市が設置したことの意味は大きく、前橋の高校生、若者が育っていき、核となり地域づくりを担ってくれるといいなと思っている。
【清水副議長】提言の作成に関わってきたものとして、高校生の社会参画の状況をどうフォローしていくのかということについてまとめたものとしてお話させていただきます。私の感覚では、高校生が自分自身のキャリアを磨いていく場所が必要なんだということです。例えば、職業訓練的なキャリア教育ではなく、人の生き方として、地域の一人として、将来世界にはばいていく一人としてのキャリアについて、前橋市としてどう支援することができるかということです。高校の学習指導要領が改訂され、その中で探究学習が取り上げられ、普通高校の生徒が地域に飛び出して、市の職員や企業の方々と交流しながら自分自身が前橋市のまちづくりについて考えたり、自分自身の学び方、在り方について考えたりと、高校に訪問して話を伺った中で、学校の学習の一環として取り組んでいることの意味や、社会に開かれた教育課程の中で、行政が、社会教育が、どう支援ができるかということについて考えました。学習室ということなので、学習する場所というのは根本にあるのだと思います。そこで学びあうことで何かが生まれること、運営等については若い人に任せること、予算面のこともあるので、市民の方々の理解は必要であり、高校生の学びの場をしっかりと保証すること、多様な運営・運用が考えられるが、先ほどの資料を見る限り、こんな短時間で話を聞くのがもったいないと思うほどのしかけや取り組みがある。組織や予算、地域とのコーディネートなども含め、運営に携わっている皆さんの主体性を尊重しながらバックアップしていくことが必要だろう。大学生とお話しませんかという企画事業は、社会教育実習に取り組んでいる大学生が主となって開催した事業である。私は、大学で社会教育実習を担当していたが、当時は公民館へ依頼し、公民館活動を一緒にやることで計画をたてていたが、大学の事業の一つとしてこのような取り組みが認められていること、定着していくことが、今後の事業の幅広さを生み出していくことにつながるだろう。人数の多い、少ないで事業は評価するものではないので、若者を活かすことを考えていってほしい。
【佐藤議長】今までの経緯も含めて、ご説明いただきありがとうございました。
【森谷委員】企画事業について、質問させてください。利用者数18194人を母数としたときに、企画事業の参加者数は65人。この人数についてどう評価しているかお聞かせください。
【高橋室長】企画事業の参加者数についてはもう少し増やしていきたいと考えている。昨年度も色々企画をしていたが、コロナによりできなくなってしまった。高校生の学習室のイメージも勉強するだけの場所という印象が強く根付いてしまっている。開室してすぐに、座席数も削減し、交流事業もできなかったので仕方はないとは思うが、勉強をする場所という根本は変えずに、多様な学びをしてもらうために、スタッフも知恵を出し合いながら、たくさん参加できるような企画事業を計画していきたい。
【小高理事長】人数が多く参加する事業も大事だと思うが、少人数だからこそ得ることができる効果というのもあると思う。小規模なイベントと大規模なイベントはもちろん企画していくが、最近はボランティア活動に参加したいという高校生が多い。事業の参加人数は数字で表されるが、企画事業以外にもNPO立ち上げのために動き出している高校生や性的少数者の啓発活動をするための映画作成をしたい高校生など、学習室があることで自分のやりたいことを始めることができた高校生がいることも知ってほしい。
【森谷委員】少人数の効果、知り合いになって動き始めていることがあることもわかった。高校生がお客様になって参加する事業から、高校生が主体となって参加する事業が多くできていくとよい。
【村井委員】学校以外で活動ができる、自分の興味関心が広がるなどのきっかけの場として多くの人にこの学習室を知ってほしいと思った。色々なスタッフがいること、たくさんの事業をしていることなどはInstagramなどで知ることができたが、より多くの高校生に知ってもらえるように更なる周知をしてもらいたいと思った。中学生が高校生になったら使いたいと思えるように、学習プラスアルファの部分を友達と交流しながらお互いに成長していってほしいと思った。
【関委員】企画事業がどれも楽しそうなのに、参加者が少ないのは疑問に思った。利用者アンケートについてどんなことを聞いているのか教えてほしい。
【小高理事長】昨年度は9月と3月に実施した。管理運営に関する質問や、記述的な回答も入れながらアンケートを行った。先ほどの説明にもあったが、開室時間についてはこのアンケートをもとに、早めた経緯もある。
【小川委員】コロナによって活動が難しい中、スタッフが生き生きして活動しているのが素晴らしいと思った。高校生文化祭の活動などは、学習室に携わった高校生が自主的に立ち上げた企画であり、それを大学生がスタッフとして支え、高校生が自分たちでめぶいていくというところが出てきていると感じている。先ほどから自主事業の参加人数について話が出ているが、個人的には、参加人数は増やさなくてもいいのではと感じている。それは、ここには勉強するために来ているという意識の人が圧倒的に多いと思うからで、高校生の中には、外でボランティア活動をしたい、社会活動をしたいという人もいると思うので、それぞれの高校生の居場所として、一歩前に進みたいという高校生の後押しができる場所になってほしいと思うので、今の感じでゆるく進むのでいいのではと思う。部活動を一所懸命やっている学生、ボランティアをやっている学生、私自身も宇宙少年団というのに関わっているが、それに参加している学生など、興味があることを外でやれている学生はいると思う。学習室に来ている高校生は、それなりに自己肯定感も高く、やる気がある高校生だと思うので、事業に参加したい人がゆるく参加するのがよいと思う。
【宮内委員】令和4年度の実施計画の中で、大学生による相談支援事業について、これはピアカウンセリングというものであり、このような試みは私自身とても重要と考えている。相談にあたっているスタッフについて何か研修などは行っているのか。
【小高理事長】この相談支援事業について私は課題を感じていて、先日、起立性調節障害の方が相談に来たことがあり、その際、私たちの組織の中に今年の春に保健師になり、専門的な知識があるスタッフがアドバイスをしたことがあったが、では、ほかのスタッフができたかというとそんなことはなく、研修などで基本的なことは学べるが、踏み込んだところまで相談体制が整っているとはいいがたいのが現状である。
【宮内委員】私は公認心理士として、些細なことに見えたことが、実は思春期においては様々な医療的背景が関係している場合が多いと感じている。大学生を窓口にして医療機関につなげるなど、連携を模索してほしいと感じる。また、私はカウンセラーとして市民の方々のカウンセリングを行っているが、やはり医療機関と連携をしながら働きかけを行っている。最初の窓口としてこの取り組みはよいのではと思う。
【小高理事長】適切な機関につなげていくというのはスタッフ間で共有はしている。自分たちに話すことが、高校生にとってはハードルが低いと思うので、それを切り口に適切な機関につなげていきたい。
【清水副議長】サードプレイスの一つとしての学習室の意味を考えていきたい。他の学校の生徒と交流することや事業が実施されることで得られた成果や課題などがあると思うが、交流そのものが、世の中全体がマスク越しの交流になっていると思うので、マスクなく素顔で語る時を待つというのもあるが、こうした活動をどう評価し、整理し、拡充・連携していくのか。できる範囲でルートを作っていくことが大事であり、見通しを持ちながら皆さんのアイデアを活かしながら活動してほしい。人的問題や予算面などの問題など、行政との連携をとりながら行わなくてはいけないと思うし、場合によれば企業や公民館などで活動している人たちとの取り組みも出てくると思う。情報発信のしかけや参加者の問題など、実績、実践をつなげて、群馬県の高校生がしっかり学んでいくというベーシックな部分について担保してほしい。
【山田委員】私はスタッフとして関わる中で、学習する場としての学習室という意味もあるが、中にはスタッフと話をするためだけに来る高校生や、ミーティングルームで会議をするために利用する高校生もいるので、段々と目的をもって使える場所になってきていると思っている。もちろんイベントを設定し交流する機会を作ってきたというのもあるが、一番は高校生とスタッフとの何気ない関わりが重要だと思う。スタッフとの会話が切り口となっていると思うので、私は高校生に自分から話しかけている。また、運営委員会も発足したので、先ほど話もあったが、高校生が主体となって学びが広がっていけるようにしていきたい。
【大森委員】本当に素晴らしい取り組みだと思う。まず、感想として中野副室長が運営に関わっているというのは、成果であり、我々は高校生学習室ができる時に、若者同士が運営をして育っていく、次の担い手としてつなげていくようなことできるとよいと考えていたが、まさにそれが実現したのだと思う。高校生がいろいろなチャレンジをしようとしている中で、高校生がどう変容していくのか、結果を見ていく必要があると感じる。KPIだけではなく、アウトカム、その結果として何が起こったのかを全面に押し出し目標設定をしていった方がいいと思う。また、高校生時代の苦労について話があったが、私も高校生の取り組みに対して、大学として関わると、大学と関わるだけで色々なことがやりやすくなるといわれる。なんでもっと高校生に色々やらせることができないのだろうかという大人の反省がある。細かいこととして、また提案の一つとしてビジョンから資料等を書いていくのがいいと思う。この学習室は何のためにあるのか、今のところは学びの場、学力の向上、地元定着、Uターンの促進、次世代人材の育成があると思うので、報告する時には、常にこのビジョンを意識していく。やっていく中で少し変化はあると思うが、常にそこに立ち返っていけるとよい。また、先ほど話があった相談についてだが、予算も絡むと思うが、スタッフのスーパーバイズの時間をとれるといいなと思う。例えば、宮内委員に月に一回来てもらって、大学生スタッフが相談できるようにすることで、どの機関につなげるとよいとか、そこまで聞かなくてもいいなどのアドバイスがもらえるといいのではないか。大学生との交流については、皆さんのネットワークを使っていけばよいと思うが、大学教授の授業などは、前橋市内の大学が集まって商工会議所が組織しためぶくプラットフォーム前橋も活用していただきたい。そこの窓口は私なので、例えば、今めぶくプラットフォーム前橋では、参加している大学のイチ押し授業を動画にして高校生に配布している。前橋工科大学の今村学長の脳科学の授業を動画で中高生が見られるようになっているが、その動画を高校生学習室で上映し、そこに学長が解説に来てくれるなどのコンテンツも用意することができるので、そのあたりも相談していただきたいと思う。最後に、私の想像以上に多くの高校生がこの学習室を利用しているが、その背景には、何か問題があると感じているか。
【高橋室長】学習室を新規に利用する高校生から話を聞くと、勉強する場所がないという意見が多い。ボランティアの参加が多いのも、高校生を対象としたボランティアが少なく、また窓口が少ないという現状があるからだろう。元気21の学習スペースや図書館などで学習することはできると思うが、まだまだ少ないと思う。
【佐藤議長】私は、児童文化センターに勤務していた際、ボランティアの組織を編成したが、高校生に自分たちがボランティアのできる場所を知っているかと聞いた時に、ほとんどの高校生が知らないと答えた。ボランティアという社会との接点を求めている高校生がいる中で、どこに行けば何ができるという情報がなかなか無い。高校生が求めているボランティアを提供するような仕組み自体が少ないと感じている。
【関口生涯学習課長】市の主催事業の中で、高校生を必要としている行事やイベントについての情報発信を高校生学習室の掲示板で行い、高校生が参加してくれたという事例はある。前橋自慢の写真も、パンフレット等に活用されている。
【小川委員】GIGAスクール構想の中で、ボランティア募集についてのチラシなどを高校生に配信することはできなのか。
【関口生涯学習課長】高校生については、まだそこまで進んではいない。
【奈良委員】児童生徒のボランティア参加については、教育の中では前向きなのか。
【小高理事長】私が高校生のころよりは、今の方がボランティア活動に積極的になっていると思う。難しいのは、コロナとの兼ね合いだろう。ボランティア活動に参加する人のタイプには、入試や就職活動のためにやる人、自分のノウハウを磨くために活動する人がいる。これからは、ただ言われたことをやるだけのボランティアではだめなのではと感じている。
【清水副議長】文化協会の事業において、令和5年度に40周年の記念事業がある。そこで、萩原朔太郎のお孫さんと高橋源吉の曾孫さんにお願いし、100年前に二人が手紙の交流をしていたという関係があり、それをもとにした座談会を計画している。その際に、パネル作成や企画についてのお願いを高校生学習室にしようと考えている。文学や前橋市に興味をもつ高校生に生きた学びをしてもらいたいという想いがある。文化芸術活動の価値をきちんと伝えること、自己肯定感を持てるような活動であること、安全、保険等の対応をしていくことが必要であり、ただお手伝いをしてもらって大人が楽をするという考えではいけないと思う。それを実現することが地域づくりにもつながっていくと思う。
【大森委員】プラットフォーム前橋は、企業人の次世代経営者のためのスクール、大学職員同士の学びあいなどを展開している。今は大人をターゲットにしているが、これからは中高生にもコンテンツとして多世代型キャリア教育の一環として使っていただけるようにしていきたい。
【関口生涯学習課長】前橋市のチラシなどのデータ配信は、市内小中特別支援学校、および市立前橋高校に行うことができる。県立高校に一斉にデータ配信することはできない。多くの高校生に配信するためにはどうしたらいいかなどを、学習室の高校生に考えてもらうこともいいのではないかと思った。
【大森委員】設置者の違いもあるが、今は二次元コードなどで簡単に依頼はできると思うので、昔のように、紙を渡して、配布を依頼するなどの手間はなくなったと思うが、どこまで依頼していいのかという問題もあるのかなと思う。
【小川委員】前橋市は、チラシをタブレット配信で行っていると思うが、前橋青年会議所も子供向け事業のチラシについて、タブレット配信を今年度から行っている。しかし、保護者が見ていない、知らないという話を聞いた。保護者によっては、まだ慣れていなく、チェックしきれていないのかなと。そうすると、子供たちの社会参加の機会も減ってしまうのではないかという心配をしているのだが、そういった対策について、高校生学習室と話はずれてしまうかもしれないが、教えていただきたい。
【村井委員】保護者によっては、仕組みについて理解していない保護者もいると思うし、親が見るための登録等がまだできていないという人もいるだろう。
【都所指導担当次長】紙ではなく、データとしてチラシ等を配信するようになり、保護者の方々がきちんと見ることができているのかどうかというのは課題となっている。中には、子供のタブレットを親が見るべきではないと考えている方もいるという声も聞こえてくる。通知文等を紙で配ることはもうないため、ご自分のスマホ等で繋いでいただかないとなかなか見る機会がないのかなと思う。教育委員会内の情報推進室では、保護者の方々に見ていただけるように、いろいろな手立てを考えております。給食の献立表については、家庭に掲示しておかないと不便だという意見も出ており、そのあたりも整理していかなくてはいけない。前橋市は、市から一括して保護者の方々にデータ配信は行っておらず、各学校が保護者に配信する形になっています。できるだけ配布物の量を減らし、学校の負担なく、保護者の方々に見ていただくことができるよう検討していきます。
【佐藤議長】事業を企画する際に、どのような議論を経て、形にしているのか。
【高橋室長】スタッフが提案した事業を実施する場合もありますし、高校生と会話する中で企画した事業もあります。今年度であれば、ロシア、ウクライナについて興味を持ったという話を聞き、国際関係についての模擬授業を実施したということがあります。高校生の意見を受けて、スタッフで検討していることが多いです。
【佐藤議長】今の高校生の印象について、年の近い皆さんはどう感じているか。
【高橋室長】何かをやりたいという想いを持った高校生は多いと思う。運営委員会でも、自分たちでこうしたいという想いから、メンバーになってくれた高校生も多くいる。
【小高理事長】高校生にとっては、ゆるさを残しながら、余白をつくってあげながら活動していく方が居心地がいいのだと思う。また、スタッフのことをよく見ていて、大学生になったらここでバイトをしたいと言ってくる高校生が多い。楽しそうにしている様子などから、あこがれを抱いているのかなと思う。
【奈良委員】自治会などでは、コロナ禍によって、文化的なことや伝統行事などを続けていくことができない状態にある。それを続けるためには、40歳前後の若い親たちを活かしながら活動していきたいと考えているが、若い人たちに呼びかけても回覧板などではなかなか情報が届かない。若い人の視点をもちながら地域で活動していくためにはどうしたらいいかさらに考えていきたい。
【森谷委員】青少年会館では、現在不登校の児童生徒についてどうやって社会参画させるか、職業体験させるかについて考えている。この学習室の企画は今までの社会教育の枠を超えてしまうと思っているが、あらためて社会教育とは何かについて考えるいい機会にもなると思う。
【大森委員】高校生の学びを支援する中で、知識を持っているだけでは生きていけないという考えや、大学受験も大事だけれど、地域とともに課題解決もしなくてはいけない、予測困難な時代を生きていかなくてはいけないなど、様々な状況が10年前の高校生とは大きく変わってきている。この高校生学習室の事業も小さなスタートかもしれないが、この時期だからこそ意義があることなのだと思う。
【佐藤議長】これからの子供たちのために、アドバイスを送りながら一緒に高校生学習室については考えていきたいと思います。
最後に、自治会などでお祭り等を実施するために、今後どうしていくのかという議論が多くの場所からでていると聞いた。地域行事と、地域の子供たちの関係、将来に向けての考えなどを整理しながら、次回は検討していきたいと思う。
本日は、ありがとうございました。
4.連絡
今後の予定について
5.閉会
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更新日:2022年07月19日