令和4年度第4回前橋市社会教育委員会議

審議会名

前橋市社会教育委員会議

会議名

令和4年度第4回前橋市社会教育委員会議

日時

令和5年3月6日(月曜日) 午前10時から正午

場所

前橋市中央公民館501学習室

出席者

(委員側)

佐藤議長、清水副議長、大森委員、関委員、森谷委員、奈良委員、宮内委員、

村井委員、

 

(市教委側)

吉川教育長、都所指導担当次長、関口生涯学習課長、事務局員(生涯学習課)

 

(中部教育事務所)

都丸社会教育主事、高橋社会教育主事

欠席者

土田委員、荻原委員、山田委員

会議内容

(1)開会

 

(2)教育長挨拶

今回で、現社会教育委員による最後の会議となりますが、大変お忙しい中お集まりいただき本当にありがとうございます。昨年度は、令和3年5月31日にいただきました提言を受けて、コロナ禍のため、計2回の会議となってしまいましたが、子供たちの現状について議論をしていただきました。今年度は青少年、若者、また、高校生学習室の取り組みについて協議をいただきました。それぞれのお立場からたくさんのご意見をいただきました。本当にありがとうございます。3月2日から開会をしました市議会の中でもたくさんの議員の方から、社会教育についてご質問をいただいております。また、視察の要望や冊子などでも高校生学習室については取り上げていただいております。前回の第3回の会議では、私から委員の皆様に今後ご協議いただきたいこととして、社会教育を幅広い視点でもう一度見つめ直し、現状と課題を把握し、それらの解決に向けて議論をしていただきたいとお話をさせていただきました。本日は社会教育におけるオンラインについて、また、新年度の取り組みについてグループ協議を行うと伺っております。頂いたご意見を次年度の事業や、これからの具体策の検討にいかしてまいりたいと思います。今期で社会教育委員の任期を終えられる方もいらっしゃいますけれども、今後も本市の社会教育の振興にお力添えをいただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

(3)議事(発言趣旨)

 【佐藤議長】

今年度最後の社会教育委員会議となりますが、今回は班別に分かれ、オンラインについてと新年度の取組について、少人数で熟議をし、皆様の意見を今後にいかしていきたいと考えております。今まで5月31日に提出した提言を基に進めてまいりました。具体的に踏み込んだ内容としては、高校生学習室の取組みや青少年事業団の実践などを伺ってきました。ある程度ここで提言の検証については一区切りとさせていただきたいと思う。

 

グループ協議

・社会教育とオンライン(情報化社会について)

・次年度の進め方について

 

1.グループA

【清水副議長】

社会教育の基本は、人と人との交流であり、集団として仲間として語り合い、深め合うという環境が必要。その中で、お互いの良さや持ち味を知り、社会活動を行っていくことがすごく大事だと思います。その中で、オンラインの環境整備などは必須になってくるかと思う。

【大森委員】

社会教育において、リアルがデフォルトであり、バーチャルはそれを色付けしたり、味付けしたりする手段である。リアルとバーチャルを対立的に考えていくことはできない。なぜならば、リアルが学びの基本であるから、議論の余地はないのかなと。社会教育に関わらず、学校教育でも何でもそうだが、学びの手段として、コロナの3年間で、どこの学校もフルオンラインに移行をしなかった。本当に仕方がなかった2020年度は安全のためにそうなったが、各教育機関がそれに耐え切れなかった。学びというのはやはりリアルじゃないと成立しないということが明らかになったのではないか。前橋市は過去の提言を含めて、地域づくりにいかす社会教育についてずっと議論をしてきたが、地域づくりを柱とするとリアルしか成り立たない。オンラインでは、その地域性が非常にうすれてしまう。公民館がなぜできたのかを考えれば、リアルが基本であることは明らかである。

【宮内委員】

対面とオンラインならば、対面の方が教育的効果の高いことが、乳幼児のデータでは明らかになっています。前橋市では、誰一人取り残すことなくということが提言にありますが、対面だと取り残される人達がいます。障害があるとか、その場に行けない人たちのためにはツールとしてオンラインは必要です。例えば、重度の障害で体動かせないという方にとっては、オンラインがリアルになります。ですので、リアルとバーチャルという区別は困難かと思う。

【村井委員】

読み聞かせ活動をしている中で、本を読んでいる様子を録画して学校で流してもらったが、こちらが子どもたちの反応が全然わからないため活動している人たちからは不評だった。対面で読む方が子どもたちの反応もわかり、やっている側も満たされる。保育参観をオンラインにすることは、評判が良かった。オンラインの方が子供たちのいつも様子が伝わったのかと思う。

【大森委員】

オンラインやバーチャル、メタバースなどの用語の整理をしていく必要があるだろう。

【清水委員】

オンラインは発信する方の環境整備がなければできないし、受け手側も環境があり、かつ使えなくてはいけない。公民館事業においても、高齢者の環境整備は課題であろう。

【大森委員】

デジタルを議論するときの一つのキーワードが、「誰一人取り残すことのない」であり、そのためにデジタルがどう活用できるかということがある。今は、個別最適な学びについても議論されているが、デジタルは一人ひとりに寄り添うことができるという良さがある。デジタルデバイドの問題やオンライン、対面とかリアルとかではなく、学びたい人達に届けるためにはどうすればいいのか、ツールの問題より理念をしっかりと考えていくべき。

【宮内委員】

理念はすごく大切。でも、人も大切である。大学の講義では、YouTubeの動画を毎日見ているような学生が、大学の講義がオンラインになり、講義の動画がつまらないという不満が多くでた。とてもいい講義の内容なのに、動画としてのクオリティーが低いがために批判されるようなことが全国で起こった。

【清水委員】

提言がどれくらい現場に届いているのか検証が必要ではないか。また、他市の社会教育委員会議の様子を見るのもいいのではないか。

【大森委員】

リカレントやリスキリングは重要で、今最も求められている学びであることは承知しているが、民間と公官庁の違いや定義、やるとするならば、生涯学習課でやる意味や意義についても検討することが必要だと思う。

【宮内委員】

人権教育を学ぶこと、学び直すことが大切ではないかと感じている。日々伝わってくる情報の中で、自分のことしか考えていないようなニュースを目にする。また、ハラスメントについては、新しいハラスメントやそれに伴うトラブルなどが絶えない社会となっている。市として社会生活や市民生活を守っていくためにも、社会教育の場面での人権啓発が必要ではないか。

【村井委員】

デジタルを使って、不登校の児童や保護者に何ができるのかを検討するのはどうか。

【宮内委員】

公民館活動が充実し、デジタル環境が完璧になった前橋市になったとしても、市民の品位や人権感覚が低かったら意味がない。市民教育の必要性をすごく感じている。

【大森委員】

社会教育として何をするべきかというのを明確にしたい。当たり前のことをもう一度見直していくことが大切ではないか。

 

 

2.グループB

【森谷委員】

多くの公民館が講座をYouTubeにアップするなどしているが、大切なのは対面とオンラインをどう併用をするか。大学では、オンラインの授業になり学生の出席率は高くなった。

【奈良委員】

オンラインでは、普段の生活では出会えない人と出会うことができる。また、障害者の方とか、あるいは地域の高齢者の方、簡単に移動ができない方にとっては非常に有効だと思う。

【関委員】

定期的な会議では、オンラインの方が出席率が高かった。語学講座を受講しようとする外国人は、オンラインではなく対面を求めていた。学習だけならばオンラインでいいのかもしれないが、雑談ができたり、居場所を求めたりしている外国人にとっては、対面が良いのだと思う。

【森谷委員】

オンラインで学ぶのか、オンラインを学ぶのか。社会教育の中できちんと位置付けたい。

【奈良委員】

前橋市では、自治会にタブレットが支給される。情報交換や交流活動に活用していきたい。つながりや、地域づくりにいかせていければと思う。

【関委員】

教える、教わるという関係に年齢はあまり関係なく、できる人ができることをやれるようにすることが大切ではないか。

【奈良委員】

地域づくりに若い人が来るようになるきっかけが欲しいと思っている。ボランティアなどで大学生などの若い人達に地域に出てきてほしい。

【森谷委員】

ボランティアについては、大学にもよるが単位として認めているところもある。大学と公民館などの連携も多く行われているし、高校と公民館の連携も行われている。公運審ではそのあたりについて協議を行っている。社会教育として、学び直したい人とは誰なのかと考えると、若い人なのかなと。その人たちの学びたいことは公民館には無いのではないのかと思う。ただし、スキルアップしたいと考えている高齢者がいないわけではないので、社会教育がどこまで請け負うのかということなのかと思う。

【奈良委員】

4月から自治会長として活動することになるが、リーダーに期待されることとは何かと考えている。情報収集をして、地域の人々のニーズを把握しなくてはいけない。また、40代、50代の人たちを地域づくりに取り込めるようにいていきたいと思っている。

【関委員】

高齢者の中にも、積極的に学びたいという人は多い。なかなか働き盛りの若い人が学びなおすというのは現実的に難しいのではないか。

 

 

【森谷委員】

教える側のスキルアップを社会教育として考えていけるのか。教える側の情報がすべて正しくて、最新なのか、セキュリティは大丈夫かなど、デジタルに関わる講座については、そのあたりを考えていかなくてはいけない。教える側の人たちに対して公民館が講習できるような仕組みがあると安心するのではないか。ICTを学ぶ機会が公民館で設定されて、それを指導者養成みたいなリスキリングという形でできるといいと思う。

【奈良委員】

公民館職員が地域づくりや人づくり、苦しい人達に寄り添ってくれるなど、誰も取り残されないように支援してほしいし、そういったことを期待してしまうところがある。

【森谷委員】

前橋モデルの、誰一人取り残すことなくという部分については、障害がある人、外国籍の人、また、夜間中学の開設の話もあるが、かなり範囲が広くなる。永遠の課題だと思うのだが、もう一度考え直すことが必要かと思う。どこかの部分を具体的に取り上げることがあってもいいのではないか。

 

全体協議

 

【大森委員】

社会教育を、誰に届けたいのかを明確にすること、享受型未来社会についてもう一度考えていくこと、この社会教育委員会議でしか議論できないことはなにかを考えていきたい。

【清水委員】

社会教育の大きな役割として、人と人とのつながりがあるが、そこにひずみが出てきてしまっているように感じる。社会教育活動の在り方について、総合的に考えていく必要があると感じた。

【村井委員】

自分さえよければいいという考えにならないように、自分の子どもや地域の子どもについてできることを考えていきたい。

【宮内委員】

リアルとバーチャルの対比は難しいと思う。同じ地域に住んでいても周りがよく分からないという状況になっている。自分と自分の大切な人以外はどうでもいいというような考えを持っている人たちが多い。人権教育は古い言葉なのかもしれないが、言い換えれば、新しい市民のための教育をする必要があると思う。民間の企業では、利潤追求のためできないと思うので、自治体が主導して、社会教育としてできるといいのかなと思う。

【都所指導担当次長】

リアルとバーチャルの定義づけの重要性のお話しをいただきました。学校では、オンラインでの授業と対面での授業、また、ハイブリットでの授業を行ってきましたが、やはりハイブリットで行う授業の難しさについて話が出ています。また、人権教育の大切さについてのお話しもありましたが、学校でも人権教育は非常に大事なものであり、自分だけではなく、他者理解、他者を尊重するという心を小さい頃から培っていくことの重要性を改めて感じました。

【関口生涯学習課長】

みなさんからご意見を伺い、社会教育の大切さを再認識した。人権教育については公民館事業の中でも実施しているが、単独の講座の実施だけではなく、すべての講座に入れ込んでいくものだなと思った。

【吉川教育長】

毎回、この社会教育委員の会議では、色々な示唆をいただきますが、まず、コロナの3年間の中で大きく変わろうとしている社会教育について協議をしていただいたこと、委員の皆さまには大変感謝申し上げます。学び方も学ぶ内容も大きく変化をしています。リカレントやリスキルのところでお話があったように、企業や団体で実施している講座もたくさんありますが、常に学びたいと思う人が学べる場所を提供していくことが私たちの役割であると感じています。提言をいただき、前橋市として、具体的にはどんな学びを提供するのかという方ばかりに目がいってしまいがちですが、人としてどう生きていくのか、新しい市民のための教育をどうしていくのかを大きな課題として捉えていきたい。建設予定の図書館では、群馬県と一緒に新しい学習室を設ける予定です。新しい学びとはどのような学びなのか、試行錯誤しながら考えていきたいと思っております。

【佐藤議長】

熱心なご協議をいただきありがとうございました。以上で終わります。大変ありがとうございました。 

 

(4)連絡 今後の予定について

 

(5)閉会

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更新日:2023年04月11日