令和5年度第4回前橋市社会教育委員会議

審議会名

前橋市社会教育委員会議

会議名

令和5年度第4回前橋市社会教育委員会議

日時

令和6年3月15日(金曜日) 午前10時から正午

場所

前橋市中央公民館504学習室

出席者

(委員側)

佐藤議長、森谷副議長、土田委員、間々田委員、栗木委員、宮内委員

西谷委員、大畠委員

(市教委側)

吉川教育長、片貝教育次長、金井指導担当次長、佐藤生涯学習課長

事務局員(生涯学習課)

(図書館新本館整備室)

山崎室長

欠席者

篠田委員、阿久澤委員、結城委員、張委員

配付資料

会議内容

(1)開会

(2)教育長あいさつ

第4回前橋市社会教育委員会議にご参加いただきましてありがとうございます。前回の第3回の会議では、桂萱公民館長より、公民館の業務に現状と課題についての説明と、事務局より前橋市で行っている人権教育の取組についての説明を行いました。本日は、前橋市立図書館新本館基本構想・基本計画について、新本館整備室長よりご説明をいたします。先進事例の視察として伺ったさまざまな図書館では、単なる本の貸し借りの場所だけではなく、社会教育の場としてしっかりと活用されているという風に感じております。新本館のビジョンは、「対話による多様な学びがある知の広場」です。本との対話、自己との対話、そして他者との対話。このような対話のある図書館にしていきたいと思っております。みなさまには、社会教育委員の立場として、ご意見などをいただければと思います。また、来年度ご提出していただく提言の内容についても協議することとなっております。議長を始め、委員の皆さまにはお世話になりますが、たくさんの意見をいただきながら、前橋の社会教育について考えていければと思います。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

 

(3)議事(発言趣旨)

1)図書館新本館基本構想・基本計画について

【佐藤議長】

早速議事に入りますが、今日は図書館新本館整備室の山崎室長さんより、基本構想等について説明をいただき、私たち社会教育委員からも意見を伝えることができればと考えております。最初の立ち上げは大変な苦労があると思うが、いろいろな話を聞かせていただき、質問やご意見を受けて進めていきたいと思う。それでは、よろしくお願いいたします。

【山崎室長】

今回、このようなご説明の場を設けさせていただきありがとうございます。資料をご覧いただきながら説明をさせていただきます。

初めに、現在の図書館の概要ですが、開館が1974年になります。ちょうど今年で50周年を迎えました。設計は林昭男さんで桃井小出身の方です。蔵書数が32万冊、窓口業務はシダックスに業務委託しております。分館についてですが、前橋こども図書館が2007年に開館し、蔵書数は15万冊です。市内全域に16の分館があります。

次に、公立図書館の基本的な歴史についてですが、1970年以前の図書館の特徴は、書架は閉架式、本は並んでおらず、窓口のスタッフにお願いして本を取ってもらう形でした。学術文献や専門書が中心で、学生などの研究に限定されていました。他には、受験勉強や研究のための座席や机の提供はありましたが、市民にはあまり利用されていなかったそうです。このような図書館の仕組みを変えたのが、1970年に発行された市民の図書館という本です。日本図書館協会で発行されたこちらの本が1つ大きなポイントになっており、市民の求める図書を自由に気軽に貸し出すこと、徹底して児童にサービスをすること、全域へサービス網を張り巡らせることなどが書かれています。これ以降、書架は今のように開架式になり、蔵書も一般書が中心、利用者もこどもから高齢者までの一般市民になりました。また、開架スペース、児童書スペースが増え、席貸しのスペースは減少していきました。1970年以降の図書館は、貸し出しがメインになり、入口近くに貸出カウンターを配置し、 1階は開架スペースが中心、2階より上に学習室やレファレンスコーナーなどを設置するのが主流となります。こうした貸し出し型図書館が公立図書館の特徴になりました。ちなみに、前橋市立図書館の1階も、入ってすぐにカウンター、開架スペースがあります。まさにこの市民の図書館の影響を受け、その当時では最先端の図書館だったといえます。

次に、図書館の設置数の推移ですが、1970年の市民の図書館の発行以後、市立図書館の数はどんどん増えていきます。1989年が617館ですので、1968年から比べると、約2倍近く増加しています。理由の一つ目として、先ほどの市民の図書館が発行され、目指すべき方向性が定着したこと。二つ目として、一般書が中心となり市民利用が増えたこと。三つ目として、高度経済成長期における自治体の財政的余裕と言われております。近年における公共図書館の問題点は、高度経済成長期に建てられた建物のため、老朽化が進んでいることや貸出中心の図書館には交流スペースや広場がないため、市民同士がコミュニケーションを取る場所がないことなどです。当時の図書館は、その価値を本の貸出数で図っていました。そのため、貸出数の多い図書館が注目されていました。

2000年代になり公立図書館が変わっていきます。その先駆けが、2001年にオープンした、「せんだいメディアテーク」です。イベントスペースやギャラリー、視聴覚スペースなど、交流ができるようなスペースが設置されました。また、2012年オープンした「山梨県立図書館」は、にぎわいの創出をテーマにしています。本来、県立図書館は市立図書館より専門的な分野を扱うところですが、金田一秀穂館長は、自分の話をしたり、市民や県民の方を集めたりして、さまざまなイベントを行い、にぎわいの創出を実践しています。2015年にオープンした、「みんなの森ぎふメディアコスモス」は、岐阜市立中央図書館、市民活動交流センター、ホール、カフェなどが集まった複合施設です。こちらは、教育長、次長と視察に行ってまいりました。こどもの声は未来の声をテーマとし、岐阜県産木材を使い、居心地のいいスペースを多く設置し、書簡を低くして本が選びやすいような工夫や、リラックスできるテラスや若者に人気のスターバックスなどがあります。このように、21世紀の図書館は、貸し出し型から滞在型へ変わってきています。

これらを踏まえ、前橋市の図書館の基本構想・基本計画を作成しました。基本構想では、令和4年の4月に、「対話による多様な学びがある知の広場」というビジョンを策定しました。対話を全面に打ち出していこう、お話をしてもいいよ、少しぐらいこどもが騒いでも優しく見守っていこう、このようなイメージの図書館にしていくこととしています。そして、このビジョンを実現するために基本方針を決めました。学び、知力をささえる、専門性をいかす、対話をひらく、文化をつなぐの4つです。基本計画では、構想を基にして、サービス計画、施設整備計画、管理運営計画、事業計画などを決めていきます。基本計画作成の際には、市立前橋高校や読み聞かせ連合会などとワークショップを行いました。また、パブリックコメントもいただきました。この他にも、専門の方々から意見をいただくために、アドバイザー会議委員の方々にもご協力いただき、昨年10月に基本計画が完成しました。

基本計画の第1章では、新本館事業の実現に向けて、基本構想の整理、ビジョンの具現化をあげ、新本館の機能として、本との対話、自己との対話、そしてプラスアルファとして、他者との対話が盛り込まれました。また、全世代にとって魅力的な場所にするために、こども図書館と統合することとしています。現在の本館は、こども図書館と別れているため、こどもの声がせず、比較的静かです。こども図書館と一緒にすることで、少し賑やかな施設にもしていこうと考えています。また、16分館とのネットワーク体制を強化することや、暮らしと仕事に役立つ情報発信スペース、相談コーナー、暮らしのコンシェルジュなども設けていきたいと考えています。

第2章では、先ほど説明した4つの基本方針に基づいて、学び、知力を支えるために、乳幼児や小学生が楽しめる、こどものための読書スペースを設置することを示しています。具体的には、こどもたちがお喋りをしたり、動いたりしながら自由に読書を楽しめる広々とした空間などです。必要なスペースとしては、児童開架閲覧スペースなどです。次に、専門性を生かすために、レファレンス機能の強化を示しています。具体的には、配置人数の増員、参考資料の拡充、オンラインデータベースの拡充などです。必要な部屋は、レファレンスコーナー、地域資料、参考資料室、外部・内部共通研究室などです。次に、対話を開くために利用者が気軽に対話できる環境を示しています。具体的には、広場のような完全に開かれた空間とアクセスの実現、利用者同士での対話ができる環境づくり、司書などの図書館職員とも気軽に対話できる環境などです。必要な部屋は交流スペースやカフェなどです。次に、文化を繋ぐためには、図書館が中心市街地に建設されますので、周辺の文化施設といろいろな連携をすることがポイントになることを示しています。展示やイベントの定期的な開催、アーツ前橋や文学館、中央公民館などとの連携などです。蔵書計画については、60万冊を目標にしています。今の本館とこども図書館を合わせると47万冊なので、蔵書規模も増えます。開架と閉架の割合も30万冊と30万冊になります。約10万冊は公開書庫という、閉架書庫の中の本も読めるようにしていく予定です。

第3章では、施設整備計画として、図書館が中心市街地に移りますので、そこを中心に書店や大学、中心商店街など、さまざまなところと連携し、新しい人の流れを作ることを計画しております。複合施設の中に、図書館と商業施設、オフィスが整備されます。場所は、中央イベント広場付近一帯となります。

第4章では、管理運営計画として、中心商店街や他の施設などの兼ね合いや、市民ニーズを踏まえながら、開館時間や休館日等の検討をしています。基本設計は今年度で終了し、来年度からは実施設計が始まります。事業スケジュール通りに進めていけることを目指しております。

最後に設計者についてです。地元の石井設計、平田晃久建築設計事務所、そして藤本壮介建築設計事務所です。平田さんは京都大学大学院教授で、太田市美術館・図書館や前橋ガレリアを設計した方です。藤本さんは、2025年の大阪・関西万博の会場プロデューサーで、白井屋ホテルや武蔵野美術大学美術館・図書館などの設計をした方です。

以上、図書館新本館の現状等をご説明させていただきました。

【佐藤議長】

ありがとうございました。では、委員の方々から意見や感想などをお願いしたい。

【栗木委員】

市民の方々の関心や議論になるところは、こども図書館との統合であると思う。私は図書館職員として勤務もしてきたが、児童書と絵本の区別はできるが、こどもの本と大人の本の区別をするのは非常に難しい。今のこども図書館は、中学生や高校生は少し行きにくいのではないかと思っている。こども図書館と統合することで、家族みんなが揃って行ける図書館になる。結果、対話や年代を問わずというコンセプトに繋がっていくのだと思う。こども図書館が無くなることを残念に思っている方々もいると思うが、そのあたりを丁寧に説明していくことが大切と思う。

【佐藤議長】

シームレスに、ヤングアダルトも含めた、対象を限定しない図書館というのは、とても素晴らしいと思う。

【山崎室長】

今回の基本計画の中で、こども図書館を統合する意義を5つ挙げております。その中で、世代間交流による多様性の尊重がある。一緒になることで、こどもからお年寄りまでが交流できる施設になることを目指している。

【吉川教育長】

生涯を通した学びが図書館でできるのは強みになると思う。ぎふメディアコスモスに伺った際に、前橋市は、本館とこども図書館が別々にあり、それぞれが良い評価をいただいているため、統合することに対してすごく悩んだことを館長にお伝えしたところ、「絶対一緒が良い」と言われた。大人にとって、絵本が近くにある、児童書が近くにある、こどもがいるというのはとてもいいことで、みんなで何かを一緒に進めることができると伺った。また、ぎふメディアコスモスの一つの特徴として、ヤングアダルトをとても大事にしている。本とは全然関係のない、例えば、恋愛のことを司書さんに質問し、それに対して司書さんが、「この本を読んでみては」などといった回答を、利用者に見えるような場所に掲示していた。これを見た時に、図書館は本の貸し出しをするだけではなく、その時期に必要な学びのサポートをする場所だと感じた。今のこども図書館は、他のこども施設もあり、大変行きやすい場所になっている。こども図書館の移転後の利用については、こども連れの方にとってメリットがあるような施設を作っていくことが大事になると考えている。

【間々田委員】

LGBTQの活動をしている中で最近多いのが、公共施設や病院などの建て替えの際の、トイレの構造についての相談である。トランスジェンダーの方で、性別移行中や望む性別での生活がまだできていない場合、多目的トイレが少ないために、車椅子の方やベビーカーの方が並んでいると、そこに並びにくいとか、なぜそのトイレをあなたが使うのかみたいな目線を感じ、公共のトイレを使うことが難しいことがある。コンビニの誰が入ってもいいようなトイレや、小さな飲食店のトイレの方がまだ使いやすい。公共施設のトイレが使いにくいという話を聞くことがあり、最近ではトイレメーカーにおいても配慮をしており、性別を問わないトイレ構造などをまとめている。

 

【吉川教育長】

先日の小川晶新市長の所信表明の中で、ごちゃまぜ社会をとにかく大事にしていきたいという話があった。年代や性別で分けないということを意識していくべきだと思う。

【片貝教育次長】

こども図書館の移転後の利用については、現在庁内で意見をまとめているところである。

【西谷委員】

こどもたちの読書離れが大きな社会問題となっている。新しくできる図書館で、こどもたちがどんどん本に親しむ、読書を楽しむ、交流をすることでそのような問題が解決できればと思う。私の住んでいる地区の公民館の図書館の分館では、子育てサロンを何度も開催している。0歳、1歳などのこどもを連れたお母さんたちが来て、1時間、2時間と楽しんで帰る様子を見る。こどもを連れて交流したいと思える施設になることを期待している。

【山崎室長】

子育て中の方々が、スムーズにアクセスできるような施設になるよう、駐車場や部屋の配置などの検討をしている。また、分館とも連携を取りながら、引き続き子育て支援のサービスを進めていく。

【佐藤議長】

こども図書館が子育ての支援をする場、こどもたちの生涯の読書活動のサポートの場と考えると、現在関わっているボランティアの人たちや一般市民の人たちが大切になる。こどもたちの読書離れは本当に大変なことで、文科省の読書活動推進に対する有識者会議の報告書を読むと、有機的につながりながらこどもたちの読書活動をいかにサポートしていくのかが図書館の大きな役割となっている。

【吉川教育長】

本が置いてあるだけではなく、本と人を結びつける活動をしっかりとサポートすることが大切である。

【佐藤議長】

図書館全体の活動に、市民が主体的に、様々な形で関わっていけるのが一番いいのではないか。

【吉川教育長】

行政側が全てを運営してしまうのではなく、市民の方々に関わっていただくことも大事な要素になると思う。

【山崎室長】

今回の基本計画では、図書館サポーター制度を新設する予定。市民の方々がサポーターとなり、こどもへの読み聞かせやイベントなどに関わっていただき、図書館をみんなで盛り上げていくことを考えている。

【土田委員】

学校でこどもたちを見ていると、読書が好きな子は多く、時間と本と場所があればこどもたちはたくさんの本を読む。小学校高学年になると、こどもたちは毎日本当に忙しいが、隙間があるとデジタルブックなどでも本を読んでいる。新しい図書館では、図書のアップデートを意識してほしい。デジタル図書を入れれば、自分では図書館に行けないこどもたちが、前橋市が配布したiPadを使い、自宅で本を借り、いつでも読むことができる。また、人が集いたくなるような工夫も必要と思う。デジタル図書を借りているこどもたちが、夏休みになったら一度連れて行ってと言うような施設になってほしい。学校の図書室も室内を綺麗に整備したら、「いるだけでここの場所が好き」という意見がこどもたちからたくさんあった。いろいろな方々が豊かな心や学びを得られるような魅力的な場となるために、30年、40年経てばさまざまな変化があると思うので、フレキシブルな使い方ができる施設であるといいと思う。また、アーツ前橋や大学、美術館、出版社など、さまざまな団体等とつながったイベントや企画ができるように、どんな人も行けるような空間や設備を作っていただけたらありがたいなと思う。すごく楽しみである。

【宮内委員】

県内には、40年、50年経過している建物はたくさんあり、その当時の最先端で作られている。しかし、現在になると使いにくかったり、バリアフリーではなかったりするなどの問題が発生する。新しい図書館は、デザインも大切ではあるが、障害のある方や小さなお子さんも含めて、みんなが行きやすい施設であるべきだと思う。また、群馬県には、外国籍の方々がたくさんいる。新図書館には暮らしと仕事に役立つ情報発信スペースや相談コーナーが設置されるとうかがったが、日本語がわからない人たちが、日本での暮らしや仕事に役立つような相談コーナーなども考えていただければと思う。日本語が母語以外の方々も使うことができるということは、公共の施設として重要なポイントだと思う。

【吉川教育長】

まさにおっしゃるとおりで、前橋市は外国籍の方々が毎年増えている。そのような方々の集う場所としての図書館というのも大切であると思う。ぎふメディアコスモスは、国際交流協会が施設内にカウンターを設置している。そこまでのものはできなくても、さまざまな国籍の方が集まる場所になってほしいと思っている。

【栗木委員】

時代に合わせて、フレキシブルに対応できることが大切であると思う。建物は一度建ててしまうとレイアウトなどは変更することが難しくなる。長期的な目で考えてほしい。また、司書の方々の活躍も大切になる。図書館という大きなツールを十分に生かすための計画や活用をしてほしい。

【間々田委員】

読書通帳などがあるといいと思う。電子書籍を私も使うが、購入したものの履歴は残るが、借りて読んだ本の記録は残らない。デジタルでも紙でも、借りたり買ったりした本の履歴が残るような仕組みがあると、こどもたちも大人も楽しいと思うし、図書館で本を借りることが嬉しくなるのではと思う。

【西谷委員】

文科省のこれからの図書館像では、図書館は社会教育機関であるから、社会教育行政の一環として、公民館、博物館、青少年教育施設等と一緒に、その役割、経営、職員、地域的配置、連携協力等について、総合的に考えることが必要であること。まちづくりや地域の振興、活性化を図るには、図書館が核としての役割を果たすことが重要であること。図書館、博物館や公民館などの社会教育施設には、住民のニーズに応える要求課題への対応だけでなく、現代的課題や必要課題のための学習機会の提供が求められていることなどが記載されている。現代は、少子高齢化や地域の担い手不足、人口減少など様々な課題が山積している。この図書館が、課題解決の一助になることを願う。そのためには、市内の公民館や図書館分館、博物館などとリンクすること、また、県内、県外、あるいは海外の施設とつながることなどで、課題を解決することのできるのではと思う。とても期待しております。

【森谷委員】

図書館の完成がとても楽しみである。公立図書館の歴史を振り返っていただいた中で、他者との対話という言葉があった。他者との対話は、社会教育においても重要な要素である。他社との対話をするためには、ハード面の要素も当然あるが、ソフト面の要素もあると考える。他者との対話を実現するための仕掛けや取り組みなどを考えていく必要があると思う。そのためには、他の委員の方の意見にもあったが、司書やサポーターの人たち、利用者の方々が他者との対話に能動的に、積極的に関わり、新しい仕組みなどを行うことが大切である。また、中心市街全体とも対話ができるような複合施設になってほしい。

【大畠委員】

多様な人との交流とはいうものの、双方向になっていない事例もある。図書館だから読み聞かせをするのではなく、演劇や芸術的なものなど様々な企画があってもいいのではないか。そのような活動をするための部屋なのかホールなのかはわからないが、芸術活動にも使えるような場所があるといい。また、社会教育の範囲はとても広いので大変だが、こどもたちが興味をもち、商業施設を巻き込んだ交流などができるといい。トイレの話があったが、外見的に健康であっても、普通のトイレが使えない方、オスメイトを使っている方などが若い方でも結構いる。そのような方々が困らないような公共施設を期待している。

【佐藤議長】

こども図書館ではパネルシアターをしたり、人形劇をしたり、いろいろな活動をしている。人数によっては、中央公民館のホールを使用することもある。

【片貝教育次長】

部屋の名称や内容、客席数などについては協議をしているところである。今の図書館は50年が経過しても素晴らしい建物である。しかし、バリアフリーには対応をしてない。現代においては、多様な方々が使用しやすいというのは基本となる。ご意見ありがとうございます。

【西谷委員】

コンセプトの中に、弱者に優しい図書館のような要素があると、すごく注目されると思う。先程もつながりについて申し上げたが、インターネットだけで繋がるのではなく、建物をつなげていく、人もつなげていく、そういうことがこれから目指す、期待されていることだと思う。

【佐藤議長】

山崎室長、本当にありがとうございました。

 

2)提言の提出に向けて

【事務局】

提言の作成、提出についてご説明をさせていただきます。社会教育法第17条では、社会教育委員の職務について、社会教育について諸計画を立案すること、諮問に応じ意見を述べること、必要な研究調査を行うことなどが示されております。今回は、令和4年第3回の会議において吉川教育長より示された諮問について、提言をまとめ、令和7年3月末に提出することを予定しております。皆様のお手元には、資料として、前回の提言提出後から、現在までの社会教育委員会議の取組の内容、社会教育委員会議が過去に提出した提言の概要版を配付させていただきました。

資料は、前回の委員の皆様の取組となります。この中にも継続して委員を務めていただいている方もいらっしゃいますが、コロナの為令和3年度は中止があり、なかなか提出された提言についての検証ができませんでした。前回の提言は若者や高校生に焦点を当てており、そのため、こどもたちについての協議が多くなっております。

次に提言の概要版ですが、平成29年3月に提出した提言は、これからの公民館・コミュニティセンターの在り方やコミュニティセンターを併設する学校の在り方と社会教育の関わりについて協議し、公民館の専門性と越境性について、コミュニティスクールにおける学校、家庭・地域と連携・協働の在り方について、地域のつながりや支え合いを創出するコミュニティセンターの在り方について、これからの社会教育・社会教育行政に求められる視点と役割についての4項目について提言を提出しております。

令和3年5月に提出した提言では、前橋市が目指す社会教育のモデルである前橋モデルをさらに磨き上げるために、今まで見逃しがちであった若者、高校生に目を向け、また、公民館への期待などについて提言を提出しています。

来年度の予定についてですが、今年度と同様、年4回の会議を予定しております。第1回は7月の予定です。また、提言の執筆委員会を数回開催し、議長をはじめ何名かの方にはご協力をいただく予定です。人選につきましては、議長とご相談させていただきます。提言の書式についてですが、毎回約20ページの書式でまとめてきましたが、分量が多すぎないか、今の時代にそぐわないのではないか、読んでいただいているのかなどの意見を過去の委員の皆様から戴いております。見やすく、分かりやすくをコンセプトに、今回の提言を作成していくことを議長と相談させていただいております。今までは、現状の把握を主なテーマとして協議を行ってまいりましたが、次年度は骨子を固め、細かな内容について協議を行っていくものと考えます。どうぞよろしくお願いいたします。

【佐藤議長】

全体を見通して話をしていただいた。今までの議論の中で、たくさん課題があったと思う。公民館の社会教育をどうするのか、初期の提言から随分時間が経ち、時代とともに変容してきたような話もある。また、学校運営協議会やコミュニティスクールのあり方なども変化している。社会教育委員として、教育委員会をサポートするような提言を作成していくことが大切と考える。次回は、ワークショップ形式にして、たくさんご意見をいただけるような会議にできるよう、事務局と検討したいと思う。本日はどうもありがとうございました。

 

(4)連絡

 

(5)閉会

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更新日:2024年07月19日