令和6年度第2回前橋市社会教育委員会議
審議会名
前橋市社会教育委員会議
会議名
令和6年度第2回前橋市社会教育委員会議
日時
令和6年9月18日(月曜日) 午前10時から正午
場所
前橋市中央公民館501学習室
出席者
(委員側)
佐藤委員(議長)、森谷委員(副議長)、土田委員、間々田委員、栗木委員、張委員
(市教委側)
吉川教育長、片貝教育次長、金井指導担当次長、佐藤生涯学習課長、関沼副参事兼管理係長、新保課長補佐兼社会教育係長、大渕青少年教育係長、後閑副主幹、野島副主幹兼指導主事、飯嶋副主幹兼指導主事
(中部教育事務所)
横山社会教育主事、高橋主任
欠席者
篠田委員、阿久澤委員、結城委員、宮内委員、大畠委員、西谷委員
配付資料
会議内容
(1)開会
(2)教育長あいさつ
令和6年度第2回の社会教育委員会議にご出席をいただきまして、ありがとうございます。
前回の会議では、グループワークを行い、委員の皆様の活発な意見交換の様子を拝見させていただきました。それぞれの委員の方々の立場から様々なご意見をいただき、今後の前橋市の社会教育の取組について、そのご意見を反映していければと考えております。
本日は、学校運営協議会や公民館運営審議会の内容について説明の後、グループワークを行うこととなっております。予測困難な時代の中で、第3期前橋市教育振興基本計画には、地域、企業等と学校教育、社会教育のさらなる協働、連携の必要性が求められていることが示されています。学校を取り巻く問題も複雑化している中、今後の取り組みについてご示唆をいただければと思います。
社会教育とは離れてしまうかもしれませんが、先日アクエル前橋の高校生学習室で、高校生が子どもの権利について考えるグループワーク及びディスカッションがありました。前橋若者会議の大学生にファシリテートしていただき、自分たちにとって必要と思われる子どもの権利について考えてもらいました。いろいろな権利について意見が出た中で、家庭の責務というのがでてきました。すごく驚きました。学校や教育委員会が、学校だけじゃなく、家庭にも責務があるというのならわかりますが、高校生から家庭の責務という発言があったことに、それぞれの家庭が忙しく、子どもたちと向き合えていない、または、子ども自身も忙しいということもあるとは思いますが、子どもたちがいろいろな人と話したい、向き合いたいという気持ちを、家庭や学校だけではなく、地域全体で支えていけるといいなと感じました。
議長をはじめ、委員の皆様にはお世話になりますが、どうぞよろしくお願いいたします。
(3)議事(発言趣旨)
まず報告として、9月10日に、中部地区社会教育委員研究集会がありました。そこで前橋の社会教育委員会議の実践を発表いたしました。各市町村の委員の方々との情報交換の中で、前橋の社会教育委員会議は、教育長さんや次長さん、指導担当次長さんと、教育委員会の方々と議論ができていることは、非常に貴重なことで、つまり、提言を出すという議論の中で、教育委員会も一緒に検討したり考えたりしてくれていることは、本当にすばらしいと、他地区の委員の方たちからお褒めの言葉をいただきました。
さて、議事に入りますが、最初に学校運営協議会について説明をしていただきます。現状と、これからについて、担当から説明をお願いいたします。
【飯嶋副主幹】
コミュニティ・スクール制度の概要について説明いたします。コミュニティ・スクールという言葉をよく耳にされると思いますが、学校運営協議会を設置した学校のことをコミュニティ・スクールと呼ぶとされています。では、学校運営協議会とは何かと言いますと、保護者や地域住民等が、一定の権限と責任を持って学校運営に参画する仕組みとされています。保護者や地域住民等と学校の職員が、学校運営について協議する、話し合いをする場が学校運営協議会ということになります。
導入の背景としては、社会構造の変化や学校運営にかかわる変化が挙げられますが、簡単に言えば、学校のことを学校の中だけで決めていたものが、それでは、社会の変化や様々な課題への対応が難しく、これからの教育には不十分であることから、保護者や地域住民が学校運営に参画した、地域とともにある学校づくりの推進が必要になったということです。
経緯ですが、今から20年前、平成16年に地方教育行政法により制度化されています。前橋市では平成28年からそれまでの地域との協力体制をいかした、前橋版コミュニティ・スクールを導入しています。そして、令和4年には、「全ての学校への導入」と「類似の仕組みの国版への移行」が示されました。
では、コミュニティ・スクールについて詳しく確認していきたいと思います。学校運営協議会の役割は、保護者や地域住民等と学校職員が、学校運営や運営に必要な支援について協議することです。学校運営協議会での話合いは、思いや願い、課題、目標やビジョン、目指す子どもの姿などを共有し、学校運営について、また、学校運営に必要な支援について話し合うということになります。この学校運営協議会での話合いをもとに、学校・地域・家庭それぞれの場で、子どもたちの豊かな育ち、学びの充実のために具体的な活動をしていくことになります。この地域と学校が相互にパートナーとして連携・協働して行う活動が地域学校協働活動であり、文科省からコミュニティ・スクールと一体的に推進することが求められています。
コミュニティ・スクールの意義・役割についてはたくさんありますが、例えば、教職員は数年で異動することになりますが、このような人の異動に影響されない、継続的な協働体制を築くことができることや、地域学校協働活動と一体的に推進することによって、教育活動の質の向上を図ることができることなどがあります。
学校評議員と学校運営協議会の違いについて確認したいと思います。評議員が校長の求めに応じて意見を述べるのに対し、学校運営協議会は、学校運営や運営に必要な支援について協議することになります。また、学校運営協議会の委員は、非常勤特別職公務員という身分で報酬も出ることになります。さらに、学校運営の基本方針について承認すること、学校運営について意見を述べることができること、職員の任用について意見を述べることができることとされています。ここで言う任用についての意見は、特定の個人に対する意見ではなく、学校運営方針の実現のために、ある分野を専門とする教職員に来てもらいたいなど、学校運営全体に関わる意見です。学校運営協議会を設置することにより、今までは学校の依頼に対して支援・協力するというものだったのが、ともに考えるというように変わります。
続いて、委員の構成ですが、大きく保護者や地域住民等とされていますが、具体的にはPTA役員等の保護者を代表する方、自治会長等の学校がある地域の住民の方、運営に資する活動を行う者ということで、ボランティアリーダー等の方、関係行政機関職員ということで、公民館職員またはコミセン職員等の方、教員経験者、大学関係者等の学識経験者の方、それと、校長先生・教頭先生をはじめ、学校職員が想定される委員の構成となります。
このコミュニティ・スクールは、学校支援等を実際に行う活動、地域と学校が相互にパートナーとして連携・協働して行う活動である地域学校協働活動の一体的推進が文科省から示されています。前橋市では、公民館またはコミュティセンターの職員の方、あるいは地域担当専門員の方にコミュニティ・スクールの委員になっていただき、地域の視点や社会教育の立場から話し合いに参加してもらうことと、様々な人材や学校とのつなぎ役になってもらうことをお願いしています。
コミュニティ・スクール導入前と導入後の違いについて確認いたします。コミュニティ・スクール導入前は、学校内では学校評議員、学校支援ボランティアがあり、地域では地域での学びや活動が行われていましたが、コミュニティ・スクールを導入することで、目標やビジョンを共有して一体的に進めることができるようになります。
具体的な前橋市の導入の計画ですが、令和5年度に7校導入いたしました。それから、今年度新たに15校に導入をしております。そして来年度、残りの45校に導入し、市内小中特別支援学校全校に導入する予定です。このことにより、一つの公民館やコミュニティセンターに対応していただく学校運営協議会の数が多くなります。今年度もある学校の学校運営協議会で、参加する予定だったコミュニティセンターの職員の方が、センター内の業務を離れることができなくなり欠席となってしまうことがありました。このようなことがないように、人の配置についてご配慮いただけるようお願いいたします。
昨年度の学校運営協議会の様子についてですが、およそ2、3回の会議を開催していました。 内容についてですが、初回で教育方針かつ活動計画についての話し合いがあり、それから最後の回では、今年度の成果と課題について話し合いがされておりました。それ以外にも、会議の前に授業参観を行っていたり、学校行事への参加をしたりしているところもありました。
地域と連携、協働した活動については、学校運営協議会を開催して、その中で話し合ったこととは限らないのですが、七夕飾りづくりや講演会、仕事体験など、様々な活動が行われていました。
昨年度の導入校に挙げていただいた成果と課題ですが、成果として、学校内でできないことを地域の協力によって経験することで、子どもたちの学びにつながった、地域の学校への理解や協力を深められたなどが挙げられました。課題としては、活動量や事業の継続について、バランスを取りながらより良い方向になるように調整することが必要であることが挙げられました。
学校と地域、保護者が目標やビジョンを共有し、一体となって子どもたちを育てていくことができるように、コミュニティ・スクールの導入を進めていきたいと思います。
【佐藤議長】
ありがとうございました。コミュニティ・スクールの取組についての説明がありましたが、平成16年から地方教育行政法が変わり、コミュニティ・スクールが制度化されました。前橋市では平成28年に、前橋版コミュニティ・スクール、学校支援協議会を発足し、実践をした経緯があります。過去の社会教育委員会議の提言の中では、「コミュニティ・スクールにおける学校、家庭、地域との連携、協働の在り方について」という諮問を受けて検討をしています。その際の課題として、「県内の多くの学校では、地域との連携やボランティア支援は十分に図られていて、コミュニティ・スクールをあえて構想する必要はないとの認識が根強い状況にある。また、コミュニティ・スクールに設置される学校運営協議会からの教職員の任用に関する意見に対する違和感、それから外部人材不足、調整・連絡等の教職員の負担増への懸念なども挙げられている」とあります。
当時は、コミュニティ・スクールの導入について学校側もかなり抵抗意識が強く、特に学校の人事について、あの先生を辞めさせろというような意見にどう対応するのかというような話題があったと感じています。しかしながら、お話があったように、地域に開かれた学校づくり、地域との連携・協働などにより、学校の負担を減らしていくことが必要な時代になったというお話だったと思います。議論の中核的な位置付けになっている公民館やコミュニティセンターの活動と、コミュニティ・スクールの活動、学校運営協議会の活動が新しい学校の創造と社会教育の融合的な場となるよう、十分に検討ができればと思います。
次に、コミュニティセンターについてご説明をお願いします。
【佐藤生涯学習課長】
公民館とともに、全てのコミュニティセンターが学校運営協議会に参加していくということで、改めてコミュニティセンターについてご説明をさせていただきます。
まず、本庁管内のコミュニティセンターですが、第一コミセンは、大手町の桃井小学校に、第二コミセンは、朝日町の保健センターに、第三コミセンは、岩神町の総合教育プラザに、第四コミセンは、日吉町の総合福祉会館に、併設されております。第五コミセンは、第五中学校の南側、ここだけ戸建の建物になります。
第3期前橋市教育振興基本計画で定められている、前橋の教育が目指す人間像は、「多様な人と協働しながら、主体的・創造的に社会を創る人」です。このような人を育むため、学校教育、青少年教育、社会教育、そして教育環境整備など、各分野における目指す方向性を基本計画で示しております。
その中の、生涯学習における基本方針の一つに、「公民館、コミュニティセンターの充実」があります。公民館やコミュニティセンターが、社会教育の拠点として、学びの成果を社会に還元できるという仕組みづくりを行うというもので、公民館と同様、コミセンもこの計画に示された役割を果たしていくというものです。
次に、公民館とコミセンの違いについて簡単にご説明をさせていただきます。公民館は、社会教育法及び前橋市公民館条例に基づく社会教育施設です。市民の教養向上、健康増進等を図り、生活文化の振興、社会福祉の増進に寄与すること、これを目的としております。条例では、主な対象区域を定めており、中央公民館は、公民館運営審議会を設置しております。各地区の公民館も、地域の自治会や利用団体の代表の方で構成する、公民館運営推進委員会が設置されており、公民館運営や事業計画等に関する調査等を行っています。また、子育て親子支援や青少年体験、高齢者教室など、幅広い世代に向けて様々な社会教育事業を実施しております。計画的に実施できるよう、社会教育主事を配置し、社会教育の拠点として、学習機会の提供、学びの成果の地域還元、地域人材の成長、活用の仕組みづくりなどに取り組んでおります。
次に、コミュニティセンターですが、こちらの設置根拠については、「前橋市コミュニティセンターに関する条例」に基づいて設置をしています。設置から平成30年の条例改正施行前は、市民の自主的、総合的な生涯学習活動を通じて、健康的で文化的な地域社会を作ることを目的とした施設とされております。条例では、対象地域は定めておらず、複数のコミセンに登録をしての利用も可能であり、公民館も現在、このような利用が可能となっております。平成19年から地域住民の代表者による指定管理制度を導入し、貸館業務を中心に運営されてきたため、学びの機会や地域づくり活動、社会教育に関わる機会が、本庁管内と公民館のある地区とで格差が生じてしまうという状況がございました。先ほど佐藤議長からもお話がございましたが、平成28年度の社会教育委員会議の提言では、「地域のつながりや支え合いを創出するコミュニティセンターの在り方」についての内容がありました。地域コミュニティの拠点として、絆づくりと活力ある地域社会を形成すること、そして社会教育の場として機能することを期待する。コーディネーターやファシリテータ―の役割を備えた専門職員を配置すること。コミュニティセンターの職員においても、社会教育に関する計画的な研修を実施することという内容でした。
この提言を踏まえ、平成29年の9月の議会で、「前橋市コミュニティセンターに関する条例」の目的に、「地域社会における社会教育の拠点となる」という文言を加えた条例改正を行い、平成30年4月1日から施行いたしました。これを根拠として、コミセンにおいても社会教育事業を実施し、地域の学びの拠点としての取組を行っていこうという流れとなりました。
条例改正後の取組についてですが、条例施行後、コミセンにおいて職員研修や自主企画講座を実施いたしました。コミセンでも、社会教育事業をコーディネートする嘱託職員を生涯学習課に配置し、コミセンの社会教育推進のための支援・コーディネートを行いました。また、社会教育推進リーダーをコミセン職員の中から選出し、職員の意識向上と事業内容の充実を図るため、そのリーダーを中心に、この当時年20時間の職員研修なども実施しました。研修では、講座作りの基礎知識や、公民館に出向いて視察をするなど、実践的な内容を取り入れながら取り組んでまいりました。また、成果発表なども、自治会連合会や地域担当専門員などを対象に意見交換を行いました。
こうした取組を行う中で転機がやってまいりました。地域での生涯学習活動への関心の高まりや地域活動の活発化などから、コミセンに求められる機能が変化し、指定管理を受けている地元の管理運営委員会の負担が増加し、対応が難しいということになりました。このため、社会教育事業に関する指示伝達等の円滑化、そして証明交付事務との連携などの市民サービスの向上を図るということから、令和4年4月1日から直営化することとなりました。第一コミセンは、開設当初から直営化で、第四コミセンは、総合福祉会館と一体として社会福祉協議会に指定管理で運営しておりますので、令和4年度から新たに直営化したのは、第二、第三、第五コミセンの3施設になります。市職員を配置し、コミュニティセンターの機能強化を図りました。
コミュニティセンターの現在の職員体制ですが、第二、第三、第五コミセンは、3人での対応となっております。正規職員1名、こちらは所長で、再任用職員、嘱託職員もおりますが、こういった職員を充てております。 そして、嘱託員1名は主に証明交付事務、そして臨時職員1名、こちらは主に貸館業務になっております。臨時職員については、複数職員で短時間のローテーション勤務体制をとっております。ちなみに、第一コミセンは証明発行事務がないため、所長と臨時職員の2人体制となっております。コミセンには、市民協働課で配置している地域担当専門員1名がおりまして、自治会連合会や地域づくり推進協議会の事務支援を担当しております。生涯学習課の所管事業についても、併任辞令が出ておりますので、一緒に連携しながらの取組も行っております。
コミュニティセンターの業務内容ですが、部屋の貸出業務、施設管理、令和5年度の部屋利用の状況は延べ数となりますが、全コミセンの合計で 1万1,142団体、 約13万3,000人の利用がありました。また、市民サービス業務として、住民票などの各種証明交付業務を行っております。そして、社会教育事業については、地域課題に応じた社会教育講座、研修等を実施しております。現在も社会教育推進リーダーは、主に所長さんになっていただいており、中心となって取り組んでおります。
コミュニティセンターの社会教育事業ですが、第二コミセン、第三コミセンでは、夏休みの宿題、絵画教室を実施しています。講師は、第二コミセンの利用団体の絵画クラブの方にご協力をいただいております。絵画の技能にあわせて、小学校低学年と高学年に分けて開催をしております。第三コミセンでは、地域の美術の専門家の先生に加えて、退職校長会の方に指導をお願いしております。地域の方、また高齢者の方に、優しく指導していただき、子どもたちもおしゃべりをしながら、また絵を見せ合いながら、すごく楽しそうに取り組んでおります。
この他にも複数の事業を実施しております。 令和5年度は全コミセンで、計32回、約1,000人の方にご参加をいただいております。
今後のコミュニティセンターの取組についてですが、貸館等の市民サービス業務は引き続き行い、地域住民に向け、快適で適切なサービスの提供を行うこと。社会教育事業については、社会教育の拠点と地域課題のニーズに応じた社会教育事業を実施し、自主的な学習活動を促す働きかけや支援を行ってまいります。また、地域人材の発掘や育成による学びの循環の取組を意識しながら、計画的に行っていきます。
コミュニティ・スクールへの参画ですが、来年度から市内全校に導入されるため、一つのコミセンが2から3校を担当いたします。人員的な体制などの課題はございますが、学校運営協議会に参加し、地域と学校の連携の橋渡し役としての役割を担い、社会教育の視点から、子どもを取り巻く課題の解決、健全育成に取り組んでまいりたいと考えております。説明は以上です。
【佐藤議長】
ありがとうございました。先ほどお話がありましたように、コミュニティ・スクールの提言の時に諮問を受けたのが、「地域のつながりや支え合いを創出するコミュニティセンターの在り方」についてでした。令和4年度から直営にということでしたが、コミセンの職員が社会教育、またはコミュニティ・スクールへの参画も可能になったということで、ありがたいことだと思っています。
次に、公民館運営審議会に中央公民館長から諮問がありました。今後の公民館運営において、コミュニティ・スクールとの関連のある諮問でした。森谷副議長が委員長を務めておりますので、内容についてご説明をいただきたいと思います。
【森谷副議長】
中央公民館の運営審議会は、中央公民館だけではなく、市内16の公民館全てに目配りをしながら、また、コミュニティセンターの様子も視野に入れながら議論を行っています。今回諮問を受けているのが、地域学校協働活動と公民館についてです。
先ほどの説明の中にもありましたが、学校運営協議会と地域学校協働活動を一体的に推進すること、地域学校協働活動は、地域と学校が結びついて子どもたちの学びや成長を支えること、その時に公民館が果たす役割について議論を行っていくこととなっています。その理由は、社会情勢の急激な変化、人口減少や少子高齢化、学校を取り巻く環境の複雑化などが挙げられます。前橋の教育振興基本計画とのつながりや、これからのコミュニティ・スクールの導入の計画などを考えた時に、地域学校協働活動の大切さ、そして公民館がどのように関わっていくかが重要になってくるからです。
令和4年度、5年度の公民館運営審議会は、「地域と学校を結ぶ公民館」が諮問内容でした。全ての公民館に問い合わせをし、芳賀公民館と共愛学園の地域連携講座、清里公民館の小学校と連携した枝豆作り、元総社公民館の子どもを明るく育てる活動の研究発表の三つの実践事例を見学しました。その中で、委員さんから、たくさんの活動をしていることがよくわかったが、本当に地元のニーズ、学校のニーズをお互いに知っていて活動しているのかという疑問が出ました。また、やらされているのではないか、単発的で、計画性はあるのかなどの意見も出てきました。様々な議論していく中で、地域の方々が今の学校のことを知らないこと、自分が学校に通っていた時のことは知っている、自分の子どもが学校にいる時のことは知っている。でも、今の学校については、地域の人たちは実はよくわかっていない、知りたいという話になりました。そこで、ある委員さんが、コミュニティ・スクールが始まっていること、地域学校協働活動も期待されているという意見があり、今回諮問されている地域学校協働活動と公民館というところに繋がりました。実際にどんなことを公民館は事業として行っているのかについて、事務局より説明をお願いします。
【新保補佐】
資料に基づき、説明
【森谷副議長】
ありがとうございます。コミュニティ・スクール、学校運営協議会、地域学校協働活動と公民館との関わりを整理したり、関わりを充実できたりしたりできるのではないかということで、今年度動き始めております。
【佐藤議長】
ありがとうございました。この後は、今までの説明をふまえながらグループ協議に移ります。
(グループ協議)
KPT法により実施(公民館・コミセンと学校の連携協働)
(全体共有)
Aグループ
- 公民館の講座について、地域の歴史学の講座などは、とても難しい内容だが、参加者の方々の満足度が高いような気がする。
- 大学は、地域への貢献をもっとやっていきたいと思っている、そこを活用し、学校との連携を図れると良いのではないか。
- 学校が必要としていること、地域が必要としていることをマッチングし、学校運営協議会の中で熟議することが必要。
- 公民館(地域)ができることを収集し、学校に情報提供できるとよい。オンラインも発展している中で、地域人材を発掘していきたい。
- 学校と連携する中で、学校の授業の中で実施するもの、学校の外(公民館事業)で実施するものを精選すること、また、公民館事業を学校の教育課程を意識して実施できると、さらなる連携が図れるのではないか。
- 保護者の負担を軽減できるような学校と公民館が連携した取組も必要ではないか。
- 全校にコミュニティ・スクールを導入することは大変いいことだが、学校や職員の負担感が無いようにしなくてはいけない。
- 学校運営協議会に参加する委員の方々が、参加する意味がわかったり、学校や地域をよりよくしたりしていくためにも、理解を深めるような研修の機会を提供することが大切。そうすることで、先生方の負担感を軽減することができるのではないか。
Bグループ
- 現在のコミュニティ・スクールの取組を見える化すること、整理すること、計画をきちんと整備することが大切。
- 外部講師を呼ぶための予算を確保しなければ、連携することも難しくなっていくのではないか。
- 外部団体の講演のための予算はあるが、団体が主体となって行う相談会などの機会や予算がないと思う。
- 地域力が低下していく中、自治会や育成会、PTAなど連携できる団体が減ってきている。その中で、連携をしていくためには、きちんとした組織を確立することが継続につながるのではないか。ニーズはあるが担い手がいないと思う。任せているだけではダメで、仕組みを作ることが大切。
- 仕組みがないと続かないので、公民館主体の仕組みや予算があるとよい。
- 開かれた社会教育の場の提供をするために、例えば、ろうあ者の方々の交流の場や、LGBTQの講演会、学生企画のイベントなどを設定し、そこに児童生徒が参加する、地域の方々が参加するなどできるとよい。
- 外部人材を積極的に活用して、地域の方々に多角的なアプローチができるようにしていく。
(張委員)
前橋市に引っ越してきて3年が経ち、コミセンの活動や公民館のことをこの委員になって知り、もっと積極的に地域の活動に市民として参加し、貢献できたらと思っています。これから、コミュニティ・スクールを全校で実施するとのことですが、学校教育をより豊かにしていこうとする意味ではとてもいいと思いますが、グループワークでも意見を述べさせていただきましたが、学校の主人公の子ども、主人としての先生方、その先生方の働きやすい環境作りを、公民館や学校運営協議会がそれぞれの役割を果たし、改善してくれることを願っています。
(間々田委員)
私はLGBTQについて、学校からの依頼を受けて子どもたちに講演を行っています。前橋市内に事務所がある団体ですが、なかなか市内の学校に行く機会が少ないです。理由として、予算が厳しいなどとの話を伺います。当事者のお子さんをお持ちの保護者の方からも、先生たちに研修や講演会をやってもらえるように提案してみますと言っていただくのですが、回数としては少ないと感じています。気軽に相談できる居場所があることや、ふらっと寄ってもらって、気軽に話が出来ることを知ってもらうためにも、行政と学校が仕組みを作り、取り組んでいただきたいと思います。
(栗木委員)
公民館がたくさん事業を実施していることを改めて知りました。予算がないというのは大変なところで、工夫していかなくてはいけないが、学校の職員も公民館の職員も、子どもたちが豊かになるためには何が必要なのかっていうところは、やっぱり原点として持っていなくてはいけない。お金だけじゃなく、どういうことに学びがあるのかという視点をもち、職員の人たちが様々な情報をもち、繋いでいくということが一番大事だと思います。私たちは、NPO団体なので、やはり予算がないと動けない面もありますが、子どもたちを豊かにしたいという想いは一緒なので、何かご一緒にできることはないかといつも考えております。そういった意味でも、子どもたちの成長のために公民館ができること、学校ができること、私たちができること、そういうことを情報として繋いでいければ、すごくいい仕組みができるのではないかと痛感しました。
(土田委員)
先日、あるお店に行った際に、ろうあ者大会の後で、店員さんもお客さんも全員手話でお話をしていた。その楽しそうな様子を見て、身近にこういう場が作れると、子どもたちも保護者も、もっと心が豊かになったり、広がったりするのではないかと思いました。教育長さんから、高校生の子どもにとって必要な人権の話を聞き、やはり若い人、これからの人をどう育てていくかっていうのがやっぱり大事で、学校でも取り組んではいますが、子どもたち自身、教職員も、社会の一員として、未来の社会を私たちが作るんだ、自分たちで生活を変えられるんだという意識を醸成し、これからの世界や社会の役割を担って欲しいと改めて思い、頑張らなくてはと感じました。
(森谷副議長)
令和7年度以降、全ての学校にコミュニティ・スクールが導入されました、会議をしました、仕組みは整備されました、で終わってしまうのではなく、子どもたちをより良くするためにやるべきことだけどできないこと、公民館ができること、できないことなどの意見が飛び交うような学校運営協議会がいいと思います。形骸的な会議ではなく、学校、地域、子どもたちのために協議をしていればと思いました
(吉川教育長)
本当にありがとうございました。人と人をどうつないでいくのかがこれからの課題であり、仕組みを見える化していくこと、公民館の頑張りも、また学校の頑張りも、みんなが共有できるようにするには、今後どんな仕組みを作ったらいいのかと考えさせられました。
(佐藤議長)
ありがとうございました。次回の会議につきましては、事務局と相談し、あらためてご連絡いたします。活発な協議ありがとうございました。
(4)連絡
(5)閉会
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更新日:2024年10月09日