令和6年度第4回前橋市社会教育委員会議

審議会名

前橋市社会教育委員会議

会議名

令和6年度第4回前橋市社会教育委員会議

日時

令和7年3月19日(水曜日) 午前10時から正午

場所

前橋市中央公民館507学習室

出席者

(委員側)

佐藤委員(議長)、森谷委員(副議長)、間々田委員、栗木委員、張委員、西谷委員、大畠委員

(市教委側)

吉川教育長、片貝教育次長、金井指導担当次長、佐藤生涯学習課長、関沼副参事兼管理係長、新保課長補佐兼社会教育係長、大渕青少年教育係長、野島副主幹兼指導主事

欠席者

土田委員、篠田委員、阿久澤委員、結城委員、宮内委員

配付資料

会議内容

(1)開会

(2)教育長あいさつ

令和6年度の第4回の前橋市社会教育委員会議に、ご参加いただきましてありがとうございます。前回の会議では、人生100年時代における学びをテーマにグループワークを行い、委員の皆様の活発な意見交換の様子を拝見させていただきました。それぞれの委員の方々のお立場から様々なご意見をいただき、今後の前橋市の社会教育の取組について、そのご意見を反映していければと考えます。本日は、ご提出いただく提言について、最後の協議の場となります。諮問させていただきました内容について、今まで様々な議論や協議を行っていただきました。今まで議論した内容をまとめた骨子についてご意見をいただき、提言の完成に向けてご協力いただければと思います。

今回の会議で任期を終える方もいらっしゃると思います。議長をはじめ、委員の皆様にはお世話になりますが、どうぞよろしくお願いいたします。

(3)議事(発言趣旨)

【佐藤議長】

おはようございます。桜の咲く時期になって、大雪とまではいかなかったですが、雪が降りました。ちょうど人事の時期にもなり、今日は今年度最後の社会教育委員会議ということでお集まりいただきました。今までの議論の総括として、提言の提出に向けて進んでいければと思っています。事務局の方で整理をした資料を用意していただきましたので説明をお願いします。

【新保課長補佐】

 資料に基づき説明

【佐藤議長】

ありがとうございました。自分が記憶している限りでも、2年間でこれだけ多くのテーマを議論してきた社会教育委員会議は初めてだと思います。逆に言うと、一つのことを詰めて議論するよりも、社会教育全体を俯瞰しながら、新しい時代の、人生100年時代の社会教育の在り方について探ってきた。それぞれの委員の皆さんからのテーマをいただき、図書館から聞き取りをしたり、人権について話を聞いたりということで、随分時間をかけてきました。事務局が今までの2年間の歩みの中心的な部分についても議論していただきたいとありましたが、社会教育と生涯学習が今後どのような方向に進むべきで、私たちが提言を提出することで、行政各所への後押しや市民のみなさんへどう還元できるのかなど、今日は全体のことや個別のこと、項目などについて議論をいただければと思います。

【張委員】

文章中の表記についてですが、現在の日本の外国人人口は約3パーセントで、マイノリティであることは確かですが、これからの社会を考えると、「外国人」を「外国にルーツを持つ人」など、応用できるような表現の方がいいと思っております。国籍を変えても、そのルーツは外国にある方がこれからもっと多くなると思います。

【佐藤議長】

外国籍の方や外国から来た方、日本で活躍している方々についての、社会教育的な環境はどうなっているのでしょうか。

【西谷委員】

国際交流協会の主催の日本語指導に関わっていますが、日本に住んで長い人、短い人、外国にルーツをもつ人は、とにかく早く日本の社会に馴染みたい、日本の方と一緒に暮らしたい、そのために、日本語は難しいですが、とても一生懸命に勉強をしています。そういう人たちと日々付き合っていく中で感じるのは、世界的な風潮として排他的な、そして寛容性が失われていくような世の中になっている中で、一生懸命に日本で暮らそうと思っている人たちを、社会が受け入れて、共生できる世の中になったらいいなと思っています。そのためにも、公民館の活動がとても大切になっていると思っています。

【佐藤生涯学習課長】

公民館では、地域の方とウクライナの方が料理を一緒に作ったり、ベトナムの方が公民館を使って交流会を開催したりするなど、交流を目的とした事業実績があります。

【吉川教育長】

学校教育では、今年度からJSP(日本語スタートアッププログラム)を始めました。学校に入る前に、日本の学校や日本の文化を知ってもらうプログラムです。日本に来て間もない子どもたちを、二週間程度教育プラザでお預かりして、学校に入るような取組をしております。そこで大事にしているのは、その方たちが持っている文化や風習をリスペクトするということです。もちろん日本語を教えることも大事ですが、皆さんが持っている文化も、私たちは大事にしていきますということを必ず伝えています。外国にルーツを持つ子どもたちが、学校現場に入った時の様子を校長先生から伺ったところ、彼、彼女らがいることで、お互いに学び合っている姿が見られるとおっしゃっていました。このようなことが、公民館や地域でも、日本語を教えることとは少し違いますが、学び合う姿がもっと出てくるといいなと思っています。

【佐藤議長】

地域には、外国籍の方が多く住むようになってきている。地域のいろんなことについて知らないというか、意識もかなり違うのかなという感じがします。社会教育の領域かどうかは微妙なところですが、今のJSPの話にしても、日本の風習や習慣、生き方に触れ合う機会をどこで提供できるのかも考えなくてはいけないと感じます。

【吉川教育長】

JSPのプログラムの一つの特徴は、子どもたちへの日本語指導の他に、保護者の方に日本のことをわかってもらう機会にもなっているところです。どこまで担えるのかということはありますが、日本では当たり前のことを、私たちはどこでどう伝えればいいのか、何々をしてはいけませんということではなく、互いの文化や違いを否定し合うのではなく、緩やかに共有できるといいなと思っております。

【西谷委員】

寺子屋の活動の前に、JSPの活動を拝見しました。子どもたちが家族と一緒に勉強している姿を見ると、とてもいいことだと感じます。無理解が差別に繋がることもあるので、できる限りいろいろな機会を提供し、交流をとおして相手のこともわかると思います。そういう場をもっと増やせたらいいなと思います。

【吉川教育長】

外国がルーツの方のことを理解することで、一人ひとりを認めていく社会に繋がっていくと思います。一人ひとりが大切にされるとともに、お互いが繋がりをしっかりと耕していく。その二つを社会教育がしっかりとまとめてくれるといいなと思っています。多様な人と協働して主体的に創造的な人を作っていくことが、前橋市の一つの大きなテーマです。その中では、個の育ちと社会での育ちの両方が大切で、それが社会教育の中にもっと明確に入ってくるといい。個の育ちも大切、個の学びも大切、そして人と人との繋がりを学んでいくことも大切だという意義が、大人にも広がっていくといいなと思います。

【西谷委員】

地域住民の帰属意識の向上という言葉に少し引っかかっています。地域社会を大切にするという表現の方がいいのかなと思います。区別を意識させる言葉にならないようにする必要があるのではと思います。

【間々田委員】

どうしてもマイノリティ側は、いつも説明をする側になってしまっていると感じます。学ぶ対象と思われたり、教えてくださいと言われたりすることの方が多いです。日本の中でも、LGBTQの権利の運動などをすると、日本以外に行けばいいのでは、などと言う人たちが未だにいます。認める、認めないではなく、外国人もLGBTQも障害がある方もすでにいる人です。一緒に社会を構成している人たちなんだということが伝わるといいと思います。外国籍の話でも、トラブルのことばかり出てきますが、コンビニに行けばほとんど外国籍の方が働いていて、とても上手に接客をしてくれます。そのような方々に頼らないと日本の社会は成り立ちません。トラブルを起こす対象という見方ばかりになってしまっているように感じます。

【西谷委員】

今の社会でもう一つ大きな問題はSNSです。差別的な人がネットで情報を流し、その影響を多くの人が受けます。嘘も多くある。様々な人に対して差別を助長する。これは社会教育の範囲かどうかはわかりませんが、どのように対処するのか。差別的な情報を流す人たちが、外国人と接してみたら、しっかりとしたいい人だと感じることで誤解が消える。交流していくことが必要かなと思います。

【佐藤議長】

地域社会でみんなが幸せに生きるためには、「誰一人取り残さない」という前橋モデルの方針からすると、外国にルーツを持つ方やLGBTQ、障害を持つ方なども含めて考えていくことがやはり大切。

【大畠委員】

議長のおっしゃるとおり、テーマの「誰一人取り残さない」というのは、国籍などは関係ないと思います。人口が減ってきた地域に、外国籍の方が住み、ひとつのコミュニティができ、活性化しているような話も聞きます。そのような地域に、日本の文化を押し付けるようなことはできない。社会教育として日本の文化の再生化という方向性が必要じゃないかなと思います。今までの文化の上に新しい文化を重ね、過去の反省も含め、文化の建て直しというようなことができると、国籍、性別を問わず、一人ひとりのウェルビーイングが高まるように思います。

【吉川教育長】

一人ひとりの学びがあり、社会での学びがあり、その学びをどうつなげていくか、何でつなげるかも大事かと思います。話を伺っていて、誰一人取り残さないためにも、デジタルの力が大きいと感じますが、コロナ禍を経て、やはり人は信頼性を持ち、リアルな繋がりを大事にしていかなければいけないと強く思っています。先日、文部科学省の方が、次期学習指導要領の中でのデジタルについて、リアルを支えるデジタルとおっしゃっていたのがまさにこれだなと思います。リアルがまずあり、それを支えるのがデジタル。人と人とのリアルな繋がりをしっかりと耕すものが社会教育であるというような定義、考えを示していただけるとありがたい。

【栗木委員】

デジタルをうまく活用し、コミュニティに入っていける、その場に来ることができない、行きたいけど来られない人たちとどうつながれるのか。私たちは今、不登校の支援について考えていますが、社会に関わりたいけれどなかなか勇気が出ない、そこを繋げる方法の一つとしてデジタルは有効なんだと思います。大きなくくりだとそこに入っていけないかもしれないけれど、小さなコミュニティであれば、社会と繋がることができる。向こう三軒両隣りみたいな助け合いが本来の社会教育の基本だとすると、小さなコミュニティと地域のコミュニティで許容をする、人権を認め合う、そのような学びの仕掛けをしてあげることにより、一つひとつ積み上げていく。地域コミュニティなんかいらないという人もいるかも知れないが、人間は本来一人じゃ生きていけないので、コミュニティを求めているチャンスの時に、どうしたら繋がることができるのか、ルールや社会規範、人を認め合う心など、みんなで助け合い、社会、文化をもう一度立て直さなきゃいけない場面もあるのかなと感じました。

【森谷副議長】

教える人、教えられる人という区別のようなものではなく、わかり合い、理解し合うような枠組みの中で、ウェルビーイングを高めていくような文章の構成になる方がいい。ウェルビーイングが、生涯学習や社会教育において、一人ひとりを支えていくような概念がまず必要で、その下に様々な項目があるというような構成が必要ではないか。帰属意識の醸成は、あまり意識をしている人はいないのではないか。生活の基盤はマイノリティもマジョリティも変わらない。人権意識と帰属意識というのは違うものではないだろうか。

【佐藤議長】

 抽象的な概念から、具体的な内容の項目になる文章の構成としたい。

【吉川教育長】

前橋市もウェルビーイング指標を活用して、市民の方々のウェルビーイングが向上していくことを定量的にも定性的にも図っていくことを考えています。前橋で学ぶ全ての方々のウェルビーイングを担保する社会教育、そして、そのウェルビーイングとは何かをしっかりと定義づけていければと思います。

【大畠委員】

学校数は当然少子化で減る、地域も山間の場所は住む人が減ってしまう。自分が住んでいた、通っていた場所が衰退してしまう。このような状況を寂しい、悲しいと感じる人たちがいる。そのような人たちのウェルビーイングの向上はどう考えていくのがいいのか。

【吉川教育長】

宮城の地域は、人口が減少してきており、宮城幼稚園は令和5年度末で閉園しました。閉園する決断をする際には、反対があると思っていましたが、人数が少なくなる中で、同じ学年にいる子が2人、3人という中で育っていくことを、この地域の方はどう思うか、子どもにとっての良い環境とは何かというのをまず考えてほしいとお願いしました。人口の減少は、どうにもできないが、一方で、宮城公民館で、中学生のボランティアがお祭りなどで頑張ってくれている姿を見ると、子どもたちは、地域の方に育ててもらっていることがわかります。学校ももちろん頑張っているが、どんなに人数が変わろうが、学校の形が変わっていこうが、やはり地域がしっかりと子どもたちを育ててくれる、社会教育がしっかりと受け皿になるということが今後大事だと考えます。

【大畠委員】

地域の意識は高いのに、自治会に入らないかと勧誘しても入ってくれない。地域のつどいなどにも参加をしてくれない。参加できるような気持ちをどのように育めばいいのか。

【森谷副議長】

移動性が高くなっていることがあげられます。学生アパートなら4年間しかいない。転勤族も多いですから、マンション借りて、3年するとまた転勤をする。一生そこにいる、代々そこに住むという時代ではなくなってきた。移動性が高いので、帰属意識は必要ない。まして外国から来ている実習生などは、日本語が喋れなくても、仕事の中でやり取りできれば、地域に帰着する必要がない。地域とのつながりを自分から遮断しているわけではなく、元々必要がない。そのような人たちに、自治会に入りなさいとは言えない。自治会の加入率が下がっていくのはもう当然だと思います。ただし、災害の時は、地元の人たちと一緒になって対応できて助かったっていうことはあると思いますが。

【張委員】

私は自治会活動にあまり参加はできていないが、地域にコミットしていると自分では自覚しています。いろいろな方々と繋がりを持ちたいと思うので、入りたいコミュニティがあれば参加をします。大学や仕事など、前橋で自分と仲良くしてくる方々の繋がりをもち、小さいコミュニティをいっぱい作って生きていきたいと思っています。そこに生まれ育った方々にとっては当たり前だけれども、そうではない人から見ると、引っ越してしまえば別のコミュニティに参加をする。公民館で何かできるのかと考えると、小さな魅力のあるコミュニティをたくさん作り、そこに多くの人々が引っかかってくれればいいという考えを持っていただきたいと思います。

【西谷委員】

一つの手段だけではなく、様々な形で繋がっていくような網、ネットがあればいい。自治会が地域によっては加入率が下がっていますが、他の部分でしっかり繋がり、社会の中でウェルビーイングが高められるような関係性や繋がりができる場所、手段などがあることにすごく意味がある。

【栗木委員】

行政では、自治会や公民館などを、既存のコミュニティの一つとして大きな枠で捉える傾向があるが、実はNPOや自発的なコミュニティが今すごく力を発揮している。行政では手が届かない課題に対してのコミュニティもたくさんできている。外国籍の関係では、自分がすごく苦労した経験から、小学校に入る時に必要なものを、多言語化したパッケージを保護者に配付するなどの活動があった。これから社会を構成していく上で、わからないことをきちんと教えてもらえるような仕組みや機能を、既存の取組と融合させることが重要。
【吉川教育長】

地域コミュニティという言い方はすごく一般的ですが、地域というものとは別に、コミュニティは地域に立脚しない様々なコミュニティがあるので、それをどう表現していくのかを考えたい。地域は人によって捉え方が違う。自分の住んでいる町なのか市なのか、人によって様々な捉え方がある。地域とコミュニティを一緒にせずに考えると、社会教育としての幅が広がると思う。

【佐藤議長】

地域に立脚する必要性のない人たちにも、生涯学習、社会教育は必要で、誰一人として取り残さないという話からすれば、組織に属さないけれども、地域の社会を構成する一員であるということに変わりはない。

【森谷副議長】

既存の図書館や公民館などの、社会教育施設の枠をふまえつつ、その枠から少し広げるような議論をするのか、その線引きを明確にした方がいい。公民館の職員の多忙化や効率化、人員の見直しなどの意見もあるが、現状は大変でも期待は大きい。ではどうするのかという部分を示さないといけない。公民館以外でもウェルビーイングに関わる取組はある。出前講座は、首長部局と教育委員会が連携し、横断的な取組として学びの機会を提供している。公民館や図書館などの既存の施設を活用し、公民館の職員の事務的な手間も減り、市役所の職員の頑張る機会も増え、それを社会教育の取組として示してもいいのではないか。

【西谷委員】

自治会長をしていて、公民館は様々な仕事をこの人数でよくやっているなと思います。民生委員や児童委員、保健推進員や生涯学習奨励員などの事務も担っていて、年々業務が増えているように感じます。

【吉川教育長】

社会教育が溶けると地域の底が抜けるという言葉があります。全ての部局と社会教育は関わっていると思います。私たちは社会教育と地域を大事にし、公民館を活動場所とし、人が集まれる、学べる場所を提供する必要があります。社会教育主事、社会教育士が活躍することで、それらを担保していく。文部科学省も社会教育士を増やすことを求めていますので、社会教育を進める専門員を増やしていくことについてもご提言いただけると、やりがいにつながっていくと思います。

【森谷副議長】

公民館運営審議会を大胡東小学校で行いました。仕事に対する夢を育む事業を見学し、地元の農家の方や音楽家、社会福祉施設の方や消防士など、地元で仕事をしている方が6年生に対して、自分の仕事を熱く語り、子どもたちが目を輝かして聞いている授業を視察しました。その後の意見交換では、このような事業を実施する際に、公民館のコーディネート機能にとても期待しているとの発言がありました。先程の話にもありましたが、公民館が疲弊しているのはわかるけれど、専門性を持った職員がコーディネーターになることが重要だと思います。人事異動などもありますが、社会教育主事、社会教育士の配置の重要性というのは、コミュニティ・スクールの議論にも繋がってくると思います。

【片貝教育次長】

市長部局や他の部署での、ウェルビーイングに対する取組のお話がありました。私自身は、市長部局で地域づくりを進める上でのバイブルは、まさに社会教育委員会議の提言でありました。社会教育というしっかりとした考え方が非常に頼りになった。本市では、新しい図書館の建設を目指しているが、全国的に街なかに図書館を再開発で作ろうという都市では、これを契機にまちづくりや賑わい創出の観点から、首長部局に図書館の所管を移そうとしているところがある。一方で、図書館学の専門家、筑波大学の吉田先生は、新しい図書館のトレンドは、社会教育施設として、社会教育に対する働きかけができる図書館が世界の中のトレンドだとおっしゃっています。公民館は日本独自のもので、日本の公民館の役割を海外では図書館が担っているということもあるが、社会教育の役割が大きいということは明確です。冒頭申し上げましたように、これから新しい図書館を作っていく上でどういった役割を果たしていくか、首長部局にもたくさん社会教育に関わる部分があります。社会教育委員の皆様には、社会づくり、地域づくりにどのように働きかけていくかという考え方を提言していただけることを非常に期待しておりまして、これから新しい図書館ができるこのタイミングで、図書館に求められるものについても、ぜひ提言いただきたいと思います。

【栗木委員】

本のテーマは無限なので様々な学びができると思っています。図書館は、すごく包含したテーマを学びとしてしかけられるので、公民館の役割の強化を社会教育施設の強化とし、その中で、公民館と図書館が併設していることの良さ、新本館も大事ですが、前橋市の公民館と図書館が併設している機能は本当に素晴らしい。それがネットワークでつながっているところも特徴です。図書館と公民館が融合され、充実することにより、その機能が倍増し、相乗効果も高まってくると思う。子どもたちの読書離れや読解力の欠如などの弊害が叫ばれているが、学校教育の専門かもしれないが、私は読書が学びの基本だと思いますし、その中で育まれる情操が、地域に戻っていくという気持ちを高めると考えます。図書館を、社会教育施設という大きな枠の中に、前橋の特徴ある取組を含めて、分館機能も加えていただけるとありがたいです。

【片貝教育次長】

外国にルーツのある方は、なかなか公民館に行き活動するというのは難しいと思うが、地域にある図書館は非常にアクセスしやすいと思う。地域の図書館はアクセスポイントとしての役割を果たすことができると思う。

【吉川教育長】

前橋市の図書館の分館機能は素晴らしいと言われています。前橋では、ビブリオバトル(知的書評合戦)が、年齢を問わず、高校生と90 代の方が一緒に行っています。本当に学び合いです。本を通した学び合い、これができるのが前橋の良さで、公民館でビブリオバトルをやり、その推し本が図書館にある。図書館と公民館が一緒にあるっていう良さも、もう一度改めてお伝えいただけると嬉しいなと思います。

【森谷副議長】

具体的な文言で、公民館や図書館っていう表現が何回も出てくる。もしかしたら、「公民館と図書館とで」のような表現の方がいいのではないか。ビブリオバトルの話とも繋がってくるし、同じ社会施設の中で繋がることが前橋らしいとなるのではないか。

【西谷委員】

図書館が様々な機能を果たせるように、乳幼児や家族連れ、お母さんたちがたくさん集まって交流するような場所になってほしい。正しい情報を伝える役割を果たすのは図書館の書籍。フェイクニュースはない。こんな時代だからこそ、ひどい情報が流れるこの時代だからこそ、図書館の役割はさらに増すと思っている。電子書籍は、図書館に行かなくても本が読める。国内外の図書館ともリンクする。それぐらいのネットワークがある図書館になってほしい。

【吉川教育長】

図書館のキーワードは対話です。みんなが静かに本を借りる、返して読むという場所から、全く新しい図書館を生み出したいと思っています。文学館やアーツ前橋など、前橋にしかないものを、社会教育施設として捉えていただけると、前橋ならではの資源を生かした社会教育というものが少し出せると思います。図書館、公民館、それから前橋にあるその他の文化が学べる場所、それから平和資料館もできますが、そのような歴史を学ぶ場所なども入れていただけると、前橋らしさが出てくると思います。

【西谷委員】

文書館ともリンクしたい。素晴らしい資料がたくさんある。活用される機会が増えるようなネットワーク、繋がりづくりがすごく大事だと思います。

【佐藤議長】

児童文化センターも社会教育施設として、子育て支援や子どもたちへの指導など、考えてみると対象や地域を限定しているわけではない。児童文化センターは、子どもたちのための多様な体験施設として、自転車教室や天文教室、また、そこに集まってくるボランティアをはじめ、民間などの方々が交流をしながら、子どもたちの育ちについて議論をしている。予算的な困難さはどの社会教育施設でも抱えているが、社会教育委員会として頑張ってほしいという想いは伝えたい。

【森谷副議長】

公民館運営審議会では、中央公民館長から諮問を受け、地域学校協働活動と公民館について取り組んでいる。学校運営協議会がある学校のことをコミュニティ・スクールというが、学校運営協議会に公民館職員がうまく関わり、地域学校協働活動と公民館がどう繋がるのかについて2年間かけて取り組む。

【佐藤議長】

以前の提言でも、学校教育と社会教育の越境性というような話があった。学校教育と社会教育との枠組みが大きく変わっていくというような内容であった。コミュニティ・スクールと公民館の連携は避けて通れない問題であり、来年度より、前橋市も全校にコミュニティ・スクールを導入する。これからの取組状況については把握しておく必要がある。

【張委員】

コミュニティ・スクールは、学校運営に様々な立場の人が関わるため、学校が主語になる。そう考えると、地域学校協働活動と学校運営協議会を並列にするのに少し抵抗がある。立場を明確にして書き分ける必要がある。

【森谷副議長】

学校運営協議会と社会教育、地域学校協働活動と社会教育、もしくは公民館という分け方にしたほうが分かりやすい。

【佐藤議長】

たくさんのご意見ありがとうございました。この後、提言をまとめてお渡しいたしますが、教育長さんも含め、教育委員会の方々が一緒に参加をしてくださり、私たちにとっても、この提言がどのように生かされていくのかを見届けていきたいと思っております。逆に言うと、それだけ私たちは責任を負わなくてはいけないともいえます。社会教育委員会議の提言が多くの方々に見ていただける、そのための見える化ができればなと思います。計画とまではいかなくても、社会教育のビジョンのようなものがあるといいのかなと思っております。ちょっと重荷になってしまうので申し訳ないですが、自分たちもそれなりの責任感をもち、皆さんと一緒に社会教育を進めていきたいと思っております。

【金井指導担当次長】

今まで学校教育の中で仕事をしてきましたが、指導担当次長という立場になり、社会教育の大切さを本当に心から感じた2年間でした。社会教育が社会の底を支えている、本当にその通りだなと思いますし、部活動の地域移行でも、公民館で素晴らしい活動をたくさん行ってくれています。社会教育は全ての人たちの学びを支え、人生の豊かさに繋がることを非常に強く感じました。これからも社会教育に関して、しっかりと意識をしていきたいと思っております。

【片貝教育次長】

社会教育が大切だと考え、働いている職員がたくさんおります。提言に期待をしております。

【佐藤生涯学習課長】

この会議では、本当に皆様の深い見識と、多様な面からの視点でのご意見、貴重なご意見をいただけたと思っております。提言をまとめ、今後の社会教育が充実できるような形で進めていきたいと思っております。

【佐藤議長】

以上で本日の会議を終わりにいたします。大変ありがとうございました。

(4)連絡

(5)閉会

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更新日:2025年04月04日