令和7年度第4回前橋市社会教育委員会議
審議会名
前橋市社会教育委員会議
会議名
令和7年度第4回前橋市社会教育委員会議
日時
令和8年1月26日(月曜日) 午後1時30分から午後3時30分
場所
中央公民館501.502学習室
出席者
(委員側)
佐藤議長、土田委員、栗木委員、張委員、宮内委員、簑輪委員、生方委員、
(市教委側)
吉川教育長、高松教育次長、酒井指導担当次長、宇次生涯学習課長、事務局員(生涯学習課)
欠席者
茂木副議長、間々田委員、湯浅委員、坂部委員、狩野委員
配付資料
会議内容
(1)開会
(2)教育長あいさつ
大変お世話になります。令和7年度第4回目となります前橋市社会教育委員会議にお集まりいただきましてありがとうございます。 前回の会議では、図書館主催の講演会にご出席いただきました。その後、講師である大正大学の牧野篤教授との座談会を開催させていただきました。牧野教授には、現在、前橋市社会教育ビジョンの委員長としてもご尽力をいただいております。このビジョンは、申し上げるまでもなく、社会教育委員の皆様からの「長期的なビジョンも必要ではないか」という答申を受け、これをさらに深めていくため、教授をはじめアドバイザーの皆様に助言をいただきながら検討を進めているところです。前回の講演で得られた示唆は、今後の本市における社会教育の方向性を考えるうえで、大変意義深いものであったと感じております。短い時間ではありましたが、ご参加いただいた委員の皆様には改めて感謝申し上げます。
本日の会議では、これまでのビジョン策定の過程で示された疑問点や課題について、事務局より説明いたします。委員の皆様には、これまでのご経験や専門的な視点からご協力いただければと思います。 また、現在国の方で進められている「社会教育の在り方」に関する資料を配布させていただきました。日本の社会教育が今後どのように進んでいくのかが、端的にまとめられていると感じましたので、参考にしていただければと思います。 本日の会議をもちまして、今年度の社会教育委員会議は終了となります。一年間にわたり、議長をはじめ委員の皆様には大変ご協力いただきました。厚く御礼申し上げます。 今後とも、前橋の社会教育のより一層の充実に向け、引き続きご指導・ご支援を賜りますようお願い申し上げ、挨拶とさせていただきます。よろしくお願いいたします。
(3)議事(発言趣旨)
(佐藤議長)
本年度もよろしくお願いいたします。今年は午年ということなので、議長は「馬の耳に念仏」ではなく、皆さんの言葉をしっかり捉えながら、皆さんと一緒に協議を進めていければと思います。どうぞよろしくお願いします。
さて、本日の協議は、お話にありましたとおり、前橋市でこれから策定を進めていく「社会教育ビジョン」について、さまざまな議論をいただきたいと思います。
実は昨年度、社会教育セミナーがありまして、その際に「人生百年時代の学びを考える」というテーマで牧野先生から講演をいただきました。その後も、その内容を踏まえながらビジョンに関する多様な協議が行われてきました。
私自身、社会教育の一番基盤となる部分、社会教育と生涯学習、公民館で何を行うか、地域にどのような学びを広げていくかといった議論が中心になりがちですが、牧野先生のお話では、最終的に社会教育の行き着くところは、一人ひとりが持っている「社会における生き方の最適化」である、という示唆がありました。言葉は難しいですが、「最期の迎え方」まで含めた、その人の生き方そのものを問い直す視点でした。
地域で多様な人たちに囲まれ、関わり合いの中で人生を全うしていく、そうした非常に根本的な部分に触れるお話で、社会教育というものが単なる「学び」や「還元」といった枠を超え、地域の基盤そのものを支える営みであることを改めて強く感じました。
そして、その社会教育が地域で動き出したとき、一人ひとりの生き方に影響し、それが地域全体に反映されていく。こうした新しい展開が見えてきたのではないかと感じています。
これからビジョンをつくっていくにあたり、ビジョンとは、計画性や実践性を伴った目標・目的についての議論になると思います。そういう意味でも、一人ひとりの生き方や生きること、地域社会の中で「ともに生きる社会」のあり方を視野に入れながら、ご意見をいただければ大変ありがたく思います。それでは、資料をもとに事務局から説明いただければと思います。
(新保副参事)
資料をもとに説明
(佐藤議長)
牧野先生のお話や、これまで私たちの会議でまとめてきた提言の中では、ウェルビーイングの意味合い、そしてインナー・ウェルビーイングを基にした社会教育のあり方について議論してきました。そのウェルビーイングの概念の中で、先生から「共感的コミュニティ(コンパッショネイト・コミュニティ)」というお話もありました。
共感的コミュニティというのは、地域社会における共感を軸にした考え方だと思いますが、これを社会教育における地域づくりとどう結びつけて考えていくのか、具体的にはなかなか難しい部分もあると感じています。しかし、それだけに、これから私たちがビジョンをつくっていくにあたって、社会教育はどう進んでいくべきなのか、新しい時代を迎える中で、その方向性を今日は皆さまと一緒に検討できればと思っています。
また、以前の議論の中で私の印象に残っているのが、「地域課題は学びのモチベーションにはなりにくい」というお話でした。地域にはさまざまな課題があるものの、それが必ずしも「学ぼう」という意欲に直結するわけではない。社会教育において人が動くモチベーションとは何かを考えると、人の心を動かし、学びへ向かわせる「核」となる概念や考え方、主張、受け止め方といったものを、どのように形にできるかが重要になる。そうした根本的な部分をうまく言語化できれば、それ自体が社会教育ビジョンにつながるのではないかと考えます。本日は、さまざまな視点から、皆様のご意見を伺えればと思います。
(生方委員)
これからグループに入るということで、それぞれ前提を考えておられると思うのですが、私自身、前橋らしさという言葉がまだよくつかめていません。前橋に来て日が浅いため、具体的なイメージが持てておらず、以前住んでいた地域のような「街を大切にする」「住民運動が活発」といった分かりやすい特徴が前橋にもあるのかどうか、まだ分からないという状況です。もしグループワークを進めるのであれば、私はむしろ社会教育を進める中でどんな前橋らしい姿が生まれるのか、前橋らしさをこれから一緒に考えていくという方向の方が理解しやすいと感じています。最初から前橋らしさがある前提で議論に入るのは、まだ整理がつかず難しさを感じていますので、この言葉の意図を改めて説明していただけると助かります。
(事務局)
前橋に来られて間もないからこそ、以前住んでいたところとの違いや、前橋の課題として感じる部分を率直に出していただくことが、グループワークの大きなヒントになると思っています。
(生方委員)
前橋らしさという言葉を使う以上、ある程度の共通イメージが必要ではないかとも思っています。もし皆さんが共有している前橋らしさがあれば、いくつか教えていただけると、議論の方向も合わせやすくなります。資料にも前橋らしさと書かれているため、「何かイメージがある前提なのだろう」と受け取ってしまい、そこに少し戸惑いを感じていました。「各自の思う前橋らしさでいい」という形だと、逆に焦点が合わなくなるのでは、という心配もあります。
(佐藤議長)
前橋らしさは、最初から決まっているものではなく、議論や実践の積み重ねの中で見えてくるものだと考えています。それぞれが感じている前橋の良さや特徴を出し合いながら、少しずつ形づくっていく言葉だと思っています。たとえば、公民館と図書館が一体であることなど、具体的な特徴もありますし、一方で前橋の精神風土のように抽象的な部分もあります。まずは感じていることを自由に共有していただき、その中から共通する部分が見えてくればよいと思っています。
(土田委員)
先ほどのお話の中で、「ビジョンは実践につながるもの」というお話がありました。この資料にある「人と人とのつながりを耕す営みをより豊かにするための社会教育をどう変えていくか」という視点についてですが、今ここにお集まりの皆さんは、前橋で暮らし、前橋で働き、それぞれの立場で、私の場合は学校ですが、前橋の良さ、こうなってほしい、こういう学びがあったらいい、という思いを持って参加されていると思います。ですので、「前橋らしさを社会教育に活かす」というよりも、それぞれ前橋で暮らす市民の一人として、それぞれの立場で人とつながりやすくするための前橋における社会教育の姿、その実践に向けた話という方が、もしかしたら話しやすいのかなと今のお話を伺っていて感じました。 逆に、確かにこの言葉だけを見ると難しいですが、「前橋の良さ」や「こうなればいい」という視点で考えると、話しやすいかもしれません。前橋市民として感じる前橋の良さ、それを踏まえて社会教育がより良い方向へ進むためにどう変えていけばよいか、その方が話しやすいかもしれません。
(佐藤議長)
今日の議論は、かなりフリートークの場面もありますので、一人ひとりが持っている社会教育に関する概念やねらい、考え方にも差異があると思います。その中でも、これまでの提言に盛り込んだ内容は共通の蓄積としてあります。そうした背景を踏まえながら議論を進めることができると考えています。また、ビジョンの基礎となる概念は、牧野先生から示された内容、特に提言をまとめた後に提示されたさまざまな視点によって明確になってきた部分もあります。ですので、そのあたりも踏まえつつ、自由に意見を出していただければと思います。
注:事務局よりグループワークの説明後、グループワーク開始
(佐藤議長)
それでは、各グループの内容について発表をお願い致します。
(Aグループ)
話し合いの中で大きく三つの内容となりました。
まず一つ目は典型的な事例ですが、地元の住民が地域の課題を共有し、公民館を使いながらボトムアップ的に課題解決へ進めていこうというものです。大利根町の例では、まちの社協が中心となり、住民の意見を吸い上げて具体化できている点が良いところです。「こういうところがあって、これは続けてほしい」という取組がしっかり育っています。いわゆる意見を言える土壌が芽生えているという評価です。一方で、それが各地域できちんとできているか、柱となる担当者がどこまで動けているかイベント的に盛り上がるだけでなく、仕組みとして継続できるかといった課題もあります。システマティックな組織づくり、必要に応じた予算措置があれば、もっと良くなるのではないかという意見でした。前橋市は地域ごとの差が大きく、高齢者の多い地域、若い人の多い地域など特徴がさまざまです。三つの視点を足したり引いたりしながら、その地域に合った気づきが必要との意見も出ています。人材の話もありました。社会教育は一つの分野だけでなく横断的な連携が必要で、市長部局とも本気で議論する時間が必要ではないか、という提案もありました。
二つ目は、前橋では、公民館と図書館が一体となっているという強みを生かし、両者が連携した多様な施策につなげていけるのではないかというものです。「読書」をキーワードにすることで、学校だけでなく、図書館・地域の場など、さまざまな場所で学ぶ機会をつくれるのではないかという意見でした。また、読書を通じて不登校の子にとっての一つのきっかけにもなり得る、という話もありました。ただし、実際にどの程度住民に利用されているのか、どんな年代がどう使っているのかといった利用実態の分析が必要だという意見も出ています。社会教育はトップダウンではなくボトムアップが求められるため、公民館のような地域に近い場所で人材を育てながら課題解決につなげていく方法が重要ではないか、という指摘もありました。
三つ目は、「人との関わり方をきちんと学ぼう」という視点です。障害のある方をはじめ、いろいろなお立場の人がいます。その人を一面的に見るのではなく、実際に話してみたり、関わったりする。その積み重ねが、真摯に配慮が向く見方につながるのではないか、という意見でした。そういった視点を持つことで、例えば施設では、駐車場が使いにくい、赤ちゃん連れでは入りづらい、子どもの動線が危ないといった課題にも気づけるようになる。こうした積み重ねが、町をより良くしていくのではないか、という話です。学びは社会をつくっていく基礎であり、人との関わりやコミュニケーションの中で育まれるものだ、というまとめになりました。
最後に、「人と人をつながりを耕す営み」という話にも触れ、前橋に住むすべての人にとって、この営みが続いていくとよい、という結論となりました。
(Bグループ)
Bグループは、生方委員の疑問を踏まえ、前橋らしさを社会教育に活かすためには、さまざまな課題に対して前橋なりのアプローチを積み重ねていくことが、結果として前橋らしさにつながるのではないかという結論になりました。具体的には、外国にルーツのある子どもや不登校の子どもが増えるなど社会が大きく変化する中で、そうした人たちが前橋で共に暮らしていくために、行政やNPO、民間企業などが協力しながら「前橋として何ができるか」を考え、アイデアを出し、きっかけをつくっていくことが重要であるという意見が示されました。このような取り組みを積み重ねることによって、他地域から前橋の社会教育はすばらしいと評価され、それが前橋らしさとして形づくられていくのではないかという考えです。
また、委員の方々からは、前橋の図書館は良い、民間の支援がしっかりしている、教育施設が充実している、予算が確保されている、学校施設開放が非常に良い、といった意見が挙がり、行政が非常に心強いという声も聞かれました。さらに、大学では地域に貢献したいと考える若者が多いという話も紹介され、こうした人たちをうまく取り入れ、きっかけづくりや仕組みづくりを進めることで、前橋の社会教育がより充実するのではないかという意見も出されました。
最後に、課題についても多くの意見があり、それらを踏まえたうえで、異なる背景を持つ人たちとともにどのような社会をつくっていくのかについて、社会教育ができることについて、今後議論を進めていく必要があるというまとめになりました。以上です。
(佐藤議長)
ありがとうございました。具体的な話が出てくると、いろいろなパターンや議論ができるのだと感じました。この後、事務局に整理をお願いし、概念まで整理されるものもあれば、そうならないものもあると思いますが、今後の社会教育の姿が見えてくるのではないかと思います。個々の意見は消えてしまう部分があるかもしれませんが、全体として概念として残り、それをもとに新たな政策や新たな局面につながっていくと考えています。まだ出し足りないこともあるかと思いますが、何かあればメモなどでも構いませんので、事務局へ送っていただければ意見として集約できると思います。今日の意見、そしてこれまで一年間を通していただいた多くのご指摘や成果、また行政の変化も含めて、本当にありがとうございました。
(4)社会教育関係団体に対する補助金について(意見聴取)
資料に基づき、現時点における令和8年度の社会教育関係団体に対する補助金の説明を事務局より行った。質疑応答後、令和8年度の社会教育関係団体に対する補助金については意義なしとされた。
(佐藤議長)
以上で、本日の予定されていた議事は終了になりますが、この一年間、本当にありがとうございました。今年ほど多分、社会教育の根本から含めて変わった年はないんじゃないかなというふうに思います。事務局の皆さんのものすごい頑張りで、素敵な成果を挙げられたかなというふうに思います。今後の前橋市の社会教育の方向性が見えてきた一年だったと思いました。
(酒井指導担当次長)
一年間、私も今、佐藤議長がおっしゃったことと同じ気持ちで過ごしてきました。自分は学校教育の出身ですが、学校教育だけではなく、教育とは何かということを改めて考える一年でした。やっぱり誰もが自分を良くしたいと思っている、その気持ちを信じることが大事だと感じています。
先週土曜日、ここで不登校を考える会がありましたが、やはり自分を成長させたい、良くなりたいという気持ちは、小さい子どもでも、大人でも、お年寄りでも、みんなが持っている。その気持ちをどう引き出すかが教育なんじゃないかと考えるようになりました。社会教育は、教育長がいつもおっしゃるように、人生100年時代、生まれてから死ぬまで続く学びです。その視点で考えると、この社会教育ビジョンをつくるということは、ものすごく大きな意味を持つのだと思います。どんなビジョンができるかはまだ分かりませんが、完成したときにそれを見て「もっと頑張ってみよう」「今やっていることは、このビジョンに書かれていることだ」と思えるような元気の出るビジョン、成長したいという意欲がさらに引き出されるような、そんなビジョンになるといいなと感じました。この一年、皆さんからさまざまなことを教えていただきました。その蓄積が良いビジョンにつながっていくことを期待しています。
(高松教育次長)
皆さん、一年間ありがとうございました。実は私も、学校教育、大学は他の地域で過ごし、就職して初めて前橋に来ました。同じ群馬でも、生まれ育った地域と前橋とでは文化がずいぶん違うものだと感じています。私が思う前橋の良いところは、いい意味で「何もない」というか、「素直」というか、「何でも吸収できるところ」だと思います。言われたことをそのまま受け入れてしまうような面もありますが、最近は少しずつ変わってきているような気もしています。そうした前橋の特性があるからこそ、ビジョンにはいろいろな可能性が広がっているのだと思います。引き続き、ビジョンの完成に向けてよろしくお願いいたします。
(吉川教育長)
皆様、ありがとうございました。行政のようなしっかりした組織に所属していると、そこでの研修などを通じて学びの機会が得られますが、個々で働く人たち、例えば中小企業の方や、家庭に入りもう一度頑張ろうとしている方などにとっては、新たな学びを得る場は非常に限られているなと感じていました。学校教育以外の学びを社会教育と呼びますが、では社会教育は行政がすべて担うものなのかというと、私は決してそうではないと思っています。社会の中での学びは、社会の一人ひとりがお互いに学び合うものであり、行政はその触媒にはなり得ても、すべてを担うものではありません。この点を、市民の皆さんにも、市長部局にも気づいてほしいと感じています。「教育といえば教育委員会」という考え方ではなく、経営者の方も教育に関わっているかもしれないし、家庭の中のお父さんやお母さんも教育に関わっている。こうした視点を、このビジョンの中で皆さんと共有できたら良いなと思っています。
私自身、さまざまなステージを経てきて、一つの組織に長くいたわけではありませんが、振り返ると、その変化の過程には必ず多くの学びがありました。資格を取得したり、大学で再び聴講生として建築を学んだりと、新たな学びが加わることで、それまでの経験と結びつき、また成長できたと感じています。同じような経験を、いろんな立場の人たちにもしていただけたら嬉しいです。ビジョンがこれからどのように育っていくのか、とても楽しみにしています。ふわふわの土壌の中に、私たちは種をまいていければと思います。そこからいろいろなものが芽吹いてくる、そんな前橋になればと願っています。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
(佐藤議長)
今年度の協議は以上で終了させていただきます。本当にありがとうございました。年度をまたいで、大きなビジョン、課題を抱えながらの終了ということになります。組織として課題を持っているのが一番いいですね。「来年ここからスタートするんだよ」というものがあると、私たちもやる気になりますし、皆さんも課題を持って意識して取り組めるかな、というふうに思います。来年も希望を持って活動できればなと思います。いろいろご協力いただき、本当にありがとうございました。
(5)連絡
(6)閉会
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更新日:2026年02月05日