平成29年度第3回男女共同参画審議会

審議会名

男女共同参画審議会

会議名

平成29年度第3回男女共同参画審議会

日時

平成30年2月16日(金曜日)
午前10時~正午

場所

前橋市役所 3階 31会議室

出席者

委員

斎藤委員、阿部委員、池田委員、猪又委員、高坂委員、高橋委員、
土屋委員、中山委員、星野委員、前田委員、見竹委員 11名

事務局

都丸市民部長、平石生活課長、吉田男女共同参画センター所長、
新島副主幹 森下嘱託員 5名

欠席者

委員

石川委員、千葉委員、宮嵜委員、矢嶋委員 4名

議題

  1. 第四次前橋市男女共同参画基本計画について(答申)案
  2. その他

会議の内容

1 開会(司会進行 平石生活課長)

以下のとおり、説明と報告があった。

  1. 委員15人中11人の出席により過半数の定員数を満たしており、会議が成立している。
  2. 本日の会議録は斎藤会長及び会議録署名委員の星野委員の署名後、全委員に郵送すると同時に市のホームページにも掲載する。
  3. 本日の会議は一般公開する。

2 あいさつ

前橋市 市民部 都丸部長
前橋市男女共同参画審議会 斎藤会長

3 議題

(1) 第四次前橋市男女共同参画基本計画について(答申)案

 第四次前橋市男女共同参画基本計画の後期計画策定にあたり、その土台となる男女共同
参画審議会からの答申案を、学識委員3名で分担し作成。本日、議論いただき、必要な修正を加えたうえで、市長に提出する。
((下記の関連書類にある別添ファイル「平成30年2月16日前橋市男女共同参画審議会201802答申案」のとおり))
 基本目標を受けて、施策の方向が7項目に分かれている。本日は、この7項目について、3つの基本目標ごとに、学識委員が説明し、検討を行う。

  1. 基本目標:一人ひとりが尊重される まえばし
    (施策の方向)
    1. 人権尊重・男女平等意識の向上
    2. 互いの性を尊重する社会づくり
  2. 基本目標:みんなが主役になれる まえばし
    (施策の方向)
    1. 政策・方針決定の場への女性の参画推進
    2. 女性が活躍する範囲の拡大
  3. 多様なライフスタイルを実現できる まえばし
    (施策の方向)
    1. 男女がいきいきと働ける環境の向上
    2. 安心して子育て・介護ができる暮らしの支援
    3. ゆとりある生活の推進
主な意見
1 人権尊重・男女平等意識の向上

「固定的性別役割分業意識」について

  • 自分達の世代と今の経済状況は随分変わってきていると思う。「男は仕事、女は家庭」とあるが、この言い方はとても古い。若い人達はどう思っているのか疑問に感じる。
  • 家計の問題もあって、我が家はお互いフルタイムで働いている。仕事をしながら、お互い家事も助け合ってやっている。自分達の親世代より上の方には、その意識がまだ残っているが、自分たちの世代にはその感覚はないと感じている。
  • 家計状況とか経済的な問題と絡めて、この状況が変わって来ているということで着目すると、経済状況が良くなって家計が潤っている状況ならば、女の人は働かなくて子育てをしようというふうに戻っていかないかという危惧もある。「豊かであれば、男性が働いて女性はゆったりと子育てとか家のことに集中したい」という考え方は若い学生世代の女性の心の中にもある。
    経済状況に絡んだ意識だとすれば、経済状況がどうであったとしても働くということと、家のことや子どものことをやるということが性別関係なく自分の人生の中にあるという状況になったほうが、男性も女性も自立することが重要であるから、自分の人生設計をする上では大切だと思う。
  • 若い人達の考え方は、我々とは違っている。お互いに尊重しあっている。経済状況が豊かになったら、女の人は働かないで戻っても、その人がその選択をしたのならばそれはそれで良いと思う。
  • 日本全体を考えた時に、前橋もそうだけど経済格差が非常に進んでいて、非正規が多くなった時代に対して、そんな簡単に選べばいいでしょうということではなく、もっと根強い問題が日本にはあると思う。
    男性が選びやすいとか、「男は…」とか男女平等の意識を持つことに対して逃れられない経済格差がまだまだあるということを踏まえないといけないと思う。
    経済格差をなくす社会イコール男女共同参画社会が生まれるとは思っていないが、そのことも踏まえた議論をしていただきたい。
  • 近年、イクメンという言葉がメディアなどでも良く聞かれて、イクメンという言葉自体が「育児をする男性」ということで、もてはやされていると思う。この言葉が生まれること自体、「男は仕事、女は家庭」という考えに基づいたものだと思う。やはり、世間としてもこの考え方には根強いものがあると思う。私の周りの女子学生も教員志望で一生定年まで先生をやりたいという方が多いが、収入のいい方を見つけて専業主婦になりたい方も中にはいるので、この考え方はまだ若い世代の中でも表立ってはいないが、根強くあると思う。

(会長)

  • 「まえばしWindプラン2014」18頁 図表15、「男は仕事、女は家庭」という考え方について、「反対・どちらかといえば反対・どちらかといえば賛成・賛成」という比率の推移があるが、平成24年の市民意識調査で「賛成」という人が3割はいるということは、決して少なくないと思う。「男は仕事、女は仕事+家庭」という役割分業も現実には多いのだろうと思う。例えば、フルタイムの労働者だけを比べてみても、女性の賃金は、男性の7割ちょっとであり、そういう格差がある。
    パートタイマーの人を含めて時給換算するとその格差はもっと広がる。そういう状況にあるので、当事者の意識としても女性の稼ぎが少ないから、その分自分は家事をやらなくてはいけないと思っている方も少なからずいる。一方で、肩の力を抜いて家庭のことも仕事のこともという男性がだんだん増えてきているとは思うが、社会の受け止め方というのは、例えば男性が夫婦間での分担の3割をやっているだけでも周りの人からすごく褒められる、女性は10割やっても褒められない、そういう構造は今も続いている。そこの中で本人が選択すると言っても、どこまで自由な選択が出来ているかというのは怪しい部分があって、自由に選択出来ない社会になってしまっているのではないかということも合わせて考えていく必要があると思う。
    一週間ほど前、ネットで炎上した「あたし おかあさんだから」という歌詞の問題がある。お母さんだったら全部子どもに合わせて我慢して、それが幸せといういうような内容のものだが、「それおかしい」という認識が広がってきている。それを受け入れている人達も少なからずいる。でも受け入れる人の中には無理矢理そうやって自分を納得させるしかない人もいる。という状況を見ると、その性別役割分業が解消されてはいないということは間違いなく言えると思う。併せて、ハラスメントにしても、DVにしても、女性が加害者であって男性が被害者であるケースもあることは間違いないが、比率がやはり全然違う。そこは社会の構造の問題があるということだろう。だから、男性の被害者のことを見落としてはいけないし、男性の被害者に対する加害者は、男性であることも女性であることもあり得るが、それは職場の力関係の問題とか個人が尊重されていない問題で、そこに性差別、性別役割分業が重なってきているのが、性暴力の被害者の圧倒的多数が女性であるという現状だと思う。男女双方とも被害を受ける問題であるということは押さえつつも、女性に特に被害が集中しがちであるということに目を向けながら対策を立てる必要があると考える。
2 互いの性を尊重する社会づくり

男女平等の視点

  • 男女平等の視点に立ったというところで、女性に対する暴力と記載があるが、男性が受ける暴力もある。腕力だけではなくて、言葉の暴力というのもあって、何でここだけは女性になってしまい、男性に対する暴力というものも考えないのか、とても不平等に思う。男性が女性から色々な暴言を吐かれたりするのも、マイノリティという言い方をすればマイノリティだ。
  • 2頁5行目に、「女性の防御力の向上」とあるが、この言葉自体、女性が弱いもので防御しなければならないという意味になるのではないか、何か違う言葉に置き換えることは出来ないのかと思う。もちろん、男性の方が、力があることが多いけれど、女性がそういう力をつけないといけないと解釈出来るこの言葉を使ってほしくないと思う。

(会長)

  • 確かにそうだと思う。つまり、逆に言うと、被害に遭った女性は「それは護身術をやっていないからいけないんでしょ。」と言われたらおかしいということだ。

デートDV

  • 一中、東中、南橘中で、生徒にデートDVの講座をやったとあったが、ある学校に「どうだった?」ということを聞いた。一言でいうと、「非常に良かった」と言っていた。教員の言葉では「デートDVって言うのを身近なものとして感じられるようになった」ということだった。パワーポイントを使って画像を見せながら良い話をしてもらえたということだった。来年度も是非、このとおりの内容で推し進めていただきたい。

(会長)

  • 前橋市内の中学校だけでも20数校あったと思うが、そうすると年間5回やりましたでは足りない。より多くの子ども達に伝わるようにする必要がある。子ども達の前でそういう学習機会を提供するということは、その学校の先生達も一緒に学べるということだから、二重に効果がある。
3 政策・方針決定の場への女性の参画推進

学校の管理職について女性比率を高めること

  • 私は学校の評議員をやっているが、教員の質が低いと感じる。その質を上げない限り、女性が校長先生になると、いじめに遭うという現状がある。また、校長の大変な姿を見て、女性は「ああ、やりたいけどやっぱりあんな大変ならやりたくない」というずるさを持っている。そんな綺麗な人達ばかりいるとは思わない。そこのところを踏まえて答申を書いてほしい。

(会長)

  • 感想を述べておきたい。まず、1点目は、学校に限らず、女性の管理職に対して抵抗感を持つ男性の部下がいるということは確かに言えると思う。「だから男が仕切るべきものなんだ、女のくせに。」という感覚をどう解消していくかという課題の重要なひとつの場面かと思う。
    もう1点、例えばPTAや育成会の会長選びで、女性はその気になれば男を表に出すという手を使って逃げることが出来る。これはたぶん大変な仕事をどう分かち合っていくかということ、負担感を持たずに気軽に楽しく参加出来るPTAや育成会をどうやって作っていくのかという課題に繋がっていくと思う。もっとPTAの仕事を簡素化して、なおかつ楽しく参加できるようにしようという取組も出てきていると聞いているので、そのあたりがヒントだと考える。
  • 校長が女性だと、そこが原因でいじめに発展するということもあるかもしれないが、男の管理職もいじめを受けるので、人物がどうかと言うことだと思う。教員や子どものことをどう考え、どう自分が振る舞って、どういう学校経営をするかということになれば、男女の区別なく人間の良さを発揮して経営すれば、私はいじめはないと思う。
  • 市の各種審議会における女性委員の割合については、随分質問しているが、実際に女性がお飾りみたいに、一人入っていますとかゼロとか、それでは意見が出しづらいのではないか。私はこの男女共同参画審議会が別世界だと思っている。男女共同参画支援ということで、女性委員が絶対数多いという所で話すのは、かなり楽な気がしている。女性委員がゼロのところも含めて、比率の少ないところに対してはもう一度、しっかりとセンターで見据えていただきたい。

(会長)

  • ある審議会に出席して、20人位のメンバーの内女性が2人だったが、この審議会に参加されている方のような活発な発言は全然聞かれなかった。もしかしたら、あて職で選ばれたものの、会議の議論で自分の意見を述べるという経験を積まれていないのかなという感想を持ったことがある。だからこそいろいろな方に、引っ張り出してでも経験してもらって、そういう力を伸ばしていただくことも必要だろうと思う。
4 女性が活躍する範囲の拡大

制度や慣行の見直し

  • 今の大人も視覚とか日々の情報から完全に学んでいる。子供は育ちから学び、今の大人は男女平等だと意識を持ちながらも、日々のマスコミからの画像や映像、耳から入る情報で学んでしまっている。市の審議会とか、諸々の役職は、やはり男性が多い。学校でも行政でも病院でも民間企業でも国会の関係でも不祥事があった時に、今は必ず外部委員会や第三者委員会など設置しているが、昨今の第三者委員会はほとんど男だ。「やっぱり男でなきゃダメだ」という意識がある中に、さらに「最終的には男なんだよね」と、ああいう画像を見せられてしまうと、やはり意識とか慣行で学んでしまっているのだろうか。かつて、県のある高校で起きた事故の第三者委員会の様子が、群テレで流れたが、女性は一人もいない。「植えつけられる意識」というのがあると思う。

(会長)

  • 女性がいないのはおかしいじゃないかという視点を持って、適任者である女性を積極的に探して、色々な場に引っ張り出してそれを人々の目に映るようにするということが大事なのかなということを感じた。
    別の問題だが、小学校でいうと低学年の先生は女性が圧倒的に多い。文科省の学校基本調査によると全国の小学校でだいたい教員の6割が女性であり、そのうえ、低学年に集中しがちだ。保育園幼稚園の先生もほとんど女性、保健室の先生はほとんど女性だから、そういう小さい子の世話をする仕事、ケアの仕事は女性の役割だと無言のうちに教えてしまっている点にもつながる。様々な部門で女性に偏っているところでは男性を引っ張り出して男性の存在が目につくようにする必要があるし、男性に偏っているところでは女性を引っ張り出し、女性の存在を目につくようにする必要があるのかなと思う。
    もうひとつ付け加えて、校長先生について言えば、特に中学校長の女性が少ない。
    前橋市でようやく少し出てきたところかと思う。当たり前に男性も女性も色々な場で目に入るという社会を作っていく、そのために地域の慣行も見直すように働きかけていくということが重要だと思う。
  • 私は農業を従業員という形でやっているが、女性従業員は少ない。ほぼ8割、周りを見ても7割以上が男性。ましてや経営者という立場になると、ほぼ男性、会議に出て来る方も男性が多い。そういった中では女性の意見は、すごく重要で、やはり野菜を買う方、食物を買う方は女性が中心なので、女性の起業家も大事だが、今ある既存の農家も、女性の従業員が入れるような形にしてほしい。
5 男女がいきいき働ける環境の向上

女性起業家支援

  • 「女性の起業には男性の起業とは異なる特有の問題があり、細かな継続的支援が必要です」と書かれているが、具体的に女性の起業が男性とはどういうところが異なる特有の問題があるのか、もう少し詳しく書いてほしい。

(学識委員)

  • 例えば、女性が起業した人たちのグループのディスカッションとかに関わってくる中で見えるのが、結局子育てをやりつつ仕事をしなければいけないという現状があって、途中で断念する方が結構いる。どうしてもやはり、両立が難しいということで言うと、起業だったら自分なりの働き方でやれるはず、出来るはずだと思っていたけれど、いざやり始めると、会社を起こしたのだから頑張りたい、でもそれを頑張っていると、子供のほうに手が回らなくなる、家事が滞る、これ働いていたときと同じ問題が私の中にあるという声が結構ある。自分の会社を作って動かしていきたいという気持ちだけで、現状に立ちはだかっている問題がうまく調整出来ないというのが、女性起業家の中にやはりある。それから資金繰りの問題は今はだいぶいろいろ支援はあるが、そうであったとしてもやはり特別にその資金繰りについての情報提供とか、どう申請したらより取りやすくなるかとか、そういうことのノウハウがなかなか伝わっていない、少ない。そういう点では女性が起業したうえでずっとやり続けるということにおいて、仕事だけに集中出来ないなど色々な問題が絡んでいる、そういうところの視点も必要だと言われている、それをもう少し言葉を足して書こうと思う。
7 ゆとりある生活の推進

男性の育児休暇

  • 「男性の育児休業取得や時短勤務の推進をしたい場合、産業政策課と子育て支援課と男女共同参画センターが協力して、事業者に対して直接的に働きかける企画を実施する」と記載があるが、すごくこれは有効だと思う。やはり、男性が育児のために休みを取るというのは、やはりまだまだ休みづらい。やはり事業者がそれを理解しない事には、男性が休みづらいという環境は全く変らないと思うので、行政から事業所に直接働きかけるのは、すごく重要な事になると思う。
  • 現状として、上司に理解があっても、同僚に理解が無いケースもある。同僚というか社会全体としてそういう理解がないと、会社がいくらいいと言ってくれても、働きやすい社会というのは難しいというのが現状でもある。

(会長)

  • 職場で雇い主・上司だけの問題でなくて、同僚達が共通認識を持っていると、上司が多少頭が固くても、対応出来る面ももしかしたらあるかもしれない。昼間子どもが熱出たから、怪我したからということで、保育園や学校から電話かかってくることもあるが、そういうときに、「いいよ、いいよ、早く行ってあげな」というそういう職場をどうすれば作れるかという事かなと思う。

その他

  • 例えば、県や市の行政で実施している「イクボスセミナー」などには、果たして、そこに経営者の方や人事課の人がどれだけ来ているのか、データがあるのかということを疑問に思った。やったという事実だけであって、それで何か前橋が変わるのかということに、参加しながら少し疑問を持った。そういった参加率や情報発信の仕方などが分かれば教えていただきたいと思う。発信方法もこれから考えていくべきではないか。
  • 6ヶ月健診や1歳児健診などは、お母さんが来るのが主だと思いますが、そういう機会にインフォメーションするなどどうか。男性で関心がない人のところにどうやって知らせるかがすごく重要だと思う。保健センターには、男女共同参画の視点は、あまりないかと思うので、男女共同参画センターだけではなくて他の所にも積極的にその視点を入れていくというのが大事かなと思う。

(会長)

  • 参加の実態がどれだけ広がってるのかっていうことを把握する必要性とか、あるいは、もっともっと大勢の人に情報が届く広報の仕方の工夫であるとか、そういったことを課題としてご指摘いただいたと思う。

(2)その他

事務局から策定のスケジュール説明

昨年の7月の27日、市長から「第四次男女共同参画基本計画の中間改訂について」ということで諮問を受けている。本日の審議会の内容を、学識委員を中心に微調整をしていただく。それを受け、3月の上旬を目安にして、審議会から市長に宛てて答申をしていただきたいと考えている。なお審議会からの答申と答申を踏まえた後期計画の素案を庁内の部長級職員で組織する庁内推進会議で諮り、そこで意見を求めたいと考えている。その後、事務局において後期計画をまとめあげて、市長までの決裁を受けて、3月中には後期計画として公表したいと考えている。

関連書類

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更新日:2019年02月01日