平成28年度第2回男女共同参画審議会

審議会名

男女共同参画審議会

会議名

平成28年度第2回男女共同参画審議会

日時

平成29年2月17日(金曜日)
午後2時00分~午後4時00分

場所

前橋市役所 3階32会議室

出席者

委員

斎藤委員、宮嵜委員、前田委員、大島委員、星野(三)委員、新井委員、中山委員、木暮委員、仲道委員、村上委員(注意:途中出席) 10名

施策担当課メンバー

職員課 岡田主任、子育て支援課 木村課長補佐、産業政策課 若島課長補佐 3名

事務局

永田市民部長、都丸生活課長、吉田男女共同参画センター所長、新島主任 4名

欠席者

阿部委員、矢島委員、星野(拓)委員、宮村委員、天宮委員 5名

議題

  1. 「まえばしWindプラン2014」平成27年度実施状況報告に関する提言(案)
  2. その他

会議の内容

1 開会(司会進行 都丸生活課長)

 以下のとおり、説明と報告があった。

  • 施策担当課メンバーも一部参加している。
  • 委員15人中9人の出席により過半数の定員数を満たしており、会議が成立している。
  • 本日の会議録は斎藤会長及び会議録署名委員の中山委員の署名後、全委員に郵送すると同時に市のホームページにも掲載する。
  • 本日の会議は一般公開する。

2 あいさつ

前橋市 市民部 永田部長
前橋市男女共同参画審議会 斎藤会長

3 議題

(1)「まえばしWindプラン2014」平成27年度実施状況報告に関する提言(案)

会長

 学識委員3人で分担し、提言案を3つの項目にまとめた。以下項目順に担当者から説明。

1)男女共同参画推進の意義を再確認する

 2003年に「まえばし男女共同参画推進条例」が制定施行されてから14年が経つ。現在「まえばしWindプラン2014」が基本計画となり、これに基づいて市の施策が実施されている。それら施策については、市が「実施状況報告書」を毎年作成し、本審議会がこの報告書を手がかりとしながら、施策について検討し、市長への提言としてまとめている。
 毎年、このプロセスを重ねてきているなかで、男女共同参画を推進するための市の仕組みが整っているということが分かるが、男女共同参画が市民の生活の中にどれだけ定着してきているのかというと、まだまだそうとは言えない状況がある。これは市がしっかり施策を進めているものの、市民の意識が遅れているといったことではなく、市の施策にはまだまだ課題があって、出来ることがたくさんあるはずだということである。
 市の業務においても、男女共同参画のことが、ルーティンワークとして、深く考えることなくこなしていく対象になってしまっているのだとすると、きちんと仕組みが整っているからといって、その仕組みを進めていけば良いというわけではなく、ひとつひとつの事業を企画し、実施する中で、男女共同参画を推進する意義を確認しながら進める、企画立案していくことが必要である。
 前橋市は、年度当初に2つの「特定事業主行動計画」を公表。1つは「次世代育成支援対策推進法」、もう1つは「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」に基づくもの。計画のなかで数値目標を掲げた場合、何故その数値目標を掲げることに意味があるのかを考え共通認識を作り出し、その上に立って取り組みを強めていく必要があると考える。また、目標値を達成できなかったとしたら、どこが至らなかったのかを考えなければならない。目標値を達成できなかったことが問題ではなく、目標値を達成するためにはどうしたら良いのかを考えていくことが重要な課題である。
 兵庫県では2003年に「第1次男女共同参画兵庫県率先行動計画」を作成し、現在、第5次計画の改訂版に基づいた取り組みを進めている。この率先行動計画は、自治体自ら率先して、男女共同参画の実現の場とするということを意味している。基盤にある考え方は、「県民・事業者・団体等と協働して男女共同参画を進めるパートナーである県自らが男女共同参画のモデル職場となるよう率先して行動することが重要だ」という考え方に立っている。具体的な目標は、意思決定過程への女性の参画促進、働きやすい職場の実現、仕事と生活の両立という3つ。
 このように、前橋市も市民や事業者に好影響を与えられるように「率先」の姿勢を前面に打ち出しながら各種の施策を強化することを期待しているというような文面で原案を用意した。

2)父親も育児を担える地域であるために

 育児と家事の仕事の両立の問題は、認識され始めた頃と今とは捉え方がだいぶ変化をしていて、この変化をしっかりとらえることが大切。この捉え方がずれていると、施策が時代遅れになる、現場の状況に合わないという可能性が生じる。
 少子化が問題になり始めた’90年代は、この問題を女性の視点で捉えていたが、その後状況が変化し、この解決のためには「男性の問題であるという視点」、つまり男性が育児をすることが重要だというふうに分かってきた。それに加えて、男性で育児をする人達の内面的な問題というのが指摘され始めてきている。これは、「子どもに関わりたい」という気持ちの高まりに大きく関係している。
 しかし、「関わりたい」と思っていても関わることが出来ていないという現状がある。育児休業取得率の低さや、子どもと一緒に過ごす時間の減少などが要因にある。このストレスにより、今は父親も育児が上手くいかなくて、鬱傾向というのが見え始めている。子どもの接し方を学びたくてもなかなかそういう場がないという、イライラや不安を抱えている父親達が存在する。
 男性が職場で育児休業の取得や短時間勤務の希望を申し出ようとすると、制度利用を妨害される、嫌がらせをされるといった、パタハラ(パタニティー・ハラスメント)も指摘されている。
 子育てが女性だけの問題という捉え方は、もう過去の視点であって、社会や地域、職場において男性と子育てとの繋がりというのは、当然の感覚になっている。だからこそ、この男性と子育ての繋がりを意識しながら施策を練っていくということが必要なのではないか。
 家事育児を全部一人で切盛りして、その負担が母親に偏りすぎている状態を「ワンオペ育児」とも言うが、そうした状況が、育児という領域だけではなくて、離婚、虐待、シングルマザーの貧困問題といった社会問題に繋がるという視点を持っていただきたい。
 市の男性職員の育児関連制度利用がとても少ない状況を鑑みても、職員の両立の状況を変える必要があるのではないか。もっと男性職員が制度利用できるようにして、まずは職員がモデルとなっていただくということを望む。それが難しいのであれば、どうして難しいのか、男性職員がその制度を利用出来ないのかというところを調べて、改善していく必要があると思う。
 男性職員の働き方が変わって、休暇が取得出来るようになれば、社会にいる多様な人達の状況が職場に反映され、市民が抱えている問題が、より実態として把握できるのではないかと思う。そうした多様性を受け入れることが、施策を練っていく際の気付きになり、良いアイディアが生まれるのではないか。そうすることで、施策に包容力のあるものが生まれ、豊かで、色々な人々を包括する強い町というのを作るエネルギーになっていくのではないか、魅力のある前橋市になるのではないかと思う。
 これを強力に推進する方策としては、管理職の方による特別な取り組みがあっても良い。例えば、イクボス宣言といった、上司自らが施策展開のモデルとなって色々やっていただくような取り組みがあっても良いのではないか。子育てが年々困難な営みになっていく中で、旧態依然な女性がやっていれば良いというものではなく、男性が育児も介護も当たり前にする地域に変えるということを、重要な課題として提案させていただく。

3)配偶者暴力相談支援センターの設置にあたって

 2017年度設置の配偶者暴力相談支援センター(以下、「センター」という。)については、被害者支援の中心的役割を担う機関となるよう整備していただきたい。
 市でセンターを設置するメリットは、身近な場所でワンストップ支援ができる、法律で定められた対応や社会保険の関係で使えるDV相談の証明書が発行出来ることである。センターが機能を十分に果たすようになれば、前橋市の被害者支援は大きく進むことになる。
 また、市民にセンターが設置されたということが周知されると、市民からの相談件数が大幅に増加することが予想される。今後それに対応するためには、相談員の数や質の確保が重要である。相談員の数については、まず1名増員予定であるが、その後の増員に関しても状況に応じて早急に対応してほしい。また、相談の質の確保については、スーパービジョン研修などでその維持や向上を図るとともに、法律、医療、心理学といった専門家相談も導入するなどして相談の充実を図ることも必要である。また、女性だけでなく男性相談者の増加も想定されるので、それに対応できるようにしなければならない。
 センター設置においては、相談者や相談員の安全を確保することも重要である。センターの窓口だけでなく、庁内その他の窓口でも、もしかしたらDV加害者がトラブルを起こすということも考えられことから、安全確保については、庁内全体で検討準備する必要がある。
 関係部局や外部機関と協力・連携してセンターにおけるワンストップサービスをきちんと制度として早急に確立するとともに、支援実績のある民間団体と連携協力すること、避難した場合のシェルターの数を市においても十分確保するような措置ををすることなども検討していただきたい。
 こうした人員確保や安全対策など設備の設置には財政的措置が必要であるが、センターが地域のDV被害者支援の要となることを期待する。

審議委員ならびに施策担当課の主な意見
1)男女共同参画推進の意義を再確認する

意義の再確認

  • 事業実施にあたり、男女共同参画を推進する意義を考えてやっていくことが必要。
  • 事業を企画し、実施する中で、「男女共同参画を推進するというのはどういう意味があるのか」ということを問い返しながら進める、企画立案するということがポイント。この部分をもっとパンチをきかせて提案に盛り込んでほしい。

ワークショップの必要性

  • 市の職員皆が集まり、ワークショップのようなことを実施しない限り、共通認識を持つことが出来ない。
  • 男女共同参画を推進するには、職員の本音を引き出せるようなワークショップなどを実施したら良いと思う。
  • 例えば、目標とする年休取得日数を掲げることについて、それがどうして大切なのか、男女共同参画にどう関係しているか、職場の皆で意見交換していただくと良い。
  • 職員の年休取得については、それぞれが仕事と家庭の両立をするうえで、有効に活用し合える環境が大切。
  • ワークショップ方式は、率直な意見交換が出来ることがメリットである。

教育の役割の大切さ

  • 低年齢層の人達が、男女共同参画について、もっと教育の場で学習する、具体的に話し合う機会を設けておかないと、社会に出てから男女共同参画についての理解をすることが難しい。
  • 男女共同参画推進条例を策定する際、「教育の役割の大切さ」が委員の認識としてあった。学校の先生や保育者に認識を深めていただき、それを日々の教育活動の中に活かしていただけると良いと思う。

その他

  • お互いが仕事と家庭、個人のバランスがとれる職場を意識するために目標をつくっている。
  • 「ワーク・ライフ・バランス」と言った時に、ライフをつい、育児や介護とどう両立するかという話が中心となるが、それだけでなく、趣味の時間をとるとか、そういうことも含めて捉えていくというのが大事な視点である。
  • 2003年に男女共同参画推進条例が制定されてから14年経つにもかかわらず、このような提案をしなければならないということは取り組みが非常に遅れているのではないかと思う。
2)父親も育児を担える地域であるために

原因をつかむ

  • 市男性職員の育児休暇取得率が何故こんなに低いのか、アンケートを実施するなどして、原因をつかんだうえで、改善するための方策を考えないといけない。
  • 男性職員の育児休暇取得率が低いのは事実だが、その原因として考えられるのは、それぞれの家庭の状況といった個々の部分ではないか。
  • この施策をどうすることが良いのかということを各職場で担当者任せにしないで、例えば、職員総出で議論してもらうことも考えたらどうか。

‘長’による取り組み

  • 市の組織のなかで男女共同参画が進まないその原因のひとつは、その風土である。上層部の意識はとても大切だと考える。
  • 市長あるいは部課長の皆さんに、何かはっきりした取り組みをしていただけるように働きかけていきたい。「イクボス宣言」のように何か宣言していただくのもひとつの方法である。

イクボス研修の実施

  • 父親の育児に関しては、職場の上司や同僚の理解が大切なので、「イクボス」というような内容の研修を実施したほうが良い。
  • 企業のボスや管理職に対して、少しずつでも男女共同参画の部分を浸透させていければよいので、男女共同参画センターでもイクボスなどのセミナー等を実施してほしい。
  • イクボスセミナーを実施するのであれば、自分がイクボスをやっている方を講師に招いて講演会を実施した方が説得力がある。
  • イクボスに関する講座は、産業政策課と男女共同参画センターが合同で開催するなど、継続して実施してほしい。

父親対象の講座を企画する

  • 子育て支援活動をしている団体であるが、孤立する母親たちをどう支援するかということが施策としてあったら良いと思う。
  • 孤立する母親たちには、子育て支援センターや地域の保健推進委員といった地域を含めて気づいたら声がけをしていくような支援が必要。
  • 男性がお子さんを連れて外出できる環境が、少しずつ増えていると感じる。
  • お父さんが増えてきたということが分かってきたということであれば、父親を対象とした企画を考えてほしい。
3)配偶者暴力相談支援センターの設置にあたって

秘密の厳守

  • 住んでいる地域に相談することを躊躇する方もいる。秘密が厳守されることをしっかり明記することで、相談がしやすくなると思う。

(2)その他

 審議していただいた提言案は、本日の意見等を加味して、再度学識委員さんに内容を確認していただき、提言書としてまとめる。提言書は、審議員に写しを送付させていただく。
 今年度は、その提言書を学識委員さんから直接、3月27日(月曜日)に市長に渡していただく予定。
 提言書は、部課長で構成しているメンバーに送るほか、庁内のホームページにも掲載をする。

関連書類

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お問い合わせ先

市民部 共生社会推進課 人権・男女共同参画係

電話:027-898-6517 ファクス:027-221-6200
〒371-8601 群馬県前橋市大手町二丁目12番1号
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更新日:2019年02月01日