薬物乱用は「ダメ。ゼッタイ。」
薬物乱用とは

医薬品を本来の医療目的からはずれた用法や用量で使用したり、医療目的にない薬物を不正に使用することをいいます。医療目的の薬物は、治療や検査のために使われるものなので、遊びや快感を求めるために使用した場合は、たとえ一回使用しただけでも乱用にあたります。
薬物にはどんなものがあるの?
大麻

大麻草の葉を乾燥させたもの(マリファナ)や、樹脂を固めたもの(ハシッシュ)などがあります。摂取すると、気分が高揚、陽気になり、興奮状態になって暴力的になったり、さらには幻覚や妄想等に襲われます。体への影響も大きく、男女ともに、生殖機能に支障をきたし、不妊、流産、胎児の死亡を起こしたり、染色体異常が現れるという報告もあります。
所持したり、提供したりすることはもちろん、大麻草の不正栽培も処罰対象となります。
大麻について詳しくは大麻を正しく理解していますか?(群馬県薬務課ホームページ)をご覧ください。
覚醒剤

覚醒剤にはアンフェタミンとメタンフェタミンがあり、メタンフェタミンは生薬の麻黄の成分であるエフェドリンから合成され、白色、無臭の結晶です。水に溶けやすい性質があり、静脈注射や加熱によるガス吸入などの方法で摂取されています。乱用される薬物の中でも、特に依存性が強く、繰り返し使用していると脳に強い障害を引き起こします。一度に大量に乱用すると、急性中毒により死亡することもあり大変危険です。
危険ドラッグ

危険ドラッグは、「脱法ハーブ」や「合法アロマ」などと称し、多幸感や快感を高めたり、幻覚作用等を有するものとして販売されています。麻薬や覚醒剤などの法律で禁止されている成分とは異なるため、「合法」と称し、安全なものであるかのような誤解を与えますが、実際には規制された成分を含んでいることも多く、持っているだけで処罰されることもあります。危険ドラッグに含まれる物質は人への安全性・毒性などが確認されておらず、麻薬や覚醒剤と同じ、またはそれ以上の恐ろしさを持っています。
危険ドラッグについて詳しくは危険ドラッグに注意してください(群馬県薬務課ホームページ)をご覧ください。
コカイン
コカインは、南米産のコカの木の葉を原料とした薬物で、無色の結晶又は白色の結晶性粉末で、無臭で苦味があり、「麻薬及び向精神薬取締法」で麻薬として規制されています。覚醒剤と同様に神経を興奮させるため、気分が高揚し、眠気や疲労感がなくなります。しかし、覚醒剤に比べて効果の持続時間が短いため、一日に何度も乱用するようになります。
ヘロイン

けしを原料とした薬物で、けしからあへんを精製し、あへんから抽出したモルヒネを精製して作られます。色は純度によって、白色や灰色、褐色があり、また形状についても、粒状、棒状など様々です。神経を抑制する作用があり、乱用すると強い陶酔感を覚えることから、強い精神的依存が形成されます。また、身体的依存も強いことから、効果が切れると、悪寒や痙攣、失神等の激しい禁断症状が現れることがあります。
日本では、医療用としての使用も含めた全ての使用、製造等が禁止されています。
LSD
LSDは合成麻薬の一種です。LSDの形状には、水溶液を染みこませた紙片、錠剤、カプセル、ゼラチン等があります。
MDMA
MDMAは合成麻薬の一種です。白色結晶性の粉末で、錠剤またはカプセルの形で密売されています。注射器等がなくても簡単に服用でき、見た目がカラフルでお菓子のような外見のため、若者の間で乱用が増えています。興奮作用と幻覚作用を併せ持つ恐ろしい薬物で、強い精神依存性があり、乱用を続けると錯乱状態になり、腎・肝臓の障害や記憶障害等の症状も現れます。
シンナー・トルエン

シンナーは、透明な液体で、ペンキやラッカーの薄め液に含まれていて、私たちの生活を便利にするために使われています。私たちの体は、水や脂肪、筋肉、骨で出来ていますが、シンナーは、このうち、水以外の脂肪や筋肉、骨を溶かしてしまうため、非常に危険です。乱用を続けると、脳が冒され目が見えなくなったり、歯がぼろぼろになるなど、心と体の健全な発達が妨げられます。
医薬品

本来、病気の治療に用いる医薬品が、陶酔感を求めて乱用されることがあります。医薬品には、決められた服用量や服用方法、適応症があり、これらを守らないと、逆に身体に害を与えることがあります。また、病院などで処方される医薬品は、患者の症状に合わせて医師が処方するものですので、自分に処方された医薬品を他人に譲ることは、思わぬ害を誘発することにつながり危険です。
薬物乱用がもたらす悪影響
特徴的な薬物の性質として「依存性」と「耐性」が挙げられます。こうした薬物を乱用することによって、健全な心と体を失い、社会生活にも大きな影響を及ぼします。
心と体への影響

薬物の効果がきれると、イライラしたり、不安に襲われ、それから逃れようとまた薬物を使う、という悪循環を繰り返します。また、使用を繰り返しているうちに、今までの量では効果が薄くなっていき、どんどん回数や量が増えていきます。やがて、幻覚や妄想にとらわれ、人格に異常をきたすようになり、犯罪を起こすこともあります。また、肝臓、腎臓など、全身の臓器が影響を受け、時には命をおとすことさえあるのです。
社会への影響

働くことへの意欲がなくなる、また、薬物を手に入れるために犯罪を犯すなど、社会生活に大きな影響を与えます。また、長い間、薬物を使用していると、幻覚・妄想の出現、情緒不安定、食欲減退などの症状が強くなり、家族や周囲の人に暴力をふるったり、常に凶器を携帯するなどの異常な行動をとるようになります。家族や周囲の人は、それらに振り回され、恐怖と苦痛の毎日を送らなければなりません。
薬物の誘惑に負けないために
薬物の誘惑は、いたるところに存在しています。
薬物乱用は、友人や先輩から誘われ、「おもしろそうだったから」「仲間はずれになりたくない」という気持ちから、つい手を出してしまうケースもあります。
薬物は、たった一度使用しただけで、一生を台無しにしてしまう恐ろしいものです。誘いを断ることは、悪いことではありません。薬物の恐ろしさを正しく理解し、どんな誘惑にも負けない強い意志を持ちましょう。
大切なのは、「正しい知識」と「断る勇気」。
一瞬の快楽、好奇心にまどわされてはいけません。自分自身を大切にしましょう。
前橋市保健所の取り組み
前橋市保健所では、「薬物乱用防止前橋地区推進連絡会議」を組織し、薬物乱用防止の啓発活動を行っています。


令和5年度の主な活動実績
(1)6.26ヤング街頭キャンペーン
日 時 6月26日(月曜日)
場 所 JR前橋駅、新前橋駅周辺
参加者 29名(指導員26名、他団体等3名)
内 容 早朝の通学、通勤者約2,950人を対象に薬物乱用防止の一声運動の実施
(2)前橋まつりキャンペーン
日 時 10月7日(土曜日)
場 所 前橋市中心市街地(前橋プラザ元気21 中央公民館)
参加者 24名(指導員24名)
内 容 まつり来場者約2,400人を対象に薬物乱用防止の一声運動の実施
(3)まえばし学校フェスタキャンペーン
日 時 11月18日(土曜日)
場 所 前橋プラザ元気21
参加者 18名(指導員18名)
内 容 来場者約800人を対象に薬物乱用防止の一声運動の実施
令和6年度の主な活動予定
(1)6.26ヤング街頭キャンペーン
日 時 6月26日(水曜日)7:00~8:30
場 所 JR前橋駅、新前橋駅周辺
内 容 薬物乱用防止の一声運動の実施
(2)前橋まつりキャンペーン
日 時 10月12日(土曜日)
場 所 前橋市中心市街地(前橋プラザ元気21 中央公民館)
内 容 薬物乱用防止の一声運動の実施
(3)前橋工科大学学園祭キャンペーン(新規)
日 時 10月27日(日曜日)
場 所 前橋工科大学
内 容 薬物乱用防止の一声運動の実施
薬物に関する相談窓口

- 前橋市保健所
保健総務課 医事薬事係 027-220-5782
保健予防課 こころの健康係 027-220-5787 - 群馬県庁薬務課 027-226-2665
- こころの健康センター 027-263-1156
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更新日:2024年06月27日