上水道の歴史4

浄水場の施工2

浄水池(現在の配水池)

浄水池は2池あります。1池の大きさは、長さ28.6メートル・幅17.9メートル・水深3.6メートルで、2池合わせた貯水量は3740立方メートル。人口8万人に対する当時の計画給水量の約4時間半分を貯水できました。
池の中には7列の導水壁を作り、浄水を迂回流動させるようになっています。底部分はコンクリートを13.6センチメートル施し、その上に厚さ21.2センチメートルの鉄筋コンクリートを施工しました。側壁はコンクリート造りとし、上部は厚さ12.2センチ下部は18.2センチメートル。その上にレンガを張った構造になっています。
流動壁はレンガ作りで、その上に5連の支えにより、更にその上に75.7センチメートルの土を敷き、芝を張り、通気管が設置してあります。導水管は内径60センチメートルの鋳鉄管でポンプ室に送水しています。(現在でも2系統で使用し、管理をしています。)

ポンプ場

ポンプ場の基礎工事は、水源工事及び浄水池工事との関連が深く、藤原組との随意契約によって施工。基礎工事は昭和3年3月に着工し、同年12月、上屋とも完成しました。

ポンプの概要(ポンプの仕様は1台あたりの数値)

高揚程ポンプ2台
  • 口径17.8センチメートル
  • 1段式タービンポンプ
  • 最高揚程36.4メートル
  • 揚水量毎分2.73立方メートル
高揚程ポンプ3台
  • 口径25.4センチメートル
  • 1段式タービンポンプ
  • 最高揚程37.3メートル
  • 揚水量毎分5.62立方メートル
低揚程ポンプ5台
  • 口径20.3センチメートル
  • 1段式渦巻ポンプ
  • 最高揚程13.2メートル
  • 揚水量毎分3.33立方メートル

モーター(ポンプ用電動機)

電動機は、10台のすべてにスプリング開放型三相交流誘導型を設置しました。

ポンプ用モーター仕様(概要)
容量(馬力) 台数 電圧(ボルト) 周波数 回転数(毎分) 使途
35 2 三相200 50 1500 高揚程用
70 3 三相3000 50 1500 高揚程用
20 5 三相200 50 1500 高揚程用

予備発電機(非常用)設備

送電の不時や停電に対して、ポンプ機器の動力源として予備発電設備を設置しました。また、受電中にもこの設備を併用して機器の動力源として使用し、揚水機器の完全な運転ができるようにしました。

重油機関1台

発電機の動力源として使用。縦型4サイクル・ソリッド・インジェクション式6気筒エンジン、出力200馬力、回転数は毎分375回転。

発電機1台

上記の重油機関に直結して発電。3相交流誘導150キロワット、電圧200ボルト、周波数50ヘルツ。

配水塔

配水塔の基礎工事は自営で、上部構造工事は長岡鉄工所と随意契約で施工しましたが、予定価額を超過し、昭和4年3月に竣工しました。

  • 基礎は、幅1メートル、厚さ1.8メートルの鉄筋コンクリートを環状帯にし、塔脚を固定し耐久性に優れ、地震などに極めて強い構造になっています。
  • 脚柱は5つに分割し、L形鉄棒4本と各裏3面を鉄板で覆い1面は鉄帯を組み合わせ5本繋いで1本の柱としました。水槽を8本の柱で支えています。基礎から水槽固定部までの高さは22.5メートルあります。
  • 配水塔の水槽部分は内径10.5メートル、満水時の水面まで27.9メートルあり、水圧約1平方メートル28キログラムを得ることができます。満水時の容積は892.63立方メートルあります。
  • 水槽の下部は1.87センチメートル、上部は0.94センチメートル厚の鋼鉄で造られています。
  • 配水塔への引入管、引出管(配水管)は、共に60.9センチメートルで、溢水管は直径40.6センチメートルの鋳鉄管が使われています。
  • 配水塔の高さは地上37.42メートル(避雷針を含む)あります。
  • 水槽の周りに断熱材として珪藻土をはり、その上は銅版で覆われています。屋根は厚さ約4ミリメートルの銅版で覆っています。
  • 水槽の上部、下部の半円球状内部は、傘骨状にL型鋼を配し、水平材としてL字鉄を組み強度を強めています。水槽の垂直部には15.2センチメートル間隔にL字鉄を配し、それに水平材としてL字鉄により十字を作り水槽を強化しています。
  • 鉄材は、八幡製鉄所製が使用されています。(当時の官営八幡製鉄所)

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更新日:2019年02月01日