前橋市の上水道の歴史12

監視室

平成2年3月に6億1500万円をかけて、遠方監視制御装置が完成しました。
このシステムは、10か所ある浄水場の、次のような内容を監視しています。

1. どのポンプが動いているか。
2. 浄水場で、どのくらい水を汲み上げているか。（取水流量計）
3. 濁りがどのくらいあるか。（濁度計）
4. 消毒薬品（次亜塩素酸ソーダ）残留塩素がどの位あるか。（残留塩素計）
5. 配水池にどの位の水があるか。
6. 配水量はどの位か。（流量計等）

こうした浄水場10か所と受水場の配水量などが、監視室にある大きなグラフィックパネルに表示されます。これらのうち、大切な情報は、自動記録計で24時間記録されています。また、監視室では安全な水を配水できるように、敷島浄水場内をカメラで監視をしています。
ここで働く人は、交代で24時間モニターを見がら、安全な水をいつでも使えるように働いています。
（停電しても発電設備が自動運転し、コンピュータは動きますので心配はありません）

前橋市水道資料館

浄水構場事務所の建設（現在の前橋市水道資料館）

水道資料館は、昭和4年3月、敷島浄水場の構場事務所として竣工しました。設計は、当時の建築界で高名な野田俊彦工学士（建築非芸術論の提唱者）です。
床面積は、1階が175.0平方メートル、2階が115.5平方メートルの床総面積290.5平方メートル。鉄筋コンクリート造りで、屋根は小屋組み木造、エメラルドグリーンの瓦葺きで、構内監視のために物見塔（当時の呼称）と、6か所に採光のための半円形天窓があります。
1階窓下は、多胡石（群馬県多野郡山地より採石）の粗石乱積みになっています。地下室には配水管流量計があり、現在でも監視棟のコンピュータに流量をリアルタイムに送信しています。
施工は、入札により市内の佐藤栄太郎氏（現在の佐藤建設株式会社（前橋市城東町）)が請負ました（請負金額5,250円）。

建設当時の使用部屋名

1階

応接室、主任室、工夫溜り、小使室、流量計室（地下室）、宿直室、便所、「玄関広間」の7室。

2階

事務室、図書室、「露台」（テラス）の2室。（テラスは室数に含まず。）
なお、部屋数の合計9室の他に、玄関広間・テラスがあります。

全国近代水道百選

昭和60年5月、浄水構場事務所（現在の水道資料館）、配水塔などが全国近代水道百選に選ばれました。

水道資料館の誕生

平成元年、前橋市の水道給水60周年を記念して、行政や事業への理解を深めてもらうために、建物を改修し、「水道資料館」として新たに誕生しました。1階は、前橋市の地形模型をはじめとして「わがまち前橋の水と水道」と題し、水の秘密やQ&Aなどを設置。2階は、敷島浄水場の模型や「水道とくらし」「わがまちの水道」を展示し、市民に親しまれています。

登録文化財

平成8年12月、配水塔と共に登録文化財に登録。5・6月には、市内小学校約40校の社会科見学活動の一環として訪れます。（1年間に小学生が約2,300人来館。社会科指導要録に基づく説明や施設の見学）
水道資料館の開館以来、約46万人が来館（平成18年度末現在）しています。

来館者の質問及び、話題

浄水場の施設説明の要望から、近年は、おいしい水道水や健康によい水道水（ミネラル）に関心が高まっていると感じます。

敷島浄水場の所在地・規模

所在地

前橋市敷島町216番地（電話番号027-231-3075）

浄水場の敷地面積

約63,355.744平方メートル（約19,199坪）

市民と施設のふれあい

敷島浄水場竣工当時、水道技師として招聘された黒沼才一郎氏と、当時の公園技師淺川英一氏が植栽した、九州のツツジ43種、約370本が満開の時期（5月上旬の浄水場開放日）に、ツツジの鑑賞を兼ねて施設内を見ることができます。

前橋市水道資料館の見学

水道資料館は、無料で資料を見たり、説明を聞いたり、パソコンを使ったりして楽しく水道施設などを知ることができます。

開館時間

午前10時から午後4時

休館日

火曜日・水曜日
なお、浄水場の設備と水道資料館の見学や説明は、10人以上で事前に申し込みを受けています。

申し込み

前橋市水道局浄水課（電話番号027-231-3075）
（申し込みは、土曜・日曜・祝日を除きます）