移住定住促進地域おこし協力隊の活動

移住定住促進地域おこし協力隊

観光政策課では、地域外人材を活用して地域の活性化を図る「地域おこし協力隊」を登用し、移住定住の促進を図っています。

移住定住促進地域おこし協力隊について

協力隊員

上原 裕介 氏

出身地

東京都

開始時期

令和4年6月1日から

活動内容

前橋への移住定住促進事業に関すること

経歴

大学院にて医工学・生物模倣(バイオミメティクス)の分野について研究。

卒業後は製造分野の業種を経験。前橋市の地域おこし協力隊インターンに参加し、本隊として活動することを希望。

抱負

自分が前橋市を訪問して感じた、前橋市のスローシティの精神、都会や映像では感じえない赤城山や自然の雄大さ、地域に活気を興そうとしている方々の姿勢を移住希望者に伝え、移住者の希望を地域と協力して叶えることで、前橋市への移住希望者・定住者が増え、前橋市が発展していけるように尽力していく所存であります。

上原裕介(地域おこし協力隊)

移住定住促進地域おこし協力隊 活動記録

前橋市移住定住促進地域おこし協力隊の活動記録です。

随時更新していきますのでぜひご覧ください!

前橋市「移住定住促進」分野 地域おこし協力隊 上原 裕介(うえはら ゆうすけ)の活動記録

~空き家を再生します。『赤城山石井ハウス編』1~

地域おこし協力隊員になってから、何度も空き家を見に行くようになりました。そのたびに感じることがあります。「人がいなくなった家は、今の在り様を見せながら、過去を見せているような、空虚な雰囲気を漂わせている。家にとって人の存在は大切なんだ。」と。

空き家となってしまった場所に、再び人の存在を生み出すことは、とても難しい問題です。個々の物件の条件にもよります。タイミングもあるでしょう。空き家になってから歳月が過ぎてしまえばしまうほど、その難しさは増していきます。再生が難しい空き家が1軒、また1軒。何とかできないものか。1軒でも良いので、地域おこし協力隊員であるうちに、空き家の再生に携わりたいという思いが強くなって行きました。

そんな矢先、縁あって、とある空き家物件を、移住希望者が地域を知るための場所に再生しようとする民間主導プロジェクトが立ち上がりました。そして、私はなんとその管理人を任せていただけることになりました。

思いはあってもずぶの素人。不安な気持ちでいっぱいでした。前橋市には移住相談窓口として移住コンシェルジュの鈴木正知さんがいらっしゃいます。私は鈴木さんのお仕事を手伝いしつつ、色々な相談に乗ってもらっています。強い味方です。そして、鈴木さんの周りには移住サポーターとして様々な分野で活躍されている方々が大勢いらっしゃいます。そんな心強い仲間が周りにたくさんいてくれているので、自分の成長のためにもお引き受けすることにしました。挑戦です!

この空き家は、前橋市の北部に位置する富士見町石井にある築40年以上の中古住宅です。プロジェクトメンバーと相談して、『赤城山石井ハウス』と命名しました。

『赤城山石井ハウス』は、以前住んでいた方が亡くなった後、ご子息によって不動産屋に売られました。長い間、空き家となっていましたが、某旅行会社を退職後、地域での持続可能な旅のあり方を模索したいと新たな事業を始められたNさんに購入されました。Nさんは、前橋市のスローシティの取り組みや移住コンシェルジュの鈴木さんの地域に根差した様々な活動に共感され、この前橋の地を新たなチャレンジの場所に選んでくださいました。私もNさんの思いに感銘を受け、空き家再生の一助になればとお手伝いすることを決めました。

この『赤城山石井ハウス』を移住希望者が地域を知るための、移住のお試し体験をできる場所として、また地域の方々が集い地域を活性化する拠点として活用すべく再生していくことになります。

今後、『赤城山石井ハウス』での取り組みを随時記していきたいと思います。是非ご覧ください。

赤城山石井ハウス外観

~空き家を再生します。『赤城山石井ハウス編』2~

私が『赤城山石井ハウス』を初めて訪れたのは、2023年1月下旬に差し掛かるころでした。その時は外からの見学のみでした。広い庭が印象的でした。「立派な庭だったのだろうな。」と寂しい感情が込み上げて来ました。

1月という時期にもかかわらず、木々の枝は繁茂し、いたるところから雑草が生えていました。以前の持ち主の方は庭いじりが好きだったのでしょう。たくさんの木が植えられ、庭石もほどよく配置されていました。きっと季節ごとに綺麗な花々が咲き、住人を魅了していたのだろうと、当時のことを思うと、人の手入れが滞り、私たちを遠ざけるかのような今の有様を見て、残念でなりませんでした。

庭の様子
建物内の様子

内見できたのは2月に入ってからでした。室内は庭の荒れようと打って変わって、片付いていました。ご子息が定期的に掃除されていたようです。玄関や室内は広く、トイレはリフォームされており、洋式でウォッシュレットが付いていました。私が今住んでいるトイレにさえ付いていないのに。それでも、経年劣化による傷みや汚れが目に付きました。

これから、『赤城山石井ハウス』の改修に取り掛かります。

~空き家を再生します。『赤城山石井ハウス編』3~

『赤城山石井ハウス』の改修には、まず畳の傷み具合、床下の状態を確認する必要がありました。

畳張替え前
畳撤去後

廊下や室内の残留物(掃除用具やベットの骨組みなど)を台所に集め、畳屋さんに畳を回収してもらいました。畳の回収時に畳屋さんから興味深い話を伺うことができたので、いくつかご紹介します。畳の知識なんて皆無だったので、なるほどなと思いました。

●住居の畳は部屋の大きさに合わせてオーダーメイドする。

●部屋によって縦横の大きさが異なり、畳と畳の組み合わせ方や決まった位置への配置を行わないと部屋の形に入らない。そのため、畳の裏側には番号や記号が記されていて、そのとおりに入れて行けば綺麗に納まる。

●畳には芯の部分と表面部分があり、芯の部分が無傷なら表面部分を交換することで再度使用することができる。表面部分を変えるだけで長期に使用できる。

『赤城山石井ハウス』の畳は、純イ草製で、1畳の重さはなんと30キログラム。成人男性である私は一人で持ち上げることができませんでした。こんなに重たいとは。純イ草製の畳は重すぎるので素人が持つと体を壊してしまうらしいです。

畳屋さんは畳上げの道具、鉤(かぎ)で軽々と畳を持ち上げ、軽トラックまで運んでいました。その姿はまさに職人。

畳が回収された後、地元の皆さまからご指導いただき、腐食したり、割れてしまった一部の床板を剥がし、新しい床板を張り直しました。まるで大工さんのような日々を送りました。

床板撤去後
床板張替え後

3月中旬には、30畳以上あった全ての畳が戻り、新しい畳が敷き詰められました。空き家が少しずつ息を吹き返すようで、嬉しい気持ちが込み上げてきました。

畳張替え後

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文化スポーツ観光部 観光政策課

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更新日:2023年08月30日