日本理化学工業株式会社見学を経て
2025年1月に、日本理化学工業株式会社を見学させていただきました。
日本理化学工業株式会社は、全体の約70%が知的障害のある社員です。障害のある社員が、まず今ある能力で仕事ができるように、そしてより能力を高めていけるように、作業方法の工夫・改善を行い、環境作りに取り組まれています。
「すべての世代にらくがき文化創造」「キットパスを世界ブランドに!」というビジョンを目指し、60年以上にわたり知的障害のある社員とともに歩んでこられました。
社員全員でお互いを知り、敬う心を前提に全従業員の働く幸せの実現を目指されています。

キットパスで描かれた社屋の窓ガラスアート

大山社長のお話
描く楽しさを思い出すキットパス体験も
見学では、代表取締役社長の大山泰弘様が直々にご案内くださり、社員の皆様が自身の役割をしっかり全うされて就労に精を出されている姿がよく伝わってきました。大山様と社員の方々のやり取りを実際に拝見させていただきましたが、お互いを信頼し合って業務を進めている姿は障害者雇用の理想形ともいえるのではないでしょうか。
大山様のお話の中で、マーケットとしての需要は社会の電子化や少子高齢化の波を受け縮小している厳しい現実のお話もありましたが、社員のために会社を存続させていく強い意志や責任感を未来の希望となる商品に込められている様子が伺えました。様々な商品は手に取りたくなる魅力が詰まっており、「すべての人に描く楽しさを思い出してほしい」という描くことへのハードルを下げる、そして描くことで人とつながる、真の楽しさを知ってほしいという発信力を感じました。

工場内の作業の様子


出荷部門 りぼんで感謝を伝える

【いくつか質問にお答えいただきました】
Q 採用ルートは?
A 会社に一人で通うことができる特別支援学校の学生に春・秋に声をかけている。
従業員とその家族との連携も必須なので、家庭も見ている。
Q 採用基準は?
A 特に無いが、
1.身の回りのことが自分でできること
2.簡単でも良いので意思表示ができること
3.自分ができることを精一杯頑張ることができること
4.周囲に迷惑をかけないこと(やって良いことと悪いことの区別がつくこと)
5.約束を守れる、守ろうとする意志をもっていること
を目安としている。
「この現場に必要な人だから雇っている」
「障害のある人は、私たちにとっても仕事の不都合を教えてくれる人。
守ってあげる人ではなく、一緒に未来を創っていく人である」
「社員一人ひとりが戦力になるように、『マニュアルは人に合わせればよい』
『最終的な結果(成果)が合えばよい』」
という大山様の言葉が印象的でした。
就労支援部会として、企業様の努力を学ばせていただき、微力ながら応援し、こうした取り組みを発信していくことに意義を見出し続けていけたらと感じます。
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更新日:2025年03月19日