平成30年度第2回前橋市自然環境保全推進委員会

審議会名

自然環境保全推進委員会

日時

平成31年2月8日(金曜日)
午後2時00分から午後3時30分

場所

前橋市役所本庁舎 3階 31会議室

出席者

(1)自然環境保全推進委員

金井委員長、篠原副委員長、姉崎委員、大嶋委員、大森委員、金杉委員、小西委員、土屋委員

(2)事務局

神山環境政策課長、大山課長補佐、亀井主事

(3)自然環境調査(植物)業務受託会社

株式会社緑生研究所 庄司氏、高島氏

欠席者

なし

議題

1. 前橋市自然環境調査(植物)について
2. 平成31年度前橋市自然環境調査(鳥類)について
3. その他

会議の内容

1 開会

神山環境政策課長

2 あいさつ

金井委員長

3 議事

議題に入る前に、委員会の成立要件の確認を行い、委員8名中8名の出席により本日の会議が成立していることが報告された。

(1)前橋市自然環境調査(植物)について

議長(金井委員長)
それでは、議題(1)前橋市自然環境調査(植物)について事務局より説明をお願いしたい。

事務局(亀井主事)
資料1「前橋市自然環境調査(植物)報告書(案)」及び資料2「前橋市自然環境調査(植物)概要版(案)」に基づき、説明を行った。

議長(金井委員長)
ただいま事務局から説明があったが、資料1について各委員さんから質問や意見などがあれば発言をお願いしたい。

金杉委員
4ページ調査方法について現地で識別できない場合などは、必要に応じて持ち帰り同定し、同定が困難な種類は標本を採取することとしたと記載されているが、標本個体は今後どうするのか。

調査会社(高島氏)
現在、新聞紙に挟み、押し葉標本の状態で保存している。取り扱いについては今後協議したい。

調査会社(庄司氏)
前回調査時は、形がきれいなものを新聞紙に挟み標本にし、情報をまとめたものを群馬県立自然史博物館に収めた。今回も同様の対応を想定している。

金杉委員
重要種など前回同様、公的機関に収めるのが好ましい。大森委員とも協議し、調整してもらいたい。

議長(金井委員長)
資料館のような施設は市にあるか。

神山環境政策課長
基本的にはない。部分的だが、児童文化センターにいくつか預かってもらっている物がある。

議長(金井委員長)
どんな時代でも資料はしっかりと残していかなければ、後につながらない。保管することは最後の大変な仕事になるが、よろしくお願いしたい。

大森委員
標本は自然史博物館で保管できればと思う。標本を保管することで、疑問などが生まれた場合、標本をあたることが可能となる。また、参考資料として読みたい場合、標本にアクセスできることが必要なため、公開された標本庫といえる場所に保管されることが理想である。

神山環境政策課長
調査終了までには調査会社と協議し、対応したい。

土屋委員
資料2の4ページ、特定外来生物のところだが、オオカワヂシャがキク科と記載されているが、ゴマノハグサ科ではないか。

調査会社(高島氏)
ゴマノハグサ科である。修正したい。

土屋委員
資料2の3ページ下に環境省RL、群馬県RLとあるが、2018年版は出ているのか。

調査会社(高島氏)
ともにインターネット上で公開されている。環境省や群馬県のホームページで確認することができる。

姉崎委員
ホームページ上で確認されたのであれば、URLを記載したほうがよい。

調査会社(高島氏)
承知した。

金杉委員
資料2の4ページの特定外来生物のところだが、一般の人向けに配布するものであれば、原産地を記載したほうが外来種ということがわかりやすい。

調査会社(高島氏)
承知した。

姉崎委員
資料2の4ページの特定外来生物のところだが、オオキンケイギク、オオハンゴンソウのレイアウトがほかと統一されていない。また、3ページの重要種の例の写真だが、植物名のキャプション配置がバラバラのため、統一すること。

調査会社(高島氏)
修正する。

姉崎委員
資料2の3ページだが、サナギイチゴが群馬県のレッドリストから外れているが、対象になっていないという認識でよいか。

大森委員
2018年部分改訂版までの群馬県レッドリストには入っていない。環境省のレッドリストは群馬県のレッドリストを作成した直後に作成され、サナギイチゴが入った。群馬県の第三次では調査対象としているため、表の通りとなる。群馬県ではそれほど減っているという認識はない。環境省ではシカの食害で山梨県や神奈川県で減っているという認識が強い。シカの食害は、山梨県や東京方面と北関東や福島方面で違うということである。
また、資料2の6ページや報告書の中にもあるが、自生種という表現は、栽培種と誤解を招きやすいため、在来種と記載することが好ましいが、表現が難しいため、自生種を使うのであれば語句の説明を記載する必要がある。

調査会社(高島氏)
自生種の記載は在来種に変更する。

姉崎委員
資料2の4ページの特定外来生物の下の生態系についての記載だが、「特定外来生物が確認された場所では、生態系の微妙なバランスが崩れている可能性があるので、注意が必要です。」とあるが、ここの一文はなくてもよいのではないか。

調査会社(庄司氏)
ここの一連の文章は前回調査の概要版と同じになっているため、出た意見も踏まえて再考したい。

篠原副委員長
一般の人がきれいな花を咲かせる外来種を自分の家の庭に植えることがある。資料2のような記載だと、外来種が自然に増えていくものだと認識してしまう。外来種を移植しないように注意喚起できるものにしてもらいたい。特定外来生物のなかでもオオキンケイギクはもともと栽培種である。その流れのなかで今でも栽培を続けている人がいる。

調査会社(高島氏)
承知した。

篠原副委員長
報告書、概要版はどこに配布するのか。

事務局(亀井主事)
小中学校や図書館、市の関係する部署に配布する予定である。

篠原副委員長
先日、城東小学校の会議に出席し、自然観察の資料が不足しているとの話があった。学校の担当者は調査結果を配布していることについて、把握しておらず、活用されていないことがわかった。配布するときには、活用してもらえるように呼び掛けたほうがよい。

事務局(亀井主事)
承知した。

議長(金井委員長)
せっかく良いものができても、活用されなければ意味がない。活用の仕方を考えるのは難しいと思うが大切なことであるので、検討をお願いしたい。

事務局(大山課長補佐)
検討する。

議長(金井委員長)
資料2の3ページの重要種の記載について、大切なことが書かれているが、文章が大人向けのため、子供にも伝わるようにしてもらいたい。

姉崎委員
資料1の69ページの市民調査アンケート結果について、紅葉時の実施や春夏秋冬で開催してもらいたいなどの要望があったが、今後どのように考えているか。

神山環境政策課長
春夏秋冬4回の開催は難しい。紅葉時などに開催時期を変えることは可能なので、次回の観察会は先になってしまうが、要望があれば取り入れて実施を検討したい。

金杉委員
アンケート結果「1 この事業を何で知りましたか。」について、前橋市広報が100%のため、チラシ、案内文があればもう少し配布をしたほうがよいのではないか。

事務局(亀井主事)
今回はチラシの配布を行っていない。広報、ホームページ、Facebookで参加者を募集した。

事務局(大山課長補佐)
今回参加者が12名ということで、野鳥観察会と比較すると、参加者が少ない。周知の方法が広報、ホームページ、Facebookで止まっているので、出た意見を参考に検討したい。

金杉委員
一度イベントに参加された方に案内を送ることで、好きな方はまた参加してくれるのではないか。

神山環境政策課長
参加者をみるとリピーターの方が多い。

大森委員
自然史博物館のイベントでも、大人の方の参加が多いが、若い方の参加が少ない状況である。おそらく同じ傾向だと思うが、若い方にどのように働きかけていくかということが課題ある。大学や専門学校への働きかけも課題である。

事務局(大山課長補佐)
今回の参加者も大人の方が多かったため、同じような状況である。

大森委員
調査全体と重要種に関してコメントだが、よく調査したという印象を受ける。確認種数が増えたというのは、調査ルートと調査時期が適切に設定されていることが考えられる。過去3回の調査のなかで、ある程度定着したと思われる。
気になるところだが、資料1の58ページで富士見地区は過去の調査と比較すると確認種数が少ないとあるが、シカの食害が要因として挙げられる。特に赤城山については、林床植生の貧弱化やクサタチバナやハンゴンソウなどシカの忌避植物の増加などによって多様性が落ちているという状況がある。今回の調査結果をもとに今後は注意深く見ていく必要がある。
60ページ重要種による比較についてだが、ミズニラは報告書と同じ見解である。ヒキヨモギは半寄生の植物で一年草なので、シードバンクがあれば復活する可能性はある。オナモミは過去の記録が怪しいと思われる。過去30年は見つかっていないため、見つかれば大ニュースという状況である。アギナシはNo.1での記録は怪しいと思われる。アギナシは赤城山の覚満淵で生育しており、かなり数が減っている状態である。ノカンゾウは、もしかするとあったと思うが、現在急速にヤブカンゾウにとって替わられている状況なので、再発見の可能性はあるが、低いと思われる。ホソバノアマナは時期の問題であり、なかなか花をつけてくれない種であり、花が終わった後の発見は難しい。ヒメシャガは荒山あたりで記録があり、県の調査では出ている。この種も時期の問題で花がなければ発見が難しいので、カヤツリグサ科と間違える可能性がある。カキツバタは記載のとおりであり、栽培品が逸出したか、誤認の可能性がある。オガルカヤはNo.22で確認の記録があるが、グリーンドームの駐車場の土塁でかなりの数が自生している。アワガエリ、コツブヌマハリイはどちらも撹乱依存種である。アワガエリについては群馬県内の1番新しい標本でも1960年代なので、恐らくないと思われる。コアゼテンツキは記載のとおり館林で記録はあるが、それ以外の地域で確認できるものは、メアゼテンツキやヒメヒラテンツキの誤認である。
30ページから32ページの重要種確認状況等の表について、ホソバニガナは多いときは数百単位で出た年もあるが、今年は77株と比較的少ない数だが、裸地が増えれば、相対して増えるものなので、単純に減っているかどうかは、必ずしも言えない状況である。赤城大沼は今年、環境省モニタリングサイト1000の湖沼調査が実施された。イトイバラモやホソバヒルムシロの数が平成22年度の富士見地区調査と比較して増えた。一方で、ヒメミズニラが環境省の調査では確認できなかったが、市の調査で確認されて安心している。また、サナギイチゴなど多数確認されたとの記載があるが、多数とは具体的にどのくらいか。

調査会社(高島氏)
100を超える数である。

(2)平成31年度前橋市自然環境調査(鳥類)について

議長(金井委員長)
それでは、議題(2)平成31年度自然環境調査(鳥類)について事務局より説明をお願いしたい。                

事務局(亀井主事)
資料3「平成31年度自然環境調査(鳥類)の実施方針(案)」に基づき、説明を行った。

議長(金井委員長)
ただいま事務局から説明があったが、各委員さんから質問や意見等があれば発言をお願いしたい。

土屋委員
(4)調査方法で確認された種を記録するとあるが、確認というのは見ることか鳴き声を聞くことか。

事務局(亀井主事)
両方である。どちらかのみでも確認されたものとして記録する。

小西委員
事務局から事前に相談があり、内容を確認したが特に問題はない。理想をいえば、繁殖期の調査が1回となっており、繁殖期は鳥が見つけにくいため、調査回数を2回に増やしたほうがよい。しかし、予算が限られているなかで実施することはなかなか難しいと思うのでやむを得ない。

(3)その他

議長(金井委員長)
その他議題等はあるか。

篠原副委員長
去年あたりからツツドリが見られなくなっている。

小西委員
そもそもそんなに生息しているわけではない。渡り鳥は年によって違うので一概には言えない。今年は冬鳥でツグミの数が少ないと感じるが、ツツドリに関しては把握していない。

金杉委員
オナモミが減っているのはどうしてか。子供のころにはそこら中にあったと記憶している。

大森委員
よく外来種のオオナモミとの繁殖干渉ではないかと言われている。かなり早い時期からオナモミからオオナモミへ替わっており、関西では1950年代から60年代には切り替わっていた。我々が気づかないうちにオナモミからオオナモミに替わっており、気づいたころには手遅れという状況であると思われる。

大森委員
河川水辺の国政調査のアドバイザーで烏川を調査したが、そこでもオオカワヂシャとオオキンケイギクが急増している。今回の市の調査で確認された特定外来生物5種のなかでも特にオオカワヂシャ、オオキンケイギクのところは強調してほしい。オオカワヂシャは分布地点が増えているだけでなく、数も増えていることと今まで本流域に限定されていたものが支流域まで進出していること、特にカワヂシャとの競合関係があるところでは、カワヂシャとオオカワヂシャの勢力図が逆転してしまっているところが多い。前橋市でのカワヂシャやオオカワヂシャの関係や状況がわかれば教えてほしい。

調査会社(高島氏)
過去の記録を調べるしかないが、報告書に入れる必要はあるか。 

大森委員
入れなくてもよいが、今回カワヂシャが2地点で確認されているが、確認地点数が前回と前々回調査と比較してどうかということとオオカワヂシャが増えたということとともに、パッチの数がどうかということもデータが残っているのであれば、より状況が把握できる。

議長(金井委員長)
以上をもって議事を終了する。

4 閉会

神山環境政策課長

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更新日:2019年03月15日