平成29年度第2回前橋市自然環境保全推進委員会

審議会名

自然環境保全推進委員会

会議名

日時

平成30年1月26日(金曜日)
午後2時30分から午後4時15分まで

場所

前橋市役所本庁舎11階 北会議室

出席者

(1)自然環境保全推進委員

金井副委員長、姉崎委員、大嶋委員、大森委員、金杉委員、小西委員、篠原委員、土屋委員

(2)事務局

神山環境政策課長、真庭副参事、亀井主事

(3)自然環境調査(魚類・水生生物)業務受託会社

株式会社ポリテック・エイディディ 相澤氏、三森氏、安部氏、鈴木氏

欠席者

なし

議題

  1. 前橋市自然環境調査(魚類・水生生物)について
  2. 平成30年度前橋市自然環境調査(植物)について
  3. その他

会議の内容

1 開会

神山環境政策課長

2 あいさつ

金井副委員長

3 議事

議題に入る前に、委員会の成立要件の確認を行い、委員8名中8名の出席により本日の会議が成立していることが報告された。

(1)平成29年度前橋市自然環境調査(魚類・水生生物)について

議長(金井副委員長)
それでは、議題(1)前橋市自然環境調査(魚類・水生生物)について事務局より説明をお願いしたい。

事務局(亀井主事)
資料1「前橋市自然環境調査(魚類・水生生物)報告書(案)」及び資料2「前橋市自然環境調査(魚類・水生生物)概要版(案)」に基づき、説明を行った。

議長(金井副委員長)
ただいま事務局から説明があったが、資料1について各委員さんから質問や意見などがあれば発言をお願いしたい。

小西委員
57ページに電気ショッカーが仔稚魚等の死亡やその後の成長量や繁殖に影響を与えると記載してあるが、具体的にどの程度の影響があるか。

調査会社(相澤氏)
電気ショッカーを使用し捕獲したものを飼育したが死んでしまったものや繁殖が見込める個体が繁殖しないなどの報告があった。論文を精査し、注釈として記載したい。

小西委員
投網等で捕獲するよりも適切に電気ショッカーを使用した場合のほうが、魚に与えるダメージは少ないと考える。

調査会社(三森氏)
魚類においては体長によっても影響が異なると考える。論文等で示されているとおり電気ショッカーが魚類に影響を与えると仮定した場合、電気ショッカーは使用地点にいる全ての魚類に影響を与えるのに対し、投網であれば、全ての魚類を取ることは難しいが、捕れなかったものに影響を与えることはない。調査の目的に応じてどちらをよしとするかのバランス次第となる。そういった事情も含めて1つの提案として記載した。魚類に与える影響は、河川の規模と生息する魚類のサイズによる。外来種の駆除も含めた調査であれば有効だが、なかなか難しい問題である。

姉崎委員
色々な知見があるなかで、電気ショッカーの必要性については、ここで断定するのではなく、調査方法は今後検討する必要がある、調査の都度検討することが望ましいといった記載に止めておいてはいかがか。 

大森委員
57ページにこれまで確認されている魚類を見る限り、その他の手法を用いることで十分確認可能な魚類であると記載されているが、どのような魚種・場所であれば電気ショッカーを使用することが有効で、どのような場合であれば電気ショッカーを使用する必要がないのか。 

調査会社(三森氏)
電気ショッカーは、渓流域や大きな岩があり投網による採取が難しい地点や調査地点が広範にわたる場合などに有効である。また、遊泳魚や回遊魚に対しても有効と考えられる。一方、今回の調査地点は、比較的狭い場所が多く、水生植物などの植生帯や砂、泥などに隠れる生物が多かったため、電気ショッカーを使用せずとも、投網やタモ網等で採取が可能と考えられる。

姉崎委員
あくまでも今回の調査地点に当てはまる状況だと思われる。57ページは今後の調査に対しての提案となっているため、今後、ほかの地点も含めて調査を行うことを想定すると、書き分けが必要である。 

小西委員
電気ショッカーを使用せずとも、その他の調査手法で全ての種を網羅できており、過去の調査で電気ショッカーのみで捕れた種はないという認識でよいか。

調査会社(相澤氏)
前回の平成24年度調査の場合、電気ショッカーにより、スナヤツメを採取したが、今回は電気ショッカーを使用せずともスナヤツメを採取できている。 

小西委員
確かにスナヤツメは採取できているが、電気ショッカーを使用すれば、より採取しやすいと考える。

調査会社(三森氏)
スナヤツメは生息環境がわかりやすいので、過去の調査のデータをもとに調査をすることで、タモ網等による採取が可能であると考える。 

小西委員
調査地点がある程度決まっている追跡調査の場合、過去の調査で採取されたものがわかっているため、狙って採取することになるのか。

調査会社(三森氏)
初回の基礎調査であれば、広範に網羅的に調査を行うが、今回のような追跡調査の場合、過去の記録種を念頭に調査を行うとともに、新たな種や外来種の出現も考慮した調査を行う。過去に大型の遊泳魚が記録されている場合は、電気ショッカーの使用も有効である。追跡調査を行うことを想定して、電気ショッカーを使用する必要性は低いとの提案を行った次第であるが、本日、先生方から出た意見のとおり、今後、各回の調査の都度、調査手法を検討する余地を残しておくことが必要だと感じた。

議長(金井副委員長)
電気ショッカーの使用に関しては、非常に難しい問題である。

事務局(神山環境政策課長)
調査手法に関しては、調査の都度、検討する余地を残すということで記載する方向でよいと考える。

土屋委員
52、53ページに記載されている「川の生きものを調べよう」による水質判定について、改訂される前の指標生物が記載されているため、最新版の指標生物で統一すること。また、それに付随して、19ページのスジエビは改訂される前の指標生物のため、「ややきれいな水」の指標生物とされている部分は削除すること。

調査会社(相澤氏)
精査して修正する。

土屋委員
25ページの表に「強い屎尿臭」と記載されているが、他のページではすべて「し尿臭」であるため、どちらかで統一すること。

調査会社(相澤氏)
精査して統一する。

姉崎委員
第1回の委員会で話のあったヨコエビとナミウズムシは、どちらの種が前橋市で広く生息している可能性が高いのか。

調査会社(相澤氏)
生息範囲まではわからないが、第1回委員会の土屋委員の話によれば、どちらの種も前橋市域では確認されている。また、平成24年度の調査でも、フロリダマミズヨコエビは確認された。第1回委員会ででた意見をもとに、ナンバー24の粕川で採取されたウズムシ類を再度確認したところ、現地調査時の標本個体及び新たに追加採取した個体とも、アメリカツノウズムシではなく、ナミウズムシであった。また、ヨコエビ類についても標本個体を再度確認したところ、同定に必要な箇所が欠損した個体が一部あり、同定箇所が残る個体も確認したがフロリダマミズヨコエビではなかった。ただし、平成24年度調査でフロリダマミズヨコエビが確認されていることから、現地調査時に個体数が多かったナンバー8藤沢川で追加採取した個体を今後同定し、その結果によっては、確認種一覧にフロリダマミズヨコエビを追加したい。

大森委員
73ページの今回調査の確認種一覧では、スズキ目ハゼ科の「クロダハゼ」が記載されているが、過年度データも含めた79ページの確認種一覧では、同じところで「トウヨシノボリ」となっている。両種は同じものか。

調査会社(三森氏)
同じものである。正確には、ヨシノボリ類は、近年分類が決定した種や分化した種があり、関東においてトウヨシノボリの型が出ているところで今回確認された種はクロダハゼとして命名されたため、このように記載した。

金杉委員
49ページの表でキベリマメゲンゴロウの目名と科名が抜けている。また、57ページの調査手法で、1.と2.の間にスペースが入っているので詰めること。

姉崎委員
同じく57ページの調査手法で、もう一箇所、スペースが入っている。

調査会社(相澤氏)
通常であれば箇条書きとなる箇所のため、あえてこのような記載をしたが、ご指摘のとおり修正したい。

姉崎委員
7ページにあるタイトルの「ア・イ」の後ろに付く点の大きさを統一すること。

調査会社(相澤氏)
統一する。

土屋委員
グラフの縦軸のタイトルの向きが、11ページと、43・45ページで整合していないため、修正をお願いしたい。 

調査会社(相澤氏)
11ページのグラフの書き方に統一する。

土屋委員
79ページなど表の注釈の文字が小さく読みにくい。 

調査会社(相澤氏)
他の表も含めて、出来る限り大きく見やすく調整する。

土屋委員
30ページの魚類の食痕の写真は、何の食痕か。もう少しはっきりとした写真があれば差し替えをお願いしたい。

調査会社(相澤氏)
ウグイ、ニゴイあたりの食痕と思われるが、断定はできない。 

調査会社(三森氏)
現地ではウグイが藻類のついている石に体当たりをしている様子が見られたため、食痕で間違いないと思われるが、サイズ的にニゴイの可能性もありうるため、種を断定して記載することは難しい。

姉崎委員
写真が見にくいため、食痕と認識できない。

調査会社(相澤氏)
いい写真があれば差し替えたい。

姉崎委員
写真を拡大し、矢印を用いて、注釈をつけるとことでもよい。

事務局(真庭副参事)
57ページ調査時期の変更について、委員の皆様から意見を頂戴したい。

調査会社(三森氏)
調査時期を提案の時期にずらすことで、魚類・水生生物が確認しやすくなる。ただし、アユのみ、遡上時期との絡みで、調査地点で確認できるか気になる。遡上さえしていれば、今回調査した夏季に比べれば個体サイズは小さくなるが、同定はできる。

大嶋委員
本流筋で遡上するアユが出てくるのが4月から6月頃まで、放流されたアユが確認されるのは5月中旬過ぎで、遅いと7月になる。本流筋でアユを放流するのは、桃ノ木川と渡良瀬のほうで、利根川の主流は2ヶ所程度である。

調査会社(三森氏)
今回の調査地点であれば、小さいながらも、アユは確認できるという認識でよいか。

小西委員
基本的には遡上するアユを調査することになるが、4月だと少し早い気がする。4月から5月でも問題ないが、なるべく遅い期間、梅雨入り前の5月中下旬が好ましい。

大嶋委員
群馬県におけるアユの採捕期間は6月からなので、いずれにしても特別採捕許可が必要である。

議長(金井副委員長)
資料1について他に質問や意見などがなければ、資料2に入りたい。各委員さんから質問や意見などがあれば発言をお願いしたい。

大森委員
1ページのワンドの写真だが、小規模なワンドであるため、報告書の33ページのような、もう少しわかりやすい写真はあるか。

調査会社(相澤氏)
こちらでは多自然型工法について触れているため、木杭や置き石により創出されたワンドの写真とした。もう少し広域を写した写真の方が、ワンドとして捉えやすいと思われるため、もう一度データを確認し、適切な写真があれば差し替えたい。

土屋委員
6ページの写真について、種名と確認された河川の順番を入れ換えた方がわかりやすいのではないか。

調査会社(相澤氏)
修正する。また、確認された河川であることがわかるよう、注釈等を加える。

姉崎委員
2ページの調査地点の写真について、写真の中に白文字が入っており、見にくいため、修正をお願いしたい。

調査会社(相澤氏)
文字の表現を変える、写真の下に配置するなど、見やすいように修正したい。

議長(金井副委員長)
せっかくなので、見やすいように工夫してもらいたい。

姉崎委員
4ページや報告書の19ページにおいて、コオイムシの写真のみスケールが入っていない。

調査会社(安部氏)
コオイムシの写真については、スケールの入っているものが横からの写真しかなくわかりにくかったため、こちらの写真を使用した。

姉崎委員
上から撮った写真と横から撮った写真を合わせて、スケール転記することは可能か。

調査会社(相澤氏)
可能であるので、転記する。

姉崎委員
5ページの「絶滅危惧種は外来種?!」にある最後の一文「その生きものの「命」に責任を持てますか?」は、表現の仕方をもう少し考えるべきである。前段の3段落は良いが、ここの表現の仕方により、読者の受け止め方が異なるものとなる。大事な部分なので、是非、読者に届くものにしてもらいたい。

事務局(真庭副参事)
表現の仕方については、調整中である。また、小学生も対象とするものであり、「殺処分」という表現はあまり好ましくないと考えているので、そこも含めて調整をしたい。

(2)平成30年度前橋市自然環境調査(植物)について

議長(金井副委員長)
それでは、議題(2)平成30年度自然環境調査(植物)について事務局より説明をお願いしたい。

事務局(亀井主事)
資料3「平成30年度自然環境調査(植物)の実施方針(案)」に基づき、説明を行った。

議長(金井副委員長)
ただいま事務局から説明があったが、各委員さんから質問や意見等があれば発言をお願いしたい。

大森委員
調査時期について、カヤツリグサ科やイネ科はこの調査時期でなければ同定が難しいこと、さらにアザミ類、トリカブト類は8月の夏休みの時期に実施するよりは、ずらしたほうがよいということでこの調査時期となる。過去の調査をみると絶滅危惧種等で水田性のものが多く出ているので、これらの調査時期に注意してもらいたい。稲刈りが終わった後、踏み潰されてしまい、わからなくなってしまうことがあるので、極端に遅くせず「10月上旬から10月中旬」としてほしい。稲刈り前の田の水が引けた頃が好ましい。また、ナンバー13の乾谷沼は、ため池の植物としては、群馬県で一番絶滅危惧種が集中する沼である。秋の減水時に見つかる種が前回の調査では多く見つかっているため、今回の調査でも稲刈り前に調査をお願いしたい。嶺公園の沼、富士見地域3箇所、宮城地区の赤城の上方面の調査もあり、かなりハードな調査となるが、面白い種が多く見つかる地点なので、よろしくお願いしたい。

議長(金井副委員長)
植物は盗掘の恐れがあるため、調査時には取扱いに十分注意すること。

大森委員
重要種と思われる種が採取された場合には、標本を必ずとること。

その他

議長(金井副委員長)
その他議題等はあるか。

篠原委員
珍しい植物を市民に呼びかけて調査をしてもらうのはどうか。

大森委員
なかなか難しいことである。珍しい植物を対象とすると、際限なく次から次へと問い合わせが来ることが想定され、対応しきれない。実施するのであればある程度、対象を絞った上で実施する必要がある。

事務局(神山環境政策課長)
委員の皆様の任期が今年3月末までとなっている。出席の委員の皆様には是非継続してお願いしたいと考えているが、それぞれのご都合もあるかと思うので、市の方から文書を送付させていただくが、ご回答をお願いしたいと考えている。

篠原委員
(第1回の委員会で篠原委員から情報提供のあった白いザゼンソウについて、写真を用いて説明があった。)

議長(金井副委員長)
以上をもって議事を終了する。

4 閉会

神山環境政策課長

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更新日:2019年02月01日