令和6年度 第1回国際教育推進委員会 報告

会議名

令和6年度 第1回国際教育推進委員会

日時

令和6年6月12日(水曜日)10時~11時30分

場所

前橋市役所 7階 農業委員室

出席者

国際教育推進委員(5名)、教育長、指導担当次長、市立前橋高校(事務長、教諭、担当)、学務管理課(課長、課長補佐、担当)

会議の内容

1 開会

2 委嘱状交付

教育長より、委員に委嘱状を交付

3 あいさつ

吉川教育長

・今年度から2年間、6名の皆様には、国際教育推進委員会の委員をお引き受けいただき、御礼を申し上げる。新規委員として、共愛学園前橋国際大学 准教授 西舘 崇 様、JICA群馬デスク 国際協力推進員 佐々塚 麻里菜 様を新たに委嘱させていただいた。また、他の委員さんは継続いただき、本年度も改めてよろしくお願いしたい。
・本委員会では、新たな国際交流の在り方についてご協議いただき、事業を実施してきた。昨年度は、市立前橋高校の各種の事業や、市内の中学校と台湾の中学とのオンライン交流や絵画交流、そして、今年度から新たに実施する国際理解連続講座について、それぞれの立場から専門的なご助言をいただいた。
・今年度は、いただいたご意見を踏まえて、市立前橋高校や各中学校の生徒を対象としたさまざまな事業を実施していく。この後、各担当から昨年度の事業のまとめと今年度の事業の内容について説明をさせていただく。
・皆様におかれては、それぞれの立場から、本市の国際理解推進事業のより良い実施に向けてご意見をいただき、生徒が多文化理解や多文化共生について理解を深め、世界に目を向ける良い契機としていければと考えている。

4 委員長・副委員長決定

委員長 矢嶋 照雄 様
副委員長 須永 光 様 に決定した。
〇会議の公開について説明

5  協議

(1) 令和5年度の国際理解推進事業について

【学務管理課事務局から資料に基づき説明】

【主な意見】

○箱田中学校の台湾とのオンライン交流を見学させてもらった。最初は恥ずかしそうにしていたが、だんだん慣れていく様子が印象的だった。
○それぞれのこども達の感想はどうだったのか。
→オンライン交流では、英語が通じて手ごたえを感じる様子が見られた。
絵画の交流では、お互いに作品に対する感想を送り合い、異国に思いを馳せる様子が見られた。
JICA出前講座では、海外を身近に感じられた、海外に行ってみたいという感想が出ていた。
○オンライン交流のテーマについて伺いたい。絵画のテーマがあったかどうかも伺いたい。
→オンライン交流では、台湾の生徒は学校や地域の紹介をしていた。箱田中学校の生徒は、日本、日本の食、アニメ、音楽等、日本に関連したテーマを選んで紹介をしていた。
絵画については、明確なテーマはなく、友達の似顔絵や、学校の校舎、表現力豊かな作品等を互いに送付していた。
○オンライン交流について、一回限りではなく、継続させるような取り組みができないか。学年全員は難しいと思うので、部活等で絞った生徒が2、3か月に1回など、お互いの研究や活動を交換し合う形ができると良い。セキュリティの問題があると思うが、これを解決しつつ、もう少し簡単に交流できることが望ましい。
→最終的には、簡単に交流できることが理想だと思う。以前は英語の授業で交流していたため、英語の先生が中心になっていた。昨年度は、総合的な学習の時間を使ったことで、学年全体で交流することができ、他の先生にも広げることができたと思う。
○オンライン交流に慣れたところで、次の手立てがなかなかないので、観光や街の紹介は入り口として、実際に活動していることを意見交換できると良いと感じた。例えばSDGsの切り口で、川をきれいにする取組やごみを削減する取組など、紹介することができると深まるのではないか。
→今回は箱田中学校で初めての交流であったが、継続的にできると良いと思う。
○オンライン交流はきっかけに過ぎない。続けていくことが大切だと思う。以前、中学生とアメリカのミドルスクールの生徒で文通をしていたが、やりたい生徒は自分でどんどん進めていっていた。セキュリティの問題などもあるが、お互い仲良くなれば個別にやり取りさせることで継続につながるし、意欲をもってやれることになると思う。
→昨年度石井小学校に台湾の小学生が訪問したが、台湾のこども達はスマートフォンを駆使していて、話す英語も早かった。この違いを感じながら、語学にとどまらず、磨きながら、考え方の教育もできると良い。
→石井小学校は台湾で活躍した羽鳥又男さん、重郎さんの母校であり、地域の読み聞かせの方がその功績を伝えている。こういう取り組みも国際理解につながるのではないかと思う。
○実際に海外に行ったり、海外から来てもらったりして交流するのが一番効果的だと思う。
○企画をすることで終わってしまうのでは勿体ない。これを入り口として自分でやっていける環境を前橋が作ることが何よりも大事だと思う。中学生だけでなく、前橋のこどもという形で、枠を取っ払って考えてもらうことが、まずは必要だと思う。

【市立前橋高校教諭から説明】

○JICA出前講座を実施した。
○東京農業大学第二高校、ぐんま国際アカデミー、市立前橋高校の3校で連携して、ベトナムから来た方と農業体験を行った。
○夏休み中に環境学習と絡めて、一泊二日で赤城の合宿を行った。
○グローバルデイとして、市内の語学学校3校に協力いただき、留学生60人を派遣してもらい、留学生と交流を行った。かる たやトランプなどのゲームも一緒に体験できた。
○ドイツ協会の方を招いて、ドイツについて講演会をしてもらった。

【主な意見】

○いろいろな活動をしている中で、地元の留学生とつながって、実践的な交流ができたのは有効だと感じた。生徒の印象も変わると思う。
→多くの留学生に来てもらったことで、少人数でグループを組み、盛んに交流ができたので、とても良かった。一クラス40人いるので、クラスにつき1人留学生が来る形だと、他の生徒に任せてしまう可能性があるが、自分もこの人数ならやってみようと関われた生徒が多かった。一緒に昼食を食べながらの交流などもできた。
○コロナ前に中高生を派遣していた頃は、選抜された生徒だけが海外に行く形であった。多くの生徒を派遣しようと思うと、先生を多く集めるなどしないと難しかった。語学を教えるのであれば、10人~15人くらいが適切だと思う。
○グローバルデイ活動の意図は、英語教育なのか、それとも国際理解なのか、どちらに視点がいっているのか。
→今回は、多文化理解に重点が置かれていた。留学生は日本語を勉強しに語学学校に行っているので、日本語がある程度分かる。留学生は良かれと思って、日本語で交流していた感じがあり、英語も勉強したかった高校側の意図とは少し合わないところがあった。ただし、いろいろな国の留学生が来ていて、日本での就職を希望していることやその理由、現地の学校の様子など知ることができたので、多文化理解という点では意義があったと思う。
○英語教育に振るのであれば、そうしたコンテンツにしないといけない。多文化理解ということであれば、いろいろな言語を用いて、お互いを知り合うということが重要になる。交流して互いに得るものがあることが大事で、そこの設定の仕方や工夫した点などあれば伺いたい。
→なるべく自分が話をしてみることを重視した。最初にアイスブレイクとして、上毛かるたやトランプを共に楽しみ、昼食をはさんで、ワークシートに基づきインタビューを英語でしてもらい、質問をするという形を5回くらい行った。
○英語を使ってのコミュニケーションは、こういう交流ではあまりない。英語を勉強するという意図があっても、実際の社会ではなかなか一致しないところがある。最近では、英語だけでない交流が求められていて、優しい日本語で話してもらえれば分かるが、日本特有の考え方までは理解できない外国人が多い。「が」一つとっても分からないと言われてしまう。そういうところを意識しないと伝わらないので、言語の中で英語もある、日本語もあるという視点を持ってもらうことが大事だと思う。
→ある中学校では外国人の生徒が増えていて、日々国際教育だという話を聞いた。生徒同士も外国籍ということをあまり意識せず、日本語でやり取りしている。外国から来ている人が増えることで、こどもたちの可能性や、いろいろな視野を広げる一助になってくれれば良いと思う。大人も規範を示せると良い。
○学校がどれだけ必要感を伝えられるかどうかが重要である。お互い交流するときに、お互いの言語を知らない時の英語というのは残っていると思うので、必要感を生徒たちに伝えていけると良い。
○当事者意識が重要であり、日本が閉ざされている限り難しいところがある。多文化理解を通して、人間はいろいろなところで生活できるという意識が持てるようになると、おのずと必要感が生まれてくる。日本で生活していると、外国人も意識を持ってきているので、ある程度話ができる。外とつながるという意識を持つ人を増やしていかない限りは、なかなか変わらないと思う。
→小学生から英語の勉強をしているので、中学生の英語力は向上していると思う。社会で英語を使う場面が少ない中で、必要感が課題だと感じている。
○JICAで2年間パナマに行っていたが、英語は一つのコミュニケーションツールであって、相手を理解するために言語を学び、伝えたいという思いでステップアップしていくことが言語を伸ばす秘訣だと思った。日本で完結していると、日本語で理解し、日本語で伝えられてしまうことが壁になっているが、オンライン交流や多文化理解を深めるところで、その国の方と友達になりたい、理解したいということがモチベーションになってくると思う。JICAでいろいろな学校に行っていると、体験の差を感じる。外国に行ったことがある生徒が一人もいない学校や、外国の食事を食べたことがあるという生徒が少ない学校もあった。そこで完結していると、なかなか外国に目がいかないと感じたので、そういうところに種まきをして、こどもたちに必要性を感じさせられるような取組をしてもらいたい。裾野を広げることと、意欲を持っている生徒を伸ばすこと、両方を進めていくことが重要だと感じる。
○学校教育の中で、授業ですべて話せるようになるというのは難しい。学校教育は、興味関心をもってもらうきっかけであって、そこから先、種が育つ機会、枠を取り除いて道を示していくことが必要だと思う。

(2) 令和6年度の国際理解推進事業の予定について

【学務管理課事務局から資料に基づき説明】

【主な意見】

○市全体で企画した講座があると良いという意見を以前から言ってきたので、市が連続講座を実施するのはありがたい。6つ講座があるが、すべて出席するものなのか、選択できるものなのか。また、参加者は各校から5名程度とあるが、各校何名という枠をイメージで持っていると、前橋市の企画としてどうなのかと思う。ある学校はたくさんいるかもしれないし、ある学校は全くいないかもしれない。学校によって様子が異なる可能性があるので、市全体で考えたほうが良いと思う。
→今回は連続講座で考えており、英語村でのオプション体験以外は全て体験してほしい。参加が難しい場合は、後ほどアーカイブ動画を視聴していただくことを考えている。
また、学校で何名というのは簡単に考えていたところがあるので、検討させていただきたい。
○連続で受講しないといけない理由は何なのか。
→各講座で関連性を持たせた内容にしたいと考えている。幅広く学習や体験をしてほしいという意図で連続講座にしている。
○参加者数で懸念があったようだが、費用的には高額ではないので、参加者が多かった場合に制限しないといけないということか。
→人数については、希望者が多ければ柔軟に対応できると思う。
○すぐーる(前橋市保護者等連絡システム)で申込期限を定めて先着何名という形にすれば、意欲の高い生徒が集まると思う。
○連続の意図が分からない。連続で受けないと目的が達せられないということであれば分かるが、そうでなければ会場や内容ごとに募集期日や人員等を分けても良いのではないか。そこをしっかりと説明できると良い。
→留学生と交流をする中で感じるものがあると思う。そのあと講座を受けて、知りたいこと、学びたいことが出てくると思うが、その都度次の講師に生徒の思いを集約して伝えて、多文化理解、多文化共生についての理解が深まればと考えている。最後に共愛学園前橋国際大学で同じ留学生が来て交流するので、その間に学んだり、感じてほしいということで連続講座として計画した。
→つながっていたほうが効果的だと思える部分もあるし、つながっている必要があるかどうかという視点もあると思うので、加味しながらいろいろと検討させていただきたい。
○パッケージである必要性が見えないので、こことここがつながっていて、こういうことができるようになるということを明示すると良い。
○東京グローバルゲートウェイで全日程を行うということではないか。
→東京グローバルゲートウェイはこの中の一日であり、体験時間は半日となる予定である。
○オプションが設定されているが、これはどういう意図か。
→英語村は別に参加費用が必要であり、東京グローバルゲートウェイと内容が似ているところがあるので、オプション扱いで考えている。
○経験上、友達ができると外国に興味がわく。6回の講座が一貫性をもって、同じグループでやっていると密な関係性が生まれて友達になりやすいと思う。ただ一緒に過ごしていても仲良くならない。課題を出して、一緒に苦楽を共にすると仲良くなる。
○生徒が参加するにあたって、自分がどうなりたいかという最終目標をもって、課題などに取り組むことが意欲につながると思う。
○時期的に中学3年生の参加が難しい。その中で連続させるとなると、厳しいのではないか。また、申込期日は7月だが、12月、1月の予定を立てさせるのは困難ではないか。
→検討させていただく。
○中学生に限定した理由は何か。
→小学生まで入れると習熟度の差が大きくなると感じた。また、東京グローバルゲートウェイで英語体験活動をする際に、小学生だと難しいところもあると考え、中学生を対象とした。
○英語ができないと参加できないと感じさせないよう注意が必要である。
→東京グローバルゲートウェイは参加者の英語力に応じてメニューを組んでくれるという確認はしているので、参加者の様子を見て、施設側に伝えていければと考えている。

【市立前橋高校教諭から資料に基づき説明】

質問事項はなし

6 連絡事項

○今後の推進委員会の予定について
○謝礼金の振込等について

7 閉会

関連書類

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更新日:2024年08月21日