小中学校の適正規模・適正配置に係る第3回諮問委員会 報告
会議名
小中学校の適正規模・適正配置に係る第3回諮問委員会
日時
令和6年8月29日(木曜日) 15:00~17:00
場所
前橋市役所 6階東会議室
出席者
適正規模・適正配置に係る諮問委員会委員(11名)、教育長、教育次長、指導担当次長、学務管理課(課長、課長補佐、担当)
会議の内容
1 開会
2 あいさつ
吉川教育長
・お忙しい中参集いただき、お礼申し上げる。
・第2回の諮問委員会では、第1回の諮問委員会で意見のあった項目について説明をした後、「小中学校の適正規模の基準」と、「検討対象校の選定基準」について、審議いただいた。
・本日の諮問委員会では、前回の協議事項について引き続き審議いただくとともに、「小中学校の適正配置の基準」と「適正規模・適正配置推進の方策」についても審議いただき、これらの基準をいったん定めた上で、次回の会議では、中間答申案と基本方針の改訂案の意見集約を図っていただきたい。
・今回は、資料を事前に送付し、あらかじめ質問を受け付ける形で進めることとした。基準や方策について、それぞれの立場から、より多くの意見を聞かせていただきたい。
・本日は、本市のよりよい教育環境の実現に向けて忌憚のない意見をいただきたい。
3 協議
(1) 適正規模・適正配置の方針の改訂について
【事務局より資料に基づき説明】
【主な意見】
1 小中学校の適正規模の基準
〇基準について前橋市としての理由付けが必要だと思うが、小学校では半分の学年でクラス替えが可能ということで良いと判断した理由を伺う。
→国の手引きを参考にした。9学級あれば学校の活動も十分できるということを考慮した。
〇許容範囲の下限が問題になってくる。小学校については、学校全体を見たときに、単学級が半分くらいまでであれば、学校全体で活気が出てくると思うし、異年齢交流も増えてくる。単学級が多いと多様な意見に触れることが難しい。中学校は、先生の配置をどのように考えるかというところが論点になってくる。
〇教育の望ましさから議論した方が良いと思う。
(委員長)市としての姿勢を明確にして、盛り込むことは必要だと思う。
〇学級数と並行して、1クラス当たりの人数も検討していく必要があるのではないか。
→国、県の基準があるので、市独自で考えるのは難しいが、規模の小さな学校は1クラス当たりの人数の議論が必要である。
〇中学校の立場だと、71人だと3学級となり1クラス当たり23人程度、36人だと2学級となり1クラス当たり20人を切る。1クラス当たりの人数に違いが出てくるので、集団としての人数も変わってくる。許容範囲下限の6学級だと集団での活動に影響が出てくるので、下限は9学級のほうが妥当ではないか。
→現状でも9学級以下の中学校は何校かあり、それによる課題は特に挙がっていないが、検討を開始する予告ができた方が良いかもしれない。
→許容範囲の下限を9学級とした方が、検討を始める心構えが早めにできると思う。
(委員長)検討には時間を要するので、9学級の段階から地域と話を始めた方が良いと思う。6学級になってから動き出すのでは遅いかもしれない。
〇前橋では、基準を示したとしても、保護者や地域の方々と話す中で検討を進めてきた。外形基準だけで決めたというところはないので、その辺りが伝わる書き方をしていけば良いのではないか。
〇自分はこれまで2学級の学校で育ってきたので、単学級というイメージがわかない。どの学年でも2学級あることが理想だと思うが、少子化の進行の中でなかなかそれも難しいと思うので、許容範囲を考えるのであれば、小学校、中学校ともに9学級が妥当だと思う。
〇自分は小規模の学校で育った。団体活動に制限があったが、みんな仲良く特段問題はなかった。人数が多い学校では、授業についていけるかどうか心配な面もある。人数が多ければ多いなりに、少なければ少ないなりに利点があると思うので、地域や環境に応じた進め方が良いと思う。
〇自分も1学年2学級の小さな学校に通っていた。転校したこともあり、馴染めないところがあったが、小さな学校で教員が気にかけてくれたのが助けになった。規模が小さいだけで統合を考えるのではなく、地域の実情に合わせて進めていくことが重要だと思う。
〇単学級で良かったという子もいれば、友達関係が広がらないという子もいて、こどもの捉え方次第であるところがある。1学級当たりの人数によっても変わってくるが、小学校の下限9学級は妥当だと思う。中学校は6学級だと教科の教員の不足が心配なので、下限9学級の方がいろいろな意味でも良いと思う。
〇こどもたちの成長を考えるうえで、両面から見ていく必要がある。小規模だと、こどもたちの個性を教員が把握して、きめ細やかに対応できる利点がある。一方で、今求められているのは、多様な価値観、意見を受け入れ、整理し、新しい価値を生み出せるかどうかだと思う。そういう意味では、基準を出したとしても、地域と教育委員会でその辺り議論していくことが必要である。
〇地域の実情や、地域の話し合いの中で進めていくという文言を基準の中に入れていく必要があると思う。
〇クラス替えが必要な場面があると思うので、1学年に2学級あると良いと思う。
(委員長)全国的に少子化が進んで、こどもの数が減る中で、学校の適正規模化は全国的な課題となっている。法令上の要件だと厳しいので、緩和して学校の小規模化を容認していくという方向で全国が動いている。
〇適正規模の基準を決めるのが諮問委員会の目的だと思うが、基準を決めた後に実施していくことを具体的にイメージしながら、実務担当者や地域にとって、運用しやすいレベルを選ぶのが一番だと思う。
→こどものこと、学校全体のことまで考えてもらえてありがたい。基準を決めた後、議論をしっかりして、じっくりと話し合っていくということを明記することが重要だと感じた。
〇「許容範囲」という言葉が強い表現だと感じるが、いかがか。
→許容範囲内なら統合を検討しないのか、それとも、許容範囲だが統合を検討するのか、あいまいで分かりづらい。どちらなのかと思う。
〇検討を開始する、話し合いを始める等、具体的な行動の形で読めた方が良いが、適切な表現について法務を確認したほうが良い。
〇準適正規模校などでも良いのではないか。
→いただいた意見を参考にしながら、対応を検討する。
(委員長)小中学校の適正規模の基準については、事務局の案を採用することとし、小学校については許容範囲の下限を9学級、上限を21学級とし、中学校については許容範囲の下限を9学級、上限はなしとすることで良いか。
→異議なし
(委員長)それでは、委員会意見としてそのように整理したい。
2 適正規模・適正配置の検討対象校
〇許容範囲に入っている学校について、この基準を当てはめて考えるのか、それとも、小規模校、大規模校に入っている学校について当てはめる考えなのか。
→許容範囲から外れたときから3年間という考えで記載している。許容範囲を定めて、それを下回ったら、この基準に照らし合わせて検討を始めるという案である。
→道路が通ったり、大規模なマンションが建設されたりすると、一時的に児童生徒数が増えることがあるので、小規模校になったからと言って、すぐに検討を始めるものではないという考えである。
〇用語を揃えて、分かりやすくしてほしい。
〇3年以上続くとあるが、なぜ3年なのか、背景が分かるようにした方が良い。
→例えば、これまで3年間小規模校が続いた学校は、許容範囲校への回復が難しかったため等と記載できると思う。
〇実際に動き出すのは基準ができて3年後だと、少し長い気がする。
→教育委員会では、注視をしていく対象校には入ってくる。
〇通学区域の端から隣接する学校までの距離が、4km、6kmというのは統合する学校までの距離ということか。
→通学区域の端に住んでいる児童・生徒が、隣接する学校へ通学する際の距離が4km以内、6km以内かどうかという考えで記載している。
〇今の児童・生徒の居住地は、隣接校からおおむねどのくらいの場所に位置しているのか。
→隣接校までは、小学校で4km以内、中学校で6km以内の場所におおむね居住しているが、中山間部の学校はこの範囲を出てしまう。
〇中山間部で学校より北側に住んでいると、登校では下らないといけない。下校では登らないといけない。このような勾配の問題があり、近年の夏場の暑さ等も考慮すると、児童を4km歩かせるのは大変である。小学校では通学距離を一番気にする。時代を考慮するなら通学距離をもっと短くしないといけないと思う。地域の事情で基準を緩やかにした方が良いのではないか。
〇小学生に4km歩かせるのは無理である。大人でもなかなか歩けない。通学の交通手段は徒歩、自転車以外の対策も講じないといけない。
〇距離要件を満たさないと統合できないというのは、相当な制約になると思うが、いかがか。
→基準はこのような案を用意したが、その場所、その地域にあった進め方をしていくということが重要であり、距離も含め、地域や保護者の方々と話を進めていく必要があると感じた。
〇統合すると通学距離が伸びるのは確実であり、遠い学校に通学することになる児童・生徒に対し、通学しやすい手段を用意することが市の政策と合致するものと考える。
→4km、6kmという距離は、国の手引きに準じて考えたものだが、「こどもの身体に負担がないよう」などの文言を入れながら、交通手段も併せて検討していく必要がある。
〇地域によって違いがある。中山間部では行きか帰りのどちらかは大変な思いをして通学しているこどもが多い。一方で、街なかでも小学生が2km歩くかというと、アスファルトの暑さ等もあるので、一概には言えない。この場で何kmが適正かどうかを合意形成するのは困難だと思う。また、統合した地域ではスクールバスで通わせるとなったときに、現在も4km、6kmを超える距離から通ってきている児童・生徒がいるという意見が予想される。もう一回事務局で整理して、再提案した方が良いのではないか。
〇統合した学校ではスクールバスや路線バスの補助があるが、すでに4km、6kmを超えているところに居住している児童・生徒の家庭から、色々な意見が出てくることが予想される。統合したところは手当てがあるのに、我々には何かないのかということになるので、慎重に進めないといけない。
〇検討対象校について、現行の内容の時点修正で良いのではないか。検討対象校について、距離数、年数など記載する意味が分からない。許容範囲を決めたのは、検討範囲をどこにするかということなので、そこを下回った学校は許容範囲に入るように検討を開始するべきではないか。
→許容範囲を設けたとしても、検討していかないといけない学校が多いので、小規模の中でも基準を狭めた方が良いというのがスタートラインになっている。また、適正配置の基準を新たに設けるに当たって、適正配置の基準と検討対象校との関連性を持たせるために、このような改定案とした。
〇現行の時点修正でも良い気がする。
(委員長)これまでの話を聞いていると、具体的な距離数を書くのは難しいと思う。書くとしたら、「地域の実情に合わせて、通学可能かどうかの検討も含めて慎重に取り扱う」というような書き方しかできない。
〇人数や年数の記載はあっても良いと思うが、妥当な距離が決められない以上、距離数の記載を盛り込む必要はないと思う。
〇統合して、長い距離を歩いているこども達については、基準があったのか。
→芳賀小と嶺小の統合については、旧嶺小学校区に居住しており、児童の通学距離が、住居から旧嶺小学校への通学距離を超える場合に路線バスの補助をしている。
〇3年以上続くという記載があると、その地域の方々も心づもりができると思う。この状況があと3年続くと検討対象校となるということが分かり、混乱は少なくなる気がする。
(委員長)現行案を基準として、回復が見込めないことを注書き、括弧書きで例示するなど検討する。また、用語を揃えて分かりやすくする。距離数については記載を削除するが、通学距離は慎重に勘案するという形で事務局案を練り直して、再提案していただくことでよろしいか。
→異議なし
→ご意見を踏まえて考えて、再提案させていただきたい。
3 小中学校の適正配置の基準
〇現行でこの距離を超えて通学している児童・生徒もいるということか。
→何人かは国の示す距離を超えて通学している。
〇適正配置の基準となると、今回は記載できないのではないか。ただし、スクールバス等の多様な交通手段の導入に係る記載は、どこかに必要だと思う。
〇公共交通を専門にしているが、バス事業者は運転手不足が深刻になっている。桐生市で官製ライドシェアを始めようとしているが、前橋市でも色々な交通手段を考えないと難しい。市はコンパクトシティを進めているので、その点についての整合も必要である。
(委員長)今の意見は重要な指摘であるので、資料6に含める形で整理し、今後地区委員会で話をしていくときに尊重していただければと思う。
(委員長)適正配置の基準について、距離を含める場合は、おおよその目安として、国の基準でこのようなものがあるということを明記してもらえれば誤解は少ないと思うが、いかがか。
→異議なし
(委員長)それでは、委員会意見としてそのように整理したい。
4 適正規模・適正配置推進の方策
〇義務教育学校への移行が案として加えられているが、対象となる地域と3つの方法を協議しながら、地域、保護者とよく話をしながら進めていくということで良いか。
→お見込みのとおり。
〇義務教育学校への移行というのは、大きな問題である。義務教育学校をどういう位置づけで、どういう教育を行おうとしていくのか。9年間の分け方をどうしていくかも検討が必要である。今回ここに含めるとしても別途しっかりと協議が必要である。
(委員長)義務教育学校については別途協議が必要であるが、学校選択制の記載は廃止し、義務教育学校への移行という記載を加えることとして進めたいと思うが、いかがか。
→異議なし
(委員長)それでは、委員会意見としてそのように整理したい。
【事務局より】
〇協議を進行いただき、ありがとうございました。また委員の皆様におかれましても長時間にわたり審議をいただき、ありがとうございました。
4 連絡事項
〇今後の予定について
当初は9月中に中間答申をいただく予定だったが、審議時間を確保するため、第4回会議を10月上旬に開催し、10月中に中間答申をいただく形でお願いしたい。
第4回会議では、本日の意見を踏まえて、中間答申案及び基本方針の改訂案を事務局で作成するので、それをもとに審議いただく予定である。
なお、パブリックコメントの実施後に予定していた諮問委員会は書面開催を基本とさせていただきたい。
〇謝礼金の振込等について
5 閉会
関連書類
適正規模・適正配置に係る第3回諮問委員会次第 (PDFファイル: 64.7KB)
適正規模・適正配置に係る第3回諮問委員会名簿 (PDFファイル: 89.7KB)
(資料1)適正規模・適正配置に係る法令等の位置づけ (PDFファイル: 425.2KB)
(資料2)学校規模の標準を下回る場合の対応の目安 (PDFファイル: 88.9KB)
(資料4)通学区域4km,6km超過の小中学校位置図 (PDFファイル: 381.1KB)
この記事に関する
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更新日:2024年11月12日