令和元年度青少年支援センター運営協議会

審議会名

青少年支援センター運営協議会

会議名

令和元年度 青少年支援センター運営協議会

日時

2019年8月23日(金曜日)午後3時00分から午後4時45分

場所

前橋市総合福祉会館 第3会議室

出席者

委員18名(50音順・敬称略)

相澤克也、池田 篤、今井利郎、岡すみ子、金子侑司、岸川一郎、小林 悟、佐藤沙弥香、須田雅已、高橋浩昭、成澤敦史(代理岡田悠美)、根岸勝行、藤井福雄、松井礼子、美谷 進、蓑輪欣房、武藤洋介、村椿正美

事務局10名

塩崎教育長、山中指導担当次長、都所学校教育課長、渡邉青少年課長、服部青少年課長補佐、内山所長、横澤指導主事、井上指導主事、安藤指導主事、田村SSW

欠席者

欠席者1名(敬称略)
角田雄二

配布資料

会議の内容

1 開会

2 あいさつ

塩崎教育長

本会議には、各団体から重要な役職の方々にお集まりいただいていると改めて感じています。今年5月に川崎市で子供の登校時に大きな事件がありました。前橋市では当日のうちに警察や青少年団体、防犯協会、PTA等と協力してパトロールを行うことができました。学校だけではできないことができたのは、日頃の協力体制の賜物であると言えます。そして、教育委員会としてはこのような取組を市民の方へ周知していくことも子供達の安全を守る活動であると考え、防災危機管理課に協力を頂いて市民に向けてメッセージを送りました。

青少年支援センターがあるのも前橋市の特色の1つだと思います。様々な機関を繋いで子供達のために活動していくことが重要だと考えます。本年度は、子供のSOSに応えるために大人はどうするべきか、行政は何をしていくべきかについて、様々なご意見を頂ければと思っています。この時期は2学期のスタートに向けて、子供達のことが心配になる時期です。子供のSOSは言葉だけでなく、様々な形で出てくる可能性があります。不登校になってからきっかけを話してくれたり、家出した生徒が悩んでいたことを打ち明けてくれたりして様々な思いを持っていることがわかることがあります。私たち大人は、「その時に言ってくれていたら」と思うのですが、行動によって初めて気が付くことが多いと思います。どうしたら子供達のSOSに気付けるのか、支援センターが子供達のためにどのようなことをしていくと良いのか、皆さんのご意見を伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。

3 自己紹介

4 報告

(1) 平成30年度における取組と令和元年度の活動状況 事務局からの報告

1.補導活動 2.被害防止活動 3.問題行動の防止と早期発見・早期対応 4.不登校対策

5.いじめ対策

(2) 質疑応答

○子供の状況について

松井委員

最近の子供の行動は外ではなく、内・中に向かっています。下校時や夜間にパトロールをするのですが、子供に会う機会は少なくなり、ゲームセンター等でも子供が見られなくなっています。家や塾で活動しているのであればいいのですが、大人の見えない所で集まっているとしたらと心配になります。また、最近は塾帰りの時間が遅く、遅い時間に学生が行き来していることも心配しています。

佐藤委員

自分の子供も塾に通っているため、夜10時になることもあり、親が送り迎えをしています。部活動も親が送り迎えをしているところは多いと思います。

○虐待への対応について

池田委員

警察の対応としては近隣からの通報があった場合には訪問します。内容も大声を出してしまう場合や手を上げてしまう場合等様々であるため、事件化することもあれば、児童相談所や青少年支援センターに連絡することもあります。ケースバイケースで対応しています。

岸川委員

医療現場でも、通常では考えられない骨折をしてくる子供を診察することがあります。その際には、警察と児童相談所へ通報義務があり、私も連絡をしたことがあります。現在、親に依存する子供が増えている状況に加えて、保護者の関わりも過干渉やネグレクト傾向等、格差が激しくなっている印象があります。どちらの対応も一筋縄ではいかないと感じています。

武藤委員

児童相談所では虐待だけでなく、問題行動の相談等にも対応しています。未然防止対応が難しい機関であるため、関係機関と連携して早期対応をしています。虐待の場合には一時保護等の措置をするとともに、学校とも連携して子供の支援を行っています。

 

5 協議(議長:相澤会長 進行:山中指導担当次長)

協議の視点:『子供のSOSにこたえるために』すべきこと

~子供の援助希求と大人の気づき~

山中指導担当次長

子供が悩みや不安を抱え込まず、SOSを発信できるようどのように促していくか、またそのSOSをどのように拾っていくか。支援センターが子供のSOSの発信や気づきにどう関わっていけばよいかについてご意見を頂ければと思います。

○医療に携わる立場から

岸川委員

医師会としては、小児科・産婦人科・思春期外来等において、虐待の研修を行い、早期発見に役立てるように取り組んでいます。青少年支援センターに望むことは、ここには各団体の経験豊富な方々が集まっているので、それらの課題に対して各団体がクロスドメイン、いわゆる横断的に対応する際の拠点(ハブ)として機能してもらうことです。

○学校から

小林委員

学校では毎月アンケートを実施しています。担任、学年主任を中心に情報を共有し、気になる子供には管理職も関わることで、担任に抱え込ませず、チームとして対応しています。具体的な事例として、関わりを避けようとした子供の小さな反応に学習指導員が気づき、その様子を担任や他の職員に繋げたことがありました。結果として虐待ではなかったですが、その時には他の問題行動を発見することができました。アンケートや見守りをきっかけに、様々な角度から教職員がチームとして関わることで、子供のSOSを捉えることができたと思います。

高橋委員

高校では、子供自身がSOSを出すことに抵抗をもっていると感じます。そのためSOSが出てきた時は、重大な事案かどうか気を付けて聞いていく必要があります。現在憂慮しているのは、互いの言い合いをいじめと主張するケースが出ていることです。例えば、ある生徒がいじめを主張しても、相手側は主張側に要因があると考えているために話がもつれることがあるからです。法の趣旨は分かるのですが、何が事実かという判断が難しいと感じています。感じ方・受け止め方は異なるので、本人の受け止め、目撃した子供の受け止めがあります。学校は当事者の感じ方を受け止め、どうしたらその苦痛が和らぐのかを考えて対応しているところです。

○家庭裁判所から

美谷委員

事実は1つだけでも、見方が変われば1つの事実が違ったように見えます。いじめは1対1ではなく、1対多数のケースも多いと思います。1対1ならば調整もしやすいが、集団になってくると対応は難しく、介入や解決となると更に難しくなると思います。

○地域の大人の立場から

金子委員

支援センターは自殺、虐待に関して学校や地域と連携していると思います。家庭は様々で厳しいことを言うが、学校は楽しいところであり、良いところを伸ばすところです。最近の子供には、もっと余裕が欲しいと感じます。一生懸命打ち込んでいるように見えますが、何か大切なものが失われていると感じます。今の子供は話し合い自体を行うことがなくなったのではないでしょうか。携帯電話やスマホに重大な落とし穴があるのではないでしょうか。意見を出し合う機会を多く取り入れていくことで何か答えが出てくると思います。そういうことのできる環境整備が必要ですが、そのためには父さん、母さんが話をしっかり聞いてあげる、そういう時間が大切だと感じます。

○青少年の健全育成の立場から

藤井委員

本庁管内の青少年育成推進員会では、中学校の先生が推進員として事務を行っています。学校と連携するために会議は学校で開催しています。また、サポート会議で検討する子供には複雑な背景の家庭があります。そのような家庭とは連絡が上手く取れずに対応が難しいようです。しかし、学校は授業の合間に訪問をし、何回も連絡をとって関わりを作ろうとしています。地区内でも親がシャットアウトして、民生委員も会えない場合があります。親との信頼関係がSOSを出させるための基盤作りにつながるのではないかと思います。私たちとしては、登下校の挨拶や地域行事での声かけを行っています。

相澤委員

地域のつながりで、地域の人が声をかけることで、子供は関心を持ってくれていると感じますが、最近の風潮では知らない人に声をかけられたとなってしまうこともあります。

根岸委員

いじめは複雑で色々なものがあり、冷やかしから広がることもあります。いじめを最も早く知るのは友達で、子供は友達には打ち明けられます。虐待の場合も当該者は隠しますが、友達には相談することがあります。学校でそういう情報を共有できる環境や吸収できる雰囲気作りをしてほしいと思います。また、いじめや虐待は把握のためではなく、解決のために動いてほしいとも感じます。学校全体で解決する雰囲気・体制作りをしていただきたいです。

○学校から

小林委員

学校でも環境・雰囲気作りを行っています。発達段階に応じて、スクールカウンセラーによる人間関係作りの授業を行ったり、道徳の授業で扱ったりしています。また、課題があった場合には学年全体で話をすることもあります。一概には言えませんが、このような取組をしたことでいじめや問題行動が収まったということがありました。

青少年支援センター

現在ではいじめがあることが悪という考えではなく、いじめは起こりうるものとして早期発見に尽力していただいています。市のいじめ認知件数は5年前に比べると約8倍になっており、いじめを見つける力をつけようという体制になってきています。いじめの受け取り方や発信の仕方は多様であるため、今回頂いた意見を何か事業として形にしていけたらと考えます。

○更生保護女性会から

岡委員

地域の子供達への声掛けは大切だと思います。昔、駅員さんが切符を切りながら、子供一人一人に声をかけていた温かい交流のことを思い出しました。SOSに気付くためには、日頃から子供達との会話を多くしていくことが必要だと感じます。会話をすることによって分かることはたくさんあると思うからです。どうしてもネット等を使うことで会話が少なくなっています。更生施設で生活する子供と面接することがありますが、人との関わりや教育によって、希望を語る子供が多くなると感じます。

○地域の大人の立場から

蓑輪委員

資料の不登校数を見ると、学期が進むにつれて増加しているということは、言葉ではないが何かしらのSOSを発信していると捉えられるのではないでしょうか。既に学校でも対応していることは分かっていますが、本来ならば学期が進むにつれ、楽しくなっていくと思うので、この要因を分析する必要があると感じます。言葉に出せる子供はいいのですが、言葉に出せず学校に行かないという子供に寄り添い、SOSを出しているということを受け止めて頂きたいと思います。

○少年鑑別所から

成澤委員(岡田代理)

鑑別所は審判を控えている子供の対応をしています。発達段階にもよりますが、様々な子供がいて思いが言葉にならない場合もあります。そのような場合には、関係の形成や話しやすい雰囲気を意識し、描画や箱庭を用いて、その子供の思いに触れていけるようにしています。また、鑑別所では地域犯罪防止として、地域支援・相談を行っています。非行に走る子供は様々な背景や生きづらさを抱えているので、個別相談など状況に合わせて対応しています。

○警察から

村椿委員

一番重要なのは、話を上手に聞いてあげることではないかと思います。SOSを出された大人がどのくらい話を聞けるのか、SOSを受け止められるのかが大きいと感じます。

○少年補導に携わる立場から

松井委員

SOSを出せる相談機関を周知することは良いことですが、どのくらいの人がプリントを見て、把握しているのか、効果はどうなのかが重要であり、配れば良いということではないと思います。いじめで親子が命を落とす事件がありました。その事件では、いじめの解決を握手しておしまいという対応だったと記憶しています。現在、学校ではいじめがあった場合、いじめた側の保護者への対応はどうなっているでしょうか。以前は「うちの子に限って」と主張する保護者が多かったと思います。

青少年支援センター

いじめがあった場合、加害・被害のどちらも健全に成長していくことがゴールであると考えます。そのゴールにたどり着くためには、双方の保護者の協力が欠かせないため、学校もそれぞれの家庭と向き合って対応していきます。しかし、中には納得できない保護者もいるので長引くこともあります。従前の対応では、謝って握手してゴールということがあったかもしれませんが、現在はそのようなことはありません。本市においては、ほとんどの認知事案で解決に向かっている状況にあります。

都所学校教育課長

現在は、学校も丁寧に対応しています。また、対応だけでなく、道徳や人権教育等の授業を通して、未然防止を図るための活動を学校教育課からも提案をしています。

○地域の大人の立場から

今井委員

以前、野球の熱血的な指導により、子供が命を落としたことがありました。指導中の言葉の暴力や過剰に走らせることが背景にあったようです。私はある野球指導者から、どう指導したらいいかと相談を受けたことがあります。興味を持っていない子供に何度指導をしても身につかない。子供が興味を持って自分から聞きに来るようにすると、1回の指導で身に付いていくと話しました。簡単・明瞭に指導して頂けたらと感じます。

山中指導担当次長

本会議でいただいた意見を事務局で吟味して、支援センターの事業に活かしてほしいと思います。

相澤委員

委員それぞれから貴重なご意見を頂き、有り難うございます。色々な課題について協議をして参りましたが、薬などですぐに治る課題ではないと考えます。これからもじっくり時間をかけて検討してもらいたいと思います。特に学校現場では子供のためにご尽力を頂ければと思います。

配布資料

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教育委員会事務局 教育支援課 青少年支援センター

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更新日:2019年09月09日