令和3年度 第1回前橋市社会教育委員会議

審議会名

前橋市社会教育委員会議

会議名

令和3年度第1回前橋市社会教育委員会議

日時

令和3年7月19日(月曜日) 午前10時~正午

場所

前橋市中央公民館501学習室

出席者

(委員側)

佐藤議長、清水副議長、大森委員、土田委員、小川委員、関委員、森谷委員

荻原委員、宮内委員、村井委員、奈良委員、山田委員

 

(市教委側)

吉川教育長、藤井教育次長、都所指導担当次長、事務局員(生涯学習課)

欠席者

なし

配布資料

会議内容

1 社会教育委員委嘱式

吉川教育長より委嘱状の交付を行った。

 

2 第1回社会教育委員会議

(1)開会

(2)教育長あいさつ

本日出席をいただきました皆様には、今後2年間前橋市の社会教育委員としてご協議をいただきたいと思う。今年の5月31日には、4年間の検討結果を提言書としてご提出いただいた。公民館での高校生の活動、高校生学習室などは社会教育委員の皆さまの考えを形としてあらわしたものとなっていると思う。誰一人取り残さず学び続ける社会を前橋市も目指していきたい。特性にとらわれず、まじりあうことの大切さ、互いに学んでいく姿勢を市民の皆様と考えていきたい。教育の提供者の目線で何を教えるのかという発想から、学習者本位の何ができるようになるかの観点への転換、何処で学んだかより何を学んだかという学習歴という視点の必要性を改めて感じている。激しい社会の変化の中で、生まれてから長い生涯をかけて成長するためにも、多くの学びを提供していきたいと考えている。様々な立場からのご助言を期待している。

 

3 委員自己紹介・職員自己紹介

 

4 議長・副議長の選出

前橋市社会教育委員会議運営規則第3条に、委員の互選により議長・副議長を置くと規定されているが、意見が出なかったため、佐藤委員を議長、清水委員を副議長とする事務局案を提示し了承された。

 

【佐藤議長】

この社会教育委員会議の提言や議論は、前橋の社会教育の基本となっている。私が教育長だった時には、社会教育委員の皆さんの議論を基にして、公民館行政や社会教育理論について考えてきた。学校教育以外の教育や学校教育との関連について、協議を重ねてまとめていきたいと考えている。よろしくお願いいたします。

【清水副議長】

副議長として、これからの新しい動き、社会教育の方向性について議長とともに頑張っていく所存です。よろしくお願いします。

 

5 事業説明

教育振興基本計画・教育行政方針について

【都所指導担当次長】

教育振興基本計画及び教育行政方針について、資料に基づき説明を行う。

 

【佐藤議長】

コロナ対策をしながらの公民館活動の現状について、もう少し詳しくお聞きしたい。

【宇多社会教育係長】

コロナによって従来型の講座が難しい中、人数制限をしたり三密対策をしたりしながら公民館活動を行っている。そのような中、昨年度は動画の講座を年間に65件実施し、3月末で視聴回数が約37000回となった。動画によって、今まで公民館に足を運べなかった方にも自宅で視聴してもらうことができた。出演者も地元の方に協力をお願いしたり、自治会長さんや園児などにも出演してもらったりした。明寿大学は、受講人数が多いため、2班に分け、さらに会場も分け、そこをオンラインでつないで講座を行った。また、ZOOMなどを活用した講座も行っている。接触型、非接触型のいい面を活かしながら講座を行っていきたい。

【清水副議長】

コロナについては、文化協会の事業等でも注意しながら活動をしているが、将来的には、公民館や市有施設の手続きの問題や情報社会における活動の工夫について考えなければいけない。前橋市が応募しているスーパーシティの取組の中で、団体が活動しやすいような連絡の取り方や申請の仕方など、効果的な情報ツールの活用の検討が必要になってくるのではないかと考えている。

【佐藤議長】

今回の提言の終わりにでは、コロナによってバーチャルな学びの可能性が広がったのではないかという記述がある。

【大森委員】

今後ワクチン接種が進んでいく中で、対面型の講座をするためには、大学なども考えなくてはいけないことだが、ワクチンを接種したから参加しても良いというのは人権問題になってしまうため、安全に対面の講座をするためにはどうしたらよいかを考えていかなくてはいけない。スーパーシティについては、明日すぐになるわけではなく10年間という長い期間で考えていくものだが、計画では75歳以上にスマートフォンを配布、市内全域にLTEの整備など、環境面は整っていくと思う。一点確認したいのが、子育て親子支援についてである。なぜかというと、子育て中の親が外に出てはいけないというのはかなり苦しいと思う。子どもと少しでも離れる時間や外に行ける時間などができることが子育て中の親にとっては大切だと思うのだが。

【宇多社会教育係長】

子育て親子支援については、対面だった講座がコロナの影響でZOOMなどに変更になった時に、講座に参加しないという人が多くいた。やはり子育て親子支援については、みんなで集まって学ぶことに良さがあるのだと思う。今年になってからは、託児ができるような講座を実施しているところもある。

【奈良委員】

前橋市がスーパーシティを目指して進んでいく方向性は素晴らしいと思うが、環境整備がしっかりと整うことが大切だと思う。私は地域の自治会で回覧版を発送する役目だが、以前は、回覧板は情報ツールとしてどうなのかという疑問があったが、今は高齢者にとってはとても大きな唯一と言っていい情報を獲得するためのツールになっているということに気が付いた。質問だが、広報などは紙面ではなく全てデジタル化になってしまうのか。デジタル化についていけていない、取り残されてしまう人が生まれてしまうのではないか。

【関口課長】

市の広報については、100%デジタル化はすぐにはないと思う。そうはいっても、コロナ禍において配布する大変さ、接触もできない中で、高齢者ができるだけデジタル情報を手元で見られるツールとして「ひろメール」というものがある。公民館のスマホ講座などで、「ひろメール」の登録を講師の方に一緒に行ってもらい、手元に最低限のデジタル情報が届くような形にしたい。高齢者の意見を聞きながらデジタル化を進めていきたい。

【小川委員】

高校生学習室についてお聞きしたい。この元気21で、高校生が遅くまで学習している様子を見てきた。高校生学習室のような居場所が出来て本当に良かった。現在の利用状況や高校生の反応、課題などについて伺いたい。

【宇多社会教育係長】

約2カ月で登録証を持っている人は990人。前橋女子高校の生徒の登録が一番多い。利用者の延べ人数は、2カ月で3151人。今は席数を約80席で運営しているが、コロナの状況に応じて座席数を減らすなどの工夫をしてきた。高校生の意見としては、「他の人が勉強している姿を見ると刺激になる」、「家だと集中できないがここだと集中できる」などの意見をいただいた。また、「他校の人たちと交流してみたい」、「ボランティアを紹介してほしい」などの意見もあった。

【山田委員】

学習室には自由に書き込めるホワイトボードがあるが、そこに絵馬を飾りたいという意見や、ボランティアについて興味があることなどの意見もいただいている。

【小川委員】

利用者については、高校生以外でも利用して良いのか。そのあたりはどう考えているか。

【宇多社会教育係長】

当初の計画としては、高校生に多く使ってもらうことを考えて設置をした。利用者の区分については、今後検討していくこともあるかもしれない。この学習室は、管理だけでなく、事業の実施も行っていく。7月25日には、将来設計についてのワークショップを実施する予定である。

【佐藤議長】

今回の提言の中でも、若者の活動についての記載があったが、結果や成果について今後検証していくことも必要になってくると思う。

 

6 報告

社会教育委員会議の提言について

清水副議長より、令和3年5月31日提出された提言について、過去の提言にも触れながら、説明をしていただいた。

 

【佐藤議長】

丁寧な説明をありがとうございました。本日は、第1回の会議であることから、ご自分立場から意見や感想を述べていただけるとありがたい。

【大森委員】

提言については、私も執筆をさせていただいたが、なぜ若者に焦点を当てたかというと、社会教育の分野において、他の市町村もそうだが学校教育という領域があることで、若者の社会教育についてはあまり触れられてこなかった。しかし、教育課程において学校教育が社会教育への染み出しが起きている現状から、若者に焦点を当てて議論をしてきた。過去の提言を見ると、世代においては全て網羅したように思える。現在SDGsなどについての議論が活発にされている中、今後は、誰一人取り残さないという目標に対して、本当に取り残していないのかという視点で考えていくことも必要になってくるのではないか。

【佐藤議長】

社会に開かれた教育課程では、社会教育と学校教育の連携・協働が言われている。過去の提言の中でも公民館活動の越境性について触れられていた。この辺りについてはどう考えるか。

【森谷委員】

近年の文部科学省などの考え方は、前橋市が過去に出した提言の越境性についての考えとすごく近いものであると思う。昔は、学社連携や学校・地域・家庭の三位一体などの言葉があったが、それを改めて考えなおし、現代の社会にあてはめたものが、前橋モデルとなっているのだと思う。高校生の学びでは、支援体制について、既存の枠組みを超えるような支援体制の必要性について提言では触れている。学校教育、青少年育成など所管課ごとに固まったものではなく、柔軟に対応できるようなものになり、それが教育行政方針などに反映されたらうれしいと思う。

【清水副議長】

今回の提言については、執筆委員の皆さんと協議しながら執筆をさせていただいた。学校教育について執筆したが、組織としてマネージメントできているかどうか、きちんとした組織を作った方がいいのか、それともニュートラルな状態の方がいいのかどうかなどについて触れてみた。今後は、枠組みにとらわれることなく、具体的な議論を皆さんとしていければと思う。社会教育委員会議が原動力となるような活動になっていければと思う。

 

7 協議

令和3年度の取組について

【土田委員】

学校長としての立場で意見を述べさせていただきます。希望と共に、常に危機感を持って教育活動に取り組んでいる。誰一人取り残すことなく、どんな家庭環境でも確実に社会の一員として幸せになれる子を育てたいという思いでいる。本校で課題としているのは、「つながる」という部分である。全ての子ども、家庭とつながるためには、いかにハードルを下げることができるか、チャンスをチャンスとして意識してもらえるかということが重要である。前橋市内の学校では、iPadを配布し、それを持ち帰り、どんな環境でも使用できるという素晴らしい取組をしてもらっている。例えば、公民館等で配布しているチラシやお知らせ、子どもに意味のある情報を、学校以外の団体がiPadを活用して子供たちに発信ができないだろうか。ホームページにも掲載はされるが、それだと少しハードルが高い。また、高校生の学びの場とともに、小中学生の学びの場、どんな家庭の子どもも公民館を中心に活動ができるようになるのかについても考えていきたい。子どもたちが将来幸せに生きるためには、前橋という社会で育ててもらったという実感がなければ、社会に協力する意識などは育たないと思う。業務改善が叫ばれている中だが、そのあたりについても考えていきたい。

【小川委員】

前橋市の教育委員会は、すごく積極的に動いていただいていると思う。公民館も地域の拠点として活動できていると思う。一方、高校生については管轄も違うし、大学も同様だが、そういった部分をどう取り込んでいくのか、若者に対する支援について具体的に考えていけたらと思う。また、地域には学校や公民館だけではなく、様々な活動をしている団体が多い。例えばフリースクールをしていたり、子ども食堂を行っていたりする団体を、地域の活動に巻き込んでいけたらいいなと思う。それが大きな組織となるようであればさらに良いのではないか。

【関委員】

私は、交際交流協会で在住外国人の支援や交際交流、前橋市に住む人たちへの国際理解の啓発などを行っている。国際理解では、現在11の外国語講座に参加している市民は200人以上いる。コロナ禍において公民館が閉鎖していた時には、オンラインで実施をした。市民の方たちは大変熱心に勉強をしている。そうした人達の学びを地域に還元したり、ボランティア活動につなげていけたりできたら思う。一方、誰一人取り残さないという視点からみると、在住外国人においては取り残されている人が多数いると思う。情報が得られない、得る方法が分からない、日本語教室がコロナにより半減したことで、言葉の壁に困っている人、市内高校に進学したいがたどり着かない人などがいる。そのような人たちと地域の人たちがつながってほしいと願っているし、その結果、地域の活性化が進んで欲しいとも思う。

【荻原委員】

本日の会議の内容は、大学生の私にとって非常に関係ある内容だと思う。今大学生はすごく取り残されていると感じている。コロナが流行してくると、大学生の大多数がパソコンを所持していたので、学校教育の中では最初にオンラインの授業を行うことができたと思う。ただ、それ以降1年半くらいは、ずっとオンラインと課題という授業形態が続いている。オンラインは、コミュニティーが狭くなってしまうと感じている。私は部活に属しているが、今年度は、新入生が入ってくる時期がすごく遅れた上に、その新入生は、部活の人とバイトの人しか会わないなど、限られたコミュニティーの中で生活をしている。行政と大学とが連携出来たらと思っている。

【宮内委員】

提言を拝見させていただいたが、とても素晴らしい提言だと思う。この提言を土台として今後どうしていくのかを考えると、様々なバックグラウンドを持った人たちとのまじりあいや人権教育も含めて、安心して安全に学べるということが大切になってくると思う。

【山田委員】

私が活動しているDNAでは、企業が持っている課題を高校生がグループで解決していく取組や、高校生が病院長の話を聞き、その病院の課題について解決していくなどの実践を行っている。学校や企業、地域、団体がお互いに協力し合いながら活動していけたらいいと思う。

【奈良委員】

自分自身が教員だった時には、地域教材の発掘のためにどんどん地域に出て行ったが、今は逆の立場であり、地域の立場から学校と関わりを持つためにはどんなことができるのかと悩んでいる。また、企業や学校との連携についての抵抗感が少し自分自身の中にはあり、若い人達とのギャップをなくしていかなくてはと感じた。外国人については、私の地域にもいつも畑仕事をしている外国人がいる。そう言った人たちの困りごとについて自治会としてどう話を聞いたり、立ち入ったりできるのかというのも考えていきたい。

【村井委員】

最近の悩みは、夏休み中の子供の活動についてである。普段は子どもの下校時間に合わせて仕事をしているため、夏休み中も同様に仕事がある中、子どもは学童に入ることはできず、家にいることになってしまう。地域には、助けたいとかやりたいという意欲がある人がいるとのことなので、そのような人たちが午前中だけでも子供たちと過ごしてくれるような取組があるといいなと思う。また、タブレットが子供たちに配布されたが、目が悪くならないか、壊さないかなどの心配な面の方が親としては関心が高くなってしまっているので、親がタブレットの有効性について理解できるような取組をしてもらえたらありがたい。私も、子どもが育っていけば地域の一員としてなにかやっていきたいと思っている。そう言った人たちを巻き込んで何かできるような仕組みについても考えていきたい。

【森谷委員】

今後については、今皆さんの話を聞いている中で新たな発見があったり、なるほどと思ったりしているので、また議論をしながら考えていければと思う。

【大森委員】

委員の皆さんが話をしてくれたこと一つ一つが、議論するテーマになりうるものであったと思う。今ある課題を次回以降ピックアップし、議題やテーマを絞っていくことが良いのかと思う。また、公民館のコーディネート機能については、難しいのは重々承知だが、今回、NPO法人などの新たなコーディネート能力を持った団体がいることがわかったので、そういった団体を上手く活用できないのかという思いもある。

【清水委員】

今後も、それぞれの立場の意見を伝えながら、きちんと議論していければと思う。

【吉川教育長】

行政だけではできないことを、市民の方々の力を借りて高校生学習室の運営は行われている。事業をやって初めて、取り残された人たちがどこにいるのかが分かることもあるだろう。毎回この社会教育委員会議に出席をしている中で、教育委員会としても様々な気付きをいただいている。ぜひ、様々な意見をいただければと思う。

【佐藤委員】

事務局で本日の協議を整理し、次回以降のテーマについては、後日連絡することとしたい。活発な協議ありがとうございました。

 

8 連絡

・今後の予定について

 

9 閉会

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更新日:2021年07月29日