令和6年度第3回前橋市社会教育委員会議
審議会名
前橋市社会教育委員会議
会議名
令和6年度第3回前橋市社会教育委員会議
日時
令和6年12月16日(月曜日) 午前10時から正午
場所
前橋市中央公民館501.502学習室
出席者
(委員側)
佐藤委員(議長)、森谷委員(副議長)、土田委員、間々田委員、栗木委員、張委員、西谷委員、大畠委員
(市教委側)
吉川教育長、片貝教育次長、金井指導担当次長、佐藤生涯学習課長、関沼副参事兼管理係長、新保課長補佐兼社会教育係長、大渕青少年教育係長、野島副主幹兼指導主事
欠席者
篠田委員、阿久澤委員、結城委員、宮内委員
配付資料
会議内容
(1)開会
(2)教育長あいさつ
あっという間に12月になってしまいました。本当にお忙しい中、令和6年度第3回の社会教育委員会議にご参加をいただきまして本当にありがとうございます。
前回の会議では、グループワークを行っていただき、委員の皆様の活発な意見交換の様子を拝見させていただきました。それぞれの委員の皆様の立場からのご意見をいただき、今後の前橋市の社会教育の取り組みについて、反映をさせていただきたいと考えております。
本日は、人生100年時代における学びをテーマにご意見をいただくことになっております。議会の定例会が現在開会中ですが、その中で、教育の方向性についてのご質問がありました。今年度に入り教育委員会では、一人の子を多面的に見ていくために、福祉部、健康部とチームを組み活動を行っております。今まで学校現場で抱えてきた課題というのは、学校現場の中だけで解決することは難しく、社会の変化、あるいは家庭の様々な状況の変化が子どもたちに影響を与えております。そのためにも、連携が重要だと考えております。
そのような中で、3つの方向性について答弁をさせていただきました。1つ目は、非認知能力です。学力と言われているものとともに、非認知能力を高めていきたいとお伝えをしました。多様なものの見方や自己肯定感を育てること、また、体験活動を増やすことが大切であると感じております。
2つ目は、社会教育の充実です。学ぶことは楽しいと子どもたちが思うためには、他者を認める、学び合うという意識を大人が持つことが大事だと思います。社会教育というのは、社会を永続させるための人々の関係を耕す営みとも言われております。過日公民館で実施をされましたビブリオバトルでは、高校生と90歳の男性が全く同じ立場で、自分はこの本のここがいいんだということを伝え、おすすめ本を紹介することで、年齢を超えて、互いに学びあう姿が見られました。また、昨日も今年度最後ののびゆくこどものつどいが元総社公民館で行われました。各地区の少年の主張の代表者が発表する中で、元総社中学校の代表の生徒が、食品ロスについて自分の考えを発表しました。奥から取らずに手前から取っていくことが大事だということを、中学生なりに根拠を持ちながら発表しました。聞いていた大人がそうだよねと思える内容で、決して公民館は子どもたちに何かを指し示すという大人の場ではなくて、互いが学び合う場であるんだと思いました。大人が子どもたちの考えを傾聴し、受容し、自分たちの考えに新しいエッセンスを取り入れていく。年齢を超えた学び合いの姿が見られる。こういうところが社会教育施設の良いところなのではないかと思います。公民館と図書館、そして図書館分館が公民館に併設していることは、前橋市の特徴でもあります。これをもっともっといかしていけるといいなと考えております。
3つ目は、社会の変化を捉えた新しい教育環境を作ることです。児童生徒数の減少に伴って、適正規模、適正配置の検討が現在行われています。これは、学校の再編とか、どことどこを統合するとか、そういう話にとどまらず、新しい社会にある新しい学校とはどんなものなのか、どういう機能を持っていたらいいのか、子どもたちが楽しいと感じられる新しい学びや学びの場を作る機会を捉えたいと答弁をさせていただきました。
来年に皆様より提言をいただくわけですけれども、私はこの提言に基づいて、来年を新しい社会教育をスタートする年と位置付けたいと思っております。
議長をはじめ委員の皆様にはお世話になりますけれども、どうぞよろしくお願いいたします。
(3)議事(発言趣旨)
【佐藤議長】
教育長さんからありがたいというか、大切なお話をいただきました。前回の提言の中に、今後は、社会教育と学校教育がお互いに越境し合うという内容がありました。注目をしたいと思っていたところでありまして、学校教育は社会教育の方へ向かって越境してくる。例えば、公民館の活動の中にコミュニティスクールとしての内容が染み込んでくる、そして、お互いに染み込んだところで社会教育の大きな枠組みが成立すると考えると、学校教育以外を社会教育とするというような今までの定義付けが変化をしてきているのではと思いました。
社会教育委員会議の議論では、コミュニティスクールも含めて、社会教育のあり方についてグループワークでずっと議論をしてきました。先ほどの教育長さんの話も含めて、本日は議論をしていければと思います。
【佐藤議長】
では、本日の協議の内容について、事務局より説明をお願いいたします。
【新保補佐】
資料に基づき、説明をさせていただきます。誰一人取り残すことなく、全ての世代の市民がその学びと協働を通してつながり合い、地域にその学びを還元することが前橋モデルとなっております。令和4年の第3回の会議で吉川教育長より諮問を受け、社会教育委員の皆様には、今まで議論を重ねていただきました。さらなる磨き上げ、人生100年時代の予測困難な時代と言われる中、社会教育を幅広く見直し、現状や課題を把握し、それらの解決に向けて議論をし、学びのまち前橋の社会教育の未来、目指す方向性や具体的な取り組む事項などをご提言いただくことになります。
今までの会議の内容についてです。令和4年度につきましては、第3回に教育長より諮問があったこと、令和5年度については、図書館の基本構想や公民館の分館である図書館などの話がございました。令和6年度は、KPT法を使い、議論を深めてまいりました。
本日は、人生100年時代、マルチステージモデルといわれる中で、幼児教育、学校教育、家庭教育、社会教育などの学び、また、多様性や個性を尊重する時代の中での生き方について、仕事やボランティア、交流関係の拡大や企業や副業など、様々な学びが必要とされる中、多様な学びは生まれた時からずっと続くのではないか。その中で、公民館の事業やその他の事業など、この多様な学びに具体的なものとしてどのようなことをしていくのがいいのかなどについて議論していただければと思います。以前の会議でも説明させていただきましたが、第4期教育振興基本計画の中にございます、二つのコンセプト、持続可能な社会の創り手の育成、日本社会に目指したウェルビーイングの向上を踏まえ、多様な学びに向けて具体的な内容やねらい、学びのデザインなどについて議論をお願いいたします。
【佐藤議長】
ありがとうございました。この後は今の説明を受け、グループ協議に移ります。
(グループ協議)
付箋紙を使い、多様な学びについて協議
(全体共有)
(Aグループ)
- 包括的性教育を幼少期に学ぶこと。また、自分が結婚をしたり子どもが生まれたりした段階や30代から40代で再度学ぶことが必要ではないか。
- コロナが収束し、体験的活動の良さが見直されている。自然体験、キャリア体験など、年代に関わらず行っていけると良い。それにより、孤立することなく、交流できる仲間が広がっていくことにつながる。
- 大学生が地域の活動を知ることが少ない。これは高齢者も関係するが、ボランティアなどの活動に、最初は無理にでも参加させてもいいのではないか。大学生ならば、ゼミや授業のなかで後押しし参加させてみる。活動を体験することで気づきがうまれ、さらにやってみたいという大学生や高齢者も現れるのではないか。また、情報発信の方法についても検討してほしい。
- 子どもの時に学べなかったことが時代によって変わってきている。例えば、スマホがない時代に育った方々は、使わないのではなく使えない。そのような方々が使えるようにするためには、スマホ講座を実施するなどしてほしい。現在も行っていると思うが、自分が学んでこなかったこと、時代に合わせた講座を受講できるようにすれば、自分の豊かな学びに繋がっていくのではないのか。一方、アナログの活動の良さもあるので、そのあたりのバランスも考えてほしい。
- 今の社会は攻撃的に感じる。寛容性が高まるような社会を創っていくためにも、非認知能力を高める講座を学校教育の中で、難しければ社会教育の中で行ってほしい。アメリカではこの非認知能力の重要性が文献などからもたくさん出てきている。
- 便利になっているものは、幼児から高齢者まで興味がある。例えばキャッシュレスであれば、実際のお金を使って学ぶ教育も大事だが、同時にキャッシュレスを学ぶことで互いの良さがわかる。便利になったものをみんなが共有できる社会になるといい。
- 人生100年を過ごすためにも、健康寿命が大切。健康に関する講座は高齢者に人気があるので、様々な種類の講座があるとうれしい。
(Bグループ)
- 人生100年時代の学びというが、これまで80歳であった寿命が100歳まで単純に20年伸びるという話ではなく、ライフステージが構造的に変化し、高齢になっても活躍し続ける人が増えていくという視点から施策について議論を進めたい。
- これまで多くの人は定年を契機に収入の面や生き方ががらっと変わり、金も仕事もないという状況に置かれてきた。今後は、50代くらいから70代中盤頃まで、その人に合わせた老後を見据えた生き方を自分が考えられるような、教育であったり講座だったりを公民館の講座で行えると、生きがいを見つけていけるのではないか。そこで、もう一旗上げるのか、隠居してしまうのか分かれ道になると思う。
- 地域への帰属、地域への入り込むための教育。20代から30代ぐらいで地元の会やボランティア、どんど焼きなどの地域行事に、家庭を持ちそこに住む人たちを取り込んでいくことで、入り込んだという意識を作っていくことが重要。
- 公民館を中心とした町づくり。コンパクトシティのような、公民館を中心に、空間的なコンパクトさだけではなく、人と人との近接性を高めるような町づくりや教育をどう進めていくのか。もちろんエリア的な問題もあるが、有償ボランティアが学校と連携して活動する。そのような人たちを公民館が管理するような仕組みはできないか。児童文化センターや群馬の森などの公共施設、大学なども併せて活用したい。
- 企業との連携事業。企業と共催で事業を実施することで、ノウハウであったり、定年後の話であったり、様々な情報を提供することができる。金銭的な負担などもあるが、多様な学びを充実させるためには必要ではないか。
- 社会教育(学びの講座など)は、ややもすると民業圧迫に繋がりかねないことから、役割分担や棲み分けが必要である。
- 学校の先生でも社会教育をやりたい人がいる。何をするにも学校側で企画している現状が垣間見られるが、公民館と二人三脚で進める必要がある。定年後のボランティアの活用も有効である。
【吉川教育長】
公民館で活動をされている男性の方が、もう少し早く、40代、50代から、退職以降の自分のライフスタイルを考えておけばよかったと話を伺ったことがあります。引退をしてからどうするのではなく、自分がどう生きていくのかを考え続けることが大事で、それに応えていく社会教育でありたい、そういうものを作っていきたいなと私は感じております。
【佐藤議長】
ありがとうございました。今まで随分議論を重ねてきましたが、教育長さんからも、社会教育に関する視点のようなお話もいただきましたので、議論を少し整理しながら、提言のためにこの会議があるわけではないのですが、まとめていきます。
1つ目は、社会教育の仕掛けとしての公民館、2つ目に、図書館などの社会教育施設。子どもたちや一般の方々が学んだり、繋がりを作ったり、地域とつながったりというような、自分自身の人生作りみたいなところに繋がるような方向性で整理をして、皆さんにお示ししたいと思います。
(4)社会教育関係団体に対する補助金について(意見聴取)
資料に基づき、現時点における令和7年度の社会教育関係団体に対する補助金の説明を行った。質疑応答後、令和7年度の社会教育関係団体に対する補助金については異議なしとされた。
(5)連絡
(6)閉会
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更新日:2025年01月07日