令和元年台風19号の対応を踏まえた見直し事項について

令和元年台風第19号では、本市においては、人的被害や甚大な住家被害等は生じなかったものの、対応面では多くの課題が生じました。
本市では、市民、市議会、庁内関係課等から寄せられた意見等を基に、対応の検証と課題の解消に向けた検討をした結果、令和2年度から下記事項の見直しを実施し、風水害対応の一層の強化を図ることとします。

主要事項

1 避難情報の発令の早期化

表1

従前

・土砂災害警戒情報発表、基準水位到達時等に発令

課題、意見

・避難情報の発令は、明るく安全な時間帯に行うべきである。

見直し後

・令和元年台風第19号規模(総雨量400ミリメートル以上)が見込まれる場合は、土砂災害又は洪水災害の発生が想定される地区を対象として、従前の基準に限らず、明るく安全な時間帯に発令

・その他の場合も、状況に応じて可能な限り早めに発令

【関連事項】自主避難所の開設機会の追加

・台風時に加え、突発的な豪雨発生時も大雨警報(土砂災害)発表時は、危険区域を有する6自主避難所(大胡・宮城・富士見公民館、粕川支所、芳賀・南橘市民SC)を開設

2 洪水浸水想定区域内の避難所の開設

表2

従前

・洪水浸水想定区域内の指定避難所、自主避難所開設なし

課題、意見

・洪水浸水想定区域内にも、避難場所を確保するべきである。

見直し後

・各洪水浸水想定区域内で想定浸水深が比較的浅い4中学校(第三中、第七中、桂萱中、木瀬中)を初動時開設指定避難所として追加

・2階のある3市民SC(南橘、桂萱、永明)を自主避難所として追加

 【関連事項】初動時開設指定避難所及び自主避難所の追加

・洪水浸水想定区域外の鎌倉中も初動時開設指定避難所として追加

・初動時開設指定避難所 26か所 ⇒ 31か所(5か所増)

・自主避難所 11か所 ⇒ 14か所(3か所増)

3 粕川地区の自主避難所の変更

表3

従前

・粕川公民館を自主避難所として開設

課題、意見

・粕川に隣接しており水害の可能性があって危険であるので、他の施設に見直すべきである。

見直し後

・粕川支所(2階)に変更

4 指定避難所開設時の校舎利用

表4

従前

・体育館での運用が中心

課題、意見

・体育館だけでなく、校舎も活用するべきである。

・市と学校との連携を明確に整理すべきである。

見直し後

・校舎開錠の円滑化(連携強化)

・校舎利用の迅速化

5 職員の動員体制の強化

表5

従前

・4支所と4公民館は職員連携あり

・城南支所及び市民SC(現地対策本部、自主避難所)への職員応援なし

課題、意見

・自主避難所への配置職員数を増員するべきである。

見直し後

・城南支所及び市民SC(現地対策本部、自主避難所)への各部応援職員1人の配置

 

その他の事項

1 気象情報等の提供、注意喚起

・台風対応時に広報車、消防車両による注意喚起の実施

・新規FM番組を開始(まえばしCITYエフエム)

2 市ホームページのアクセス強化

・ホームページ用サーバーの分散化

・掲載ファイルの圧縮、ページ構成の簡素化

3 避難情報の発信

・高齢者避難情報コールサービスの導入

4 指定避難所の環境改善

・体育館へのテレビ配備、Wi-Fi開設

・体育館(外)トイレの洋式化、バリアフリー化工事の実施

5 職員研修の拡充

・職員対象の防災研修の充実

6 庁内情報共有の改善

・庁内情報共有システムの改善

・消防局から災害対策(警戒)本部事務局への情報連絡員派遣の実施

7 関係機関との連携

・自治会については、各支所、市民SCが情報連携を実施

・要配慮者利用施設については、各所管課が情報連携を実施

・前橋地方気象台、群馬県、陸上自衛隊第48普通科連隊、東京電力等と情報連携を実施(ホットライン、情報連絡員派遣受入)

8 ハード整備

・河川の護岸工事や浚渫工事の実施について、県知事宛に要望書を提出

・水位計、監視カメラは、県が年次計画で追加設置予定

9 ハザードマップ

・八ッ場ダム完成に伴うハザードマップへの影響について、洪水浸水想定区域を検討する県宛に文書で照会し、影響はない旨の文書回答受領

【関連事項】利根川県庁裏水位観測所の基準水位見直し(令和2年6月1日群馬県変更)

基準水位表

区分

変更前

変更後

増減

避難判断水位

3.50m

3.68m

+0.18m

氾濫危険水位

4.01m

4.88m

+0.87m

※ 群馬県が、従前の危険個所であったグリーンドーム上流部分について堤防整備を行い、完成後3年間の監視期間が支障なく終了したことから、基準水位の見直しを行ったもの
※ 洪水浸水想定区域の変更なし
※ 今後、本市でも市民周知を実施

10 防災啓発の拡充

・各自治会連合会単位での説明の実施

・自主防災訓練、防災講話、広報紙、FM番組等を通じた啓発の実施

11 要配慮者利用施設避難確保計画の作成促進

・法律上作成義務のある市内要配慮者利用施設の避難確保計画の作成促進

12 本市の強靱化に向けた取組の実施

・本市国土強靱化地域計画の策定に向け作業開始(令和2年度中策定)

◆風水害時の対応避難所(赤字部分が変更箇所)

 

対応避難所表

区分

開設時期

開設箇所

自主避難所

(1)土砂災害

・大雨警報(土砂)発表時

・台風接近前の定刻

(台風予報を受けて決定)

(1)土砂災害

・支所(粕川)

・公民館(大胡、宮城、富士見)

・市民SC(芳賀、南橘)

 

(2)洪水災害

・台風接近前の定刻

(台風予報を受けて決定)

 

(2)洪水災害

・市役所

・城南支所

・市民SC(上川淵、芳賀、桂萱、元総社、総社、南橘、清里、永明

10か所

合計

14か所

指定避難所

原則 【警戒レベル3】避難準備・高齢者等避難開始の基準該当時に必要箇所を開設

 

例外 台風の予想雨量が令和元年台風19号規模(総雨量400ミリメートル以上)の見込みがあるときは、台風接近前の定刻に【警戒レベル3】避難準備・高齢者等避難開始を発令し、全ての風水害対応避難所(31か所)をあらかじめ開設して対応

(1)土砂災害

・支所(粕川)

・公民館(大胡、宮城、富士見)

・赤城少年自然の家

5か所

(2)洪水災害

・浸水想定区域外の小中学校(22校)

・浸水想定区域内の中学校(4校)

(三中、七中、桂萱中、木瀬中)

下表の風水害時の初動開設避難所一覧参照

26か所

合計

31か所

◆風水害時の初動時開設指定避難所(赤字部分が変更箇所)

対応避難所表2

水位観測所

初動時開設指定避難所

利根川(大正橋)

桃川小

利根川(県庁裏)

桃川小、鎌倉中、若宮小、第三中、みずき中、桃井小、第一中、第五中、天川小、わかば小、箱田中、東中

利根川(上福島)

わかば小、広瀬小、山王小、広瀬中、東中、箱田中、第七中

広瀬川(三光)

桂萱東小、山王小、広瀬小、木瀬中

荒砥川(下増田)

荒砥中、二之宮小、桂萱東小、木瀬中

荒砥川(大胡)

大胡小、大胡東小、桂萱東小、荒砥中

桃ノ木川(上泉)

 

芳賀中、桂萱東小、中川小、桃川小、若宮小、みずき中、第五中、天川小、わかば小、広瀬中、広瀬小、山王小、鎌倉中桂萱中木瀬中

赤城白川(細井)

芳賀中、時沢小、鎌倉中、桃川小、若宮小

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更新日:2020年09月01日