定例記者会見概要版(平成30年7月24日開催)

平成30年7月24日に開催された定例記者会見の要旨です。

日時

平成30年7月24日(火曜日)午後2時00分~2時45分

会場

市役所 4階庁議室

1 案件説明

冒頭

(市長)

 中核市市長会からの要請に基づき、岡山県倉敷市へ本市職員を派遣していますが、その報告が届いています。現地へ行ってみると、被災地域は水害のあったところに限定されており、それ以外では日常的な活動が行われているとの報告がありました。本市は、高崎市と青森県八戸市との3市合同で、倉敷市真備町にある薗小学校での避難所運営業務に従事しています。現場が落ち着きを取り戻しつつあるという報告を受けて、私も少しほっとしています。

(1)前橋文学館特別企画展「サクタロウをアートする-解釈の快楽-」及び「リーディングシアターVOL.6イエスタディ」を開催します

(市長)

 前橋文学館が、また新しいチャレンジをします。夏の特別企画展「サクタロウをアートする-解釈の快楽-」を7月28日(土曜日)から10月14日(日曜日)まで開催します。萩原朔太郎の詩は、これまで後世の文学だけでなく、さまざまなアート作品にも影響を与えてきました。本展では、朔太郎の詩やその他の作品に影響された17人の作家のさまざまなアート作品を紹介します。
 3Dアニメーションや写真、コラージュ、陶器、映像、刺繍、版画など、幅広いジャンルの作品をお楽しみください。朔太郎生家の屋根の上に乗せる予定の猫のオブジェも会期中に出展します。

 また、前橋文学館リーディングシアターVOL.6「イエスタディ」を8月5日(日曜日)午後2時から開催します。この作品は、さまざまな文学作品の一節が引用されており、反戦の意味が込められた清水邦夫さんの作品です。今回、萩原朔美館長の演出で、前橋空襲の日にお届けします。申し込みは、7月21日(土曜日)午前9時から電話での予約受付を開始します。関係者や報道への公開ゲネプロを8月5日(日曜日)午前11時から行いますので、報道機関の方は、ぜひ、この時間にお越しください。

(前橋文学館学芸員)

 今回の特別企画展のポスターは、イラストレーターの山口マオさんに作成を依頼しました。山口マオさんは、『猫町』という萩原朔太郎の小説を絵本にしています。新作の原画も本展で展示します。

 若手のアーティストを中心に、アニメーション、写真、コラージュ、映像、音楽など多岐にわたるジャンルがそろいます。新鮮で驚きのある作品ばかりですので、朔太郎を知っている人にも、まだ知らない人にも楽しんでいただけるものと思っています。
 また、リーディングシアターは、文学を声に出すことで、朗読と演劇の中間のような新しい表現を目指しています。

(市長)

 萩原朔太郎は、短歌からはじまり詩に移行しましたが、それだけでなくデザインや音楽などで活躍したマルチタレントだったと解釈しています。前橋文学館の萩原朔美館長も、それに近い異質のタレントですので、そこから朔太郎の息吹を感じていただければと思います。

(2)「base on the GREEN」(前橋ナイトマルシェ)を開催します

(市長)

 前橋市まちづくり公社と、まきばプロジェクトの共催により、昌賢学園まえばしホール前の北側広場で、地域の人々が繋がる憩いの場を提供する前橋ナイトマルシェを開催します。このイベントは、地域の人々や街の利用者が楽しむ場所を提供することを第一の目的としています。住民同士の繋がりが希薄となっている近年、地域の中で見えない、見えにくい関係性を改善するためにも、公共空間を地域住民に広く開放することで、地域交流、世代間交流ができる場を創り出すことを目指します。
日時は8月9日(木曜日)午後4時30分から午後8時までで、小雨でも実施します。キッチンカー6台で、飲みものや食べ物を1台あたり50食程度提供します。提供する飲食物は、焼きまんじゅう、かき氷、焼きそば、アルコール類、コーヒー、ドリンク類で、テーブルと椅子を設置しますが、芝生内にはレジャーシート・スペースもあります。また、小さな子どもでも楽しめるようにキッズコーナーも設ける予定です。このナイトマルシェは昨年8月に、県庁前広場でも開催されましたが、昌賢学園まえばしホール前の広場で開催するのは今回が初めてです。
 今までは、このようなことに都市公園を貸さないことが多かったですが、公園が人と人との出会いの場、コミュニティの再生の場であるために、市民に開いていくものです。

(まきばプロジェクト代表)

 これまで前橋市や伊勢崎市を中心にイベントの企画をやってきました。45DAYSのソーシャルアクションや、前橋めぶくフェスの実行委員として、前橋の中心市街地に関わってきました。今回のイベント名の「ベース」は「根ざす」という意味で、「グリーン」は「芝生や地域」を示す言葉として使っています。自分たちの住む土地に根ざして、自分たちの手で豊かな暮らしを作っていこうという願いを込めています。一番の目的は、地域の住人が集う場を創ることです。そして、市民がその場所でビジネスを行って稼ぐことや、行政、自治体も場を貸し出すことで利益を得るこということも最終目標です。三方良し、という状況に行き着ければと考えています。今はまだ社会実験のようなものですが、ここから始めていきます。

(市長)

 今のまきばプロジェクトの話を受けて、45DAYSのソーシャルアクションの理念が広がって、今があるのだと改めて思いました。ありがとうございます。ソーシャルアクションを起こすのが、ソーシャルな公園です。これから色々な公園の使い方を探っていきたいですが、それにはまず、市民からの提案があるべきだろうと思っています。

(3)まえばし赤城山小水力発電所の発電を開始します

(市長)

 本市では、これまでも荻窪町など3カ所に大規模太陽光発電設備を建設するなど再生可能エネルギーの導入を積極的に進めてきました。今回、赤城山からの恵とも言える豊富な水資源を活用した「まえばし赤城山小水力発電所」が完成し、8月から発電を開始します。
完成を記念して、7月26日(木曜日)午前10時から、開所式と見学会を小水力発電所の現地で開催します。この小水力発電所は、平成28年度から建設工事に着手し、約2年間の工事期間を費やし、総工事費は約4億7,700万円です。事業期間は30年間を予定しており、総売電収入は約8億円を見込んでいます。
売電収益は、「絆でつなぐ環境基金」に積み立てます。基金は、環境に関する施策及び震災等で被害を受けた地域の環境再生等に活用しています。この小水力発電所の年間発電量で一般家庭の約330世帯の消費電力を賄うことができます。
希望があれば、市民向けの発電所の見学会を開催する予定です。このようなサスティナブルな発電を、こつこつと積み上げていきます。太陽の恵み、赤城の恵みを市民に還元していきます。

(4)熱中症対策と注意喚起

(市長)

 連日メディアで報道されているとおり、猛暑日が続いています。環境省は熱中症を予防することを目的とした「暑さ指数」という指標を公表していますが、前橋市も連日、指標上での「危険基準」を記録しており、すべての生活活動で熱中症になってしまう危険性があります。例年と比較して熱中症の救急搬送も増えていますので、消防局から熱中症の救急搬送の実情と、熱中症の予防・対策法を説明します。

(消防局警防課・救命士)

 今年4月から7月23日までで、すでに257人の人が救急搬送され、医師から熱中症という診断を受けています。昨年の搬送者は73人でしたので、すでに現時点で、昨年を大きく上回っています。発生場所は、住宅で起きたものが95件と最も多く、次に、学校の校庭や運動競技場などの運動施設が続き、道路での歩行者という順番です。どこでも起こりうるという状況と、高齢者の方の発生が多いという傾向があります。高齢者は発汗能力が下がっているということと、体の熱に気付きづらいため、本人が熱中症になったと分からないことがあります。しかし、どの年代でも熱中症は起こりえますので、意識がおかしい、自分で水分がとれないという状況になりましたら、すぐに119番通報で救急車を呼んでください。
 その場でできることとしては、涼しい場所(日陰)に移動して着ている服を緩めて安静に寝かせます。なるべく風をあてて体を冷やすことも重要です。救急車を呼ぶような重症な場合は、首の周りや脇の下、太ももの付け根など、太い血管を冷やすというのが、体を守るためには重要です。救急車が来るまでの間に行ってください。
 体力のある人で、自分はこのくらいでは大丈夫と思っていても、熱中症は一度発症して重症化してしまいますと命に関わる病態だということをご理解ください。

(市長)

 住宅で発生しているものが一番多いのですね。

(消防局警防課・救命士)

 はい。住宅の居間でも、高齢者がエアコンが苦手でつけていなかった場合ですとか、庭の草むしりや水まきなどを行っているときに発症しています。

(5)西日本豪雨で被災された方に対し市営住宅を提供します

(市長)

 西日本を中心に広い範囲で記録的な大雨となった「平成30年7月豪雨」によって、全国各地で甚大な被害が発生していることから、被災者の当面の住居を確保するため、本市の市営住宅を提供します。
基本的に即入居が可能な市営住宅の部屋数は16戸です。今回の豪雨で被災され、各市町村が発行する罹災証明を受けられる方を対象とします。使用期間は6カ月以内とし、1年を超えない範囲で延長を認めます。
家賃や駐車場は無料で、連帯保証人も免除とします。被災地から遠く離れてはいますが、前橋市にゆかりのある人ない人を含め、生活の基盤である住居の確保に向けて、必要な支援をしていきます。

(6)平成30年度前橋市職員採用試験における特別枠の導入について

(市長)

 新しい採用方法として、事務1)の特別枠を設けることになりました。これはスポーツで一定の成績を収めている人や、JICAで経済支援や医療支援、文化支援などの国際貢献をしていた人などを採用するものです。8月から募集が始まりますので、前橋市役所で、今までの経験を評価されながら、公務に取り組みたいという方がいましたら、ぜひお願いします。
 昭和58年4月2日以降生まれの人が対象となります。

(7)あさ活・ゆう活を通じた働き方改革の推進について

(市長)

 国においても、職員のワークライフバランスの推進と働き方改革は、政策の質や行政サービスを向上させるために不可欠なものとしています。本市においても、国の取り組みの趣旨に鑑み、夕型勤務の「あさ活」と朝型勤務の「ゆう活」という新たな取り組みを試行的に実施しています。効率的な業務を行うための創意工夫を促すことで、時間外勤務を削減し、職場の意識改革を進めるものです。

(8)ふるさと納税の返礼品として前橋花火大会の有料観覧席を提供します

(市長)

 ふるさと納税では色々なメニューを用意しています。一昨年は3億円近く集まっていましたが、総務省からの通知で高額な返戻品を送れなくなり、ナカヨ通信機のタブレットなど人気商品の取り扱いが終了することで、寄付額はガクンと落ちてしまっています。現時点では年間2億円ほどのマイナスです。
 現在は、過度な返礼品競争を行わない、制度の趣旨に沿った取り組みを実施しています。平成30年4月から7月20日までの寄付受け入れ実績は、件数361件で金額14,821,000円。昨年4月から6月までの寄付受け入れ実績(件数512件、金額83,820,000円)の約18%です。
しかし、本市では、寄付金を児童擁護施設等から社会へ巣立つ子どもたちを支援する「タイガーマスク運動」に充てるなど、使い道を重視した取り組みを実施し、優秀事例として全国から注目を浴びています。このように、制度の趣旨に則した真摯な対応を引き続き行いながら、本市の魅力発信を図るとともに、まちづくりへの賛同者を全国に募っていきます。

2 質疑応答

前橋文学館特別企画展「サクタロウをアートする-解釈の快楽-」及び「リーディングシアターVOL.6イエスタディ」を開催します

(記者)

 現代アートは、分かりづらいところもあります。分かりやすいものだとどのような作品がありますか。

(前橋文学館学芸員)

 音楽の映像を流しますが、若いミュージシャンが萩原朔太郎の詩を歌にして歌っているものがあります。出演は世田谷ピンポンズさん、Rinnさん、carry音さんです。山口マオさんの『猫町』の絵本の原画もあります。
 全ての作品に朔太郎のどの作品を元にしたかを書いていますので、分かりやすい展示になると思います。

「base on the GREEN」(前橋ナイトマルシェ)を開催します

(記者)

 まきばプロジェクトとは、会社ですか。どのような団体ですか。

(まきばプロジェクト代表)

 まきばプロジェクトは、活動の名前です。収益を目的とした法人ではなく、私個人の活動名ですが、企画ごとにメンバーを変えて、多くの人に関わってもらっています。

まえばし赤城山小水力発電所の発電を開始します

(記者)

 前橋市として小水力発電に取り組むのは今回が初めてですか。

(環境政策課長)

 こういった発電と売電を目的とした大規模な施設を作ったのは初めてです。小学校や児童文化センターで、小水力発電を見せるための実験的な小規模な発電はしていました。

熱中症対策と注意喚起

(記者)

 気象庁もこの暑さは一部の地域では災害であるとの認識のようです。全国では小学生が亡くなるという痛ましい事案もありました。これを受けて、小学校へのエアコン設置など、暑さに対して対策をとるものがありますか。

(市長)

 災害といっても、現に起きているものですので、個々人の暑さ対策が必要です。小学校の教室は特別支援学校も含めて、すでにエアコンが設置してあります。校外学習など、教職員に負担いただく面も出てきますので、さきほど消防職員が申し上げた対応をお願いできればと思います。昔のように、道路に水撒きをしたり、縁側にすだれをかけたり、スローシティのような暮らしや生活の知恵を生かしていくことも、市民それぞれに実施してもらいたいと思います。

西日本豪雨で被災された方に対し市営住宅を提供します

(記者)

 これは国からの要請があって行うものですか。

(建築住宅課長)

 国からの要請がありました。国(国土交通省)のホームページで窓口を開いています。今のところ、入居希望者や問い合わせなどはありません。

(記者)

 他市でも実施していますか。

(建築住宅課長)

 7月19日現在で、10市町村が窓口を持っています。今後も推移することがあると思います。

平成30年度前橋市職員採用試験における特別枠の導入について

(記者)

 まだ問い合わせがないようですが、特別枠は今回初めての実施ですか。これまでも募集の告知はやっていましたか。また、他の市町村でも実施していますか。

(職員課職員)

 応募開始は8月6日からです。周知にも力を入れてきましたが、まだこれからというものです。これまでは社会人経験枠というものがありましたが、職務経験だけでなく、いろいろな分野で活躍されている方の経験も行政には必要ということで、今回初めて実施するものです。県内では高崎市が29歳以下で同様の募集をしています。

(記者)

 前橋市とすると、スポーツやJICAなどというのは例示で、これ以外の分野の経験でも応募できるというイメージですか。

(職員課職員)

 本当にさまざまな分野があると思いますので、私たちが想像していなかった分野からも応募があると考えています。広く応募してください。

(以上で終了)

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更新日:2019年02月01日