定例記者会見概要版(令和5年4月24日開催)

令和5年4月24日に開催された定例記者会見の要旨です。

日時

令和5年4月24日(月曜日)午後1時30分~2時30分

会場

市役所 4階 庁議室

動画配信(前橋市公式ユーチューブ)

1 案件説明

(1) 楽歩堂前橋公園にスケートボード広場を開設しました

(公園緑地課)

楽歩堂前橋公園にスケートボード広場を開設しました。場所は利根川と柳原放水路に囲まれた親水ステージゾーンの噴水広場の南側のエリアで、約300平方メートルの舗装広場でございます。スケートボードは、東京オリンピック2020では日本人選手が活躍し多くのメダルを獲得したことから一躍メジャースポーツとして認知されました。これまでも若者を中心にスケートボード愛好者はたくさんいましたが、スケートボードを楽しめる場所がなく、楽歩堂前橋公園など市内の公園では一般来園者との交錯やベンチなど公園施設の破損もありスケートボードの使用を禁止していました。本市としましても市民や団体からの要望も受けて、スケートボードを楽しめる場所が必要と認識しており、スケートボード利用者が気軽に楽しめることができ、マナーの向上にもつながる施設としてこの度、スケートボード広場を整備したものでございます。

使用が開始された3月27日より連日多くの愛好者の皆様に利用いただいています。さらに令和5年度には、400平方メートルの広場拡張整備を計画しており、今後も前橋スケートボード協会と連携しながら利用者にとって魅力的な安全に楽しめる施設を目指して整備を進めていきたいと考えています。

本日は前橋スケートボード協会の顧問である岡正己前橋市議会議員さんからスケートボード広場の活用など今後の展望についてお伝えいただければと思います。

(前橋スケートボード協会顧問 岡氏)

前橋スケートボード協会の顧問を務めております前橋市議会議員の岡と申します。本日は会長、副会長が所用により出席できないため私が対応しております。

以前より、スケートボードを実施できる場所がないなど市民の方からさまざまな要望をいただいておりました。現在、前橋市では前橋総合運動公園で2か所ほど開設されていますが、スケートボード専用でないことや駅から距離があることなどの課題がありました。駅の近くにスケートボード広場が欲しいという要望があり、協会も市と調整し、この度前橋公園に整備されました。

しかし場所の整備だけではなく、マナーアップの啓発をしていかなくてはいけないということで、協会としてイベントなどを企画したいと考えています。5月21日にスケートボードの啓発のためのイベントを考えております。当該場所は河川にあたるため構造物を作れません。イベントの時だけ仮設のボックスやスロープのようなものを設置して通常とは異なる演出をしたいと思っています。協会は自主財源で運営していますので、協会へ寄附いただいた方に対してシールなどを配布し、運営費を賄っていきたいとも考えています。

(2) アーツ前橋特別館長及び館長が決定しました

(市長)

南條さんと出原さんを紹介します。新しい前橋のアートが今後どうなっていくのかをお話していただきたいと思います。

(アーツ前橋 南條特別館長)

ご紹介いただきましたアーツ前橋特別館長の任を拝命しました南條です。これまでいろいろ問題もあった美術館ですので、これまでのシステムや運営のあり方を精査して改善したいと考えております。結果としてどのような運営をしていくかですが、地域性と国際性、歴史と革新、創造性とラーニング、街とアート。こうしたことのバランスを取りたいと考えております。

地域性と国際性は地域のアーティストやアート、歴史に目を配ること、そして一方では国際的に活躍しインスピレーションを与えてくれるような今の日本や海外のアーティストを紹介していく。この二つは違う方向のようですが、結局はアートの面白さを皆さんに伝えること、そして自分たちの歴史を見直すことにつながってくることから両方とも大事なことです。

歴史と革新。新しいものと古いものどちらか一方ではなく両方とも大事です。前橋市は革新的に躍進しています。新しい産業が興り、デジタル化も進めようとしている中で、現代美術館のクリエイティブな発想と若い人たちの新しい見方を前橋市に持ってくることによって新しい波が到来するのではないかと期待しています。

創造性とラーニング。クリエイティブなアイデアをアートから受け取ってほしいと思う一方でこれを広げていく。ラーニング、教育・普及活動が大事になると思っています。両方ともきちんと行い皆さんに分かってもらい、利用してもらう。そしてそれが将来の糧となるというようなことを期待したいです。

アーツ前橋10周年に関して説明します。アーツ前橋の位置は商店街の少し外れた部分ですが、中心街に含まれています。そこで美術館の箱として閉じて活動するのではなく、箱から外へ出て街の方々と交流し、街にアートを挿入し、人々の生活の中にアートを置いていくことができるはずです。特に10周年の企画はそういったものにしたいと思っています。アートと街が融合していく、相互に発展していく、お互いに新しい可能性を引き出す、拡大する企画で10周年を迎えたいです。それが新しいアーツ前橋の基本方針になっていくと思います。将来的にはこの企画から残っていくような作品が出てくるかもしれない。街の中に残されていくとパブリックアートになり、パブリックアートがたくさんある街になるかもしれない。街の中にアートがある、アートの街を作っていく、アートと街が融合していくことが長い目で見ても非常に面白い展開を作るのではないかと思います。そうした地方都市はありません。地方芸術祭を実施しているところはたくさんありますが、それが残って街と同化しているところはありません。できればそのような方向性も探りたいと考えています。

美術館は元々ヨーロッパで王侯貴族が集めた美術品が最終的には革命などを経て一般の方々に公開されるようになったものです。ルーブル宮殿のように最後は美術館として公開される。そこにはたくさんの美術品がある。このような形で美術館は登場してくるわけですが、一つの街が美術館を持つということは、大変な覚悟がいることだと私は思います。これは始めたらやめられません。やめたら大変な問題になる。そして収蔵してきた美術品も行き場を失うわけです。ですから美術館をやることの責任は非常に大きいのです。この責任をしっかり踏まえて10周年を迎え、新しい11年目を作り出していきたいと思っています。

既に新しいスタッフを迎えました。私は特別館長ですが、館長には出原さんをお迎えしています。今回入った二人の学芸員もここに来ています。出原さんにお話しいただきたいと思います。

(アーツ前橋 出原館長)

ご紹介いただきました出原です。私は広島市現代美術館で20年間勤め、その後に神戸市の兵庫県立美術館で15年間勤めておりました。美術館畑でずっと働いてきたわけです。広島市現代美術館は公立の最初の現代美術館です。兵庫県立美術館は元々兵庫県立近代美術館と呼ばれていました。関西で最初の近代美術館であり、現代美術館と近代美術館の両方を渡り歩いてきました。兵庫県立美術館は全国の美術館では珍しい保存修復の部門があり、その部門と連携しながら収集管理グループでやってきました。美術館の色々なことが分かっているということで南條特別館長からの推薦により、市長に承諾をいただき、こちらの美術館に勤めることとなりました。

南條特別館長から非常に明快なビジョンを語っていただきました。美術館の中でそのビジョンをどのように具体化するかが私の第一の使命だと感じております。南條さんの構想を基にスタッフに具体化させる手続きを取り、事務方や市とどのように繋がって、ある意味では橋を渡していくという仕事を務め、より新しい美術館を作っていければと思っています。どうぞよろしくお願いします。

その他

・ソーラーエコ大胡ぐりーんふらわー牧場トライアル・サウンディング

(公園管理事務所)

赤城南麓に位置し国道353号線沿いの大きな風車が目印のソーラーエコ大胡ぐりーんふらわー牧場で取り組んでいるトライアル・サウンディングについて紹介します。

市では公園管理者である我々と民間事業者が協働して公園の利活用の向上に向けて挑戦しています。大胡ぐりーんふらわー牧場では、公園を利用して新しいことに挑戦したいという民間事業者を募集し、公園を一定期間利用して新しい事業を実施していただきます。そしてその結果を我々にフィードバックしてもらい、今後民間投資を呼び込んで公園の魅力の向上、利便性の向上に向けて模索していきたいと思います。

現在7事業を既に認定しました。現在は準備調整等を進めていますが、既に実施した事業もございます。本日は認定1号として「さくら・夜桜カフェメイリー」を実施してくださいましたメイリークリスタル取締役の狩野さんにもお越しいただいております。狩野さんには挑戦した感想や今後の展望についてお話しいただきたいと思います。メイリークリスタルさんはイベントやライティングの事業を主に行っています。そのほか、公園に隣接した場所でメイリーカフェという素敵なカフェを昨年オープンされ、現在営業されております。このノウハウを生かしてお店の中での桜のプロジェクションマッピングや隣接する公園内で桜をライトアップしながらその桜の下でお茶を楽しんでいただくといった新しい価値の提案を実施してくださいました。それでは狩野さんにお話をいただきたいと思います。

(メイリークリスタル 加納取締役)

メイリークリスタル有限会社取締役の狩野と申します。弊社は2003年に結婚式の演出の会社として創業し、その後、イベント演出、特殊効果演出、プロジェクションマッピング、ライティングと幅を広げて今年創業20周年を迎える会社です。社員12名の小さな会社ですが、新しいことに常にチャレンジしています。

昨年の夏には今までの集大成としてプロジェクションマッピングカフェを大胡ぐりーんふらわー牧場の隣接するエリアにオープンしました。今回の事業の参加のきっかけですが、昨年4月のカフェ建築中に桜をカフェの屋根の上からライトアップしたら素敵だねと夢を抱いておりましたところ、市公園管理事務所からトライアル・サウンディングのお話をいただき早速チャレンジしました。

弊社の得意とするライティングの事業と新事業のカフェを組み合わせて桜、夜桜カフェメイリーという形でやってみました。ライトアップはとても綺麗で白い光だけでなく薄いピンク色に染めてみたり、オーロラのカラーのプログラムを取り入れたり、他では実施していないライティングに挑戦してみました。見に来ていただいた方からはとても良い反応をいただいており撮影なども楽しんでくださいました。

課題と抱負ですが、千本桜と同時期の3月31日から4月16日をイベント期間としましたが、今年は例年よりも1週間以上早く桜が開花しましたのでスタート直後から桜が散り始め、後半は葉桜になってしまいました。屋外のカフェスペースは寒かったり強風だったりで天候に左右されることが多かったので、その対策をし、来年もチャレンジしてみたいと思っています。1年間の数日だけ楽しめる大胡ぐりーんふらわー牧場のオーロラ桜を定着できたら素敵だなと考えております。

今後はプライベートドッグランを計画しています。機会があればプロジェクションマッピングやライティングショーなど私たちが実施している事業とのコラボイベントなどで楽しんでいただける取り組みをしてみたいと考えています。

2 質疑応答

(1) 楽歩堂前橋公園にスケートボード広場を開設しました

(記者)

スケートボード広場の一部が開設されましたが、最終的には700平方メートルで完成ということになりますか。

(公園緑地課)

今年度、400平方メートル拡張し、総面積700平方メートルで一旦は完成とします。その後については今後の利用状況を考慮しながら検討したいと考えております。

(記者)

整備はいつ頃に終わる予定でしょうか。

(公園緑地課)

河川区域内のため渇水期しか工事ができませんので、令和6年1月から3月にかけて行う予定です。

(記者)

前橋市では公園でのスケートボードの利用が禁止されていて、前橋総合運動公園では専用ではないが一部区域において可能ということですが、専用で利用できるのは前橋公園だけになるのでしょうか。

(公園緑地課)

そのとおりです。令和4年度に前橋総合運動公園の中央広場でモニュメントエリアとロータリーのところでスケートボードが利用可能なエリアとして設定しました。スケートボードの専用広場として開設したのは前橋公園が初めてです。

(記者)

市民や団体から要望があったということですが、具体的にはどのような団体から要望があったのでしょうか。

(公園緑地課)

先ほどご説明いただきました前橋スケートボード協会から要望いただいております。

(記者)

3月27日から利用開始されていますが、利用状況はいかがでしょうか。

(公園緑地課)

利用人数は把握していませんが、毎日多くの方にご利用いただいております。昨日も30人くらい利用されていたと聞いています。

(記者)

イベントについてですが、スロープやボックスを設置するというお話がありました。イベント限定での設置ということでしょうか。

(前橋スケートボード協会 岡顧問)

河川が増水した時に撤去しないといけないのでその辺りも考慮しながらにはなりますが、イベント時に設置してしばらくはおいておきます。基本的には設置して問題ないという許可をいただいております。あとは利用者の頻度によって劣化する可能性がありますので、試験的に設置して様子を見る形になると思います。

(記者)

イベントの参加方法について教えてください。

(前橋スケートボード協会 岡顧問)

イベント当日に直接現地に来ていただければと思います。

(2) アーツ前橋特別館長及び館長が決定しました

(記者)

特別館長の南條先生に伺います。資料には運営の考え方などを精査するとありますが、今後、運営や管理体制を具体的にどうしていきたいかの考えはあるのでしょうか。

(アーツ前橋 南條特別館長)

書類の整合性や事務処理システムがどのように動いているのか。収蔵品の管理をどのようにしてきたか。今後どうしていくか。展覧会を作っていくときのプロセス、こういったものを見直していきます。予算管理、スケジュール管理、印刷物、広報、こうしたことが具体的にどのように行われてきたかを見直したいと考えております。広報にしてもデジタル化している中で、今にあったやり方で改善していきます。省エネルギーで効率よくやっていけるように再構築していきたいと思います。

(記者)

10周年の記念展覧会の話がありましたが、具体的にどういった内容になるのでしょうか。

(アーツ前橋 南條特別館長)

面白いものを見せたいと思っています。アートは勉強するものではないと思っています。どんな方が見ても楽しい、面白い、感動する。その感動を友達と共有したいと感じる。それが本当の意味での美術の楽しみだと思います。説明を聞いてわかるという部分もあるのですが、観客が体感して感動するというものを見せていきたいと思っています。そのためには外国の作家かもしれないし、日本の作家かもしれないし、お年寄りかもしれないし、若い作家かもしれない。差別なく誰に見せたいかではなく作品中心に面白いものを並べていってそれが10周年、アーツ前橋の出発を祝ってくれるような作品になると。そういう展覧会を皆さんに見ていただきたいと思っています。市民の方だけではなく県外遠くから皆が見に来る、新たな出発の素晴らしい展覧会にできたらいいなという抱負を持っています。

(記者)

10周年の展覧会はいつ行うのでしょうか。

(アーツ前橋 南條特別館長)

10月に予定しており、内部では日程を確定しています。これについては市にも了解を得て発表したいと思います。

(記者)

今後の運営について、地域性と国際性、歴史と革新と4つ挙げていただきましたが、特にこれに力を入れたいということはあるでしょうか。

(アーツ前橋 南條特別館長)

私自身は国際的に動いてきた人間です。海外の美術界とも非常に繋がりを持ってやってきた経緯があります。そのような資産をうまく利用して、運営に利するような形でやっていきたいと思います。

(記者)

改めてどんなアーツ前橋を目指していきたいかメッセージいただけますか。

(アーツ前橋 南條特別館長)

アートは面白くなければいけないと思っておりますので、面白いアートがある場所だと思っていただきたい。美術館というのは元々、色々な美術品を集めて管理をする場所だったわけです。しばらくたつと展覧会として一般の人に見せる場所に変わり、そして教育する場所に代わった。今や美術館は特に日本ではコミュニティセンターのような面も持っています。それだけでは十分ではないと思っています。将来的にはクリエイティブハブになるべきだと。つまり多くの一般の人たちがそこに来て新しい想像力やインスピレーションを得る場所が美術館であるべきではないかと。それを与えられるのが現代美術であると思っています。ですから現代美術の多様な可能性を見せることによってそこで観客が色々なインスピレーションを得る。それは、自分の仕事にもいかしていけるだろうと。最近、アートシンキングがビジネスで大事だと言う方が非常に増えています。それはクリエイティブのものの考え方なのです。今までの決まったものを踏襲するのではなく、それを打ち壊してでも次の新しいステージに飛び込んでいくのだという冒険心や挑戦精神がクリエイティビティだと思います。それを現代美術は見せてくれるので、そのような場所にしていきたい。それが最終的には前橋の市民、特に若い人たちを教育してその人たちがクリエイティブになっていけばこの街の将来をもっと画期的なもの、素晴らしいものにしてくれる。その人たちが新しいビジネスを興すかもしれない。その人たちが今までやってきたことをもっとよくしてくれるかもしれない。そういう一つの将来に向かっての布石としての美術館というものが若い人たちに新しい発想を見せていく。そんな美術館であるべきではないかと思っています。

(記者)

出原館長に伺います。資料ではアーツ前橋に6回来たことがあるとの記載がありますが、どのような時にいらっしゃったのでしょうか。

(アーツ前橋 出原館長)

白川さんと廣瀬さんの個展、服飾の展覧会、二人展、生態系とオープニングに伺っています。美術館の学芸員は色々な美術展を見るのが一つの仕事ですからできるだけ展覧会を見ています。前橋は注目しておりまして、アーツ前橋は市民に開かれている感じがしていました。私が務めていた美術館ですが、一館は岩の上にあり、一館は海岸沿いで建物自体が閉鎖的な感じで、どちらかという市民には開けていないようなイメージがありました。そのため、アーツ前橋は市民に開けている印象が強く、好印象を持っていました。さらに市民に開かせようという南條さんのご意見を踏まえまして呼ばれたので非常に面白いなと思っています。

(記者)

特別館長のビジョンを具体化させ、かつ前橋市との橋渡しの使命があるとのお話がありましたが、改めてどういったアーツ前橋にしていきたいかということを伺ってもよろしいでしょうか。

(アーツ前橋 出原館長)

市民に開かれていてクリエイティブであることです。10数年前にリチャード・フロリダがクリエイティブシティーという考え方を論じました。クリエイティブな人たちが集まる都市が発展していくという考え方に共感し興味を持っています。クリエイティブなものを提供したいし、街の中のクリエイティブなものを美術館にどれだけ取り込んでいけるかも重要です。相互関係を深めていくことが重要ではないかと思っています。学生や美術に興味がある人やコレクターなどいろいろな人が美術にはいます。それ以外にもデザインや建築家など色々な人がいますので、そうした人たちと繋がっていく、あるいは市民ともつながっていき広がりをどれだけ持てるかがこれからの美術館の重要なことだと思っています。できるだけそのような展開をしていきたいと思っています。

(記者)

お二人の役割分担について教えてください。

(アーツ前橋 南條特別館長)

私が大きなビジョンや特別な展覧会を担当していきます。出原さんはより管理運営の部分も目を配っていただきます。管理運営がないと展覧会も作れませんから両方見ていただくことになるだろうと思います。少し私の方が総合的な部分になると思っています。

(記者)

お二人それぞれどれくらいの頻度でアーツ前橋に来られて職務にあたられるか教えてください。

(アーツ前橋 南條特別館長)

毎週の会議に実際来る場合とWeb会議で参加する場合とがあると思います。月に2回くらいは実際に来られるだろうと思っています。

(アーツ前橋 出原館長)

私は週4日務めます。

(記者)

お二人それぞれアーツ前橋以外の仕事以外で持っている主な肩書を教えてください。

(アーツ前橋 南條特別館長)

主だったものは、森美術館の特別顧問、N&Aという個人の会社があります。こちらは企画や青森県の二つの美術館の指定管理をしています。そこでは私はアルバイトの肩書で参加しております。

(記者)

今のメインの仕事は美術評論家になりますでしょうか。

(アーツ前橋 南條特別館長)

そうですね。美術評論家をよく使っていますが、キュレーターという言葉を使うこともあります。

(アーツ前橋 出原館長)

広島に中国電力のエネルギーや文化スポーツの財団があります。そこの委員長をやっています。また、関西電力の美浜発電所の審査員をやっています。

(記者)

アーツ前橋がメインの仕事で、前橋にお住まいになられるのでしょうか。

(アーツ前橋 出原館長)

そのとおりです。

(記者)

前橋は白井屋ホテルやまえばしガレリアなど東京から有名なアートギャラリーが来たり民間のアート活動の蓄積があったりするかと思いますが、連携は考えているのでしょうか。

(アーツ前橋 南條特別館長)

積極的に考えています。私がいた森美術館も民間です。民間と公の境目がどんどん薄くなっている時代だと思います。民間もパブリックの役割を演じるべきだと。福武さんは公共資本論と言っています。資本論であるけれども利益は公に供するべきだという考え方の人も民間に出てきています。一方、公の方も今までのような公の存在ではなくて民間に近いような効率的な運営とか、一般の人たちに寄り添った様々な活動が期待されていると思います。そういう意味で美術館として美術のことをしますが、民間でアートに興味を持ち利用していこうという方がいらっしゃれば協働して面白いことやっていくべきだろうと。そのような街こそが発展するのではないかと思っています。

(記者)

前任の館長が辞任されてからアーツ前橋の館長は市の職員がずっと務めていたという理解でよろしいでしょうか。

(市長)

そのとおりです。

(記者)

アーツ前橋では特別館長は初めての就任になるという理解でよろしいでしょうか。

(市長)

そのとおりです。

(記者)

お二人の出身地と生年月日を教えてください。

(アーツ前橋 南條特別館長)

東京出身で1949年4月21日生まれです。

(アーツ前橋 出原館長)

徳島出身で1958年6月25日生まれです。

(記者)

人員体制を確認したいです。今までは特別館長はおらず市の課長が館長を務めていました。館長も専門家を置くというのはどういう狙いがあるのか南條さんにお尋ねします。学芸員2人を迎えたということですが、計何人に増えたのか教えてください。

(アーツ前橋 南條特別館長)

私は特別館長だけではなく、前橋市の文化芸術に関するアドバイザーでもあります。民間の話が出ましたが、白井屋ホテルなど様々な文化活動ともどのように連携していくか、そうしたことも含めたアドバイスやアイデアの提供、ネットワークの紹介をしていきたいと思っています。より広い意味での美術に関わっていくと考えていただくといいかと思います。学芸員は開館当時の13人に戻ったことになります。

(記者)

市の課長が館長だと専門性が発揮できないなど、南條さんが考える美術館の運営には十分ではなかったということでしょうか。

(アーツ前橋 南條特別館長)

美術の世界は専門性が非常に高いと思います。一般の方々の常識も非常に大事ですが、専門的な視点で見るとどういうことかを理解していなくてはいけません。その両方が見えていて初めて一番いい判断が下せると考えています。

一方で美術業界の人と話すときに少し話すとどの程度知っているかがすぐにわかってしまいます。展示会という言葉を使うと思いますが、美術業界では展示会は売るための展覧会のことを言います。最近は一般的な展覧会のことを展示会と言う人が増えてきています。同じ業界にいると理解しているので話が通じやすいという側面はあると思います。ある程度美術の知識を持った人に館長をきちんとやってほしいという思いです。副館長は行政からとなります。

(記者)

冒頭、作品紛失問題を念頭に問題があったとおっしゃられました。二人の作家の作品の紛失やその後の隠蔽の対応、アーティストの山本さんの企画展では美術館側が契約を守らずに料金も未払いだったという問題があったわけですが、それぞれについてどのように考えているのでしょうか。

(アーツ前橋 南條特別館長)

その問題の処理については3月に終わっていると思うのですが、市の方にお答えいただいた方がいいと思います。私たちはそれから後に入ってきました。その問題については言及する立場にはないと思っています。ただ大変遺憾なことだなと思っています。同じ美術関係者としてきちんとした美術館になってもらいたいですし、皆さんと一緒に繁栄していく美術館になってほしいということからこの再生プロジェクト、10周年から新たな形での立ち上げに参加しようと考えたわけです。

(記者)

言及する立場にないということですが、再発させないための方策についてどのように考えているのでしょうか。

(アーツ前橋 南條特別館長)

それについて調べるため、精査するという言葉を文書に書きました。今までのやり方とそこに盲点があったのかなかったのか、あるいは今のデジタル化時代にふさわしい管理方法など、総合的に見て改良していきたいと考えています。

(アーツ前橋 出原館長)

美術館は複雑なルールとシステムができています。資料をすべて見てどうなっているのかを調べてどう改良できるかを判断したいと思っています。細かい内容については把握していませんので、着任してからの大きな事柄の一つだと思います。より良いものにしていきたいと思っています。

(記者)

アーツ前橋は発信力が弱い感じを受けています。森美術館は発信力が強いですがアーツ前橋にとっての良い方法を考えていますでしょうか。

(アーツ前橋 南條特別館長)

非常に重要なポイントです。今後どう発信していくかは大きな課題です。ほとんどの公立美術館は広報・PR担当はいません。森美術館には4人くらいいます。最近では特にSNSの使い方がうまくなってきました。これからの時代、総合的に見て一つのプランニング、戦略的なポートフォリオが必要です。どのくらいのエネルギーをSNSにかけるのか。あるいは紙なのか。どのくらいがWEBページで伝えていくのか。掲載する情報の範囲はどのくらいなのか。ということをトータルに設計しないと効果的な発信ができないだろうと思います。今のところ人員を持っていないのですが、市に提案して広報担当というものをきちんと作りたいと考えています。

(記者)

任期はあるのでしょうか。

(文化国際課)

任期は3年程度ということで話していますが、再任は妨げないということで今後の流れの中で検討していきたいと考えております。

(記者)

特別館長と館長が決まりました。アーツ前橋10周年で節目の年になりますが期待することを市長に伺います。

(市長)

今まで自分たちがやってきて起きた出来事で市民の信頼を失いました。これまでのやり方でない体制に変えていく。南條先生をお迎えし総合的なビジョンを作っていただき、行政経験が長くなおかつ学芸能力が高い出原さんという類まれな方に館長に就任いただいた。これからの新たなアーツ前橋は、僕の言葉で言えばリメイク、リボーン、逆襲でしょうか。ぜひ期待しております。

その他

・ソーラーエコ大胡ぐりーんふらわー牧場トライアル・サウンディング

(記者)

トライアル・サウンディングはいつから始まったのでしょうか。

(公園管理事務所)

今年の2月から始めております。

(記者)

市場調査では具体的にはどのようなところを見ているのでしょうか。

(公園管理事務所)

将来的には、パークPFI制度に取り組んだ場合の実現可能性や公募条件の設定をするための材料としての活用を考えています。

(記者)

7事業者が認定を受けていますが、応募数はどれくらいだったのでしょうか。

(公園管理事務所)

現在認定しているのは5事業者ですが、それ以外にも多数の方からご相談いただいています。

(記者)

応募事業者の条件としては市内事業者に限られるのでしょうか。

(公園管理事務所)

そのような制限は設けておりません。

G7群馬高崎デジタル・技術大臣会合

(記者)

今週末に高崎でG7デジタル会合があります。このタイミングで前橋市として海外から訪れる人に前橋のデジタル技術を紹介するような考えはありますでしょうか。

(市長)

詳細については政府より止められておりますのでご了承ください。

(以上で終了)

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更新日:2023年05月01日