定例記者会見概要版(令和5年8月9日開催)

令和5年8月9日に開催された定例記者会見の要旨です。

日時

令和5年8月9日(水曜日)午後2時~2時45分

会場

市役所 4階 庁議室

動画配信(前橋市公式ユーチューブ)

冒頭

市長あいさつ

(市長)

それでは、定例記者会見を始めます。今日は3つの案件について説明します。その前に、連日暑い日が続いておりますが、本市ではクールシェアの取り組みを実施しています。涼しさを皆で分け合うという運動で、80カ所以上のクールシェアスポットを用意しています。市役所や公民館、図書館などの施設、また企業提供の場所など、さまざまな場所を市民の皆さんに利用いただけます。これらの場所をご活用いただき、過ごしていただければと思います。

また、先般、岸田総理大臣に本市をご訪問いただきました。本市のICT活用の取り組みをご覧いただき、総理大臣からは前橋版Maasが群馬版Maasとしてエリアを広げている様子などをご理解いただけたことを嬉しく思っています。この取り組みを全国展開していこうというメッセージをいただきました。本市の取り組みが広がり、多くの日本の皆さんの助けになれば幸いです。

1 案件説明

(1) 前橋文学館開館30周年記念イベントを開催します

(市長)

前橋文学館に萩原朔美館長を招いて8年ほどが経過しました。初めて朔美館長とお会いした時に、こんな面白い方がいるならば前橋文学館長にお願いしたいと思い、お声がけしたのが始まりです。そして、文学館の進化が始まって今に至っているわけです。

文学館の30周年イベントとして、リーディングシアターや青山忠さんを招いたマンドリンアンサンブル、「朔太郎を歌う」のコンサート企画が用意されています。今日はその中のリーディングシアターについて朔美館長と一緒に企画を進めている中村ひろみさんに来ていただいております。彼女は役者であり、地域における芝居の歴史的な研究なども行っています。彼女自身も朔美館長と同様に魅力的な方ですので、ぜひお話をお聞きいただければと思います。

(リーディングシアター出演者 中村 ひろみ氏)

私は平成元年から前橋市在住で、群馬県内と東京都内で「演劇プロデュースとろんぷ・るいゆ」という名前で、演劇の企画、制作、演出、出演をしている中村ひろみと申します。

リーディングシアターが2016年に始まりました。その時から、朔太郎忌を含めて県内の役者さんのキャスティングや演出家の紹介、プロデュースなどで参画しています。今日は朔美館長がお越しになれないため、私が代わりに出席させていただきました。

今回のイエスタデイは2016年から8年間で7回目の公演となります。全7回すべてに出演しているのは、朔美館長とナレーションを担当する高橋幸良さん、館長の姉役を演じる私の3人です。イエスタデイは日本の劇作家・清水邦夫さんの作品で、長崎の原爆をテーマに2つの家族、兄弟の交流と別れを描いた戯曲です。朔美館長の肝いりで鎮魂の夏に上映しています。長崎の原爆が大きなテーマとなっていますが、描かれているのは20歳前後の若者の日常や青春の明るさ、戸惑い、兄弟愛、家族愛などです。もう明日は命がないかもしれないという極限状態とリンクして進行します。毎年お客さんには笑ったり涙を流したりして楽しんでいただいています。

リーディングシアターは、台本を持った演劇と言えますが、動かない朗読方式から今回のようにかなり動きのあるものまで、多様な演出方法があります。役者は台本を持ちながら演技を行うため、演劇にあまり馴染みのないお客さんにとっては見やすい形式となっています。また、文学館は劇場としては簡素ですので、音響や照明もシンプルです。しかし、それが逆にお客さんの想像力をかき立て、テーマを理解しやすくしていると感じています。役者も毎年少しずつ入れ替わりながら取り組んでいます。群馬県内には実は50以上の劇団や演劇ユニットが存在し、高校演劇でも全国大会の常連になっており演劇が盛んです。県内に充実した演劇人がいるおかげで、リーディングシアターの頻度も高いです。今年は、出演者の平均年齢が今までで最も低くなっており期待していただきたいです。

(2) 働き方改革に向けた「週休3日制」を試行します【県内初】

(市長)

次に、働き方改革の週休3日制について説明いたします。これから先、DXによって新たな時間を生み出すことができれば、本当の意味での週休3日もできるのかもしれません。それは前橋市役所だけでなく、全ての仕事の現場がチャレンジすべきものだろうと思います。DXで本当の意味での週休3日ができれば、その3日目をどういう形で市民に還元するかも考えなくてはなりません。自治会を回ってみれば、どの自治会も、民生委員、児童委員、保護司、あるいは生涯学習奨励員など、いろんな人材が不足しています。そこを手伝える人材を生み出すことができるかもしれません。今日は、勤務時間のやりくりの中で、週休3日を実施するという報告をさせていただきます。

(職員課)

働き方改革を進める一環として、職員を対象としたフレックスによる週休3日制度の試行を開始します。把握している限りでは、県内12市初の取り組みです。

まず、概要ですが、期間は8月14日(月曜日)から9月8日(金曜日)まで、4週間試行します。週単位の勤務時間は変えずに、勤務した日に長めに働くことにより、土日以外に週1日の休みを追加するものでございます。実施の目的は、週休3日制で職員の働く意欲や環境を変えることにより、質の高いワークスタイルの推進と、個人の生活を充実させることです。

実施の所属数につきましては、全庁的に参加する係を募集したところ、33課50係からの応募がありました。実際に試行する合計人数は、223名となっています。勤務時間は、決められた勤務パターンから選択をして実施する形式です。詳しくは資料の4、勤務パターンの記載をご覧ください。具体的には、9時間45分勤務を週3日、9時間30分勤務を週1日、各自が設定します。それぞれの勤務時間ごとに、記載のア~ウまで3パターンの時間を用意してありますので、職員がその中からパターンを決める形式となります。

週休日につきましては、それぞれ好きな曜日に休んでいただくことになります。ただ、今回は係での参加ということになりますので、係内で調整を行い市民サービスに影響がないような形で試行を実施したいと考えております。

最後に、今回の試行実施において、アンケート調査を実施します。試行実施に参加しなかった方の意見も踏まえて、今後の週休3日制の有用性や職員ニーズ、課題等の抽出を行い、本格導入に向けた検討を進めていきたいと考えております。

(市長)

1日2時間余分に働き、4日間働くと8時間です。その分を休暇に充てるということです。勤務時間のトータルは同じで、報酬も同じですから、各自がやり繰りして生み出した時間を自由に使っていただくのは当たり前のことです。我々がDXで生み出した時間であれば、保護司など地域ボランティアの任務にも使えるはずです。そこを目指していくのが次のステージだと思っています。

この試行実施の良い面は他にもあります。例えば、ソーシャルワーカーやケースワーカーが巡回できるのはこれまで原則8時半からでした。巡回時間の幅を広げられることは、大きな意味があることだと思います。これまで触れ合うことができなかった市民と触れ合うことができるのではないかと期待しております。

また、窓口業務がある所属など、業務内容によってはこの制度を採用しづらい部署もあると思います。DXによって時間を生み出すことができれば、その分で丁寧に窓口対応を行えます。そうした優しい時間軸の市役所になれたらどうでしょうか。僕たちのDXは合理化ではなく優しさです。優しさを作るために、DXに取り組んでいます。助け合えるようになるために、僕たちは時間を作っていきたいと思います。

(3) 降ひょう被害に係る支援を実施します

(市長)

続いて、降ひょう被害に関してご説明します。被害に遭われた方々に、お見舞い申し上げます。2日に渡り、重ねて被害を受けた方もいると聞いております。こうした中、本市では降ひょう被害に関する支援、お見舞いを実施いたします。該当する方に少しでもお役に立てればと思っております。担当課から説明いたします。

(社会福祉課)

まずは、降ひょう被害における住家に対する支援についてご説明させていただきます。令和5年7月3日と31日の降ひょうにより、住家に一部損壊を受けた方に対し見舞金を支給いたします。見舞金を支給する災害は、市内における災害の規模、被害の状況などに応じて市長が認定し見舞金を支給します。対象者は市内に住民登録があり居住している住家に被害を受けた方で、1世帯5,000円の見舞金を支給いたします。住家の一部損壊として、屋根、外壁、雨樋、窓ガラスの穴あき、ひび割れを対象とします。申請期間は令和5年8月14日(月曜日)から10月16日(月曜日)までの2カ月間とし、ぐんま電子申請等受付システムによる電子申請のほか、郵送、窓口での申請を受け付けます。さらに、申請受付場所として、市役所社会福祉課に加え、各支所、各市民サービスセンターでも受け付けができるように準備をしています。この度の降ひょうにより被害に遭われた方には心からお見舞いを申し上げるとともに、手続き上の負担を極力軽減しお見舞金を支給します。

(農政課)

続いて、農業者への支援についてご説明させていただきます。農業者向けの支援として3点ございます。資料3の裏面をご覧ください。1が災害見舞金、2が次期作付種苗等購入費の補助、3が施設再建・修繕の補助です。1は市単独の見舞金、2と3は県と市で同調したものでございます。内容につきましては、7月3日の降ひょうを受けて、7月7日に投げ込みをさせていただいた内容と同様のため、説明は省略させていただきます。

(清掃施設課)

災害廃棄物の受け入れについてご説明させていただきます。降ひょう被害により発生した廃棄物は、自己搬入に限り、可燃ごみは六供工場、不燃ごみは荻窪清掃工場と富士見クリーンセンターで受け入れます。農業用ビニール等の搬入は、罹災証明書もしくは被災証明書をご持参いただきますようお願いします。

(4)その他

地域一体となった観光地・観光産業の再生・高付加価値化事業採択

(市長)

昨日、本市の観光地への支援が観光庁より採択された旨のご案内をいただいたところでございます。詳細につきましては、観光政策課からご報告させていただきます。

(観光政策課)

昨日投げ込みした内容と同案件でございますが、今年度当初から市として市内事業者と連携して、観光庁の「地域一体となった観光地・観光産業の再生、高付加価値化事業」への公募を進めており、本市の地域計画が採択されました。今後は市内の宿泊事業者や観光事業者などが個別の事業計画に基づいて交付申請を進めて、改修事業を進捗させる予定です。

宿泊施設の高付加価値化事業に12事業、廃屋の撤去に3事業、観光施設の改修に5事業、面的DX化事業に1事業の全21事業に申請しました。予定総事業費は約12.8億円で、国からの補助見込み額は約5.9億円を予定しております。市内事業者が事業費の半額ないし3分の1を負担するような形の補助金になっていますが、それでも改修を行って観光事業を再生したいという19の事業者によりこの事業を進めていただきます。個別の事業者名については、これから交付申請を進め事業内容が確定していくというところであり、事業者の経営方針や経営状況が分かってしまうため、コンセンサスを取った上で公表させていただく予定です。

本市としても、面的DX化のメニューを活用し、連携する地域のOTA(予約サイト)を立ち上げ、観光再生・高付加価値化を支援していきます。GunMaasと連携して観光やアクティビティの予約などに使っていただけるものと思います。本事業の採択及び今後の改修事業は、本市の観光資源を改めて見つめ直し磨き上げるとともに、市内観光業の経営基盤の安定に資すると捉えています。これを1つのきっかけとして本市に訪れる人を増やして訪れた人に本市のファンになっていただくというところを意識した改修事業を進めてまいりますので、ぜひご期待いただければと思います。

2 質疑応答

(2) 働き方改革に向けた「週休3日制」を試行します【県内初】

(記者)

フレックスタイムということですが、コアタイムを設けるのでしょうか。

(職員課)

週4日の勤務とし、その勤務時間が通常よりも長くなりますのでコアタイムを設けるような形式ではありません。

(記者)

県内初ということですが、市町村初でしょうか。

(職員課)

県内12市で初となります。

(記者)

8月14日から9月8日までということですが、この期間にした理由を教えてください。

(職員課)

国の人事院勧告等でも働き方改革で週休3日制が提案されています。以前から週休3日制の検討をしており、試行はなるべく早いタイミングで実施しようと考えました。また、夏休み期間であることから、子どもがいる職員は、この制度を有効活用できるのではないかとこの期間に設定しました。

(記者)

目的についてですが、柔軟な働き方の推進や、育児のため時短勤務をせざるを得ないことの改善なども考えられます。そうしたことも念頭に置いているのでしょうか。

(職員課)

育児や介護で週1回通院に使っていただくことなども想定しています。ただ、それ以外にも、資格の取得を希望している職員が勉強の時間に充てることのほか、将来的には、社会貢献の時間に使っていただくことも想定しています。まずは、ご自身が必要とする時間に使っていただけたらと考えています。

(記者)

実施する所属をいくつか教えてください。

(職員課)

総務部では職員課の人事係、未来創造部では情報政策課の情報政策係、文化スポーツ観光部では観光政策課のスローシティ推進係、そのほか技術系の所属など幅広く実施いたします。

(記者)

全職員数を教えてください。

(職員課)

全職員数は正規職員が2,575人です。また、資料には記載がありませんが、部長・課長で試行実施する職員もいます。

(記者)

部長・課長で参加というのは、係全員ではなく単独でその部長・課長が参加するということでよろしいでしょうか。

(職員課)

係員全員が希望しても仕事がきちんと回るのかを確認したかったため、係単位での希望としましたが、部長・課長においても週休3日を経験してみるということは良いことだと考え、できる方には実施いただきます。

(記者)

希望した係の係員は全員参加するということでよろしいでしょうか。

(職員課)

係の中に家庭の事情で実施できない職員がいたとしてもそれは問題ありません。

(記者)

職員は勤務パターンを選択して実施するということですが、同一係で異なる選択をするということでよろしいでしょうか。

(職員課)

そのとおりです。

(記者)

日中は勤務時間が重なりますが、早朝と夕方は勤務時間が重ならず、勤務している人が減ることになると思います。一人しか働いていない時間帯が発生することもあるかと思いますが問題ないのでしょうか。

(職員課)

8時30分から17時15分開庁時間はカバーされています。

(記者)

今回は試行ということですが、本格実施の予定を教えてください。

(職員課)

本格導入にあたっては条例改正やシステム改修が必要となります。試行実施の結果を踏まえ本格導入について検討したいと考えております。

(記者)

本格導入の時期はいつ頃を目指しているのでしょうか。

(職員課)

本格導入の時期はまだ決まっていません。試行実施により課題抽出を行ったうえで、本格導入に向けて検討を行います。

(記者)

他県で実施している自治体は把握されていますでしょうか。

(職員課)

栃木県宇都宮市が試行したと聞いています。

(記者)

2,575人という職員数は、学校の先生や消防職員も含まれた人数でしょうか。

(職員課)

市教諭や消防職員も含めた数字です。

(記者)

勤務パターンで9時間45分もしくは9時間30分ということですが、週5勤務での通常の勤務時間を確認させてください。

(職員課)

7時間45分です。

(記者)

地方公務員の週休3日制に関して、国からは指針などは出ているのでしょうか。

(職員課)

把握していません。

(記者)

通常は何時から何時までの勤務でしょうか。

(職員課)

通常は8時30分から5時15分の勤務です。

(記者)

今後の展開で実施後にアンケートを実施するということですが、具体的にどういうことを聞くのでしょうか。

(職員課)

細かい項目はこれから検討したいと考えていますが、実際には課題の抽出がメインになると考えています。

(3) 降ひょう被害に係る支援を実施します

(記者)

住家の見舞金について罹災証明書は必要ないのでしょうか。

(社会福祉課)

必要ありません。

(記者)

申請に必要なものとして、被害の程度が分かる写真を原則提出するとありますが、ない場合は見積書や領収書の写しを提出するという理解でよろしいでしょうか。

(社会福祉課)

そのとおりです。

(記者)

写真の提出のみで真偽の確認はしないということでしょうか。

(社会福祉課)

必要な場合は実際に確認させていただきます。

(記者)

農業支援について県条例が適用されるかどうかは決定したのでしょうか。

(農政課)

7月3日の降ひょう被害についてですが、2の次期作付種苗等購入費について本市は補助の対象になっていません。3の施設再建・修繕補助については対象になっています。

なお、7月31日の降ひょう被害については対象になるか決定していません。

(記者)

この支援制度は7月3日と7月31日の両方を適用するということでよろしいでしょうか。

(農政課)

そのとおりです。

(記者)

5万円の見舞金の支給は既に始まっているのでしょうか。

(農政課)

申請は受け付けており、現時点では6件の申請が来ております。支給も始まっています。

(記者)

災害廃棄物について、具体的に想定している物を教えてください。また、受け入れは無料ということでよろしいでしょうか。

(清掃施設課)

一般の家庭であれば、カーポートやテラスの屋根、窓ガラスを想定しています。農業者であれば、農業用ビニールやハウスのガラス戸を搬入いただいております。通常は有料なところを無料で受け入れます。

(以上で終了)

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更新日:2023年09月13日