定例記者会見概要版(令和5年8月23日開催)

令和5年8月23日に開催された定例記者会見の要旨です。

日時

令和5年8月23日(水曜日)午後2時~2時40分

会場

市役所 4階 庁議室

動画配信(前橋市公式ユーチューブ)

冒頭

市長あいさつ

(市長)

本日の定例記者会見では、前橋産山ぶどうのワインがコンクール入賞という素敵な話題と画期的な水道料金の指針の2点についてお話しします。また、8月25日(金曜日)にアーツ前橋10周年記念展の記者会見を東京都内で実施します。南條特別館長が著名なアーティストと共に説明する予定です。都内での会見となることをご了承ください。

1 案件説明

(1) 前橋産山ぶどう100%の白ワインがコンクールで入賞

(市長)

まずは赤城南麓で生産されたぶどうを使ったワインを皆さんに紹介します。山ぶどうのワインコンテストで入選した赤城南麓ワインです。製造者である石橋さんにお越しいただいておりますので、詳細をご説明いただきます。

(昭和造園土木 石橋代表)

このワインが発売された2年前にも定例記者会見でPRの機会をいただき、今回が2度目となります。私たちが運営している観光農園赤城おろしで育てたぶどうを使用したワインについてお話しいたします。

日本山ぶどうワインコンクールにエントリーし、白ワイン「奇跡の雫」が入選しました。品種は、行者の水とリースリングを組み合わせて育てられたものです。また、赤ワインは富士の夢という品種で、行者の水とメルローを組み合わせて育てられています。富士の夢は全国的に生産されており、今回のコンクールにも同じ品種のエントリーがありました。「奇跡の雫」の国内での本格的な生産は当園だけで、「奇跡の雫」のワインはこの1種類のみとなっています。

仲沢酒店のソムリエ・関さんからいただいたコメントによると、香りは白い花のように華やか、青りんごやグレープフルーツ、白桃のようなフルーツに加え、石灰のようなミネラル感もあります。口当たりはなめらかで、ほどよい甘みとまろやかな酸味が溶け込んだ辛口の白ワインです。これまで、さまざまなイベントで試飲をしていただき、飲みやすさが評価され好評です。

醸造は山梨の岩崎醸造に委託し、ワインの販売は弊社で行っております。販売先は、観光農園あかぎおろしの直売所や道の駅まえばし赤城、新井酒店、AQERU前橋1階Grand Vin Maebashiなどのほか、ネット上でも販売しています。白ワインは528本の限定的な販売となりますが、ご興味のある方はぜひ購入をご検討いただければ幸いです。現在は委託醸造をしていますが、将来的には前橋産のワイン、ワイナリーを自社で作ることができればと計画を立てています。

(市長)

こうしたチャレンジをしていただけたことを嬉しく思います。平成31年に苗木を植えてからかなりの時間がかかりましたが、赤城南麓で頑張っている石橋さんのお話を聞かせていただき、ありがとうございました。

(2) スマート水道メーターの実証実験を行います

(市長)

次に、生活必需品である水についてお話しします。水道の蛇口をひねるだけで水が出てくると思われるかもしれませんが、実際には水を作り、家まで送るまでには多くの努力が必要です。水の使用量を把握するための検針も行われています。メーターが地面の中に埋まっていて検針作業は大変です。こうした問題に対して画期的な解決策があります。それが、スマート水道メーターです。最もアクセスが難しい赤城山の大洞、大沼周辺のような場所でも、スマート水道メーターを導入することで、効率的に検針作業ができるようになります。本日は検針員も来ていますので詳細をお聞きください。

(水道整備課)

まず、スマート水道メーターの実証実験について概要を説明し、その後、検針員から大洞地区の厳しい検針状況についてお話しいたします。

スマート水道メーターのシステムですが、携帯電話の通信網を利用し、基地局を経由してデータセンターと通信します。現地に行かなくてもデータセンターにアクセスすることで検針データを確認することができるシステムになっています。

次に、スマート水道メーターの目的についてです。降雪量の多い地域やセキュリティが厳しいオートロックマンションなど、難検針を解消できることに加え、検針の見間違いや入力ミスによる誤検針を防ぐことで、検針業務の省力化や効率化を図ることが期待されています。実証実験は、難検針地域での通信状況やシステムから得られたデータと実際の検針結果との比較による正確性の確認、コストや市民サービス向上に向けた有効性の検証を目的としています。また、空き家や寒波発生時などの漏水の早期発見も可能になります。

実証実験は、富士見町赤城山大洞地区の本市水道を使用している59件を対象に実施します。この地域は降雪量が多く、検針に時間と危険が伴う難検針地域であると同時に、通常は地下に設置されている水道メーターが、降雪時にも対応できるようにと、地上で水道使用量を確認できる電子隔測メーターが既に設置されています。通信機器を取り付けるだけでスマート水道メーター化が可能になりコストを抑えられることから実証実験の場所に選定しました。

実証実験の期間ですが、既にスマート電子メーター用の通信機器の発注依頼を行っており、今月末に入札が予定されています。積雪量が増える11月末を目途に通信機器の設置を完了し、12月から実証実験を開始したいと考えています。1年を通した季節ごとの通信状況の確認などを考慮し、令和5年の12月から令和7年の3月末までを目安に実施する予定です。

今後の予定ですが、大洞地区のような難検針地域のほか、セキュリティが厳しいオートロックマンションや工場など、異なる条件でのスマート水道メーターの設置について検討します。将来的には水道サービスの見える化サービスのほか、高齢者の見守りサービスなど、市民サービスの向上についても検証していければと考えています。本日は検針業務を委託している株式会社GCC自治体サービスの上田検針員に来ていただいておりますので、お話をいただければと思います。よろしくお願いいたします。

(ジーシーシー自治体サービス 上田検針員)

山間地の検針についてお話させていただきたいと思います。ご存知のとおり、大洞地区は赤城山の山頂に位置し検針業務には緊張の連続です。水道局のある岩神町から現地に行くまで、通常で約1時間かかりますが、冬季の場合は雪の影響で1時間30分ほどかかることもあります。また、山の天候は非常に変化が激しく、1日の中で急変することもあり、雲の動きや風の変化にも注意を配りながら作業しています。また、クマの出没情報があるため、熊よけの鈴などを持参して検針作業を行っています。

冬場の12月から4月は雪や凍結による苦労が多くあります。山頂付近は凍結箇所が多く、通行が困難な場所が増えます。このような環境下で検針作業を行う際、通常5分で終わる作業も積雪が多いと30分以上かかることもあります。日没までに作業を完了させる必要があるため、時間に迫られることもあります。雪の影響で滑りやすく危険な場面も多くあります。また、検針作業が終わった後、帰る際も注意が必要で、岩神町の水道局まで戻るまで気を抜くことはできません。技術の進歩により、スマート水道メーターの導入が可能になり、検針作業の効率化やリスク軽減につながると確信しております。

2 質疑応答

(1) 前橋産山ぶどう100%の白ワインがコンクールで入賞

(記者)

「奇跡の雫」というワインの発売時期はいつからか教えてください。

(昭和造園土木 石橋代表)

最初に発売されたのはNanroku2020(赤)で、2021年の5月に赤ワインを初めて作っています。翌年の2021は、赤と白を2022年4月に販売しています。奇跡の雫2022は、先月の7月25日に発売しました。

(2) スマート水道メーターの実証実験を行います

(記者)

対象の59件は公共施設が多いのでしょうか。

(水道整備課)

公共施設のほか、湖畔の宿泊施設や土産物屋、ドライブイン、公衆トイレなど観光関連施設が多いです。別荘など一般の住宅もいくつかあります。

(記者)

スマート水道メーターのコストを教えてください。

(水道整備課)

市街地での一般的な利用の場合、合計20平方メートルのメーターがアナログ式だと3,000円程度です。これをスマート水道メーター化するためには、隔測式のメーターが必要となり、差額が1万円程度で、それに携帯電話の通信網を使う通信機が約1万円かかるため、一般的なメーターに比べて2万円程度高額になります。

(記者)

1個あたり2万円程度の追加費用がかかるということですが、検針の手間や人件費などを踏まえ費用対効果を検証するということでしょうか。

(水道整備課)

今回の実証実験では、費用対効果の検証も含めてスマート水道メーターを設置するということではありません。近い将来、確実にスマート水道メーターが標準化されると思います。そうした中、本市としてどのような形でスマート水道メーターを採用すべきかを検討するために実証実験を実施するものです。

(記者)

将来的には、通常のメーターがスマート水道メーターに置き換わっていくイメージということでよろしいでしょうか。

(水道整備課)

そのとおりです。既に東京都や大阪府などは数年前から実証実験を行い、本格導入に向けて動き出しています。全てのメーターをスマート水道メーターに置き換えていく取り組みを進めており、コスト面も低下してくることを期待しています。

(記者)

資料の目的に、システムから得られたデータと実際の検針結果の比較による正確性の確認とありますが、実証実験中は人の目で見る従来通りの検針も並行して行うということでよろしいでしょうか。

(水道整備課)

通常の検針のように2か月に1回、現地に行くということではなく、中間点などに通常通りの検針を行い、データとの正確性を検証する必要があると考えています。

(記者)

スマート水道メーターが広がりつつあるということですが、前橋市以外の県内他市町村の実施状況について教えてください。

(水道整備課)

県内市町村でも本格導入しているという段階ではなく実証実験の段階です。群馬東部水道企業団が令和2年度から大口利用者の工場などに10数箇所導入したという話を聞いています。その他にも、安中市が令和3年度から大口の企業に10箇所程度、片品村や嬬恋村、長野原町などの別荘地に数箇所導入したケースもあると聞いています。

(記者)

スマート水道メーターには、LTE回線が使われているという話でしたが、具体的にシステムの流れを教えてください。

(水道整備課)

まだ導入するメーカーは決まっていませんが、スマート水道メーターを製造している各メーカーは、NTTドコモやKDDIなどの3大キャリアと契約し、データセンターを運用することが多いようです。携帯電話のLTE回線網を使ってデータのやり取りを行うのが一般的なスマート水道メーターの流れとなっています。

(記者)

難検針といわれる地域は全体の何割くらいになるか。全体からみるとどれくらいの負担になっているかを教えてください。

(水道整備課)

割合や負担量は分かりかねますが、本市における難検針地域としては、大洞地区やオートロックのマンション、守衛さんの許可を得て入る必要がある工場などが該当します。

(記者)

何人くらいの職員が、何カ所検針しているのかを教えてください。

(水道整備課)

使用されていない水道メーターも含めて、約18万件の水道メーターがあり、約50名の検針員が2か月に一度、18万件を検針しています。

(記者)

実証実験を行う59カ所まで片道1時間から1時間30分ほどかかるという話でしたが、実証実験がこのまま本格導入されれば、そうした労力の省力化や負担軽減が期待されるということでよろしいでしょうか。

(水道整備課)

そのとおりです。

(以上で終了)

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更新日:2023年09月20日