定例記者会見概要版(令和5年10月10日開催)

令和5年10月10日に開催された定例記者会見の要旨です。

日時

令和5年10月10日(火曜日)午後2時~2時50分

会場

市役所 4階 庁議室

動画配信(前橋市公式ユーチューブ)

1 案件説明

(1) スローシティの国内ネットワーク組織を設立します

(市長)

スローシティの先駆けである気仙沼市の菅原市長さんと、スローシティムーブメントを全国に広める活動をしている立命館大学の石田先生からオンラインで説明いたします。

(宮城県気仙沼市 菅原市長)

気仙沼市は平成23年3月に東日本大震災に見舞われ、震災の2年後の平成25年にスローシティ国際連盟に加盟しました。これは、本市のスローフード協会が長い間、食を中心としたスロームーブメントを推し進めてきたことが評価されたためだと思っています。同じくスローシティ国際連盟に加盟している前橋市と共に、立命館大学の石田先生にご指導いただきながら、このムーブメントを日本全体に広げていくことがSDGsの達成にも必要不可欠と思っています。

(立命館大学食マネジメント学部 石田教授)

スローシティを国内で広げていくため、国内ネットワーク組織を作り上げようと最初のグループが作られました。このグループにより、スローシティ認証自治体を増やしていこうと考えております。スローシティの普及啓発を目的に活動していきます。

韓国はスローシティの動きが盛んで、国内にスローシティの本部ができています。加盟都市と連携しながら国際・国内関係のコミュニケーションを円滑にするために取り組んでいます。こうした取り組みを参考に、気仙沼市や前橋市のほか、スローシティに関連する大学研究者とも連携した国内ネットワークが必要だろうということになりました。

新しくできる組織では、ウェブサイトやSNSを通じて全国の自治体に対してスローシティの普及啓発や、日本での新規スローシティ候補都市の申請の支援をしていきたいと考えております。

良き人生を目指す、みんなが幸せに暮らせる、そして、世界中の知識が往来するようなネットワークを構築していければと思っています。大学研究者としてこれまでの知見を活かし、日本でスローシティが広がり持続可能な町が増えていくように力を尽くしていきたいと思います。

(市長)

スローシティは、世界で291都市が参加し、スローに生きるウェルビーイングを追及するアクションにチャレンジしています。「なぜイタリアの村は美しく元気なのか」という本に出合い、前橋はスローシティの歩みを始め11年が経ちました。前橋市と気仙沼市だけではなく、たくさんの都市にこの活動に参加してもらい、スローシティのメッセージを伝えたいと思っています。

韓国では、25都市が加盟する韓国スローシティ協会ができていると聞いています。若干、韓国は観光客を呼び寄せる道具としてスローシティを使っているようですが、私たちは、私たちの町をゆっくりと愛でられるような意味でのスローシティを目指しています。

それに合わせ、10月28日(土曜日)に道の駅まえばし赤城でスローシティマルシェを開催します。スローシティのメッセージを受けて移住してきた方が約120人います。木綿を栽培する女性が引っ越してきました。彼女が1年間育ててきた綿が真っ白な花を咲かせ、実をつけています。彼女がそれを紡いで、糸にしてTシャツを作っています。彼女はアレルギーで、化繊の下着を着ることができません。そんな若者が幸せを求めて綿を育てる。そんな暮らしが100も200も、前橋に起きていることを誰も知りません。このことをスローシティマルシェでお伝えをしたいと思います。自分の楽しみや幸せを自分で作る。そんな力強い仲間たちがたくさん来てくださると思います。

(2) 上毛芸術線「縁線開発~みえない線でつなぐ縁~」を開催します【初開催】

(市長)

次は、上毛電鉄沿線をアートで結ぶチャレンジです。実行委員長の川堀さんと岡さんから説明いただきます。

(上毛芸術線実行委員会 川堀委員長)

上毛電気鉄道の協力を得て、沿線3市(前橋市・みどり市・桐生市)にある駅舎や空き店舗を活用したアートイベントを初めて開催します。開催日は10月21日(土曜日)から11月12日(日曜日)までの土日祝日です。

開催の経緯ですが、個人的に前橋市から桐生市を行き来する機会が多く、文化芸術に興味があるためです。前橋市には素晴らしい美術館「アーツ前橋」があり、元々アートイベントが活発に行われています。また、桐生市にはクラフト系の作家が多く、手仕事やアート活動に携わる方がたくさんいます。これまで地域間で交差することがなかった印象があり、3市がつながることによりさらなる可能性を引き出せるのではないかと考えこの企画を立案しました。

イベントはパスポートチケットを発行し、一度購入すると、期間中は何度でも利用できます。また、前橋市では「リバートゥーリバー」というアートイベントも同時開催されます。桐生市では大川美術館で桐生のアーティスト展が開催予定です。各地域の展示やアートイベントを一気に楽しむことができますので、ぜひご来場いただき楽しんでください。

(上毛芸術線実行委員会 岡委員)

今回のイベントは市をまたいで行われるため、桐生市議会の久保田議員の協力をいただき、展示場所などの調整を進めてきました。今回のテーマは縁線開発で「縁」の字を使っています。群馬県出身者や移住してきた方、アーティストの縁をつなぎながら開催できればと考えています。イベント当日は上毛電鉄という線を通じて、前橋市・みどり市・桐生市のさまざまな市民に交流してもらいたいと思っております。

(3) 地域一体型の防災イベント「いつものもしもCARAVAN」を開催します

(市長)

次はCCRC、ココルンシティです。日赤病院がなくなるという時、多くの市民が心配しました。日赤病院以上の価値あるものを作り出す必要があると言いました。そして、CCRC、ココルンシティの計画が立ち上がったわけです。今日はココルンサークルの中から無印良品の中村さんに来ていただいております。

中村さんより、詳細について説明いただきます。

(株式会社良品計画 中村氏)

「いつものもしもCARAVAN」は、今回で2回目の開催となります。昨年は、2,000人以上の方に参加いただきました。地域とつながる、楽しく学べるをコンセプトに、誰でも参加しやすいイベントを目指しています。防災を学び、万が一の際の有益な情報をお客様に提供することが重要だと考えています。また、このイベントは、ココルンサークルのメンバーや前橋市、警察、自衛隊など多くの方々の協力により開催します。地元の朝日町三丁目自治会からも協力いただいておりますが、本施設が自治会との交流の場にもなることも期待しています。ココルンサークルの団体として今後もさまざまな活動を実施し、朝日町三丁目になくてはならない存在になっていきたいです。

(市長)

みんなが仲間になってビジネスではなく社会貢献を考えてくれています。朝日町の住民が屋台を出して夏祭りを実施しています。そのようなことはこれまではできなかったことです。来年春には、夜間休日医療センターや歯科休日診療センター、福祉作業所が完成します。日赤病院はなくなりましたが優しい街にはなってきたと自信をもって申し上げます。市民や法人の力だと思います。

(4) Poppin Rose Marketを開催します【初開催】

(市長)

次に、中心市街地でのアクションについてです。まちなかが変わり、人々が集う場所が生まれました。買い物に来るだけではなく、誰かと出会う場所を探しに来る。そうした新しい価値の中心市街地に変わってきたのです。その中心は広瀬川と馬場川です。馬場川で新しい「Poppin Rose Market」というイベントが開催されます。前橋デザインコミッションの日下田さんやPoppin Rose Marketの黒澤さん、そしてバラの花を生産しているバラ組合の摩庭さんから説明いただきます。

(一般社団法人前橋デザインコミッション 日下田企画局長)

前橋デザインコミッションは、アーバンデザインの推進を目的に、馬場川通りで大規模な改修工事を行っています。工事を行って街並みを変えるだけではなく、馬場川通りの工事が完成した後、新しいエリアマネージメントを作成し、地域ににぎわいを作り出すことを目指しています。そのための活動は、2年前から社会実験として積み重ねてきました。去年の9月からは、ワークショップやボードゲーム大会を定期的に開催し、馬場川に行けば何かがあるという期待感を地域に広めています。その新しい取り組みとして、今回、「Poppin Rose Market」を始めます。前橋デザインコミッションが全てを主導するのではなく、地元の方々やまちなかでつながりたいというメンバーが新たなアイデアを出し合い、この社会実験を進めています。バラのアイデアは、地元でギャラリーを運営する黒澤さんが中心になっています。黒澤さんからマーケットに至った経緯とイベントの概要について説明いたします。

(Poppin Rose Market 黒澤代表)

今回の企画の提案者として、経緯とコンセプトをご説明します。馬場川通りが新しくなり、継続的にできるイベントを考えていた中で、まちなかにお花屋さんがあるといいなと思ったことからスタートしました。私は以前から市場に出る花が規格外になり、廃棄されることを知っており、それを安く買い取ってリーズナブルに販売するという成功モデルがあることも知っていました。そのため、前橋でも同様のことができないかと提案しました。そして、前橋バラ組合というバラのトップブランドが市内にあることを知り、バラにはたくさんの種類があることからバラ1種類でも企画が成立するのではないかと走り始めました。

コンセプトについてですが、「Poppin Rose Market」の「Poppin」は、スラングで「最高」という意味があります。また、ダブルミーニングとして、ポップインローズマーケットでバラを買いに寄りましょうという意味になります。プレゼント用の花ではなく、自分たちの生活や友達のために購入できる花を提供するというコンセプトで実施します。

(前橋バラ組合 摩庭組合長)

規格外のバラですが、それほど悪いものではなく販売できるものを売ろうと考えています。傷があったり軸が細かったりする規格外のバラを販売いただけることは大変ありがたいです。

(5) 前橋市動物愛護管理センター(仮称)に関する設置計画及び動物愛護団体への活動支援

(衛生検査課)

動物との共生社会の拠点を強化するために、令和8年度の稼働を目指し、動物愛護管理センター(仮称)の設置計画を策定しました。また、動物愛護団体の活動を支援するため、クラウドファンディング型ふるさと納税を実施します。

現在の動物の収容場所である保健所動物棟は、狂犬病予防法に基づき、一時的に犬を収容するために設置された施設であるため、動物管理法に基づいた動物福祉の面では必要な設備が整っていません。保護・収容した犬猫を市民に譲渡するまでの中長期的な収容には不十分な施設です。

そのため、狭小な施設の改善を目指しています。ケージ(檻)の管理からサークル式(囲い)の管理方法に改善することで、犬1頭あたりの使用面積を十分に確保できるようになります。犬猫の自然な行動を促し、新たな飼い主とのマッチングにつなげたいと考えています。

新たな飼い主とのマッチングにつなげるためには、ボランティア活動に適した空間の確保が必要です。また、学生ボランティアの受け入れにあたっても、拠点となる施設が必須と考えております。

また、教育・情報の発信の場としても考えています。学校等教育機関との連携により、適正使用の啓発を通じて、動物との共生を目指す社会の醸成を図ります。

続いて、センター設置計画の概要についてです。場所は現有施設、動物棟の西側に建築予定です。交通利便性のほか、既存施設を有効活用することで設備費の抑制を図るためです。施設の1階には犬や猫の部屋、運動スペース、シャンプー、トリミング室を、2階には手術・処置室、訓練室などを配置する予定です。令和8年度の稼働を目指します。

収容した犬猫の譲渡には、ボランティアとの協働や支援が必要であることから、ボランティア団体への支援として、クラウドファンディング型ふるさと納税を実施します。期間は10月10日から来年1月8日までの90日間です。6団体から申し込みがあり、各団体の事業計画に基づき、寄付金の6割を医療費や事業費、運営費に充当するため交付します。残りの4割はセンター設置関連を含む本市動物愛護管理事業に活用します。

(市長)

動物へのストレスを少なくするという国の法令を受け、環境整備のため施設を設置するものです。市民の皆さんには、動物を散歩させたり、遊ばせたりするなど、動物たちのケアに協力していただきたいと考えています。市民動物愛護員のような制度を作り、ボランティアポイントを付与する仕組みなども検討していきたいと思います。

2 質疑応答

(1) スローシティの国内ネットワーク組織を設立します

(記者)

スローシティのネットワークを組織することで、発信力を強化したいということですが、具体的にどういった活動を実施する予定でしょうか。

(市長)

スローシティの活動を広げていくには、理念に共感してもらわなければなりません。また、スローシティ国際連盟の認証を受けてもらわなければなりません。加盟自治体が増え、日本におけるスローシティ連盟を組織できれば、いろいろな協働事業を実施できると思います。

(記者)

現時点では、スローシティ国際連盟からの国内ネットワークの承認は得られていないということでしょうか。

(市長)

国内に3都市以上の加盟がないと、日本支部としての承認を得ることができません。

(記者)

設立総会には岡山県井原市からの参加も予定されていますが、井原市は加盟に向けて積極的なのでしょうか。

(市長)

加盟に前向きな考えを持っていると思います。井原市長さんは、スローシティの活動で市民を幸せにしたいとのお考えだと思います。

(記者)

ネットワークとして新しくウェブサイトを立ち上げるということでよろしいでしょうか。

(市長)

そのとおりです。

(記者)

ネットワークの代表は前橋市になるのでしょうか。

(市長)

最初に登録されたのは気仙沼市です。現時点では、立命館大学の石田先生に代表を務めていただいております。

(記者)

3自治体の加盟で国際連盟から承認を受けられるとありますが、承認を受けるとどのような変化があるのでしょうか。

(市長)

日本支部としての認知を受けることにより、国際連盟等からの活動支援が受けられると思います。

(記者)

当面の活動としては、ネットワークとしてのホームページの立ち上げやイベントなどの実施、定期的な会合ということでよろしいでしょうか。

(市長)

そのとおりです。

(記者)

スローシティ国際連盟には、世界何カ国の何都市が加盟していて、ネットワークとして承認されている国が何カ国あるのか教えてください。

(市長)

本日時点で33か国、291都市が加盟しています。そのうち、国内ネットワークがある国が20カ国です。

(2) 上毛芸術線「縁線開発~みえない線でつなぐ縁~」を開催します【初開催】

(記者)

参加アーティストは、群馬県にゆかりのある方でしょうか。

(上毛芸術線実行委員会 川堀委員長)

ほとんどの参加アーティストが群馬県出身又は県内で活動している方です。

(記者)

参加アーティストの選定はどのような観点でされたのでしょうか

(上毛芸術線実行委員会 川堀委員長)

群馬にゆかりがあることが一つです。また、いろいろなジャンルの作品のアーティストに参加いただきたいと考え、実行委員会が選定し個別に声を掛けました。

(3) 地域一体型の防災イベント「いつものもしもCARAVAN」を開催します

(記者)

具体的にはどういったイベントを予定していますでしょうか。

(株式会社良品計画 中村氏)

警察や自衛隊に協力いただき、パトカーなどの乗車体験を行うほか、アウトドアの体験会やAEDの講習会を実施します。

(記者)

前回と異なる点や新規の項目を教えてください。

(株式会社良品計画 中村氏)

自衛隊群馬地方協力本部に協力いただき、高機動車の展示など自衛隊の方々との交流する機会を増やしました。また、無印良品の店内では、前橋市内や群馬県内で活躍する方々の活動を知っていただくマルシェを実施します。

(4) Poppin Rose Marketを開催します【初開催】

(記者)

バラの販売方法を教えてください。

(Poppin Rose Market 黒澤代表)

一つのブースに色々な種類のバラを並べ、好きなバラを選んでもらいます。1本ずつ買っていただき、値段は1本250円を想定しています。朝の10時から売り始め、売り切れ次第終了ですが、16時までの販売を予定しています。

(記者)

企画外ではないバラの1本当たりの相場を教えてください。

(市長)

東京のマーケットで買えば1本500・600円です。

(前橋バラ組合 摩庭組合長)

地元で買うとしても300円以上はすると思います。

(5) 前橋市動物愛護管理センター(仮称)に関する設置計画及び動物愛護団体への活動支援

(記者)

ボランティアとの協働ということですが、どういったことを一緒に実施していくのでしょうか。

(衛生検査課)

収容された犬や猫は人に慣れていないことがあります。ボランティア団体が動物の面倒を見て人に慣れさせたり、一緒に歩いて運動したりします。

(記者)

市としての譲渡会は今まで行っていなかったのでしょうか。

(衛生検査課)

平日は、火曜・水曜・木曜に実施しており、月に1回日曜日にも譲渡会を開催しています。

(記者)

現在の施設は一時的な収容を目的としており動物福祉には配慮が足りなかったということですが、具体的にはどういった点でしょうか。

(衛生検査課)

収容場所が狭かったことです。ケージ(檻)の管理からサークル式(囲い)の管理方法に改善することで、犬1頭あたりの使用面積を十分に確保できるようにします。

(以上で終了)

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更新日:2023年10月31日