前橋市の上水道の歴史14

前橋市の上水道(現在の上水道)2

急速ろ過方式とは

取水口より取り入れられた水は、流量計で取水量を測定し、原水調整池で、流れを緩やかにして土砂や細かなゴミ等を沈めます。次に混和池にてポリ塩化アルミニウム(PAC)を投入し、フロック形成池及び沈殿池にて、原水中に含まれている不純物を効果的に沈殿させるためフロック(凝縮させた綿網状集合粒子体)を大きくし、短時間に沈殿させます。また、急速ろ過池では、沈殿できなかった小さなフロックを多層に敷いた均一な砂を通過させることにより除去します。これらの工程を終えてきれいになった水は、塩素により消毒されて水道水となります。
なお、敷島浄水場は、緩速ろ過方式(砂層表面に繁殖した生物膜によって不純物を除去する方法で、最終が塩素消毒のみとなります。)を行っています。

(注意)

  • 急速ろ過方式のろ過速度
    1日あたり120から150メートル
  • 緩速ろ過方式のろ過速度
    1日あたり4から5メートル

表流水と地下水

河川を流れている水を、表流水といいます。表流水は、国や流れている地方によって、水の性質が異なります。地下水も、採水する場所によって、その性質は違います。例えば、ヨーロッパの表流水は、硬度が高く、日本の表流水は硬度が低いと一般的に言われています。

表流水と地下水の簡単な比較(地下水は30メートル以上の深い部分)
  水量変化 水温変化 ミネラル含有 濁り 有機物含有 汚染について
地下水 少ない 少ない やや多い 少ない 少ない 原因の発見対策が困難
表流水 多い 多い 少ない 多い やや多い 原因の発見対策が安易
日本の河川水と世界の河川水の化学組成比較(リビングストンより(単位:mg/L))
  Ca(カルシウム) Mg(マグネシウム) Na(ナトリウム) K(カリウム) 重炭酸 硫酸 塩素 珪酸
世界の河川平均 15.0 4.1 6.3 2.3 58.4 11.2 7.9 0.67 13.1
日本の河川平均 9.1 1.9 6.6 1.2 10.3 10.3 5.7 0.21 18.8

(注意)

  • Ca(カルシウム)、Mg(マグネシウム)などの元素名はイオン化されていますので、Ca(カルシウム)イオン・Mg(マグネシウム)イオンと読み替えてください。
  • 世界の河川水は、約1200キロ立方メートル存在し、地球上の水全体の0.0001%位が流れています。

前橋で使う水量(配水量)

前橋市の配水量は、バブル崩壊による経済意識の変化や、資源の重要性の意識などから、平成2年度をピークにして、以降は年々減少傾向を示しています。

4か年間の1日あたり配水量(単位:立方メートル)
年度 配水量 井戸の取水量 県央水の受水量
12 128,710 63,210
(49)
65,500
(51)
13 126,129 60,629
(48)
65,500
(52)
14 122,660 57,160
(47)
65,500
(53)
15 120,525 55,025
(46)
65,500
(54)

(注意)()内は、配水量を100としたときの比率です。
前橋市の水道は、家庭用が70から75%、事務所や営業用が20から24%、工業用が4から5%、その他で0.5から1%の割合で使われています。1人当たりの使用量は、平均して約300から330リットルと考えられます。
なお、前橋市の上水道の普及率は、平成12年度で99.9%で、配水管の延長距離は、直径3センチメートル以上の布設管の総延長が約1,700キロメートルになります(平成12年度)。

前橋市の上水道経営概況

群馬県で運営する水道用水供給事業で、利根川の表流水を岩本から引水している群馬用水から導水しています。県央第一水道は、その水を北群馬郡榛東村大字広馬場の県央第一水道事務所の浄水場において、急速濾過方式できれいな水にして前橋市・高崎市・群馬町・箕郷町・吉岡町・榛東村に配水しています。
県央第二水道は、群馬用水から導水した利根川の表流水を、勢多郡北橘村箱田の県央第二水道事務所の浄水場で急速濾過方式にて、きれいな水にして前橋市・北橘村・富士見村・大胡町・宮城村・粕川村・新里村・佐波郡の一部・伊勢崎市・などに配水しています。
(事業年報から)

収支関係(損益計算)

収入の部
年度 13年度 15年度
収入金額 6,094.8 5,954.5
内訳
営業収入
91.8% 87.8%
内訳
営業外収入
8.0% 7.7%
内訳
その他収入
0.2% 4.5%
支出の部
年度 13年度 15年度
支出金額 6,034.7 5,866.2
内訳
営業費用
84.7% 85.6%
内訳
営業外費用
15.0% 14.2%
内訳
その他費用
0.3% 0.2%

収入・支出の上位3項目比率

収入の部
年度 13年度 15年度
給水収益 90.8% 86.8%
負担金収益 5.0% 4.5%
加入金収益 2.5% 2.8%
支出の部
年度 13年度 15年度
原水及び浄水費 34.9% 34.7%
減価償却費 26.9% 26.7%
支払利息 14.9% 14.2%
支出中の主な費用比率
年度 13年度 15年度
受水費 25.6% 26.4%
減価償却費 26.9% 26.6%
人件費 17.0% 17.5%
修繕費 4.2% 2.8%
動力費 2.5% 2.2%
支払利息 14.9% 14.2%

(注意)支払利息は、平成7年度から減少傾向にあります。

貸借対照表関係

資産の部
資産の部 13年度 15年度
金額 52,563.1 52,832.5
固定資産 95.7% 95.6%
現金預金 2.5% 2.7%
その他 1.8% 1.7%
負債・資本の部
負債・資本の部 13年度 15年度
金額 52,563.1 52,832.5
資本金 60.9% 59.5%
剰余金 37.50% 38.8%
その他 1.60% 1.7%

(注意)

  • 企業会計原則とは異なり、資本金の中に公債などによる借入金40.0%(15年度)を含みます。
  • 剰余金(資本剰余金)は増加傾向にあります。
  • 金額の単位は百万円。

この記事に関する
お問い合わせ先

水道局 浄水課

電話:027-231-3075 ファクス:027-234-9525
〒371-0036 群馬県前橋市敷島町216
お問い合わせはこちらから

更新日:2019年02月01日