第30回前橋市再生可能エネルギー発電設備設置審議会議事録

審議会名

再生可能エネルギー発電設備設置審議会

 

会議名

第30回前橋市再生可能エネルギー発電設備設置審議会

日時

令和7年3月3日(月曜日)午後2時~午前4時

場所

前橋市役所11階北会議室

出席者

審議委員 西薗会長、矢端委員、太田委員、大塚委員、稲見委員、小島委員(代理:豊田係長)
事務局 飯塚都市計画部長
(都市計画課)塚田都市計画課長、高瀬副参事、齋藤主任、横山主任、田中主任
(建築指導課)岩田係長、持木主任

欠席者

土倉委員

議題

1 開 会

2 あいさつ

3 議 事

(1)会長の選出

(2)副会長の選出

(3)議事録署名人の指名

(4)議案上程

(5)議案審議
議案第1号 前橋市再生可能エネルギー発電設備の設置について
(申請者:合同会社桜道36)

4 そ の 他

5 閉 会

会議の内容

1 開会
【定足数の報告】
(都市計画課長)
7人中6人の出席であり、「前橋市自然環境、景観等と再生可能エネルギー発電設備設置事業との調和に関する条例」第26条第2項の規定による過半数の出席を得ているため、審議会が成立していることを報告した。

2 あいさつ 
飯塚都市計画部長 
西薗会長 

3 議事日程
第一 会長選出
会長選出までの間、都市計画部長が進行役となった。会長への立候補者を確認したが立候補者はなかった。委員の中から引き続き西薗委員にお願いしたい旨の発言があったため各委員に諮ったところ、他の委員からの異議もなく西薗委員も了承したため、西薗委員が会長に選出された。

第二 副会長選出
副会長への立候補者を確認したが立候補者はなかった。会長から事務局案を伺いたいとの発言があったため、引き続き土倉委員にお願いしたい旨を提案したところ、委員からの異議もないため、土倉委員が副会長に選出された。

第三 議事録署名人選出
前橋市再生可能エネルギー発電設備設置審議会議事運営要領第7条第2項の規定により、太田委員、矢端委員が指名された。

第四 議案上程
事務局より議案第1号付議書の朗読

○議案第1号の審議及び審議結果
事務局より議案第1号について、議案書に基づき申請内容の説明を行った。現地の状況や申請内容等を説明し審議した結果、許可基準に関する附帯意見有りの継続審議となり、その旨を市長あてに答申することとなった。

【議案第1号に関する主な質疑】
(西薗会長)
まず設備そのものの設置基準への適合について審議し、その後に住民協議の内容について分けて審議したい。初めての委員がいるため丁寧に進めていく。国では太陽光発電設備は建築物として扱われていない。これは太陽光発電設備の整備を促進したい国の考えがあってのことと思う。多くの太陽光発電設備は私有地に設置されるものであり、建築物であれば整備に係る規制等の基準があるが、太陽光発電設備は基準が一切ない。前橋市はそれが望ましくないといったことで平成28年に再エネ条例を作った。その条例の内容は建築基準に代わるものといった考え方がわかりやすいかと思う。私有地に設置されるもののため土地利用に係る規制を加えることは難しいが、景観に配慮しつつ、災害等を起こさないような施設にするといったような許可基準となる。事業者は市との事前協議を行っているため、市である程度許可基準が満たされていると判断されたものが許可申請されている。もう一つ、市が事業者へ義務付けている内容が近隣住民等との協議である。こちらは課題があるようなので、後半に審議する。まずは前半で許可基準を満たしているか審議したい。
まず気になるのは、排水関係である。以前に別件で雨水排水施設は容量に多少余裕を持たせることが望ましいといった附帯意見を出した事例がある。浸透池ついて確認したい。降雨強度が63.5mm/hrについて、これは太陽光発電設備の雨量の計算の際に用いられる降雨強度として適切であると考えられている客観的な数字である。前橋市の5年確率でその流域の面積、つまり土地の面積に対して流れ込む流量を計算した値が出ている。この流量を貯水できる浸透池を設置することが許可基準の要件になる。計算上は要件を満たした浸透池である。浸透池は敷地の中の真ん中に設置するため、勾配が真ん中に向かって低くなるように切土・盛土される。浸透池に入った水は地面へ浸透していく。基準は満たしているといった判断となっているが、やや容量の余裕が少ないのではないかと考える。
(大塚委員)
現地についてそれほど浸透性がいい土地とは思えない。雨が降ると地表でどんどん下へ流れていく。
(西薗会長)
容量に余裕が少ないのではないかといった考え方に同意できるということだ。
(稲見委員)
質問だが、降雨強度について、斜面地であると敷地外から流れてくる水の量も考慮されるのか。降雨強度はどのような考え方か。
(事務局)
降雨強度は群馬県の方で各市町村ごとに定めている数字であるが、どういった基準でこの数字となったか、具体的な内容は把握していない。
(西薗会長)
降雨強度は以前と比べ強まったとも考えられるが、条例としては設置基準を客観的に定められているので、我々が審議して基準を勝手に変えるわけにはいかない。ただし、今のように疑問を呈することはでき、その疑問を基に附帯意見を付することはできる。一つの考え方として雨水排水施設は容量に多少余裕を持たせてほしい、といった意見を審議会として付けるのはどうか。今回、土木の専門である土倉委員が欠席しているため、事務局から土倉委員の意見も確認してほしいがいかがか。
(事務局)
承知した。
(西薗会長)
附帯意見として浸透池はより余裕を持たせる形で設計し直してほしい、といった内容でお願いしたい。雨水排水に関しては、これまで設置の要件として敷地内で処理することが前提になっている。これを敷地外に排出するような規定を設けることは難しい。したがって、浸透池内できちんと雨水排水を処理する仕組みでなければならない。委員の皆様はこのような考え方で問題ないか。
(全員)
(異議なし)
(西薗会長)
では土倉委員にも、浸透池について聞いてもらいたい。他の内容で土地売買関係はいかがか。
(太田委員)
土地売買契約は特に問題ないと思う。
(西薗会長)
確認したいが、土地売買契約書に停止条件というものがある。これはどういうものか。
(太田委員)
停止条件は法律用語でありわかりにくいが、ただの「条件」と読み替えればよい。この条件が成った場合にこの契約は初めて有効になるというイメージである。電力会社との契約等の条件が満たされなかった場合にこの契約は無効となる。土地の登記状況は条件付所有権移転仮登記となっているが、条件を満たせば所有権移転するというものだ。
(西薗会長)
停止条件が付いているということは、これがクリアされた場合に本登記されるということだ。内容としては電力会社への連携、法令や条例に係る許認可がある。この許認可にこの審議会が関わっている。他に契約資金関係で意見はあるか。
(太田委員)
当案件は経済産業省の「再生可能エネルギー電気の利用促進に関する特別措置法に基づく再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度」に係る事業認定(以下「FIT認定」という。)を取らない事業のため、国の固定価格買取制度による買取価格の保証がない。電力の買取価格は事業者と小売電気事業者との間で決まるものとなる。基本合意書案では別紙記載の買取単価に従うものとされているが、まだ価格に記載がない。許可基準に直接関係はないが、それなりの価格が保証されていないと事業自体が心配だ。
(西薗会長)
補足だが、FIT認定では国が定めた基準を満たした発電所の電力を、電力会社が国で定めた固定価格で買い取るものだ。10年ほど前からこの制度が始まっており、最初は非常に高い買取価格であったが、現在はだんだんと下がっている。この固定価格買取制度を受けるためには、経済産業省による許認可が必要である。この許認可において50kW以下の小規模な施設の許可要件は比較的簡単で、50kWを超える大規模な施設は厳しくなる。FIT認定を受けずに電力を売りたい場合は新電力と呼ばれる小売電気事業者へ買い取ってもらうこととなる。事業者は東京電力の送電線を利用し、小売電気事業者と契約して電力を売ることで事業は成り立つであろうというものだ。太田委員から意見があったとおり、その買取価格が書かれておらず、事業の収支について確認できない。ただし、許可申請としては買取価格を明示しなければならないということまでは規定がないため、買取価格が書いていないからといって不許可にはできないが、不安要素ではある。
(事務局)
事業者が提出した資金計画に係る借入金の返済シミュレーションには売電価格の記載がある。
(西薗会長)
この価格は本来基本合意書の別紙に書かなくてはならない。返済シミュレーションにおける売電価格はわかった。ただし、この価格は事業者の見積もりであり、まだ保証されていない。
(太田委員)
実際にこの価格で買い取ってもらえるかはわからない。
(西薗会長)
事務局には売電価格を確認してほしい。
(事務局)
固定価格買取制度では、現在1kWhあたり約9円である。
(西薗会長)
この事業の買い取り価格が9円よりも高い価格だが保証はできない。事業が成り立つかどうか。
(矢端委員)
東京電力が買い取る際の規定もあると思うが、東京電力が買うことが確定しているのか。
(事務局)
今回は東京電力ではなく、小売電気事業者である一般の株式会社へ電力を売る事業となる。
(西薗会長)
端的に言えば、新電力の一つである。その小売電気事業者から東京電力へ電力を売る可能性はある。
稲見委員は景観の観点で何かあるか。
(稲見委員)
それなりに基準に定められた内容である。ただし、太陽光パネルは人工的な素材感が強いため景観上、自然環境になじまない。今回広い面積の事業のためそのインパクトも大きい。人工的なものは建物の屋根上や都市内の人工的な環境下ならば景観的になじむ場合もあるが、太陽光発電は山の自然環境の豊かな場所へ設置される場合は特に景観的問題が生じやすいため、再エネ条例における設置基準がより重要となる。今回の場合、事業地は別荘地のような付加価値が高いことを目指した住宅地に面しており、景観面への悪影響が起こりうる施設ができることについて住民側は心穏やかではないと思う。許可基準はあくまで最低限のもので、それ以上のことについてなにか住民との間で問題があればきちんと協議し、お互いにメリットがある形で双方納得できるようにすべきである。許可基準については問題ないと思うが、許可基準より上の基準があると仮定すれば、南西部の住宅に面している部分については既存の木を切らない範囲があるとのことだが、住宅に面している箇所については既存の木が低くなるような剪定はせず、目隠しがされるよう配慮することがよいと思う。
(西薗会長)
稲見委員から重要な意見をいただいた。住民協議に係る話はこの後審議することとして、まず、前半部分の許可基準を満たしているかという点について確認したい。景観上基準は最低限満たしているが、先ほどの浸透池、売電価格については審議会として附帯意見を付けたい。審議会からの附帯意見については強制力がなく、お願いにとどまるものである。2点の附帯意見を付け、前半の許可基準については満たしているといったことでよろしいか。
(全員)
(異議なし)
(西薗会長)
では意見がなかったため、前半の許可基準は満たしているということで判断したい。
稲見委員の意見にもあったが、後半の住民協議について議論していきたい。一番ポイントになると思うのは、事業者の提出した太陽光発電事業に関する協定書(案)である。この内容は事業継承の確約と終了後の設備撤去に関わってくる。この事業者が発電所の運用について、どこまで責任が持てるのか確約する必要があると思われるため、きちんと書面としてこれを残す必要があることについては、住民側の要望にも出ている。事業者と住民の協定書はあくまで案であり、まだ書面で交わしていない。したがって、まだ協定書としては成立していない。今までの住民協議の流れを考慮すると、事業者は協定書を交わしてきちんとと住民に確約する必要があると感じる。
(矢端委員)
許可基準を満たしているとはいえ、地元の方の理解が得られているとは言い難い。事業者と地元との調整が必要だと思う。
(西薗会長)
口約束ではなく、 書面にすることが確実と思う。
(矢端委員)
稼働年数が長い事業であるから、口頭だけではなく書面にすべきだ。この事業者が事業を売却した場合、口頭であると何の証拠にもならない。
(西薗会長)
太田委員、口約束の法的な拘束力についてはいかが。
(太田委員)
口約束では言った言わないといった水掛け論になる。資料中の協定事項の内容は具体的であり、両者で確認したことを記した協定書を残すことは重要だと思う。
(西薗会長)
先程、稲見委員の意見で基準以上のものを確約するといった内容があるが、これは協定書がやはり確実か。この件を判断する一番の要件は、住民協議の協定書を締結できるかだと思う。前半の許可基準については2点の附帯意見を付けるが、許可基準は満たしていると判断し、住民協議については協定書を締結することが望ましいと考えられる。今回はそこの段階まで至っていないということで保留扱いがよいと思う。協定書の締結に向けてさらに協議していただき、その結果をもって再度審議するという形にしたいがいかがか。
(事務局)
住民の皆さんが不安に思っている、
・火災に対する不安、
・浸透池に代わる排水対策
・近隣住民への光害対策
・事業承継の確約と終了後の設備撤去
の4点であるが、これは許可基準を超えるものであるため、事業者に対してはお願いベースでお伝えすることになり、どこまで事業者が応えうるかは住民側との協議次第となる。また、浸透池についての審議があったが、住民の皆さんは浸透処理について反対ということであった。これについても今後の協議の経緯を見る必要があると思われる。
(西薗会長)
浸透池については条例の許可基準上は原則敷地内で浸透池を設けるとしているので、なかなか他の方法にしてくださいとは言えない。審議会としては許可の基準を満たしていることは確認した。住民協議の方向性についても、こちらが関知することではないため、事業者側で進めてもらうことになる。現存の樹木をどれだけ残すかといったことについても、こちらから意見は付けられないと思うため、事業者と住民で協議していただきたい。
(矢端委員)
太陽光発電事業者と住民における協定書について市で前例はあるのか。
(事務局)
協定書ではないが、覚書を取り交わした事例はあった。
(太田委員)
覚書は後でどのような合意があったか推認させる間接的事実となる。場合によっては直接証拠になる可能性もある。甲 乙の二者ではなく、甲のみの一方的な意思表示だけが書かれた書面を「覚書」としている場合もあり、その場合には一方的に言ったことの証拠にはなるが、合意の証拠にはならない。
(事務局)
以前のケースだと覚書に基づいて事業者の売電収益の一部を地元に納めるということで実行されているようだ。これは一つの効力のある形と思う。
(西薗会長)
売電収益の一部を地元に還元するというものだ。訴訟になったときに覚書と協定書で効力の差が出てくると思う。
(太田委員)
二者のサインの有無で判断することとなる。一方のサインのみである場合、合意はされていないとみなせる。今回の協定書(案)は双方の署名を必要としているため、契約のような形になると思う。
(西薗会長)
両者の合意を示すサインのある協定書があることが望ましいということが審議会の意見である。この案件は申請書類一式の再提出となるか。
(事務局)
審議が終わらなかったとして継続審議となる。
(西薗会長)
では今回は許可保留の扱いとなる。
前半の許可基準については2点の附帯意見を付け、許可基準を満たしていることを確認した。後半の住民協議については両者の合意を示す協定書を作成することをお願いしたいとして保留という扱いにしたい。
採決するが、今のような考え方でいかがか。
(全員)
(全員賛成)

4 その他
○報告事項
【報告事項 要旨】
■次回(第31回)審議会は令和7年6月上旬に開催を予定している。
再度調整相談させてもらう。
■機構改革により、本審議会は次回から都市計画課から開発指導課盛土規制係に移管される。

5 閉会
(都市計画課長)

配布資料

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都市計画部 開発指導課 盛土規制係

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更新日:2025年04月14日