第63回 前橋市都市計画審議会
審議会名
前橋市都市計画審議会
会議名
第63回 都市計画審議会
日時
2022年5月27日(金曜日)
午後1時~午後3時
場所
市庁舎11階北会議室
出席者
【委員】
紺会長、横山会長職務代理者、石川委員、大塚委員、萩原委員、西村委員、中島委員、石黒委員、近藤委員、角田委員、金井委員、新井委員、福井委員(代理:宮崎様)、大塚委員、田村委員(代理:高桑様)、深町委員、江原委員、北爪委員、後閑委員、神田委員
【幹事】
中畝財務部長、田部井農政部長、吉澤建設部長、今井水道局長
【事務局】
飯塚都市計画部長、宇田都市計画課長、原澤副参事、樋口副参事、高瀬課長補佐、塩野副主幹、原澤副主幹、清水副主幹、田部井副主幹、山中主任、岡主事
(市街地整備課)五十嵐市街地整備課長、五十嵐課長補佐、最上副主幹
(道路建設課)高野課長補佐、明沼主任
欠席者
なし
議題
【議事日程】
- 第一 会長の選出
- 第二 会長職務代理者の指名
- 第三 議席の指定
- 第四 議事録署名人の指名
- 第五 議案上程
- 第1号議案 前橋都市計画第一種市街地再開発事業の決定(千代田町中心拠点 地区の決定)について
- 第2号議案 前橋都市計画高度利用地区の変更(千代田町中心拠点地区の決定ほか1地区)について
- 第3号議案 前橋都市計画道路の変更(3・4・100号西善玉村線の変更ほか1路線)について
- 第六 報告事項
- 立地適正化計画の軽微な変更について
- 立地適正化計画の改訂について
- 前橋市歴史的風致維持向上計画(案)について
会議の内容
1 開会
宇田都市計画課長(進行役)
代理出席者の報告
福井委員さんの代理出席者として、高崎河川国道事務所の宮崎様が出席され、田村委員さんの代理出席者として、前橋警察署の高桑様が出席された。
定足数の報告
20人中20人の出席により、審議会条例第六条第二項の規定による2分の1以上の定足数を満たしており、審議会が成立していることを報告した。
2 あいさつ
市長不在のためなし
3 新委員自己紹介
各委員が自席で自己紹介を行った。
4 幹事自己紹介
各幹事が自席で自己紹介を行った。
(各幹事は審議会に常時出席する旨を報告)
会議録の公開
前橋市情報公開条例等に基づき、会議録を情報公開コーナー及びホームページに掲載する旨を報告した。
5 議事日程
第一 会長の選出
会長選出までの間、飯塚都市計画部長が進行役となり、大塚委員の推薦によって、紺委員が会長に選出された。
- 紺会長あいさつ
第二 会長職務代理者の指名
審議会条例第5条第3項の規定により、紺会長から横山委員を会長職務代理者に指名した。
- 横山会長職務代理者あいさつ
第三 議席の指定
審議会運営規則第4条の規定により、紺会長から以下のとおり委員の議席を指定した。
1番 石川靖委員、2番 大塚隆夫委員、3番 紺正行委員、4番 萩原香委員、5番 西村淑子委員、6番 中島聡委員、7番 石黒由紀委員、8番 近藤好枝委員、9番 角田修一委員、10番 金井清一委員、11番 新井美加委員、12番 横山勝彦委員、13番 福井貴規委員、14番 大塚雅昭委員、15番 田村正男委員、16番 深町冨士雄委員、17番 江原弘委員、18番 北爪範夫委員、19番 後閑千代壽委員、20番 神田義治委員
第四 議事録署名人の指名
紺会長により、前橋市都市計画審議会運営規則第九条第二項の規定に基づき、議事録署名人として萩原委員、金井委員が指名された。
第五 議案上程
第1号議案及び第2号議案
清水副主幹
都市計画課の清水と申します。よろしくお願いいたします。
第1号議案、第2号議案について関連する議案のため併せて説明させていただきます。
お手元の議案書の目次をご覧ください。
第1号議案の「前橋都市計画第一種市街地再開発事業の決定」については、都市計画法第19条第1項により、第2号議案の「前橋都市計画高度利用地区の変更」については、都市計画法第21条第2項の規定において準用する同法第19条第1項により、それぞれ前橋市が定める都市計画であることから、「1号案件」として、本審議会に付議するものです。
資料は議案書1ページから9ページ、図面はA3用紙の図1から図4です。
それでは説明に入らせていただきますが、議案内容の説明に先立ちまして、千代田町中心拠点地区における再開発事業の経緯についてご説明いたします。
スクリーンをご覧ください。
本市では、今回都市計画の決定を予定する千代田町中心拠点地区を含む中心市街地の約140haについて、民間主導型の効果的な都市機能の更新と連鎖的な再開発事業を促すための事業要件の緩和などにより、民間事業者等が取り組みやすい環境を整えるとともに、様々な施策が連携して都市機能の誘導・更新と施設整備を図るための方針として、平成27年度に「前橋市市街地総合再生計画」を策定いたしました。
計画において千代田町8番街区周辺(千代田町中心拠点地区)は重点施策区域の拠点要素に位置付けられ、整備方針として、駐車場として利用されている状況を踏まえ、今後の市街地再生の核となるよう、より一層有効活用し、周辺街区との一体的利用を図りながら、「新たなにぎわい発信拠点」として整備を図ることとされています。
次に、本地区における、再開発事業に向けたこれまでの経過をご説明します。
平成27年5月に前橋市において、先ほど説明した市街地総合再生計画が策定されたことにより、民間再開発事業の機運が高まり、地権者による「まちづくり検討会」が開始され、平成30年10月に地権者による千代田町中心拠点地区市街地再開発準備組合が設立されました。この準備組合にて平成31年2月に再開発事業の事業協力者の公募が行われ、令和元年9月にこの公募で選定された、企業体と基本協定が締結されています。その後、令和3年3月に準備組合によって作成された、再開発事業の基本構想が公表されています。
次に、再開発事業の基本構想の概要についてご説明します。
まず、まちづくりの方針は、『「前橋市アーバンデザイン」や、前橋商工会議所による「グリーンアンドリラックス構想」に則り、複数用途が混在した便利さと、緑あふれる居心地の良さを兼ね備えたまちづくり』、『デジタル技術を導入、活用し、利便性と効率性に優れた暮らしやすい最先端のまちづくり』、『暮らす人、働く人、学ぶ人が共生し、多世代間交流が生まれるまちづくり』とされています。
また、主たる用途は商業、オフィス、教育文化、住宅となっています。商業は、まちのキーテナントとして、にぎわい要素と連携した商業コンテンツを提供するとともに、地方都市での新しい商業施設の形態として整備運営する。オフィスはデジタルツールの活用により生産性の高い仕事ができる環境を構築するとともに、県内外からのオフィスワーカーの利用を想定し、住宅の併設も検討する。教育文化はICT技術によるデジタルアーカイブなどのオンラインサービスにより利便性や利用価値を高めた、多世代が集い憩える次世代型図書館や、学校法人による、新しい優れた教育環境をまちづくりとともに創出する。住宅は駅やオフィス街へのスムーズなアクセスなど、まちなかという利便性の高い好立地を生かした住環境整備を行う。その他として、建物と一体となった歩行者空間の整備により、まちの回遊性、滞留性、利便性が高められた快適な歩行者ネットワークの創出や周辺駐車場との連携を図った約100台の地下駐車場などが計画されています。
続いて、議案の内容について説明させていただきます。
まず、第1号議案「前橋都市計画第一種市街地再開発事業の決定」についてです。図1の総括図をご覧ください。
前橋市千代田町二丁目及び四丁目地内に位置します、赤線で囲ってある範囲が今回の対象区域です。
地区名は千代田町中心拠点地区、面積は約2.7haです。
次に図2の計画図をご覧ください。
赤線で囲んだ範囲が都市計画決定の区域であり、その中に青線で囲った範囲を西街区、東街区として、それぞれ設定します。
次に議案書の3ページの計画書をご覧ください。
名称、面積、公共施設の計画は記載のとおりです。
この中で、新たに整備するものは、道路の市道02-384号、その他公共施設の広場です。
市道02-384号は東街区内を通過する道路ですが、道路上空を建築敷地として使用する立体道路として、今後、地区計画に定める予定です。また、広場は西街区に面積、約1,200平方メートルとして計画するものです。
次に建築物の整備に関する計画です。
西街区は、建築面積は概ね7,400平方メートル、容積率対象延べ面積は概ね31,300平方メートル、総床面積は概ね36,300平方メートル、敷地面積に対する建築面積の割合は約7.1/10、延べ面積の割合は約30.1/10です。
東街区は、建築面積は概ね4,700平方メートル、容積率対象延べ面積は概ね17,800平方メートル、総床面積は概ね21,200平方メートル、敷地面積に対する建築面積の割合は約6.3/10、延べ面積の割合は約23.7/10です。
主要用途は、業務施設、商業施設、駐車場、共同住宅、教育文化施設です。
次にページをめくっていただき、4ページ、建築敷地の整備に関する計画です。
西街区の建築敷地面積は概ね10,400平方メートル、東街区の建築敷地面積は概ね7,500平方メートル、整備計画は「前橋市のまちづくりの指針に沿った土地利用やオープンスペースを確保することで、居心地のよい屋外空間を創出する。」です。
次に、第2号議案「前橋都市計画高度利用地区の変更」についてご説明します。図3の総括図をご覧ください。
今回の高度利用地区の変更は市街地再開発事業の決定に合わせて、新たに千代田町中心拠点地区を追加するとともに、隣接する千代田町5番街の区域の変更を行うものです。
図4の計画図をご覧ください。
赤線で囲ってある範囲は、先ほどの市街地再開発事業と同じ範囲となりますが、こちらを千代田町中心拠点地区として追加します。面積は約2.7haです。
また、隣接する千代田町5番街は千代田町中心拠点地区と区域が重ならないように、黄色の線の範囲の区域を変更し、面積を約0.6haとします。
次に議案書の9ページの計画書をご覧ください。
千代田町5番街は区域の変更に伴い、面積が約0.6haとなります。
千代田町中心拠点地区は、面積が約2.7ha、建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合の最高限度は60/10以下、最低限度は20/10以上、建築物の建築面積の敷地面積に対する割合の最高限度は8/10以下、建築物の建築面積の最低限度は200平方メートルです。
次に住民意見反映措置の報告です。
今回、住民意見反映措置の一環として、令和4年1月14日及び16日にそれぞれ2回、計4回、前橋プラザ元気21の1階にぎわいホールにて地域住民及び関係地権者等を対象とした説明会行い、参加者の反響は概ね良好でした。
次に第一種市街地再開発事業の決定に関する公聴会について報告します。
広報まえばし2月1日号にて開催周知を行い、令和4年2月7日から21日まで原案を閲覧に供した結果、閲覧者は1人、公述申出が1件ありました。
公述申出に基づき、令和4年3月29日に公聴会を開催し、公述人は1人、傍聴人は3人でした。
次に公述意見の要旨及び市見解についてご報告します。
議案書の5ページの「前橋都市計画第一種市街地再開発事業の決定(千代田町中心拠点地区)に係る公述意見に対する前橋市見解をご覧ください。
公述意見の要旨を読み上げます。
前橋市には、プロ、アマチュアスポーツや高校生等によるソーラーカー、電気自動車レースなどの競技団体が多く集まっている。これらの団体による集客力を活かした取り組みについて意見を述べる。
現在、各競技団体のチケット販売は窓口が分散していたり、取り扱いがコンビニやインターネットだけであったりして不便な状態である。そのため、窓口を集約したチケットセンターの設置を提案する。これにより、売り上げや観客動員の増加が見込まれる。
8番街区については、既存大型商業施設のみとし、新たな商業施設の建設は不要である。それ以外の施設としては、アスリートや市民が利用できる温浴施設、天候に左右されない大屋根、地ビールを取り扱うビアホール、居酒屋施設を提案する。
なお、市の計画では、100台の地下駐車場を予定しているとのことであるが、既存の周辺駐車場を活用することとし、新たな駐車場の整備は不要である。
その他提案事項
市内関係放送局の共同運営によるオープンスタジオを設置し、競技中継やイベント等に活用する。
千代田町中心拠点地区の市街地に各競技団体の活動本拠地を集約し、練習場所の確保や選手と市民の交流イベントを実施する。
電気自動車、自転車ロードレースの整備作業の公開やグリーンドーム前橋を活用した競技会を開催する。
市街地再開発事業においては、提案した施設のみとし、その他のオフィスビル、マンション、駐車場は他の空き地において民間活力によって整備すべきと考える。
本意見に対する前橋市の見解です。
前橋市では、人口減少、超高齢社会に向けた持続可能なコンパクトなまちづくりの実現のため、民間主導型の効果的な都市機能の更新と連鎖的な再開発事業を促すことを目的とし、平成27年5月に「前橋市市街地総合再生計画」(以下「再生計画」という。)を策定している。
8番街区周辺、千代田町中心拠点地区は、再生計画の重点施策区域に位置し、整備方針として「新たなにぎわいの発信拠点づくり」が掲げられ、現在の駐車場として利用されている状況を踏まえつつ、商業系、業務系、文化交流系、及び居住系機能の導入が想定されている。
今回、都市計画に決定する建築物の主要用途は、業務施設、商業施設、駐車場、共同住宅及び教育文化施設であり、再生計画に想定される導入機能と整合するものである。
なお、具体的な事業内容については、都市計画決定後に区域内の土地所有者等により設立される市街地再開発組合(施行者)によって検討、計画されることになる。
また、駐車場の台数については、具体的に都市計画に定めるものではないが、周辺の既存駐車場の活用を前提として、現在の稼働状況や必要台数の算定を基に整備台数約100台を想定しているものであり、事業実施段階においては、事業内容と併せて規模、配置等の詳細な検討がなされることになる。
以上です。
次に高度利用地区の変更に関する公聴会について報告します。
広報まえばし2月1日号にて開催周知を行い、令和4年2月7日から21日まで原案を閲覧に供した結果、閲覧者は1人、公述申出が0件でした。
公聴会は公述申出が無かったことから中止しました。
続きまして、第一種市街地再開発事業の決定に関する都市計画法第17条第1項に基づく都市計画案の縦覧結果について報告します。
広報まえばし4月1日号にて縦覧の周知を行い、令和4年4月7日から21日まで決定案を縦覧に供した結果、縦覧者は4人、意見書の提出が1件ありました。
次に意見書の要旨及び市見解についてご報告します。
議案書の6ページの「前橋都市計画第一種市街地再開発事業の決定(千代田町中心拠点地区)に係る意見書に対する前橋市見解をご覧ください。
意見の要旨を読み上げます。
風紀が悪くならないように、教育的に価値のある建物をお願いしたい。
本意見に対する前橋市の見解です。
決定を予定する都市計画の案では、図書館及び学校等を想定した「教育文化施設」を建築物の主要用途の一つとしており、本事業区域において、学びの場の創出を計画するものである。
以上です。
続きまして、高度利用地区の変更に関する都市計画法第17条第1項に基づく都市計画案の縦覧結果について報告します。
広報まえばし4月1日号にて縦覧の周知を行い、令和4年4月7日から21日まで決定案を縦覧に供しました結果、縦覧者は3人、意見書の提出はありませんでした。
第1号、第2号議案についての説明は以上です。
ご審議のほど、よろしくお願いいたします。
紺会長
ただいま事務局から説明がありましたとおり、第1号議案及び第2号議案につきましては、前橋市の決定案件であり、本審議会での議決を受けて前橋市長が都市計画を決定することになります。
それでは、第1号議案及び第2号議案を一括して審議いたします。ご意見やご質問はございますか。
第1号議案及び第2号議案質疑応答
近藤委員
第1号議案、第2号議案については反対の立場で意見を述べさせていただく。
本議案は、今後の前橋市のまちづくりを決定する非常に重要な議案だと考えている。中心拠点地区についての再開発事業というのは様々な話があり、提案が出てはなくなり、再度提案があり、またなくなりといことを繰り返してきた地域だと感じる。そうした中で、今回「決定する」という議案を提出しているが、事業の構想案では現在のスズラン本館や市営中央駐車場を含む2.7haの対象地にスズラン本館の移転を含む商業地域、前橋市立図書館本館の移転、教育文化施設あるいは情報通信技術を学ぶ高校、大学などの機関、オフィスには県内外の企業の誘致、共同住宅、さらには地下1階に100台収容の駐車場を造るというような様々な構想案の報告が先ほどの説明や議会での報告にもあった。今後これは決定された後には構想自体ももう一度計画すると思うが、そうした中で、そもそもこの事業が中心街のにぎわいの創出、中心街の活性化につなげることができるのかということが問われていると思う。また、アンケートにもあったが、該当地は市民が1年に1回来るかどうか分からないという方が非常に多い地域である。このように市民の関心が低いという状況の中で、この再開発事業が28名の地権者の同意を得たことをもって進めていくということは、市民の声を十分に聴いていないというように思う。また、隣接する前橋テルサがどうなるかについても非常に問われていると思う。今後、前橋テルサが、定期建物賃貸借契約をするか売買を行うかということで事業者を募集しているが、市民の皆様が40万人も利用する施設を、そうしたカタチではなく、引き続きり利用できるような施設にするために、改善すべきところは改善すべきだと思う。そして、前橋市はコンパクトなまちづくりと言いながら、今年12月には上武道路沿いに道の駅を建設し約80万人を誘客するという計画があり、日赤跡地の再開発も進めている。さらには、前橋駅前の27階建ての高層マンションの建設、中央小学校跡地には、ほたか会が運営するパース大学が開設するという計画もある。このまちなかに、本当に人が来るのかということが非常に疑問を感じる。そして、図書館本館を持ってくるという計画であるが、前橋市民が本当に利用しやすい図書館をつくるためには一定の広さと、十分利用しやすい駐車場をつくる必要がある。それが今現在100台という計画であるが、駐車場についても十分検討する必要があると考える。さらに、図書館もすでに老朽化しているため直ちに建て替える必要があると考える。中心街の再開発とすると非常に時間がかかる。老朽化している図書館を中央小学校に持ってくるべきだったとも思う。そういう点も含め疑問を抱く。駐車場問題も解決すべき問題だと思う。私どもも多くの方に意見をいただいた。このまま進めたのではこの事業は成功しないのではないかという意見もいただいている。少子高齢化が加速して経済動向も不透明な中でスズランの経営状況も心配されるにも関わらず、何百憶かかるかわからないという事業を実施して、財政負担が市民に重くのしかかるということになっては非常に問題だと思う。そのためにもう一度検討すべきだと思うため、この第1号議案、第2号議案には反対である。
紺会長
この計画が果たして本当ににぎわいの創出につながるのかという視点、そして財政負担が市民にのしかかるという視点から、反対の立場からということで意見を述べていただきましたが、この意見に対し委員の皆様から意見はございますか。
中島委員
にぎわいの創出ができるのかという意見が上がったが、昔みたいに人が来るかどうかというのは、難しい面があると考える。しかし、ここは前橋の顔となる部分の一部であり、すでに道路や下水などの公共インフラが整っており、それを活かさないという手はないと考える。また、まちなかにはまちなかの文化や歴史も築かれているためそうしたものを活かしながら、市民の方の憩いの場をつくるというのは非常に有効であると考える。この計画は、まず都市計画を決めた後に市と地権者の方で話を進めていくと思うが、そうした市民の意見を踏まえながら計画をつくっていくということが大切だと考える。
紺会長
中島委員は賛成の立場からのご意見でしたが、他に意見はございますか。
新井委員
商工会議所から石川委員が来ているため、千代田町の再開発、グリーンアンドリラックスについてお聞きしたい。
石川委員
今、前橋のまちは変わってきている最中だと考える。2、3年前頃から前橋の動きを見ているが、人が少しずつ多くなってきていると感じる。これが、以前のようなにぎわいを取り戻すかどうかはともかく、若い世代が様々なことをやりはじめているという点にチャンスを感じる。何もしないとこのまま終わってしまうという点から、商工会議所でもグリーンアンドリラックスという取り組みを進めている。これは、どちらかと言うと、にぎわいというよりは、市民の方がゆったりゆとりをもって生活する空間をつくるといことを会議所として提言しているものである。個人的にも、少し急ぎすぎた世の中だと感じるため、もう少しゆったりと人々が生活したらいいのにと感じていたためこれは個人としても賛成である。また、私も会社の経営者であるため、やるときは決意をもってものごとを進めていく必要があるのではないかと考えているため、今回の計画については前向きに進めていくことが大切だと考える。
新井委員
もともと何回も失敗を繰り返してきた事業だと思う。あきらかに人の動きがなくなったといえども、少しずつ民間の方がお店を出店したり、前橋テルサを心配してくださっている。そうした点からも、前向きな姿勢には賛成である。
紺会長
ほかにはいかがでしょうか。
大塚委員
コロナウイルスの感染拡大の影響で多くの地域が停滞している中で、活性化を進めていると感じる。また、少子高齢化、人口減少に伴いにぎわいが減少されることが想定される。そうした状況の中で、前橋市が現在進めている歴史的風致の向上等も含めて、今回の都市計画を前向きに進めてほしいと考えている。
後閑委員
大塚委員のおっしゃる通り、コロナウイルスの影響で人が外にでないというのは事実だと感じる。しかし、コロナウイルスと共に共存していくというような考えも出てきている。今の前橋市というのは自然災害の被害状況等を考えると個人的には住みやすく環境に良いまちだと感じる。そして、少子高齢化の中で高齢者が増えていき、働く人が年金をもらうことのできない世の中が想定される中で、安心安全というものが求められる社会になっていくと考えられる。そうした中で、現在進めている再開発事業等を通して色々と仕掛けていくということは大切だと思う。
紺会長
ほかにはいかがでしょうか。
石黒委員
教育と文化の立場から意見を述べさせていただく。大学で建築関係の教育に携わっている。今現在の地方都市において、学生が建物を建てるというだけではなく、まちのなかでどのような環境を作るかという観点で、前橋市は規模といい行政の姿勢等が非常に教育上、恵まれた環境だと感じる。学生もまちなかで活動をさせていただき恵まれた環境であると実感する。8番街、スズラン周辺も今なお重要な拠点だと考えている。
昨年、図書館のワークショップに携わった。最新の図書館の世界的な事例として、静かに本を読んだり自習するだけでなく、議論ができるような場所という事例がある。建築的に非常に価値の高いものである既存の図書館を残してほしいという個人的な意見もあるが、まちなかに今までにない新たな図書館ができるのではないかと、ワークショップを通して感じた。
うまくいくのかというのは予算的なところもあると思うが、民間とも協力し慎重に協議を進め、今までにない最先端な図書館としての成功例になればいいなと考えている。
萩原委員
この場所は「中心商店街」と市民の方々が認識しているところだと思うが、実際にこれからめざしていくところは、「中心市街地」というところで、そうした点を市民の方々への認識を深めていかないと中々難しいのではないかと感じる。実際に今まで様々なチャレンジをしてきた中で、実現していなかったところが今やっと条件が整ってきたのかなと感じる。そのため、是非この機会に進めていただきたいと考える。しかし、近藤委員からの意見にもあったが、財政負担が市民にのしかかるというのは非常に需要なことであるため、そうした点については、慎重に進めていただきたいと思う。
紺会長
では、市としての意見をいただきたいと思います。
飯塚都市計画部長
多くのご意見ありがとうございます。再開発の場所は、ご意見にもありました通り前橋市の中心市街地の顔となるべき場所である。この地区については、たしかに30年くらい前から再開発の話が出ては無くなりを繰り返してきた。今回の計画についても、約4年前から地権者の方々と慎重に議論を重ねてきた。前橋市の市街地総合再生計画の中にもありますとおり、施設としては商業や教育、文化等があり、そうしたものを整備していくという構想になってきた。やはりこの場所については、図書館も入るということで、中心市街地であるため社会的な基盤が十分に整っている場所であると考えている。そして、公共交通も利便性の高い場所である。再開発事業は全国各地で行われていて、構想をつくるにあたって幅広くリサーチ等を行いながら、ある意味身の丈に合った再開発ということで研究を進めてきた。そうした経緯を経て説明した内容の計画をたて、都市計画審議会への議案となった。そのため、今回、委員の皆様それぞれの立場から多くの意見をいただけてありがたい。
紺会長
ほかにはいかがでしょうか。
近藤委員
委員の皆様の意見を聞き、改めに前橋市をどのようなまちにしていくのかというのを皆様がそれぞれの立場で真剣に考えているといことを知ることができた。前橋市が道の駅や日赤跡地の再開発、郊外での事業を行っている中で、今回の再開発事業だけを行うのではなく、財政が厳しい中で、どれだけの事業投資をするのかが非常に心配である。そして、スズランがかなりの位置を占めている事業だと考える。今、百貨店事業は非常に厳しい中でスズランが今後どうなるのか。前橋市の財政負担、スズランの動きが問われているという点でも非常に危惧している。そのため改めて、すべてを否定しているわけではないが今、決定すべきではないと感じる点があるため再検討が必要だと考える。
紺会長
ほかに、ご意見等もないようですので、これより議案の採決については第1号議案及び第2号議案をそれぞれの議案ごとに採らせていただきます。
第1号議案採決
紺会長
第1号議案「前橋都市計画第一種市街地再開発事業の決定(千代田町中心拠点地区の決定)について」を原案どおり議決することについて賛成の方の挙手をお願いします。
反対の方は挙手をお願いします。
賛成の挙手多数でありますので、第1号議案については原案どおり議決されました。
第2号議案採決
紺会長
第2号議案「前橋都市計画高度利用地区の変更(千代田町中心拠点地区の決定ほか1地区)について」を原案どおり議決することについて賛成の方の挙手をお願いします。
反対の方挙手をお願いいたします。
賛成の挙手多数でありますので、第2号議案については原案どおり議決されました。
松井会長
挙手全員でありますので、第2号議案については原案どおり議決されました。
第3号議案
清水副主幹
第3号議案について説明させていただきます。
お手元の議案書の目次をご覧ください。第3号議案の「前橋都市計画道路の変更(3・4・100号 西善玉村線ほか1路線)」につきましては、都市計画法第21条第2項の規定において準用する同法第19条第1項の規定により、前橋市が定める都市計画であることから、「1号案件」として、本審議会に付議するものです。
資料は議案書10ページから13ページ、図面はA3用紙の図5から図7です。
それでは説明に入らせていただきます。
議案書の12ページをご覧ください。「前橋都市計画道路の変更(前橋市決定・案)」です。
今回ご審議いただく都市計画道路の変更は3・4・100号西善玉村線の変更及び、3・4・37号江田町線の廃止についてです。
はじめに西善玉村線の変更についてご説明します。
図5の総括図をご覧ください。
西善玉村線は総括図右下に記載の路線です。赤色の着色区間が変更後、青色は変更しない区間です。
本路線は、西善町の(都)昭和大橋大胡線を起点として、力丸町の玉村町境までを南北につなぐ、代表幅員16m、延長約1,820mの幹線道路です。
次に、図6計画図1/2をご覧ください。
今回の変更は、道路事業の実施に伴い、円滑な交通を確保するため、市道00-104号との交差点部に右折車線を設け、一部区間の幅員16mから17mに変更するとともに、交差点付近の線形を変更するものです。
計画図の黄色線が変更前、赤色線が変更後、青色線が変更しない区間です。
ここで、西善玉村線の断面構成についてご説明いたします。前のスクリーンをご覧ください。
一般部につきましては、両側に3.0mの車道、1.5mの路肩、3.5mの歩道を設置し、全幅16.0mの横断構成とし、今回、変更はありません。
交差点部は3.0mの右折車線を新たに設けるものとし、両側に3.0mの車道、0.5mの路肩、3.5mの歩道を設置し、全幅17.0mの横断構成となります。
続きまして、議案書の13ページの新旧対照表の西善玉村線の部分をご覧ください。
今回の変更では、部分的な幅員等の変更が主であることから、表記の変更はありません。
続きまして、西善玉村線の変更についての住民意見反映措置の報告です。
令和3年7月5日に上川淵公民館において関係地権者を対象とした説明会を行い、参加者の反響は概ね良好でした。
公聴会については、広報まえばし3月1日号で周知を行い、令和4年3月8日から22日まで原案を閲覧に供した結果、公述申出が無かったことから中止しました。
次に江田町線の廃止についてご説明します。
スクリーンをご覧ください。
本市では、社会情勢の変化や建築の制限などによる課題を踏まえ、未整備となっている都市計画道路の役割や機能を改めて検証し、決定当時と比べて必要性の低下した道路の計画変更、廃止等を検討するための「都市計画道路見直し計画案」を作成し、平成30年度に公表しております。
こちらがその見直し計画案になります。今回はこの計画案に基づき、市西部に位置します江田町線の廃止を行うものです。
図5の総括図をご覧ください。
江田町線は総括図左側に記載の路線です。黄色の着色区間が変更前となっています。
本路線は、江田町の(都)江田天川線を起点として、同じく江田町の(都)江田天川大島線をつなぐ、代表幅員16m、延長約590mの地区幹線道路です。
図7計画図2/2をご覧ください。
黄色の線が変更前となっており、こちらを全線廃止します。
続きまして、議案書の13ページの新旧対照表の江田町線の部分をご覧ください。
変更後は「廃止」となります。
続きまして、江田町線の廃止についての住民意見反映措置の報告です。
令和3年11月17日及び21日に東公民館において地域住民及び関係地権者を対象とした説明会を行い、参加者の反響は概ね良好でした。
公聴会については、広報まえばし1月1日号で周知を行い、令和4年1月7日から21日まで原案を閲覧に供した結果、公述申出が無かったことから中止しました。
最後に西善玉村線及び江田町線両路線の都市計画法第17条に基づく都市計画の案に縦覧について報告します。
広報まえばし4月1日号にて周知を行い、令和4年4月7日から21日まで変更案を縦覧に供しましたが、縦覧者はなく、意見書の提出もありませんでした。
以上の変更内容が、議案書の13ページ計画書となっております。
第3号議案についての説明は以上です。
ご審議のほど、よろしくお願いいたします。
紺会長
ただいま事務局から説明がありましたとおり、第3号議案につきましては、前橋市の決定案件であり、本審議会での議決を受けて前橋市長が都市計画を決定することになります。
それでは、第3号議案を一括して審議いたします。ご意見やご質問はございますか。
第3号議案質疑応答
なし
第3号議案採決
紺会長
意見等がないようですので、これより議案の採決に入ります。
第3号議案「前橋都市計画用途地域の変更について」を原案どおり議決することについて賛成の方の挙手をお願いします。
挙手多数
紺会長
挙手多数でありますので、第3号議案については原案どおり議決されました。
以上、本日提案した議案は、原案どおり議決されましたので、本日の会議結果に基づいて、市長あてに答申書を送付させていただきます。ご承知おきください。
報告事項 立地適正化計画の軽微な変更について及び立地適正化計画の改訂について
田部井副主幹
都市計画課の田部井と申します。よろしくお願いいたします。
「立地適正化計画の軽微な変更」と「立地適正化計画の改訂」について、併せてご報告いたします。
はじめに、立地適正化計画の概要について説明いたします。
事前に配布した前橋市立地適正化計画の概要版をご覧ください。こちらの表紙がピンク色の冊子になります。
表紙をめくっていただきまして、左上の「立地適正化計画とは」、「背景と目的」から説明します。
本市は、既に人口減少や市街地の拡散が進んでいる状況下にあり、今後はさらに急激な人口減少・高齢化が進むと推計され、将来を見据えたまちづくりの転換が必要となってきています。本計画は、こうした状況を踏まえ、医療や福祉、商業施設などの都市機能施設や住居などがまとまって立地し、公共交通を介して移動しやすい環境を備えた「コンパクトシティ・プラス・ネットワーク」の構築を目指し、将来を見据えた持続性のあるまちづくりの実現を図ることを目的として策定しました。
次に、2枚めくって、6ページと7ページをご覧ください。また、恐れ入りますが、冊子を縦にして図をご覧ください。
立地適正化計画では、図の赤色、オレンジ色、黄色に塗られた市内7つの拠点を都市機能誘導区域に設定し、その周辺や公共交通の沿線の緑色の区域を含めて住居を立地誘導する居住誘導区域に設定しています。
都市機能誘導区域は、鉄道やバスなどの公共交通が利用しやすく、医療や福祉、商業施設などの都市機能が集約された各種サービスの効率的な提供を図る区域であり、居住誘導区域は、人口減少下にあっても、一定エリアにおいて人口密度を維持することにより、日常生活サービスやコミュニティが持続的に確保されることを目指す区域であります。
現在、本市では、この都市機能誘導区域と居住誘導区域を中心にまちづくりに関する各種施策や事業を推進しています。
それでは、報告事項の「立地適正化計画の軽微な変更について」ご報告します。事前に配布した資料をご覧ください。
1の変更の趣旨ですが、立地適正化計画の都市機能誘導施策及び居住誘導施策の更なる推進を図るとともに、国庫補助等の支援策を効果的に活用していくため、本計画に個別具体の誘導施策を記載するものです。
なお、変更する事項は、都市再生特別措置法第81条第2項第4号に該当することから同法施行規則第31条により軽微な変更としています。
2の変更事項ですが、(1)43ページと(2)53ページの2点になります。
資料1枚めくっていただき、A3の変更前と変更事項の記載された資料をご覧ください。計画書本編43ページの抜粋になります。
右側の変更事項といたしましては、図の黄色背景の事業の位置図になります。都市機能誘導施策について、再開発事業の完了地区を黒色に更新しています。また、本日ご審議いただいた、千代田町中心拠点地区の第一種市街地再開発事業を赤色の線で示し、新たな事業中の地区として記載しています。
次に、(2)53ページの変更事項について説明します。資料を1枚めくっていただき、右ページの変更事項をご覧ください。青文字の部分になります。居住誘導区域内の都市基盤を整備する個別具体の誘導施策と完了状況を記載しました。
軽微な変更の内容は以上になりますが、本年7月に、以上の軽微な変更を行った計画書を公表する予定です。「立地適正化計画の軽微な変更について」の報告は、以上です。次に、「立地適正化計画の改訂について」ご説明いたします。本日お配りしたAの資料をご覧ください。
1の、『改訂に関する基本方針』についてですが、平成31年3月の立地適正化計画の策定・公表から概ね5年を迎えるに当たり、防災指針の策定等、以下の考え方を基に改訂することとします。
まず、1つ目として、居住誘導区域等における災害リスクの分析、課題の抽出及び取組方針の検討を行い、都市の防災・減災対策として防災指針を策定します。
2つ目として、令和2年の前橋勢多都市計画区域の変更により、富士見都市計画区域が拡大・統合されたことから、計画区域の見直しを行います。
3つ目として、現計画における誘導区域の見直しの必要性を検討します。
4つ目として、新たな誘導施策を検討します。
5つ目として、現計画の目標値の進捗を管理し評価します。
以上の基本方針に基づき、立地適正化計画を改訂いたします。
次に、2の『策定体制』について説明いたします。
(1)の庁内体制については、計画に関係する各部署へ協議・意見照会等を行いながら策定作業を進めます。
(2)の市民参画につきましては、住民の意見反映措置として「パブリックコメント」等を行います。
(3)の都市計画審議会につきましては、改訂の過程において適宜、ご報告し、委員の皆様のご意見を伺いながら進めてまいります。いただいたご意見を踏まえ作成した最終案について審議会に諮問を行います。
(4)の議会対応につきましては、素案を作成し、パブリックコメントの実施の際など策定過程において、適宜、建設水道常任委員会へご報告いたします。
3の『改訂スケジュール』につきましては、
令和4年度に素案作成、令和5年度にパブリックコメントを実施し、計画案を作成します。その後、都市計画審議会にて計画書案について諮問をさせていただき、計画書を公表したいと考えております。
報告は以上となります。
立地適正化計画の軽微な変更について及び立地適正化計画の改訂について質疑応答
大塚委員
要望になるが、変更前、変更後とある資料の青文字で表示してある新しく追加した部分の中で「生活サービス充実居住エリア」に、新前橋駅の表現がある。新前橋駅というのはJRの本線の駅だと思っている。やはりJRというのは本線の駅を非常に重要にしながら開発を進めるという考え方だと感じる。前橋駅が中心でよいと思うがやはり本線をもう少し力強く前橋市としても出さないと高崎市と競合した時に全く勝てないまちになってしまう。そういう意味では東口だけではなく西口も含めて新前橋の全体をもう少し広く力強く表現できるようなことを考えていただければと思う。
飯塚都市計画課長
新前橋駅の周辺地区は前橋と高崎の堺にも位置し、インターにも近いということで、交通利便性の高い場所である。東口だけでなく、今後、西口も視野に入れて、利便性を活かしたまちづくりを進めていきたい。
大塚委員
東日本大震災の時に、新前橋駅の上越線が福島、宮城に石油を送った。こうした点からも重要な場所であったということを個人的には忘れずにいる。5月は非常に雨が多い。地球温暖化による気象変更で降水量も増え、災害が多くなることが想定される。そうした点からも、重要な拠点だと考えている。
報告事項 前橋市歴史的風致維持向上計画(案)について
原澤副主幹
「前橋市歴史的風致維持向上計画(案)」についてご説明いたします。お手元の資料をご覧ください。
「1」の経緯ですが
本計画は、都市計画課景観係が、令和2年度から景観・歴史まちづくり係と組織改組し、策定作業を開始したものです。
国から計画の認定を受けることにより、国の交付金等で優遇措置を受けられることから、国土交通省、文化庁及び農林水産省との「三省庁協議」と呼ばれる、計画内容についてチェックを受ける場があり、すでに6回協議を実施し、現在7回目として最終チェックの書面協議に入っております。
さらに外部の識者による法定協議会であります、「歴史的風致維持向上協議会」を5回開催し、ご意見をいただいております。
市議会や各審議会では、これまで市議会建設水道常任委員会で2回、景観審議会で1回報告させていただいております。
次に、計画の内容についてのご説明に移ります。
はじめに、「2」の歴史的風致についてです。
本計画では、歴史まちづくり法に定める「歴史的風致」と呼ばれる区域を設定します。
今回、次の(1)から(3)にあるような区域の設定を行いました。
詳しくは別にお配りしております計画の概要版で、後ほどご説明いたしますが、
1つ目が、「関東の華」から「生糸のまち」への変遷にみる歴史的風致として、街なかをカバーするエリア、2つ目が、伝統行事や顕彰活動による歴史的風致により、元総社・総社エリアをカバーするエリア、3つ目が、赤城山信仰による歴史的風致として、赤城南麓や大胡、上泉をカバーするエリア、この3つのエリアを歴史的風致として設定いたしました。
さらに、その中でも、重点区域と呼ばれる、歴史的風致の維持向上に重点的に取り組むエリアを定め、そこでの実施事業を掲載しております。
重点区域の1つ目が、(1)の厩橋地区、つまり「街なか」です。「街なか」は、前橋の大局的な歴史を象徴し、最も活性化が望まれるエリアですが、歴史的なものと都市的なものが共存する特徴的な街並みを生かすための施策や、市アーバンデザインと連携して回遊性を高める施策を実施します。
重点区域の2つ目が、総社及び総社山王地区です。この地区は、歴史的資源が豊富であり、その集積を生かすための施策や、総社山王地区の養蚕住宅群を生かすための施策を実施します。
「4」の今後の予定ですが、まず、各審議会等で意見聴取を行います。本日ご説明しております都市計画審議会、6/1に景観審議会、7/1に文化財調査委員会議でご意見を伺う予定です。また、市民意見の反映としまして、6月20日から7月19日まで、パブリックコメントを実施します。市内各所で資料閲覧が可能で、意見受付については、市内各所ほか、メールやファクスで受け付けます。さらに、7月3日の日曜日には、臨江閣別館にて、報告会を実施する予定です。ご興味のある方は、6月1日の広報に掲載予定ですので、是非お申し込みください。
最後に、国からの認定スケジュールですが、9月ごろ国への申請を予定しており、今年度の秋から冬ごろには、認定をいただける見込みです。
それでは、次に計画書の概要版について、簡単にご説明します。本来であれば、計画書本編をご提示すべきですが、時間的余裕がないため、概要版でのご説明となることをご容赦ください。
まず、一枚開いていただくと、1、2ページでは、計画策定の趣旨やコンセプトなどを記載しています。
1ページ目の上の方では、前橋が都市消滅の危機に何度も直面したことを表しています。前橋は、これらの危機を官民連携の力で乗り越えた過去を持ち、その原動力に「城下町・県都」としての高い誇りと、復興への心意気がありました。
そこで、2ページ目にありますとおり、計画のコンセプトを、「関東の華・生糸のまちの歴史を継承し、官民が連携して前橋の誇りを取り戻す」、とし、今まさに直面する第4の危機を乗り越え、質感の高い都市を実現するために、計画を策定することとしました。
さて、引き続き2ページ目の説明ですが、計画の推進にあたり、まず、街なかの現状を見ますと、「History×Urban」という、歴史的なものと都市的なものが共存する街並みを確立する方向性があり、また一方で、それぞれの地域の多様な歴史の蓄積がありつつも、前橋らしさを形成してきた「一つの前橋」としての質感を高めることを目指すという方向性も重要です。
これらを踏まえ、本市における歴史まちづくりの将来都市像を、温故知新の造語であります「温故創新~過去を共有して未来を創る~」と定め、歴史的なものと都市的なものが共存する街並みや、各地域の歴史を生かしてさらなる前橋らしさを磨いていくこととしました。
次に、3、4ページからは歴史的風致の具体的内容の記載となっています。
まず、3、4ページでは、一つ目の歴史的風致であります「街なか」についての説明で、3つの要素で構成されています。
1つ目が、街なかでの初市や前橋まつりなどの伝統祭礼、2つ目が、3・4ページにまたがりますが、前橋公園での花見と焼きまんじゅう、さらに、本市の様々な歴史を象徴しているシンボルとしての広瀬川、この3つの要素をもって、街なかの歴史的風致としています。
次に、5、6ページ目では、元総社・総社地区の歴史的風致について説明しています。ここでも同じように3つの要素で構成されており、1つ目が総社神社の伝統祭礼、2つ目が5・6ページにまたがりますが、総社地区の歴史顕彰活動、3つ目が総社山王集落の養蚕住宅や樫ぐねによる、蚕糸業を思い起こさせる集落景観、この3つを取り上げています。
7、8ページ目の赤城山から南麓集落についての歴史的風致です。
ここでも3つの要素からなっており、1つ目が二宮赤城神社から三夜沢赤城神社までの御神幸や、大洞赤城神社の山開き、月田のささら、産泰神社の太々神楽などの赤城山にまつわる神事、8ページ目に行って、2つ目に大胡宿の暴れ獅子、そして3つ目に剣聖上泉伊勢守のふるさとづくり、この3点をとらえた歴史的風致となっています。
9、10ページに移ります。動き出す歴史まちづくりとありますが、ここでは、歴史まちづくりを重点的に実施する「重点区域」と重点区域で実施する主な具体的事業について、簡単に説明させていただきます。
重点区域というのは、先ほどご説明しました歴史的風致の区域の範囲内で、国指定重要文化財などが存在し、一体となって重点的に歴史まちづくりを進めていく区域になります。
今回の歴史まちづくりでは、「厩橋地区」として街なかを含む区域と「総社及び総社山王地区」、この2か所を指定することとしました。そのことが9ページ目に記されています。
次の10ページ目には、それぞれの重点区域内で実施する主な事業を掲載しています。厩橋地区では、昨年出土した大手門の石垣の可視化、前橋駅周辺の歴史的景観の向上、前橋公園内での歴史的拠点の創出など、歴史的なものと都市的なものが共存する街並みを生かすための事業を実施してまいります。また、すぐ下の四角の中ですが、AR・VRプロジェクトとして、デジタル技術を活用した街なみの再現なども考案していくこととしています。
下の総社及び総社山王地区では、群馬総社駅周辺整備、周辺道路の美装化、養蚕集落の保全など、歴史の宝庫を磨いていくに相応しい事業を掲げています。
これらの事業について、計画期間であります令和5年度から令和14年度までの10年間で進めていくこととしております。
次の11、12ページに移ります。
11ページでは、国、県、市それぞれ歴史的風致に関連する文化財や史跡をピックアップしております。また、12ページは、歴史まちづくり法のしくみで、「歴史的風致形成建造物」の指定制度というものがあり、その候補となる建造物を列挙しております。重点区域内に限られるものの、歴史的建造物の保全に繋げていくものであります。
最後に、13、14ページですが、ここでは、計画の位置づけやこれまでの取り組みについて記載しております。
簡単ですが、歴史的風致維持向上計画についての説明は以上となります。
前橋市歴史的風致維持向上計画(案)について質疑応答
石黒委員
大変意義のある計画だと思う。概要版13ページに推進体制とあるが、有識者からの意見等はどのように聴取しているのか伺いたい。
高瀬課長補佐
概要版13ページの中段「計画の策定・推進体制」欄の真ん中に太字で書いてある、「法定外部組織 歴史的風致維持向上協議会」に学識経験者の方に入っていただき、まずは計画策定に向けてどのような建造物を計画の中に位置づけるか、また歴史的風致が学術的にも正しいものであるかどうかを見ていただいている。計画策定後は、外部協議会を存続させ、まだ調査がなされていない歴史的建造物の調査などを進めながら今後、推進していく予定である。
石黒委員
具体的な委員の方はホームページを見ればわかるのか。
高瀬課長補佐
協議会の委員名簿についてはホームページに掲載している。
次回審議会の開催について
樋口副参事
次回審議会の日程についてですが、未定となっております。なお、日程につきましては確定次第、ご連絡させていただきます。事務局からは以上です。
配布資料
この記事に関する
お問い合わせ先
都市計画部 都市計画課
電話:027-898-6943 ファクス:027-221-2361
〒371-8601 群馬県前橋市大手町二丁目12番1号
お問い合わせはこちらから
更新日:2022年06月28日