令和5年度第1回前橋市自然環境保全推進委員会

審議会名

自然環境保全推進委員会

日時

令和5年11月24日(金曜日)
午後2時から午後4時

場所

前橋市役所6階東会議室

出席者

(1)自然環境保全推進委員会
大森委員長、金杉副委員長、小西委員、岩嵜委員、松村委員、宮原委員、森口委員

(2)事務局
持田参事、伊藤副参事、田所主任、羽鳥主事

(3)自然環境調査(昆虫類)業務受託会社
株式会社環境総合研究所 藤生氏、長崎氏、坂本氏

欠席者

姉崎委員

議題

  1. 前橋市自然環境調査(昆虫類)について
  2. 市民自然環境調査「みぢかな季節かんじ隊(サクラ、ツバメ、セミ、ヒガンバナ)」について
  3. その他
    1.次期委嘱期間について 2.その他

会議の内容

1 開会

伊藤副参事

2 あいさつ

持田参事

3 議事

議題に入る前に、委員会の成立要件の確認を行い、委員8名中7名の出席により本日の会議が成立していることが報告された。

(1)前橋市自然環境調査(昆虫類)について

議長(大森委員長)
それでは、議題(1)前橋市自然環境調査(昆虫類)について事務局から説明をお願いしたい。

事務局(羽鳥主事)、調査会社(長崎氏)
資料1「前橋市自然環境調査(昆虫類)中間報告」に基づき、業務概要、調査結果、今後の予定等の説明を行った。

議長(大森委員長)
それでは、各委員から質問や意見などがあれば発言をお願いしたい。

金杉委員
特定外来生物クビアカツヤカミキリは今回の調査で発見されなかったのか。

調査会社(長崎氏)
発見されていない。

金杉委員
確認されなかった重要種について、アオハダトンボはNo.6の龍蔵寺と細井小あたりで生息している可能性がある。来年度調査対象のNo.5の橘山では確認される可能性があるため注視していただきたい。またカワラバッタは数年前の豪雨で利根川河川敷が水浸しになってしまって以来、確認できなくなってしまった経緯があるが、下川淵町付近で確認できる可能性がある。

金杉委員
No.4元総社・東地区では水田が減少している傾向にある。これまでと見つかる種類が変化していると思うので、過年度調査からの変化については最終報告書で特に示していただきたい。

調査会社(長崎氏)
承知した。

金杉委員
調査方法についてはライトトラップ法(ボックス法)を実施しているが、蛾の確認種が少ない。蛾の確認種数が多くなれば、目別確認割合(資料113ページ)のチョウ目14%の割合がもう少し高くなると思う。

調査会社(長崎氏)
H28年度の調査についてはカーテン法を一部地点で実施しているため、確認種数が多い。似た調査地点になる来年度調査は調査条件を揃える必要がある。

事務局(羽鳥主事)
来年の調査仕様には反映させたい。

小西委員
今回の調査結果は普段感じていることと近い印象だが、どうしてもフィールド調査はその時々の運が絡む。位置情報等を活用した市民参加型調査等の補完的な資料があると良いと思う。

事務局(羽鳥主事)
検討したいと思う。

松村委員
ホソオチョウやムネアカハラビロカマキリなど、タイミングによっては確認できる外来種がもっと増えると思う。ツマグロヒョウモンも確認されていない。

調査会社(長崎氏)
選定基準ついては国外外来種を掲載しており、国内移入種は掲載していないため、ツマグロヒョウモンなどは外来種として掲載していない。

議長(大森委員長)
今年の春から夏にかけての気温上昇の影響で、調査結果に季節的なイレギュラーは見られたか。

調査会社(長崎氏)
秋季調査が暑さの続く9月中旬で心配だったが、バッタ目は概ね確認された。また個人的な感想だが、今年はセミが少ないと感じた。No.7(嶺公園)でもう少し鳴き声が確認されてもよかったと思う。

金杉委員
今年はセミが早く始まって早く終わった。市街地に樹林が少ないので鳴き声を聞く機会少ないが、近年は県庁周辺で鳴き声が増えてきている。

議長(大森委員長)
過年度の基礎調査や追跡調査と比較して何か変化はあったか。

調査会社(長崎氏)
No.18(大胡)で、平成23年度調査では水田となっていた箇所の一部が耕作放棄されていた。今後はこうした環境変化を踏まえて、本年度調査と過年度調査の結果を比較していきたい。

(2)市民自然環境調査「みぢかな季節かんじ隊(サクラ・ツバメ・セミ・ヒガンバナ)」について

議長(大森委員長)
議事(2)市民自然環境調査「みぢかな季節かんじ隊(サクラ・ツバメ・セミ・ヒガンバナ)」について事務局より説明をお願いしたい。

事務局(田所主任)
資料2-1から資料2-4「市民自然環境調査「みぢかな季節かんじ隊(サクラ・ツバメ・セミ・ヒガンバナ)」について説明を行った。

議長(大森委員長)
各委員から意見や感想などがあれば、サクラから順に発言をお願いしたい。

事務局(田所主任)
サクラの調査は3月13日から開始したが、例にない暑さで3月10日には早々と開花してしまった。来年度は調査開始日を早めて調査結果に反映できるようにしたいと考えている。

議長(大森委員長)
ぜひそのように準備をしていただきたい。ソメイヨシノに限らず春のツツジ類全般、開花が2週間ほど早い傾向である。春の植物を頼りにする季節的な昆虫にも影響があると考えられる。

小西委員
ツバメの調査について、ぜひ調査を続けてさらに盛り上げてほしい。なおNo.9は、イワツバメが自宅で確認されるとは考えにくいため、通常のツバメであると考えられる。

金杉委員
セミの調査について、気象庁が生物季節観測を止めてしまったので、ぜひこれからも調査を続けてほしい。正確なデータを収集するためにホームページ等で鳴き声を聞けるようにするとセミの種類が識別しやすいと思う。特にアブラゼミとニイニイゼミの鳴き声は聞き分けることが難しいので、参考になる音声があるとよい。
セミに限らず調査に参加する隊員の年齢層はどのようになっているのか。

事務局(田所主任)
サクラの調査は小学生から報告をいただくこともあるが、サクラ以外の調査はおそらく50代以上の隊員が中心だと考えられる。

金杉委員
広く市民に取り組んでいただく方法を我々も考えたい。

議長(大森委員長)
ヒガンバナの調査について、学校で野生動物について教える機会が減ってきていると思う。身近な生き物について引き続き啓発していく必要がある。

(3)その他

議長(大森委員長)
議事(3)その他 1.次期委嘱期間について事務局より説明をお願いしたい。

事務局(羽鳥主事)
参考資料「次期委嘱期間について」を配布し、説明を行った。

議長(大森委員長)
令和9年度の環境基本計画改訂の予定に変更はないか。

事務局(羽鳥主事)
今のところはない。

小西委員
前橋市の設置要綱に定められた委員会のため、方針は市の考え方で良いと思う。

議長(大森委員長)
同じく市が環境基本計画を作りやすいように進めていただければと思う。

事務局(羽鳥主事)
その方向で進めさせていただく。

議長(大森委員長)
議事(3)その他 2.その他について議題等はあるか。各委員や事務局から何かあれば発言いただきたい。

議長(大森委員長)
今年度はネイチャーポジティブの実現に向けた自然共生サイト認定制度の新たな取組が開始した。市内だと株式会社サンデンフォレストが認定されている。こうした背景で、環境基本計画の改訂では具体的に何を盛り込めるのか、自然環境調査の結果をどのように利用できるのか、市の施策について考えていただきたい。

松村委員
参考だが、日本チョウ類保全協会では2つの調査を実施している。一つ目は調査者の家に来るチョウを数えて全国的に集計している。二つ目は調査者がルートを設定し、1年間でどのようなチョウが見られるのか調査する、ルートセンサスを実施している。年間を通した調査の参考にしていただきたい。

金杉委員
ここ数年で水田が減少傾向にある。少しでも水田を残せる施策を令和9年度の環境基本計画の改訂で加えていただきたい。無計画で宅地が増えていく状況を少しでも改善できればよいと思う。

事務局(持田参事)
ご教示いただきながら環境保全に努めていきたい。

議長(大森委員長)
また今年度は新たな特定外来種の追加やアカミミガメとアメリカザリガニの条件付き特定外来種の運用が開始するなど、外来生物法の運用方法にも動きがあった。今年の外来生物の市内発生状況はどうか。

事務局(田所主任)
クビアカツヤカミキリに関しては生息域が若干、拡大している。これまではウメやモモの産地が多い地域で確認されていたが、徐々に利根川沿いの西側にまで被害が広がりつつある。
次年度は市有施設の被害対象木へ更なる対策を講じるため、樹幹注入できる体制を現在、調整をしている。

金杉委員
樹幹注入は幼虫が形成層を越えて樹体の奥に入りすぎると効きが悪い話も聞く。予防効果は必ずあると思うが、頼りすぎると危険である。

金杉委員
昆虫の森でも被害が確認されているが、サクラではなくプラムで確認された。わたらせ渓谷鉄道沿いではハナモモが被害に遭った。サクラよりウメに近い品種を好む傾向がある。

議長(大森委員長)
単価が高い品種が被害に遭うと損害も大きい。利根川より西側への防衛線としても前橋市には引き続き防除・啓発をお願いしたい。

事務局(持田参事)
これまでは農家からの通報が多かったが、最近は一般の方からの通報が増加して、市民の関心が高まってきていることを感じている。広報に記事を掲載すると反響もあり、効果的な手法だと考えている。今後、継続して周知を続けていく。

議長(大森委員長)
以上をもって議事を終了する。

4 閉会

伊藤副参事

配布資料

※ファイル容量が大きいため【資料1】令和5年度前橋市自然環境調査(昆虫類)中間報告は掲載していません。資料の確認については環境政策課までご連絡ください。

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更新日:2023年12月12日