第17回アーツ前橋運営評議会 報告

審議会名

アーツ前橋運営評議会

会議名

第17回アーツ前橋運営評議会

日時

平成29年9月29日(金曜日) 午後2時00分~午後4時15分

場所

前橋市中央公民館504会議室

出席者

委員

小島副委員長、結城委員、春山委員、友岡委員、間々田委員

事務局

高梨部長、倉林課長、住友館長、田中副館長、新保補佐、堺主任、辻学芸員、今井学芸員、小田学芸員、五十嵐学芸員、忠学芸員

議題

報告事項

  1. 事業の実施結果
    ・地域アートプロジェクト 滞在制作
    ・連携企画 ロビーライブ
    ・コレクション+ アートの秘密 展【7月21日~ 9月26日】
    ・アンケート縦覧結果
  2. 事業の進捗状況
    ・ヒツクリコ ガツクリコ 展【10月20日~ 1月16日】
    ・教育普及事業
    ・めぶくフェス アート部門
  3. 関連記事、視察・団体受入
  4. 前回までの指摘事項
  5. その他
    ・市議会意見交換会
    ・メンバーシップ制度

協議事項

(1)事業評価について

会議の内容

1 開会

2 報告事項

委員長欠席のため、副委員長が議長となった。

(1)事業の実施結果 [資料1]

 資料に基づき、事務局から説明を行った。特に意見なし

(2)事業の進捗状況 [資料2]

 資料に基づき、事務局から説明を行った。主な意見・質疑は次のとおり。

委員

 めぶくフェスの実行委員会とアーツ前橋の関係はどうなのか、この運営評議会は、めぶくの実行委員会を評価の対象とできる立場なのか。

事務局

 実行委員会の会議メンバーには入っている。

委員

 アーツの活動として評議会の意見が欲しいのか、委員会の活動であり参考的な報告なのか比重がわかりにくい。
 また、実施結果と進捗状況の報告で、終了した事業と予定中の事業との混在があったので分けるほうが良い。

事務局

 以後、心がけて対応したい。

(3)関連記事、視察・団体受入[資料3]

 資料に基づき、事務局から説明を行った。特に意見なし

(4)前回までの指摘事項

 報告事項と協議事項で取り上げて説明を行うこととした。

(5)その他

 資料に基づき、事務局から説明を行った。主な質疑・意見等は次のとおり。

3 協議事項

(1)事業評価[資料4]

 資料に基づき、事務局から説明を行った。主な質疑・意見等は次のとおり。

委員

 事前に目標を組み立てておいて、それを指標としつつ、事業が終わった後に振り返りの拠点とするというやり方が、評価資料としては理想で、重要だと思う。全国的にも評価事業の見直しの中で、このような方法にシフトしていると思う。
 9月に札幌で文化政策学会があった。そのときに注目されていたラウンドテーブルが、文化事業の評価であった。日本評価学会の源先生を招いて色々な事例をレクチャーしてもらった。日本では行政評価の文脈の中で、効果測定に偏りがちであるが、それよりは自分たちが事前に設定した目標の中でどう動いていくか確認していく作業が、評価の中で最も重要という話になっていた。それに対するフロアの共感はかなり高かったと思う。
今後、評価事業はそのような方向に動いていくと思われる。そこで重要なのは、政策体系を作る中で政策の理念と、それに照らし合わせて施設が何をするかというミッションの確定と、そこから個別の事業がどのように政策の理念から位置づけられるのかということを明確化していく、という作業だと思う。

事務局

 今回提示させて頂いた方法で、評価と言ってよいものか、個別の目標は事業計画をつくるなかですり合わせている部分でもある。第3者に目標設定を提示することで評価になるのだろうか。

委員

 何よりもそれは自己評価のためのものである。開示することは必然ではない、と私の中では理解している。また、文化振興計画やビジョンなどは、評価を引き離して考えるのではなく、連続性のあるものとして考えていく発想である。学会では、六本木アートナイトの取り組みの紹介もあった。今回の評価資料のレベルをさらに細分化・複雑化させていて、段階ごとにどういう意味を持つことになるのか、というようなことまで取り入れていた。
私の考えは、そこまで細かくすると評価すること自体が自己目的化してしまい、作業は大変になる。良い事業を進めていくことがそもそもの目的なのだから、そこに傾注しつつ出来る範囲で、こういうものを作っていくという形で、それぞれの組織が、重い軽いを考えながらやって行けばよいと思う。

委員

 事前記入の用紙は仮説といえる。実際どのように検証されているか、きちんと分析したうえで、狙いとしたものがどれだけうまく伝わったのか、お客様の反応などから組み替えていくことで、次年度以降に取り組むうえで、その部分が参考になる。例えば、先日終わったばかりの「コレクション+」を、今後どのように活かしていくのか話し合ってほしい。

事務局

 先ほど学芸員からも報告したが、狙っていたターゲットに届かなかった。なぜかというと、タイトルの付け方などブランドデザインが挙げられる。今後も収蔵作品展をやっていくので、修正していく課題としたい。個別の事業を目標と振り返りのみに収束させないで、次につながるという仕組みにしていく必要がある。

委員

 主催者側としてはコレクションということは大事だが、見る側としてはあまりこだわっていないのではないか。お客さんがどのように解釈するか、という点では資料8ページの新聞記事が面白かった。どういうふうにアピールしていけばよいのか、うまくまとめてあると思う。新聞の筆者は、アートの秘密というよりは、「私の秘密」を強調したいという。表紙とマッチングさせて、アートの秘密、私の秘密というような出し方にすると、来館者も神秘的と考えるだろう。
 事前記入のシートでは、館の共通目標と、細事業別の目標と、展覧会ごとの目標のすべてが連携している必要があるが、表の中では「目的について」と「広報について」がごちゃ混ぜに書かれている。コレクション+でいうと、向き合うのが私ということであれば、「私」が目的や内容に記載されていることで、もう少し整理が出来たのではないかと思う。

事務局

 広報は手段ということでよいか。

委員

 そのとおりである。また、どの「私」であるかを検証できるようにするためには、ギャラリーの最後に赤いシールを貼れるコーナーがあったが、そこで子供や高齢者などを色分けすることで、自分というものが後で見られるように工夫する方法もあると思う。
 もう一つの6ページの新聞記事では、アプローチという点で参考になる。「大切なのは作品の知識ではなく、作品を見て自分がどう感じ、どう変わったか・・展覧会を通じてより豊かな人生経験にしてほしい」という部分で、アプリの存在が今回の展覧会で重要な手段となったと推察できる。従って、アプリの成果も記入できると思う。

事務局

 このシートで、「目的と内容」の欄に書かれるものが、本来的に目的・内容と書くべきものとずれているように思う。もっと、事業を通してビジョン的なもの、何をやりたいかを書いた方が良い。
 友岡委員が大目標からそれぞれに分かれていくのは適切であると意見を頂いたが、実は懸念もあって、それぞれの事業が均質的になってしまうのでは、それぞれにもっと個性があってよいのではとも思っている。目的自体には個性を持って良いと思う。それを実現するための手段として、2.の活動については、予めこのようなシートを作ることで、検証できるかな、という意識づけにもなる。最終的には、成果として出たものが、大目標と関係していればよい、という形にしておいた方が、事業が均質化されなくて良いと思う。
 「目的」と「活動成果」をなぜ書く必要があるのかという点を意識することで、展覧会ごとの個性は保たれながらも、施設としてはそれぞれの個性が響き合う効果を作ることに繋がると思う。

委員

 個々の事業が全体の中の一部分と収斂されないように、というのはそのとおりと思う。個々の事業が大目標の歯車として位置づけられるものではない。大目標からブレイクダウンしたエッセンスが、個々の事業の一部を担っているという形で良い。

事務局

 であれば、目的のところを個性があるものにすることがよい。

委員

 学会に出た時も、こういう部分が職人芸だなと思ったところである。この項目のなかに何を書くか、というセンスみたいなものが問われてしまう。センスの磨き方は職人芸的なところもある。ラウンドテーブルでも講師が手直ししながら話を進めていた。試行錯誤しながらこのマトリックスの中に中身を入れ込んでいくことが、訓練となると思う。

事務局

 もう一つ意見を伺いたい。「どの時点」で報告の内容を書いておくと良いのかということである。A3横の表(事前記入)では、4.の成果まで記入するが、A4縦の事業調書では、5.の波及効果を書くようになっている。実際の展覧会の評価は4.まで書けるが、波及効果は後になって表れるものである。ソフト事業の成果としては、5.の波及効果は重要である。結城委員の発言のとおり「やってみて初めて分かったこと」は、5.に表れてくる。そうすると、5.が書けるタイミングは遅くなってしまう。
今後、評議会でも、今回はプレスリリースを使ったが、事前の報告はこの様式を使って説明すること、また報告はどのタイミングで行うか、今までとやり方が変わるかもしれない。

委員

 この表の中に書き込んだからと言って、それが確定的なものではないのだ、ということを付言したい。当初見込んでいた目的や成果も、事業計画の推進の中で、変更することは十分にある。同様に、波及効果は時系列の設定によって変わっていくものなので、流動的に入れ替わっていく性質がある。出すタイミングはどこかで決めなければならないが、本質的なところでは、流動性を許容する形で評価の一連の流れを考えておく必要がある。

委員

 評議会で説明するタイミングと、自分たちで評価する過程の中で、変えていくかというタイミングは異なるということだろうと思う。

事務局

 行政側の内部でアーツ前橋の事業を説明する中で、「なぜこれをやるのか」ということを言われる。大目標と実際の事業の目標の間のところで、行政側として市民の皆さんに提供するもの、市民が関われるものを記入する、また、年間スケジュールで、重点的に出したい内容を抽出すれば、この時期にこういったことを集中的に見てもらいたいというような説明が出来ると思う。
後になって波及効果が出て来ると、非常に説明がしにくいので、大テーマなのか小テーマなのかというところもあるが、波及効果も目標の中で設定しておくほうがよい。

委員

 及ぼすべき効果の「ねらい」も書いた方がよいということか。

事務局

 大目標と実際の事業目標の間のところの目標を充実させると、行政側として他者に説明しやすくなるのではないか。

委員

 美術鑑賞は一つの型にはめてはならないと思う。あえて目標ではないところがどのように出て来るかずれるところもある。では、どのように見せていくか、というと、アーツ前橋が取り組もうとしていることが、社会的にどういうインパクトがあるのか、ということを説明したい。大事にしてほしいのは「アーツ前橋らしさ」であり、強調し、くどいほど書くことで存立基盤を固め、それぞれの事業がどのように働いているのか言語化する必要があると思う。
 とすると、この表は目標を大きく書くとよい。アーツ前橋らしさのこだわりも訴えていく。それぞれの取り組みを書く場合、目的と内容の欄は分けた方がすっきりする。目的⇒目標⇒活動内容⇒結果⇒成果の順に記載する。この方の作品はこういう型をしてほしいというふうに枠に入れ込むのではなくて、色々な見方が出来るというのであればきちんと検証しておく。
 また、A4の評価シートの波及効果のところは、大きな枠としなくてよい。ただし、意図せざる結果、思わぬ効果を項目に入れたい。来館者に教えて頂いて、次の事業にどう活かして仕掛けをつくっていくか議論の種にする。

事務局

 波及効果は年間くらいの単位でまとめてしまって、それ以外の効果を適宜記入する余白を設け、記入日を書けるようにしたい。

委員

 学芸員の熱意は分かる。ヒツクリコ ガツクリコの意味が分かるように説明してほしい。

事務局

 ヒツクリコ ガツクリコは、萩原朔太郎の未発表の詩の中から引用したオノマトペである。

委員

 そこは強調しないとまずいのでは。

事務局

 詩のタイトルが良い。朔太郎は市民に向けて書いた作品はすくなく、この作品は未発表だが、副題が前橋市民に捧ぐ、なのである。

委員

 これから来ようと思っている人に、タイトルの意味は真っ先に伝わるようにしてほしい。

4 その他

事務局

 次回の評議会開催日であるが、第18回については、12月18日(月曜日)、20日(水曜日)で考えている。委員さんのご都合の悪い曜日をまずはお知らせいただきたい。
 →12月18日(月曜日) 第一候補とする。

主な意見等

  • 報告事項のところでは、実施結果と進捗状況の報告で、終了した事業と予定中の事業との混在があったので、分けるほうが良い。
  • 事業評価については、事前に目標を組み立てておいて、それを指標としつつ、事業が終わった後に振り返りの拠点とするというやり方が、評価資料としては理想で、重要だと思う。全国的にも評価事業の見直しの中で、このような方法にシフトしていると思う。
  • 重要なのは、政策体系を作る中で政策の理念と、それに照らし合わせて施設が何をするかというミッションの確定と、そこから個別の事業がどのように政策の理念から位置づけられるのかということを明確化していく、という作業だと思う。
  • 評価資料のレベルを細かくすると、評価すること自体が自己目的化してしまい、作業は大変になる。良い事業を進めていくことがそもそもの目的なのだから、そこに傾注しつつ出来る範囲で、それぞれの組織が考えながらやって行けばよいと思う。
  • 事前記入のシートでは、館の共通目標と、細事業別の目標と、展覧会ごとの目標のすべてが連携している必要があるが、表の中では「目的について」と「広報について」が混ざって書かれている。
  • 表は目標を大きく書くとよい。アーツ前橋らしさのこだわりも訴えていく。それぞれの取り組みを書く場合、目的と内容の欄は分けた方がすっきりする。目的⇒目標⇒活動内容⇒結果⇒成果の順に記載すると良い。
  • 当初見込んでいた目的や成果も、事業計画の推進の中で、変更することは十分にある。同様に、波及効果は時系列の設定によって変わっていくものなので、流動的に入れ替わっていく性質がある。出すタイミングはどこかで決めなければならないが、本質的なところでは、流動性を許容する形で評価の一連の流れを考えておく必要がある。
  • 学校現場では、夏休み前はイベントのチラシが山のように来る。年間を通して担任が配るのは大変である。見るだけのものは目立たない。塗り絵や折り紙、スタンプをもらえるというような、子供が体験できるような仕掛けを組み込むと持って返って目につくと思う。
  • ターゲットを学生など若者に向けるのであれば、インスタグラムやラインを活用すれば広がりやすい。 

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更新日:2019年04月12日