令和6年度自殺対策推進協議会

審議会名

自殺対策推進協議会

会議名

令和6年度自殺対策推進協議会

日時

令和6年10月30日(水曜日)午後2時~4時

場所

第2コミュニティセンター 3階ホール

出席者

委員:小保方会長、大谷副会長、小池委員、狩野委員、櫻井委員、清水委員、新井委員、磯田委員、池田委員、湯澤委員、中山委員、大小原委員、新島委員、高木委員 

前橋市:宮坂健康部長、大西保健所長、三田保健予防課長他

欠席者

直田委員、小林委員、滝沢委員

議題

(1)本市における自殺者数の状況 資料1 

(2)令和5年度主な関連事業の実績      資料2 

(3)令和6年度自殺対策の取り組みについて 資料3 

会議の内容

1 開会 三田保健予防課長 

令和6年3月31日付 群馬大学 福田氏、市民公募 田島氏の退任の報告。 

 

あいさつ 宮坂健康部長 

前橋市健康部長の宮坂と申します。本日は皆様ご多忙のところ、会議にご出席いただき、誠にありがとうございます。 

皆様ご存知のとおり、令和4年度に国の自殺対策大綱が改定されました。その大綱では、当面の重点施策として、女性に対する支援について盛り込まれました。本市においても、皆様からたくさんのご意見を頂戴いたしまして、女性が抱える困難について各種事業を取り組んでいるところでございます。しかし、経年で見ますと、本市の女性の自殺の割合は、全国の割合と比較すると高い形になっており、課題であると思っております。 

本市の自殺対策推進計画の最終目標は、自殺者ゼロです。大変高い目標になっております。目標を達成するためには、市役所の内部の力だけでは困難であり、本協議会の皆様から、忌憚のないご意見をたくさんいただくなど、お力添えをいただきまして、今後さらに効果的な施策を行っていくことができればと考えております。 

本市の自殺対策の推進に向けてさらなるご理解・ご協力をお願いたしまして、ごあいさつとさせていただきます。 

 

2 自己紹介 

3 会長及び副会長の選出 三田保健予防課長 

・設置要綱に基づいて委員互選により選出する旨説明。ご意見無し。 

・事務局の会長案「小保方 馨 委員(前橋赤十字病院)」拍手多数により決定。 

 

小保方会長(就任あいさつ) 

小保方と申します。普段病院で勤務しておりますので、病院の中のことは分かるのですが、自殺という生活に関連したことは分からないこともありますので、様々な分野の方から教えていただきたいと思っております。本日は前橋の実情と、これからできる対策について、学ばせていただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。 

 

・小保方会長より副会長の指名「大谷 雅昭 委員(群馬弁護士会)」拍手多数により決定。 

 

大谷副会長(就任あいさつ) 

大谷でございます。弁護士としましては自殺に至る前の予防のところで関わるケースが多いのですが、自殺後のご遺族についてもお仕事をお引き受けしており、現在もそのようなご依頼があります。今回は本協議会の副会長として、会長を補佐して、議事の進行に努めたいと思います。よろしくお願いいたします。 

 

4 議事  

三田保健予防課長から小保方会長に議事進行を依頼。 

 

小保方会長 

・「本市における自殺者数の状況」について事務局に説明依頼。 

 

(1)本市における自殺者数の状況 

住谷補佐 

資料1をご覧ください。本市における自殺者数の状況になります。 

最初の表は、平成26年から令和5年まで過去10年間の自殺者数の推移になります。上の段が前橋市、下の段が全国です。それぞれについて、各年の人数及び前年との比較人数、また、自殺死亡率になります。 

前橋市の推移は令和元年までは減少傾向にありましたが、コロナ禍が始まった令和2年には増加に転じ、その後は増減を繰り返している状況です。全国的にも令和元年に2万人を下回った以降増加に転じ、昨年まで2万人以上で推移しているところです。 

下の表は、男女の自殺死亡率を全国、群馬県、前橋市で比較した折れ線グラフによる推移になります。赤色の前橋市の男性は令和3年に一旦大きく低下しましたが、令和4年以降全国を上回る状況が続いています。ピンク色の前橋市の女性については、平成30年以降上昇傾向にあり、特に令和3、4年は全国・県を大きく上回る状況となりましたが、昨年は全国と同じ程度まで低下しました。 

次の表は、年齢別の人数になります。表の一番下の昨年の令和5年の状況は50代が男女合計で14人と一番多くなっております。その他の特徴として昨年は、20代の男性10人と大きく増加しました。同じ20代でも女性は0人と前年の5人から減少しており、男女差が大きく現れました。 

また、女性に限定して比較すると、令和4年までの過去4年間ずっと増加傾向でありましたが、令和5年は18人であり、前年の30人から12人減少して令和元年の17人と同じ程度の人数まで下がりました。 

下の表の棒グラフは、先ほどの年代別の人数を全体の割合毎に表し直し、そこに全国の割合数値を追加して、5年間の前橋市と全国平均を男女別に比較したものになります。左側のグラフで、青色の前橋市の男性については、黄色の全国との比較で50代以降は全国平均を下回りますが、逆に20代から40代までの男性は全国よりも割合が高くなっています。右側の女性のグラフですが、緑色の前橋市の女性では、40代以降のほとんどの年代が全国より割合が高くなっており、特に40代は8.2%と全国の5%程度と比較しますと倍近くの割合を占めていることなります。このように、自殺者数全体に占める女性、とりわけ40代以降の年代の方の割合が高いことが、現在の前橋市の特徴と言えると思います。 

この女性の割合が高い本市の状況に対する分析ですが、自殺に至る原因は、精神保健上の問題だけでなく、過労・生活困窮・育児や介護疲れ、いじめ、孤独・孤立などの様々な社会的な要因があると言われております。何か一つの原因に対処すれば解決するものではありませんので、先ほど申し上げたような自殺のリスク要因を少しでも減らす取り組みに加えて、ゲートキーパーの養成など生きることの促進要因を増やす取り組みを行い、双方の取組みを通じて自殺リスクを低下させることで、誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指していければと考えております。 

それでは、次の表は職業別になります。大きく有職者と無職に分けています。また、男性・女性それぞれを見ますと、男性は有職者と無職の方は令和2年を除くとほぼ同じ程度ですが、女性については無職の方が有職者のほぼ3倍以上の割合であり、特に令和4年は有職者4人に対して無職の方が26人と、6倍以上の差でした。なお、無職者の内訳で年金・雇用保険等生活者の項目ですが、こちらは全国一律のデータになりますが、内訳として約8割が老齢年金、遺族年金の受給者であり、残り2割が生活保護、障害年金、雇用保険の受給者とのことですので、この項目の人数はおおむね高齢者と捉えることができます。 

下の表の棒グラフは、職業の有無と無職の内訳で過去3年間のそれぞれの割合を男女別で示したものです。左側の職業の有無ですが、男性だけで比較しますと、人数が減った令和3年は、青色の有職者の減少人数が大きく、緑色の無職の方の差はそれほどありません。また、女性については、3年間とも青色の有職者の割合が低いことが見て取れます。 

右側の無職内訳ですが、学生等を除いた無職者の内訳を示しています。男性・女性の比較で大きな違いは、女性には、青色の主婦・(主夫)が一定の割合を占めているところです。令和5年は令和4年と比べて主婦が大幅に減少し、無職の女性全体と比べても前年の25人から11人と半数以下に減少しました。 

次のページの表は、前の原因・動機別の表になります。原因・動機は統計上3つ、令和4年からは4つまで計上していますので、人数の合計と合致しませんが、自殺に至った方の半数以上は大きな枠で捉えると健康問題を抱えていたことがうかがえます。ただし、原因・動機はいくつかの問題が積み重なることで自殺に至ることが多いとされていますので、性別や年代別などでひとくくりの分析を行うことが難しいのが実情です。 

次の表は今年の自殺者数の暫定人数になります。上の段が前橋市になりますが、1月が11人、2月が8人と多かったのですが、4月は男女ともに0人であり、一旦落ち着いた状況です。しかしながら、8月までに既に40人の方が亡くなっており、歯止めがかかった状況には至っておりません。令和5年の8月時点では34人でしたので昨年との比較では6人多い状況となっています。次に、下の段の全国の人数ですが、8月までで11,959人であり、前年同月の比較では今年は全ての月で減少している状況です。 

令和5年の本市の自殺者数は一旦減少しましたが、今年の本市の自殺者数は再び増加傾向にあり、これまで説明してきましたように近年の本市における女性の自殺の増加や全国平均を上回る自殺死亡率の状況など、非常に厳しい状況が続いていると認識しています。本市としましても各種対策を講じながら関係機関と協力して、自殺者の減少のために取り組んでいきたいと考えております。 

 

狩野委員 

自殺を減らす目標は自殺者ゼロいうことで、この協議会を設置していると思うのですが、亡くなった方にその理由を聞くことはできないので、あくまで推測になりますが、自殺を経験した方とか自殺を考えて悩んでらっしゃる方に、その理由を聞いていただいて、(4)の原因と動機別について、もうちょっと細かいところが分かった方がいいと思いますが、その辺りはいかがでしょうか。 

 

加藤木係長 

国の方でも心理学的剖検を行っておりまして、その中で、亡くなった人についてどのような背景があったりということを研究していたりはするのですが、なかなか自殺の方の相談というのは、個別具体的なお話になっていたり、亡くなった人の遺族のところに訪問行けないこともありまして、理由を聞きに行けない事情もございます。相談の中で自殺等々に関してご相談があった場合には、その旨、どういった事情があるのかというのは、具体的にお伺いしているところです。 

 

狩野委員 

そうすると、私たちはこの会に参加させていただいて、こういったデータ上のものとか色々知識を備えて期待をするといったところで終わりでよいのでしょうか。結局時間割いておりますので、何か力になりたいのです。ただ、何もできずにここに座っているだけだと、来る意味がないかなと思います。前回も厳しい意見を発言させていただいたのですが、私は迷ってしまっているので、その辺り教えていただけますか。 

 

住谷補佐 

行政で考える自殺対策だけではなく、みなさまには幅広い視点からもご意見をいただいて、行政として自殺対策を行っていくということが、1番大きなこの協議会の趣旨だという風に考えております。ですので、今日の協議会を経た上で、直接成果を発信するということではないと考えております。 

 

狩野委員 

有識者を集めて、色々な知識を結集し、それを参考にして行政の方で対策をしたいということでよろしいわけですよね。そうすれば、ちょっともう1点ありますけれども、わざわざ委員を集める必要はないかと思います。書面での郵送のやり取りでもいいかと思うのですがいかがですか。 

 

住谷補佐 

コロナ前は書面で対応したこともあったかとは思います。今回のように対面してご意見をいただく形で行っておりますが、書面開催については貴重なご意見として頂戴させていただきます。 

 

狩野委員 

我々PTA連合会はもう組織の存続が危うい状態です。私が今年度でPTA連合会を退任になるのですが、次の会長にバトンを渡す際に、市PTAの会長としての業務を減らしていきたいと考えております。私も次の方も当然、仕事を犠牲にして集まるわけなので、何かこちらがすごくプラスになるものが得られるのであればまだしも、我々の知識を提供するためだけに集められるのは、犠牲が大きいということをこの場でお伝えさせていただきます。よろしくお願いします。 

 

宮坂健康部長 

色々本当にご意見ありがとうございます。本当に委員の皆様、お忙しい中、お時間いただきありがたく感じております。先ほど担当の方からご説明させていただいたように、自殺の原因はなかなかこう本人から聞くことができないという中で、このような統計にそのような細かいものを出せない状況であることを申し上げます。ただコロナ禍にあったような、対面以外の方法も考えていく必要もあるかと思うのですが、この対面でお願いしたい部分としては、やはりそれぞれのお立場から、ご自身の団体では、このようなことが心配しなくてはいけない要因としてあるというようなお話をいただけるとありがたいです。また、他の委員さんの意見を聞く中で、さらに発言していただけると、我々の活動や事業に大変役立ちますので、ぜひその辺もご理解いただけるとありがたいと思います。 

ただ、皆様のお時間を奪ってしまっていることには本当に申し訳ないという風に考えております。その辺についてもまた進め方等検討させていただきたいと思います。 

 

大谷副会長 

この自殺対策推進協議会ができる前の、自殺対策ネットワークの頃は、自殺対策の事業について、色々と知恵を出して、みんなで何をどうするか等を決めていましたが、あの頃の話し合いの成果が今回の事業に今出ていると考えます。計画とかを立てていた頃は、実際自殺未遂を経験された方をここに呼んでお話を聞いたりしていました。自殺対策推進協議会が開催されて以降は、かつて決めたことが、どの程度その後実施されているかという説明が中心になっていて、その中で、工夫していることや新規事業の報告があります。今回のように協議会を参集で行うメリットとは、参加者から自分の仕事の中で困っていることや、皆さんのお知恵が毎回大体出てきていて、それに対して様々な分野の方から、こうしたらいいのではいかという返事があるということが毎回2つ、3つあって、これはなかなか書面ではできないことかと思います。協議会での成果をそれぞれの職場に持ち帰って、それが最近のこの会合の意味であると思います。確かに何をするのか決めていた頃に比べますと、現在は単に報告で終わるところがあるのは確かですが、今後例えば成果が出ていないので、何か大きく変えましょうということになると、またおそらく以前のようにいろんな方を呼んだりするというようなことになると思います。今やっていることを大きく変えるという話にはなってないので、現状のような形になっているのだと思います。 

 

小保方会長 

今の質問に関連しまして、いつも原因、動機別では健康問題が1番多く上がってきます。前橋ではありませんが、亡くなった方のお家に行って、生前どういう様子だったかを調査した文献などがあります。1番多いのは精神疾患と体の病気が入ってきますが、精神疾患ではうつ病、アルコール依存症、統合失調症と、この3つが多く、特にうつ病が多いので、元気がなさそうで、孤立していて、悲観的で、人と繋がりたいというような人になるべく声をかけるようにしたりしています。体の病気では、胸が苦しい、動悸がするとか、息が苦しいとか、痛みの強い方が、リスクが高いと言われています。健康問題に目を向けるときはそういった視点で少し声かけをしていただければと思います。 

 

大谷副会長 

今のお話で以前はこの動機のところが、詳しく細かく検討した記憶があります。例えば経済・生活問題、勤務問題、学校問題、このような理由で自殺されている方も多くはうつ状態にある方で、健康問題のところが実はほとんどうつで、そのうつの原因がわからない方がみんな健康問題に入れられているのかとも思います。では、自殺対策で1番必要なことは何かというと、うつ病の人を医療に繋げるためにどうしたらいいのかということについて、色々と考えるのがこの会かなと思います。 

 

池田委員 

今原因・動機のお話が出ていますが、何を基にこのようなデータになっているのか、何を基に調べられているのかをお伺いしたい。 

 

加藤木係長 

原因・動機別の取り方は、警察官が遺書や家族などの聞き取りの中から、原因を取る場合は最大4つまで理由として挙げているということです。こちらの資料に関しては、厚労省の統計資料から作成しています。 

 

大小原委員 

勤務問題・人間関係・家庭の問題があって、最後にうつ状態になって自殺をするような、自殺に至るプロセスがあると思います。そのプロセスが一定でなく、それぞれ違うため、非常に分かりにくくて、それが見えないので、周りの人たちの変化に気づいたり、見守りをしたりする人を増やすことが大事だと考えています。 

 

小保方会長 

当事者が悩んでいても病院に行かないとか相談に行かないこともあるので、周りで気づくような声かけの取り組みなどがとても大切かなと思います。 

 

・「令和5年度主な関連事業の実績」「令和6年度自殺対策の取り組みについて」について事務局に説明依頼。 

 

(2)令和5年度主な関連事業の実績  

住谷補佐 

資料2について説明いたします。こちらは、市役所の各課が令和5年度に実施した主な関連事業の実績です。本市の自殺対策推進計画に基づき、7つの項目に分けて整理したものです。項目は表の左側の番号で、1から7が1つ目の項目で子ども、若者への支援を充実する。8と9が2つ目の項目で、市民1人1人の気づきと見守りを促す。10から15が3つ目の項目で悩みに寄り添える人を養成する。16から20が4つ目の項目で心の健康づくりを推進する。21から66が5つ目の項目で社会全体の自殺リスクを低下させる。67から69が6つ目の項目で勤務問題による自殺対策を推進する。70が7つ目の項目で自殺未遂者の再度の自殺を防ぐといった順でまとめております。各事業の個別の紹介は、時間の都合上、割愛させていただきます。なお、資料1の説明の中でお伝えしました女性の自殺率が高い状況に対する取り組みとしましては、資料2の最後のページに、女性が抱える困難にも関連した自殺予防対策事業として表にまとめました。各事業の前にある数字は、資料2の事業一覧の左側の数字と一致しているものです。思春期から高齢期まで全ての人材に対応できるよう、市役所全体で関係各課と連携して自殺予防に取り組んでいるところです。 

自殺は、複数の悩みが原因で心理的に追いつめられた末の死と言われておりますので、引き続き、生きるための包括的な支援として関係各課と連携を図っていければと考えておりますので、自殺対策の重要性を訴えつつ、市役所全体で引き続き取り組んでいければと思います。資料2の説明は以上となります。 

 

(3)令和6年度自殺対策の取り組みについて 

住谷補佐 

続いて、資料3について説明いたします。こちらは保健予防課の今年度の自殺対策の取り組みになります。まず、1ページ目の1番ですが、こちらはゲートキーパー研修の実施状況及びこれからの予定になります。ゲートキーパーとは、悩んでいる人に気づき、声をかけ、話を聴いて、必要な支援につなげ、見守る人のことですが、研修を受けた方が職場や家庭において学んだことを実践していただき、支援が必要な人に対して専門的な相談機関につながるきっかけの1つになればと考えております。 

今年度の新たな取り組みとして、一覧の右側にNewのマークをつけていますが、8月には群馬いのちの電話の方を講師に迎え、より実践的な聞き方を学んだり、ハローワークの職員に研修することで、休職中でメンタルが沈みがちな方への気づきや、専門的な相談先につなげることの大切さを伝える機会となりました。そのほか、実施予定の研修を載せていますが、現時点で580人程度の参加を見込んでいます。新たな出前講座の申し込みなどがあれば、積極的に対応していく予定です。 

2ページ目の(2)のですが、公開しているYouTube動画の一覧になります。左側が1タイトル毎の長さが平均4分以上の研修動画、右側が研修というよりはゲートキーパーの役割やゲートキーパーという言葉の周知に特化した1タイトル15秒未満のショート動画になります。こちらは最近の若者の動画視聴スタイルの中心であるショート動画に焦点を当てて、少しでも多くの人に目にしてもらえるようメッセージを絞って動画を撮影しました。昨年9月に公開して以降、視聴回数はご覧の通りです。ゲートキーパーの認知度を高め、悩んでいる人に寄り添える人を少しでも増やすきっかけとなるよう取り組んでいます。中段の(3)ですが、昨年度初めて実施したこころのサポーター養成事業です。今年度も引き続き取り組みを行う予定です。こちらは厚生労働省が令和3年度から試行的に実施しているモデル事業ですが、すでに実施経験のある自治体については、応募枠にとらわれず実施可能とのことでしたので、継続して実施するものです。こころのサポーターは、メンタルヘルスに問題を抱える家族や友人、同僚など身近な人に対して、傾聴を中心とした支援を、正しい知識に基づいて実践する方としており、コミュニケーション方法と相談先につなぐ役割に特化したゲートキーパーよりも内容が幅広く、例えばストレスに対するセルフケアについても学ぶなど、メンタルヘルスの知識を底上げして、普段の社会生活の中でメンタルスの不調を抱える方への対応を想定しています。こちらは一般市民の方を対象に、先週の10月24日に実施したところです。 

下段の(4)は、今年度新たに取り組み始めました児童対象講座です。公民館が夏休みに実施している教室に合わせて、子どもたちにストレスマネジメントやSOSの出し方などを小学生にも分かりやすい内容にして、時間を30分程度と短くして実施しました。今年度は桂萱公民館と宮城公民館で行いましたが、来年度以降も実施していければと考えています。 

下のページになりますが、ここからは自殺対策の具体的な周知啓発にかかる取り組み事例を紹介いたします。1つ目は、自殺予防相談カードの設置です。こちらは市役所1・2階の他、スーパーのフレッセイやクスリのマルエなどの市内の店舗のトイレなどに設置しているもので、悩みがある方やその家族などが手にとって相談するきっかけとなるよう、令和4年度から始め、令和5年度は4,600枚を設置配布しました。今年度はスーパーやドラッグストアのほか、新たにハローワークや合同庁舎内にある労働基準監督署など、労働環境に不安を抱えていそうな方の目にも触れるような場所への設置も進めております。この取り組みの背景は、女性の自殺死亡率が高まった令和3年の状況を踏まえ、これを改善するために、女性が立ち寄り、目に留まる可能性が高い場所に配置を始めたものです。また、参考データとして、実際にカードを見て連絡をくれた方への対応実績はご覧の通りです。 

次のページにいきまして、(2)は市内の大学への働きかけですが、市内にある4つの大学の保健室などに例年通り保健予防課の職員が出向いて、各大学の担当者と健康相談体制を確認しています。また、その際に、精神保健福祉相談の案内や相談機関一覧の情報提供を行うこととしています。また、職域への働きかけとして、(3)の項目になりますが、今年度新たにハローワークなど現役労働世代との関わりの深い機関へのアプローチを進めました。 

下のページにいきまして、こちらは自殺予防やメンタルヘルスに関連する本をまとめて紹介するブックキャンペーンですが、例年通り自殺予防週間や自殺対策強化月間に合わせて、9月に図書館分館のうち2か所で実施し、3月には図書館本館まで予定しています。そのほか、デジタルサイネージを使った計画については、今年度も引き続き実施していきます。 

また、相談期間一覧が入ったクリアファイルですが、皆さんお手元にも配っているかと思いますが、こちらも例年通り配布していきます。1番下のうつ病ココロの相談+ですが、こちらが昨年9月から新たに始めた相談です。これは自殺の原因で上位にくる病気の悩み、影響の中でもうつ病に起因するものが多いこと、また、女性が罹患する率が高い病気ですので、女性への支援の強化につながることなどを踏まえ、より多くの方から相談するきっかけとなるよう始めたもので、今年度も引き続き実施いたします。なお、昨年度の相談実績は表の通りです。資料3の説明は以上となります。 

 

狩野委員 

資料3(1)児童対象講座について、私は自治会長を仰せつかっておりまして、公民館を借りて、このようなことができるのであれば、ぜひ、ご依頼させていただきたいと思いましたが、講師はどなたがいらっしゃいますか。 

 

住谷補佐 

こころの健康係の専門職で、保健師や精神保健福祉士が講師として行っています。 

 

狩野委員 

費用はかかりますか。 

 

住谷補佐 

かからないです。 

 

狩野委員 

例えばうちの自治会では、小学生が142名いますが、回覧板等で呼びかけて、もしも人数が0だったり、集まらなかったりした場合はどうなりますか。それとも事前に、人数を把握して申し込みしなければいけないんですか。 

 

加藤木係長 

もし当日0であれば、その日は実施しないということになります。1人でもいればやります。SOSの出し方とストレスマネジメントで考えますと、今回やってみて分かったことですが、小学校1・2年生だったりするとちょっと難しいかなと感じました。それを想定した上で、小学校3・4年生ぐらいを想定した資料を作成しています。あとは、小学生だけではなく、SOSを出した後の保護者がどういう風にそれを受け取るかなど、そういったこともやはり大事なことだと思いますので、ストレスの出し方、ストレスマネジメント並びに、ゲートキーパーという辺りで、全体としてまたご検討いただけるとありがたいです。中学生向けの場合には、中学生向けに準備をします。11月19日に教育委員会からお声がけいただきまして、小中学校の学生主任の先生向けに、自傷・自殺に関するお話をさせていただくことになっております。2020年の小学生の新指導要領ではSOS教育に関することが入り、中学生に関してはストレスマネジメントが確か指導要領で入っていると思いますので、ストレスマネジメントや、SOSの発信をどのように発信していくかの再学習をしていくような形でもよろしいかなと思います。 

 

狩野委員 

地元で自治会長や交通指導もやっておりますので、常にこどもたちと一緒に生活しているような感覚です。その中で1人、また1人と不登校になっていく、わが子のように大事にしている他人のこどもがたくさんいて、PTAに関わって12年経ちますが、どんどんどん増えているわけです。命を絶つ子はいないのですが、その前に食い止めたいということを常日頃思っていますが、力不足で何の役にも立たない私がここにいるので、何かここで知識を得られればと思ってまた今回お伺いしております。講座は保健予防課に問い合わせすればよいでしょうか。 

 

加藤木係長 

はい。 

 

小保方会長 

困った時に人に助けを求めるということが自分も難しかったりするので、こどもの頃からSOSの出し方について内容を学ぶことは大事なことだと思います。 

 

小池委員 

前橋市ではSOSの出し方教育などは各学校で、1年に1回することとなっております。やり方としては学校に任されていますので、私が勤務した学校でも、養護教諭を中心に行ったり、スクールカウンセラーが行ったりして、本当に手探りで行っている中で、講座も毎年開いたりもしています。ただ、そのような単発のものよりも、日頃職員や他の生徒から情報やSOSを拾っていることが、実感としては大きいと思っています。講座や手法を学校の方にも情報としてもらえると、助かるかと思います。学校ではスクールカウンセラーや養護教諭が代わったりもしますので、SOSの出し方教育などの大枠の教材などを学校にも見せていただけるとありがたいと思います。 

 

高木委員 

資料3の2周知啓発活動の相談内容で親族関係とありますが、この親族関係は親とその他どのような内容なのでしょうか。 

 

加藤木係長 

個人情報もありますが、配偶者・親・兄弟・こどもです。 

 

小保方会長 

資料3(2)YouTubeの動画の公開で3の自殺を考えている人の心理だけ12,000回も視聴回数が伸びていますが、これだけ大人気の講座なのでしょうか。 

 

加藤木係長 

動画の作りは左側の他の動画と変わらないのですが、おそらく動画タイトルの心理という言葉から見ようとする人が多かったのではないかと思っています。しかし、なぜこれだけが頭一つ抜けて数が多いのかはよく分からないところであります。 

 

小保方会長 

あと、どのような年代の人が見ているかとか、見て感想がどうかとか、そういうアンケートを取ったりはできるのでしょうか。 

 

加藤木係長 

YouTubeのコメント欄がオープンになっていれば、コメントを残すこともできますが、クローズになっていたかと思いますので、コメントは入ってなかったと思います。また、ホームページからの問い合わせにも今のところコメントはありません。 

 

小保方会長 

その狙いのターゲットは女性やこどもですとか、ターゲットを絞ったりもあるのですか。 

 

加藤木係長 

右側のショート動画に関しては、どちらかというと若めの方や、若めじゃなくても女性の方をイメージして、15秒とか12秒の短い時間で、作らせていただいた動画になっております。ニッチな感じの絵についても、意識して書いたところの部分です。 

 

小保方会長 

12秒とか、かなり短いと。 

 

加藤木係長 

右側のショート動画に関してはとても短くしておりまして、例えば10・20歳代の方は、ショート動画を見る傾向にあるとのことですのでショート動画の方で時間を短くし、ゲートキーパーを案内する動画をお試しで作ってみました。最初はどちらかというと時間のない、タイムパフォーマンスを高めて若者向けにも作ることを考えて作成しました。 

 

吉澤委員 

自殺予防相談カードについて、こころの健康センターでも、心の健康相談などの窓口が案内されるようなカードを配布しておりますが、やはり県全体としても、どのようにして、必要な情報を届けていくか検討しているところです。今年度は、例えば群馬銀行や、ドラッグストアなど置かせてもらっているところです。前橋市では、令和5年度からJINS・無印良品など、一般の方が寄るようなところにカードを置いていますが、令和4年と令和5年でカードを置いた感じで、相談の層が変わったなど、何かございますか。 

 

加藤木係長 

相談の内容に関しては、自殺のもっと手前のお話が多くて、お仕事や家族のことなど、個別性が高いところだと思っています。ここにカードを置いたからこうっていう感じではないと思います。ただ、ハローワークに置いてみてから、そこから来る電話は仕事がらみのものが多いと思います。元々、女性の方向けのカードということなので、女性の方が寄りやすいところを、職員で検討しております。その中で例えば、衣料品店やドラッグストアにカードを置く場合、この店舗はトイレに寄りやすいとか、同じ系列の店舗だとトイレの場所が決まっていてイメージがしやすいとか、イメージや建物の構造上の問題があると考えております。ただ、男性の方がよく利用する施設だと、男性のカードの捌けが良いというのは、よく理解できるところではありますが、こどもや女性の方が寄りやすい元気21に置いてみたところ、男性のカードの減りがとても早くて、カードも追加で置いています。ですので、女性が立ち寄りやすい所に置いたから、女性のカードがとても減るとか、そういうことでもないかもしれないと思います。 

 

小池委員 

小中学校について、オープンドアサポーターというシステムが前橋市にはありまして、システムができて、もう10年以上経っており、これのおかげで不登校の生徒の対応を行っています。委託事業のオープンドアサポーターでは、家庭訪問を行っています。自治会や民生児童委員でも、家庭訪問がなかなかできない状況の中で、家の中でひきこもっている生徒も、非常に多くなっており、このシステムは、すごくありがたいと思っています。 

自殺を予防している中で、家庭訪問とかをするような事業というのは、資料2の方を見ましたが、新生児のところへの訪問や、1人暮らし高齢者訪問というのもあったのですが、実際に病気になっている方を、保護するような取り組みというのはどちらかで行っていますか。 

 

加藤木係長 

前橋市保健所では、精神保健福祉相談の中で、形態は電話相談、面接相談、あとは訪問指導という形で、必要に応じて訪問指導を行って相談しております。自殺の問題に関しては、電話相談、面接相談が多いのですが、場合によっては訪問指導の中で相談したことも過去にはあります。 

また、病気の方への訪問については、現在、その精神科病院や精神科クリニックの方で、お医者さんの指示で、精神科の訪問看護という診療報酬上の事業があったり、福祉サービスの枠の中で、アウトリーチ的な福祉サービスを利用される方もいます。 

 

小池委員 

自分で相談を希望して訪問がある場合、有効な訪問になるのだと思います。学校では、こどもの方から訪問の希望はないので、学校の方から心配だから訪問するという、スタンスを取っているのが現状です。問題を抱えている方というのは、相談ができないとか、病院にも行けなかいとか、そのような人を早く発見して対応していくことが必要であると思います。学校を卒業した場合は、病院でそのような傾向がある場合などは、マークをして、早期発見とか訪問などの早めのサポートにつながるようなシステムができると良いと思います。 

 

清水委員 

資料2の46で、多重債務相談を行っているということですが、共生社会推進課では、相談を常時受け付けているのでしょうか。それとも相談会ということで多重債務相談を行ったということでしょうか。 

 

加藤木係長 

消費生活センターで多重債務相談を随時お受けしていたり、あとは市民相談の中で法律家が相談を受けたり、あとは、年に1回、今年は11月に群馬県の消費生活センター、市消費生活センター、司法書士、保健予防課と連携して、ワンストップ型の多重債務に関する相談会を行っているところではあります。 

 

清水委員 

自殺の動機とかの資料を確認すると司法書士会として手伝いを行えることは債務整理と思いました。債務整理に関する相談会については、前橋市に司法書士会が協力できると思いますので、自殺対策という切り口で行ってみても良いかなと思いました。 

資料3自殺対策について様々な取り組みがなされていますが、派手なことをやるといいかなと思いました。以前司法書士会にLGBTのパレードに関する話が来ていました。そこでは様々な団体が、フェスタという一種のお祭りのようなことをしながら、司法書士会であればそこで法律相談を受けていたのですが、自殺対策推進協議会では様々な団体の委員さんがいらっしゃるので、フェスタをしてみても良いかと思いました。LGBTでは統一的なレインボーカラーが象徴なのですが、みんなで同じTシャツを着て、記事にもなりやすいものでした。自殺の場合、フェスタのようなものを実施することで、相談場所等に関するPRにもなるかと思います。 

 

大谷委員 

県の方で派手な啓発事業をやっていた時期があり、私も関わり、こころの健康センターにも協力してもらったことがありますが、あまり派手なものだと自殺の相談には来てもらえないのですね。一番来てもらいたい方が来なくて、そのようなキャンペーンをやめてしまったっていうことがありました。それから、先ほど小池先生のご発言で、問題がある方のところに訪問というお話があり、お子さんではなくて大人の場合ですと、孤独そうな方が相談に来ない場合、こちらから行こうっていうのが、どのような理屈付けで訪問するかということが難しくて、民生委員さんが適宜回ってもらうぐらいしかできないと思います。積極的に来てくださいというのがないのに、こちらから行くというのは難しいとういような話が以前あった記憶があります。 

 

三田保健予防課長 

フェスタというようなお話いただきまして、ありがとうございます。副会長さんがおっしゃったように、自殺をメインにフェスタを行うということはなかなかないのですが、今年6月に元気21でクスリのマルエが主催で元気フェスタを行い、テーマとしては健康を切り口として、その中で自殺予防のブースを保健予防課で、1か所出させていただきました。今後司法書士会さんと連携できるというようなお話もいただきましたので、またそういった視点で、取り組みをさせていただきたいと思います。 

 

高木委員 

周知啓発の件ですけど、自分は前橋市の広報をくまなく読んでいて、他の人にも見てほしいと常に思っています。広報を見ることで、あらゆる角度から市民がより良い生活していくための知らせがあることを確認していただきたいと思うのですが、こう見ると本当に細かく色々と相談があるので、ぜひ参考にしてほしいなと思います。 

それと、心のケアはご家族、周りの人、支援者に労いの声かけが必要だと思います。本人の様子の変化に気づくのがやはり1番近くにいる人です。会社での話をするとしたら、最初に不調を発見できるのは身近な職員です。その時の声かけや思いやりのある関わりが必要だと思います。本人が自分を理解してくれる人がいると感じ、明るく前向きになれるのだと思います。支援者の人の心が広く寛大であり、本人も自分を見守ってくれる人がいるということで、少しでも自殺願望が軽減していくのではないかと思っています。とにかく、親や身近な支援者がいかに幸福な気持ちでゆとりを持って接することができるかが、本人の心を落ち着かせ、穏やかになれるのではないかと常に思っております。 

 

小保方会長 

労いの言葉、大切ですね。 

 

中山委員 

資料3の方に戻りまして、様々な取り組みをなさっているということで、本当に頭が下がる思いです。ただ、これだけいろいろな取り組みが分かってもらえていないのかなということが残念であると思いました。YouTube動画は、広報に載せているのですか。 

 

加藤木係長 

ホームページの方に載せております。あとは前橋市の公式YouTubeチャンネルの方に載せてあり、そこにアクセスをすれば見られます。 

 

中山委員 

広報を見ているだけの人は動画を見られないということですか。 

 

加藤木係長 

広報にはまだ動画の案内は掲載していないかと思います。ロングバージョンの動画に関しては、ちょっと確認しないと分からないのですが、ショート動画に関しては広報に載せたことはないです。 

 

中山委員 

それから、まえばし元気フェスタで、うちの団体のチラシやポスターは配ってもらえるのでしょうか。 

 

三田保健予防課長 

来年も元気フェスタをやるようなお話は聞いておりますので、主催者側の意向もあるかと思いますが確認はします。 

 

中山委員 

ぜひ一緒にやらせていただければと思います。 

 

小保方会長 

前よりも活動が見えるようになってきたのはいいなと思いますが、あまり労われていないのではないかという意見がありまして、周知されていくというのはこれからですね。 

 

櫻井委員 

小学生で自殺となるような子はいなかったのですが、不登校とか、教室に入れないけど学校には来られる、集団で過ごすのが難しいので別の部屋で過ごす子たちがいます。以前はコロナ禍のせいかと思っていましたが、その子たちを見ていると、理由はないのです。これが嫌だから教室に入れないということではなくて、なんとなく入れない、行けないと言って、何年も学校に来られなかったり、朝だけ来る、もしくは放課後だけ来る子たちを見ています。保健室でも一緒に過ごす子も過去にはいたのですが、他の本来の発熱者の対応とか、あとは怪我の対応とか、学校の規模が大きくてそちらに追われたりしていて、そのような子たちに、向き合う時間が少なくて、私もどうしたらいいかなってずっと悩んではいます。答えはないと思うのですが、理由のない子たちへの対応はどうしたらいいのかなと毎年感じていますが、何か教えていただけるとありがたいなと思います。 

 

小保方会長 

理由のないこどもたちは、理由なくその保健室などにお見えになるとか。 

 

櫻井委員 

理由なく教室に入れなかったり、不登校になってしまったりして、保護者の方も我々教員も、どうして、どうしてと聞くのですが、長い時間かけて探ってみても、本人も分からないと答えていて、本人自身も理由が分かってない子が非常にここ近年多いんですよね。だから、原因があれば、原因をどうかすることはできると思うのですが、原因がないので、どうしたらいいかなと思っていて、対応が難しい年齢であると思っています。 

 

大小原委員 

私の考えは、不登校はいのちを守っていて素晴らしい人であると言っています。不登校になる理由が分からなくて、なんとなく空気を感じて、自律神経が反応して、丸くなって学校を休んでいる。自律神経が反応する場合は、不登校になれるということを、テキストを使って今全国で行っています。だからこそ、なんでと聞いても答えられないから、空気って言いますね。相談に行ける人はいいけど、行けない人もいっぱいいるので、空気は見えないからこそ、空気を変えるためにコミュニケーションで、友達同士とか、職場とか家庭とか、みんなが落ち込んだ人に気づいて声かける人を増やす活動をやらせてもらっています。藤岡・高崎の学校や教育委員会の先生向けにも行っています。前橋でもやっていただけるとありがたいです。 

 

小保方会長 

病院にも理由が分からなくて来る人がたまにいるのですが、こちらとしてはなんで来ているのかと思ったりする時もありますが、そのままでいいよって感じで対応しています。ただ、会っているとだんだん心が溶けてきて、お話をしてくれる時期が後で来たりすることもあるなと思って今聞いていました。 

 

加藤木係長 

保健予防課では、ひきこもりの相談を平成26年頃から行っておりまして、その中で、ひきこもりの家族からの相談が多くあります。ひきこもりの方の経験者の方の6割ぐらいは過去に不登校経験があったりします。相談の中で、不登校ってわけはないけれども、ひきこもる若い子たちもいたりする中で、その対応が結構難しい場合も多くあります。ひきこもりで考えたときに、ひきこもりの原因はなんなんだろうかというのは、よく家族が疑問を持つのですが、なかなか原因を探っても原因は分からないことは多い状況です。その原因のところにパワーを注ぐと、そこに全部パワーを持っていかれてしまうので、別のことを考えていきましょうといった感じの家族教室のプログラムをこちらで行っております。ひきこもりの対応というわけではなくても、メンタルヘルスやSOSのことであるとか、養護教諭の集まりの中で、メンタルヘルスに関し何か一緒にお勉強する機会やお時間がいただけるようであれば、出前講座等こちらの方もご協力していけるところもあるかもしれないので、またお声がけいただければと思います。 

 

新井委員 

警察では特にこの自殺について、亡くなった方の原因を把握していくのは刑事部門なのですが、現場に遺書があるか、うつ病の通院歴があるか、そういったところから、事件か自殺かを判断しています。生活安全課では相談を受けていますが、自殺に関する相談の場合は早期に適切な医療が必要であると思っています。全然医者にかかってなくて、ずっと死にたいと思って亡くなる方もいらっしゃると思いますが、早期に医療機関に診てもらうことが1番であると、私は警察官をしていて思っています。そのような方を警察が見つけるということは、とても大変なことですが、自殺企途された方、自殺未遂をされた方については、警察から、そのご家族や、周囲の方に、早期に受診をするよう働きかけをしております。 

 

磯田委員 

自殺対策について、特効薬がない中で、様々な対策をされていて、色々と苦労されているということが伝わってくると思います。 

私の失敗談ですが、自殺とは違いますが、相談カードに関してなのですが、私は警察本部の少年課にいた時にこどもの悩み相談をよくやっていてこどもに関する、親御さんの悩み相談を、移動バスを使って、そのバスの中で相談を行っていました。通常思いつくのが、人が多いところで、けやきウォークやイオンなど、色々行かしてもらいましたが、バスを置いて、色々専門医の方を置いて相談を受け付けていますと言っても、全然相談が来ないんですよね。当然です。イオンなどには遊びに来る人が来ていて、こどもの相談とかはしないのです。だから、我々の考えていることと、自殺を考えている方の間には、温度差があって、我々このメンバーで考えていること以上なのか、以下なのか差があると思います。 

この相談カードを置くところも、ハローワークに置いたら、仕事の悩みがくるとか、トイレに置いたら非常にいいというのは分かります。もっと尖って考えると、例えば、自殺するにはどうするかと考えて、私だったらロープを買うと、では、ロープだったらカインズホームのロープ売り場のコーナーの棚のところにカードを置かしてもらうとか。あとは、前橋は自殺の名所があるかどうかは分かりませんが、屋上とか高層ビルの屋上に踏みとどりませんかといったようなポスターを貼ってみるとか、多分そういうことだと思います。だから、多分レジ横に置いても、多分取らないと思うのです。多分カードが減らないと思います。自殺をする人の立場に立って、病院や無料で行ける公民館とか、コミュニティ施設のトイレであればカードを取りやすいと思いました。 

私も少年課にいた時は、こどもの悩みの相談の掲示は、やっぱり人目につかない公民館のトイレだとか、普段のチラシを置く場所ではなくて、あまり人目に触れないようなところに置かしてもらっておくと、やっぱり捌けるんですよね。カードが捌けたからと言って、それが効果があるか否かっていうのは分かりませんが、尖った感じでやるといいのかなと思いました。 

 

大小原委員 

相談に行きにくい人についても友達同士の声かけというところで、小学校高学年から出前講座を行っていますが、小学生が授業の最後の時に、感想を言ってくれました。元気な子は、相談に行きます。元気がない子は相談に行かないから、友達同士のこのような声かけが大事ですと言ってくれました。みんな気にはなっているんだけれども、声のかけ方がわからない。頑張れしか教わってないので、頑張れ以外の声かけを広めることがみんなでできると良いと思っています。 

 

狩野委員 

広報の話ですね。各自治会に月に1回、市から地区の公民館、サービスセンターを経由して各自治会に大量に、広報まえばし以外にも、いろんな回覧する配布物が届いて、それを1時間もかけて仕分けする作業を毎月やっています。 

広報は全戸配布なので、そこにぜひ、先ほどの二次元コードを載せていただくのがいいのかなと思いました。せっかく集まっているわけですから、話し合いで終わらせずに、行政の方でもすぐに改善できることがあればやっていただきたいと思いますので、まず二次元コードを早速載せていただければと一自治会長からのお願いです。 

また、このカードですけど、本当に的確なご意見が出まして、ただ置いてあってもしょうがないですよね。取りに来させる、見に来させるんじゃなくて、どうしてもここに通ったりとか見たりといった、そういう状態を作り上げてあげないと、本当に悩んでいる方には何も響いてこないんですね。それなので、また自治会の方の話になりますけど、カードを自治会経由で、配布するっていうのは難しいですからね、相当な枚数になりますけど。 

そうすれば、ひきこもっている方々のところにも届くはずですが、いかがですか。もしカードの方が費用かかるようでしたら、書面やA4サイズの用紙だっていいし、とにかく届けてあげるということは大事だと思います 

 

三田保健予防課長 

検討はさせていただきたいと思います。 

 

狩野委員 

できることはぜひすぐにやっていただいて、ちょっと無理があるようであればまた検討していただいてと思いますので、よろしくお願いします。 

 

加藤木係長 

広報の方では、毎年3月は自殺の強化月間ですので、必ずメンタルヘルスや自殺に関する特集のページを組んでおります。その中で、相談先などの周知を行っております。 

 

狩野委員 

我々いろんな約束があって集まっているわけですけど、色々仕事もしていたりとか、大切な家族を持ったりしているわけですよね。ただ、何が重要かって命なんですよね。命があるからこういう時間も取れる。命がなくなってしまえば全てが終わってしまうっていうところの観点から、ぜひ毎月それを載せてもらえないですかね。他のことは掲載しなくてもいいので、なぜなら命が1番大事だからなんですけど、いかがですか。 

 

加藤木係長 

それは、広報の担当課と打ち合わせしないといけないところかなと思います。保健予防課の方で毎月発信しているのは、広報の少ないページの中で、休みでない限りは必ずひきこもりの家族教室とか、ひきこもりの当事者向けのひきこもりラジオ、精神保健福祉相談、うつ病ココロの相談+に関して、紙面を抑えて載せてもらっています。 

 

狩野委員 

こういった部分を重要視していただいて、カラフルに、目立つように大きく、できる限り毎月ね、掲載してもらえればと思います。 

 

小保方会長 

そういったひきこもりの対策など広報に出ているんだけれども、命を守るというところと結びついているというメッセージがあった方がいいということかと思いました。 

 

高木委員 

介護保険ではよく居場所作りは大切で、社会交流と2本立てなんですが、家庭でゆっくりできる居場所、あと家族がゆっくりできるような居場所というのは、街中でもあればちょっと寄って、少し穏やかな雰囲気になるのかなと思いました。居場所があれば重要視していただければと思います。 

 

小保方会長 

それでは、時間もありますので、これで議事につきましては終了としたいと思います。委員の皆様におかれましては、円滑な議事進行に協力をいただきまして、ありがとうございました。それでは、議長の役を降ろさせていただきます。進行を事務局にお返しいたします。 

 

5 その他 なし 

 

6 閉会 

大西保健所長 

保健所長の大西でございます。本日は、ご多忙の中、本協議会に出席をいただき、活発なご議論をいただきまして誠にありがとうございました。 

小保方会長、大谷副会長につきましては、議論しやすい方向に進めていただきまして、改めて感謝申し上げます。本日の議論で他方面の方から様々な貴重なご意見、ご質問、ご提案、情報提供等を賜り、本市の自殺対策を進める上で色々な気づきを得ることができました。 本日の協議会で得た学びを本市の自殺対策に反映させるよう努めてまいります。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。以上、簡単ではございますが、閉会の挨拶とさせていただきます。本日は誠にありがとうございました。

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更新日:2024年12月27日