令和7年度第1回前橋市みんなですすめる歯と口腔の健康づくり連絡会議

審議会名

前橋市みんなですすめる歯と口腔の健康づくり連絡会議

会議名

令和7年度第1回前橋市みんなですすめる歯と口腔の健康づくり連絡会議

日時

令和7年7月24日(木曜日) 午後1時30分 ~午後3時00分

場所

まえばし医療センター 2階共用会議室

出席者

(委員)
高松委員、道下委員、堀口委員、瀬下委員、瀬戸委員、田中委員、佐藤委員、鳥居委員、木下委員、藤本委員、持田健康部長、大西保健所長、高松教育委員会教育次長

(関係課)
(社会福祉課)本間課長、(長寿包括ケア課)笹本課長、(障害福祉課)田村課長、(こども支援課)浜名課長、(こども施設課)山口課長、(保健総務課)三田課長、(国民健康保険課)生方課長、(教育委員会総務課)高橋課長、(教育支援課長)安藤課長

(事務局)関沼健康増進課長、市田課長補佐、唐鎌副主幹、関副主幹、亀山副主幹、安藤主任保健師、竹内主任保健師、星野会計年度任用職員

(傍聴者)
なし

欠席者

(委員)鶴田委員、角張委員
 

議題

1.議事

(1)令和6年度実績・令和7年度実施計画(各課報告)

(2)令和7年度前橋市歯科保健年報

(3)3歳児健康診査における歯科健診結果について

(4)成人歯科健康診査受診率向上のための取組について

(5)前橋市オーラルフレイル予防事業について

  2. 意見交換

「乳幼児期からのかかりつけ歯科医院をもつきっかけと定期受診への導き方」

  3.その他

  4. 閉会

 

会議の内容

1 開会(司会:健康増進課長)

2 挨拶

(健康部長挨拶)

この会議は、平成26年に制定された前橋市みんなですすめる歯と口腔の健康づくり条例に基づき、歯と口腔の健康づくりを推進することを目的に設置された。歯科保健医療関係者の皆様をはじめ、多くの関係機関、団体の皆様のご協力のもと、今年度で12年目。これまでの皆様のご尽力に改めて感謝する。市民の皆様が健やかに暮らしていくためには、歯と口腔の健康が極めて重要な基盤。各ライフステージに応じた切れ目のない支援体制の構築が求められ、本会議はその中核を担っている。今後も委員の皆様と連携を深め、歯と口腔の健康づくりをさらに推進していきたい。

3 自己紹介

各委員が名簿順に自己紹介(団体・氏名)した。

4 会長選出

「前橋市みんなですすめる歯と口腔の健康づくり連絡会議設置要綱」第5条より会長を互選により選出。事務局一任の意見により、会長に高松委員が選出された。

(会長挨拶)

幼少時の口腔の健康が重要であることは言うまでもない。昨今、歯周病と全身の疾患、特に糖尿病との関連が話題となっている。その中で加齢による心身の虚弱状態であるフレイルという言葉も聞くかと思う。放っておけば、要介護状態となるが、それに拍車をかけるのがオーラルフレイル。全身の健康のためには口腔の健康が重要。この会議は市民の方々の歯科口腔保健を考える重要な場であるため、委員の皆様にはご協力をお願いするとともに忌憚のないご意見・ご質問をいただきたい。

 

5 議事

(1)令和6年度実績・令和7年度実施計画

(2)令和7年度前橋市歯科保健年報について

(議事(1)については、社会福祉課・長寿包括ケア課・障害福祉課・こども支援課・こども施設課・保健総務課・国民健康保険課・教育委員会総務課・教育支援課・健康増進課から資料1により説明。議事(2)については、健康増進課から資料2により説明)

(堀口委員)

離乳食について不安を持つ保護者が多い。こどもの口腔機能が発達する段階できちんとした咀嚼・嚥下ができないこどもの相談が増えており、きっかけとして離乳食が重要。1歳6か月児健診や3歳児健診等で口腔機能の発達に応じた指導が必要。1歳6か月児でいえば、前歯や乳臼歯の有無によって変わってくる。指導状況はどうか。

(こども支援課歯科衛生士)

健診時での個別指導や月齢に応じた離乳食講習会を開催しており、管理栄養士と歯科衛生士で相談に応じている。

(堀口委員)

個別指導が大事になってくるため、健診後の刷掃指導で発達に応じた指導ができればよいと思う。

(高松会長)

今まではう蝕のみだったが口腔機能低下症が言われるようになった。離乳食講習会でも指導していただけることは有意義な事業である。

(道下副会長)

産婦人科医であり妊婦歯科健診結果に関心がある。ポスターを持参したが、こちらは日本歯科医師会と日本産婦人科医会のタイアップで作成した啓発ポスター。外国人の妊婦も増えているが、皆様には今後も妊婦歯科健診の周知にご協力いただきたい。

(高松会長)

歯と口の健康週間における図画ポスターについてだが、前橋市で最優秀賞となった方が、群馬県でも最優秀となった。7/25~7/28まで群馬県庁1階に展示されている。お時間があれば足を運んでほしい。

(3)3歳児健康診査における歯科健診結果について

(議事(3)については、こども支援課から資料3により説明。)

(高松会長)

むし歯が減った分、咬合異常が増えている状況。咬合異常の原因は様々だが、原因を特定して大人の咬合異常を防ぐ必要がある。

(4) 成人歯科健康診査受診率向上ための取組について

(議事(4)については、健康増進課から資料4により説明)

(高松会長)

成人歯科健診の受診率については、以前からの課題。受診再勧奨はがきで対象となった、50歳、60歳の受診率が上昇しており、効果が出ている。継続していけるとよい。

(高松委員)

受診率の目標値はいくつか。また企業での健康教育時に周知とあるが、どの程度の企業にどのようなアプローチで周知予定か。

(健康増進課)

受診率の目標値については、健康まえばし21の目標値にもなっており、歯科保健年報に記載されている。妊婦歯科健診の目標値は50%、成人歯科健診の目標値は7%としている。企業での周知については、まず健康教育に呼んでいただいた企業で周知している。今年度では、まだ3社程度への周知であり、企業での健康教育自体も増やしていくことが課題となっている。また、企業への健康情報を発信しており、まえばしウエルネス通信を、毎月、まえばしウエルネス企業に登録している360社へメールで配信している。6月には歯の健康について周知しており、11月にも歯の健康や受診勧奨等の内容を周知する予定。

(高松委員)

例えば産業政策課や商工会議所などと連携しながらアプローチしないと目標達成が難しく感じる。自身では3か月ないし半年ごとに歯科医院に通院しているが、歯科受診が習慣化することで8020運動にもつながる。

(高松会長)

企業への啓発については、前橋市歯科医師会では昨年商工会議所を通して中小企業への歯科健診を啓発している。ポスター配布や講座開催等も行うが企業の反応が薄いところもある。前橋市歯科医師会として、今後も努力していく。

(堀口委員)

学校歯科医師会としては、教育委員会と協力して中学生の刷掃指導に力を入れている。中学生は成長ホルモン等の影響で歯肉炎が増加しやすい年齢で自我が発達する時期でもある。この時期に歯肉炎について知ってもらい、その先の歯周病の発生率を抑えることにつながる。歯周病は生活習慣が大きく関係しているため、適切な歯磨き習慣や生活習慣を身につけることが将来の自分の健康を自分で守ることにつながる。成人歯科健診受診率向上のための多岐にわたる取組に感謝すると同時に、刷掃指導も将来の受診率向上につながれば喜ばしい。

(5)前橋市オーラルフレイル予防事業について

(議事(5)については、長寿包括ケア課から資料5により説明。)

(道下副会長)

オーラルフレイルになってしまったときの対処法があればお聞きしたい。

(高松会長)

噛んだり飲み込んだりがうまくできなくなる状態。状況にもよるが、噛み合わせが崩れることが問題の一つ。歯を喪失した場合にはそれを補う義歯の装着、飲み込みには首回りの筋肉を鍛えることが有効。

(堀口委員)

オーラルフレイルは身体のフレイルと関連している。口だけに限らず体幹や全身の筋力が関係するため、全体的に見る必要がある。

(高松会長)

オーラルフレイルが身体の虚弱を助長させるのは、まず噛む機能が低下して噛めなくなる。そうすると食べるものは柔らかいものばかりになる。身体の虚弱は筋肉量の低下が大きな原因であるため、高蛋白質の肉を噛めなくなると負のスパイラルとなる。自分自身、噛む力で歯が欠けてしまったが義歯を装着するのとしないのでは大きく異なることを経験している。

 

意見交換

(高松会長)

テーマを決めて意見交換をする。今回のテーマは「乳幼児期からのかかりつけ歯科医への受診のきっかけと定期受診への導き方」を提案する。乳幼児期は口腔機能の形成期で、早期からかかりつけ歯科医院を持ち、定期的に健診を受けることでむし歯予防につながる。

歯科保健年報に歯科受診経験に関するデータがある。1歳6か月児健診では3割程度にとどまる。また、受診経験者の中には一度だけの受診の方もいるかもしれないため、この割合がかかりつけ歯科医がある人とは限らない。そこで乳幼児期から歯科医との関係を築くことの重要性の周知と、保護者が定期受診を習慣化するための支援方法について意見をお願いしたい。

(田中委員)

保育園では、毎年歯科健診を実施している。担当歯科医から以前よりむし歯を持っているこどもは少なくなってきているが、噛み合わせが心配なこどもが多くなっていると伝えられている。

市で1歳6か月児健診、2歳児歯科健診、3歳児健診を実施しているが、健診後の指導として、歯科医の受診に向けた指導を実施しているのか聞きたい。

(堀口委員)

学校での健診を実施する立場として回答する。学校歯科医は臨時教員という立場となる。学校歯科医の業務として、健診業務の他に健診に基づいた保健指導がある。その中で受診勧告を実施している。担当歯科医と連携して、問題があった子には受診してもらえるような指導があると良い。

(佐藤委員)

以前に幼児教育に関する討論会の中で、参加者から「離乳食を与えるときに息を吹きかけて冷ましてはいけないと教わったことがある」と発言があった。しかし、子育てをするときにこどもと直接肌を合わせて育てることは、幼児教育にとても大切と考えている。妊婦歯科健診のポスターにあるように幼児期のうちに親自身が歯の病気をしっかり治療することが大切と感じる。幼児期からのかかりつけ歯科医の議題であるが、子育てをする保護者自身が、かかりつけ歯科医を持つことが必要であると思う。

(鳥居委員)

1歳6か月健診や2歳児歯科健診、3歳児健診など集団で実施されると行きやすかったり、学校で健診を受けて、「むし歯あり」の通知を受けて歯科医に受診したりする人が多いと思う。現在、夫婦ともに働く家庭が多く、こども達も習い事をしている場合が多いため、歯科医院へ行く時間が限られる。周りの保護者からは、歯科医院での待ち時間が長く、受診しづらいという話を聞く。難しいとは思うが、待ち時間の問題が改善されると、かかりつけ歯科医での定期受診につながるのでは、と感じる。

(高松会長)

コロナの時は感染予防のために待合で待たないような体制を作っているところも多かったが、今はコロナ後ということで予定を詰めすぎてしまっている歯科医院もあるのかもしれない。歯科医師会としても、待ち時間を改善する働きかけの必要性を感じた。

(木下委員)

長く同じ歯科医院に受診している。きっかけは待ち時間にこどもが遊んでいられると、知り合いに教わったから。かかりつけ歯科医があるのは安心。歯は生え変わるが、大人の歯になったら、一生使っていくということを教えていく必要がある。生え変わる前の乳歯も、むし歯になれば永久歯に影響する。歯は一生使う、生きるための道具なんだと私は思っている。永久歯になったら、ますますケアをして守っていくということが大事。今はインプラントも話題に上るが、インプラントが万能ではないという話しも聞く。自分の自前の歯をきちんとケアして守っていくというのが大切であるので、そこを一番強くこども達、大人にも訴えてほしい。介護の経験の中で、上の歯が義歯になる人が多いように感じた。それは何故か。

(高松会長)

歯の大切さの啓発が一番、とのご意見だった。

上の歯が義歯になる人は確かに下の歯よりも多い。理由は二つ考えられる。一つ目は歯みがきなどのケアのしやすさ、2つ目は力の関係で、上の前歯は下の前歯に突き上げられている。奥歯の喪失で噛み合わせがなくなったときに、前歯は上の歯が下の歯に力で負けてしまう。

(藤本委員)

3歳児から通うかかりつけ歯科医がなかったため、自分の経験では難しい。歯が痛くならないと通院しなかったというのが私の反省点。今後の取組で、おくちげんき教室が保育園等で実施されているので、その発展として歯の健康がいろいろな健康につながることを小さい頃から紙芝居などを通して教育されれば、興味を持ってもらえるかなと考える。

(瀬戸委員)

自身のこどもは小児歯科にかかったのをきっかけに、大学生の時も同じ先生にかかり、定期受診が続いていた。小児専門の歯科があると、通い始めやすいのではないかと思った。

(高松会長)

確かに小さいうちから同じように小さなこどもが沢山いるようなところであると受診しやすいかと思う。前橋市には比較的小児歯科が多い。検索すると何件か該当する歯科医院があるかと思う。

(瀬下委員)

低年齢児の歯科受診に関しては、自分で歯科医院へ行くことができないので、動機付けとしては保護者へのアプローチとなる。歯科受診の経験の割合とむし歯の本数のデータから、予防歯科で受診されている方が前橋では比較的多いと考える。小児医療センターの業務では、一般の開業医に受診をして、その後に医療センターへ受診するこどもは5歳以下が多い。仕事で相談を受けていると、歯科医療者側の課題として考えるものもあると感じている。一般の歯科医院に受診をしたところ、泣いてしまったため、次は3歳になったら来院するように言われたという話もあった。待ち時間の長さに関しても、歯科医療者側の改善を行うことが必要。

同時に1歳6か月児健診のときに、保護者へどのような指導を行ったら、かかりつけの歯医者さんに行けるかを考えていかなくてはならない。保護者にどのようにお口の中に興味を持ってもらって、歯科受診へ導くかが重要。議事3において、堀口委員からの発言であったように、離乳食ではお口の中の歯の本数を見て、離乳食の形態を考えるのと同じように、歯ブラシも月齢で選ぶのではなく歯の本数で選ぶ。1歳6か月児健診では前歯のみのこどもがたまにいる。そういったところを見ながら指導を行っていくことも必要。

小さい頃からずっと通えるかかりつけ歯科医を持って関わっていける環境と、お口に関して興味をもってもらえるような健診を行っていければ、かかりつけ歯科医での定期受診につながるのではと感じた。

(堀口委員)

歯科医師会として歯科医院受診に対するハードルをなるべく下げて、予防歯科を広げていけるよう努めていきたい。

(道下副会長)

こどもが生まれる前の妊婦歯科健診で、歯科受診への意識づけをして通っていただけるようになると、産婦人科医会としてもありがたい。

(高松会長)

成人歯科健診受診率に関しても、乳幼児期の保護者の年齢と重なる20代、30代は受診率が低い。周知啓発で保護者の意識を高めていくべき。こどもの歯と口の健康に関する教育環境を整えていくことが必要となってくるかと思う。本日いただいた意見を基に市の歯科保健の推進に役立てていただきたい。

6 閉会(司会:健康増進課長)

以上

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更新日:2025年09月02日