国指定天然記念物岩神の飛石の調査結果について

平成25年度から平成27年度まで行われてきた国庫補助事業の中で実施されてきた様々な科学的調査(文化庁長官による特別な許可と所有者の承諾を得て実施)により、この度「浅間山方面由来の岩石」であることが明らかとなりました。

国指定天然記念物岩神の飛石の写真

内容のあらまし

(1)岩神の飛石について

国指定天然記念物岩神の飛石は、利根川左岸にある周囲70メートル、高さ10メートルの巨岩であり、火山噴火の噴出物が泥流により運ばれたとされているものである。昭和13年12月14日の指定時より「赤城山の噴火によるもの」と考えられていたが、巨岩が御神体であるため、科学的な分析調査が実施されたことが無く、最近は浅間山の噴火により形成された岩石であるという説もでている状態であった。

(2)環境整備事業における調査

平成25年度から平成27年度の国庫補助事業において、不明瞭だった飛石の来歴についても化学的データに基づく調査を行うこととなり、岩石成分分析調査が実施された。分析調査では、文化庁長官の特別な許可及び所有者の承諾を得て、採取された試料をもとに、肉眼及び顕微鏡による岩石記載、化学組成分析、鉱物化学組成分析そして熱ルミネッセンス年代測定などを実施してきた。また、飛石の地下部分の層位を確認するためにボーリング調査を実施し、前橋泥流との関係も検証してきた。加えて、類似性、関連性のある岩石採取も、利根川沿い、赤城山麓、吾妻川沿いから浅間山方面にかけて県内外各地で実施してきた。

(3)岩石成分分析調査の結果

3年に亘るこのような調査で得られたデータの比較検証等を行った結果、岩神の飛石は、約2万4千年前頃の浅間山の噴火によって発生した前橋泥流が、吾妻川沿いに当地まで流れ下ってきた際に運搬された岩石であり、加えて、その岩石が成分的に浅間山方面を給源とする岩石であると判明した。

(4)今後の方向

 これにより、国指定天然記念物岩神の飛石の文化財データベースの説明に、今回の調査報告の内容が反映されるように、文化庁と協議する予定。
 3ヵ年の一連の環境整備事業の結果を受け、今後はどのような保存策をとり、どのような体制と方法で活用を図っていくかを地域・学校、専門家と連携しながら「保存活用管理計画」を策定していきたいと考える。

  • 「国指定天延記念物岩神の飛石環境整備事業報告書」は以下リンク先からダウンロードできます。添付のPDFファイル(サイズ小のため画質が多少劣ります)からもご覧いただけますのでご利用ください。

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更新日:2019年02月01日